ブルーアーカイブ 実績「楽園を信じる者」及び「闇の中で照らされて」取得RTA闇堕ちチャート   作:狐玄

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 変わる生活、増える仕事、親戚との集まり、別ゲーでの推しの実装。ンギィィィィ↑!遅れに遅れましたわ~~~!!!オファー↑ック!!でも絶対にヒナちゃんを泣かすという意志とモチベは微塵も無くなってはいないので安心なさって!!

 仕込みとは言ったが純♡愛しないとは言ってない。
 最初は投稿遅れたし溜まりに溜まった欲望(純愛)をちょっとくらい本編に混ぜても……バレへんか!っていう感じで純愛を本編(コップ)に注いだんですよ。そしたら蓋がバカみたいな音出しながら粉微塵になっちゃったんですよ。アッアッアッ……当然注いでる状態で蓋が無くなったら注がれる量も多くなりますね?
 つまり何が言いたいかというと、私にしては今回文字数が多めです。あと純♡愛してます。前回が3000文字くらいで今回は……8000字!?うぉっ……でっか。バカかな?


「大切な、お友達」

 

モモトーク

 

「も~」

「ナギちゃんもセイアちゃんも頭が固いな~!」

「どうかしたの?ミカちゃん」

「あっ」

「ごめんね!」

「大したことじゃないの」

「ただ、ちょっと会ってお話したくて」

「時間が無ければ全然いいんだけど」

「全然大丈夫だよ!」

「いつもの所?」

「えっ」

「うん」

「わかった!ちょっとまっててね!」

「……えっ?本当に来てくれるの!?」

「モナちゃん?」

 

 

 

 トリニティ自治区郊外、閑静な街並みに佇む喫茶店。

 そこは生徒があまり訪れず、周りの常連客が時たま来るだけの店だ。何故これで経営が出来ているのかモナには知る由もない。だが、敵対的な学園の生徒と会うのにこれほど適している店はそうないだろう。

 ただでさえ今は連邦生徒会長が推し進めているエデン条約のおかげで皆浮足立っているのだ。公開するならば、エデン条約が締結されてからだろう。それまではエデン条約に予期せぬ影響を与えかねない。エデン条約に期待する生徒にも、良く思わない生徒にも、良くも悪くも大きな影響が出ると予想される。徒に彼女たちを刺激しない方が良いとはこれから会う少女の言葉だ。

 

「……あっ、本当に来た!?」

「来たよ。それで、どうかしたの?」

 

 喫茶店に入り、視線を巡らせれば落ち着いた店内に似つかわしくない煌びやかな生徒が一人、奥の座席に座っていた。

 淡い桃色の髪と純白の翼を持つお嬢様然とした様子で紅茶を嗜んでいたその少女――聖園ミカは目を白黒とさせ、驚いている様子をモナに見せた。その様子を微笑ましく思いながらも、モナは同じ席に座り話を促す。

 

「いや、そのね……?別に用事があったわけじゃなくて」

「ただ……愚痴を聞いて欲しくなっちゃって」

 

 ミカはそう、申し訳なさそうにこちらの顔を伺う。

 なんだそんなことか。モナは当然という風に言葉を返す。

 

「もちろん良いよ!だって私達、お友達だもの!」

「……お友達!えへへ☆そうだね!」

 

 モナの返事を聞いた彼女は、花の咲いたような笑顔を見せた。それは年相応の少女の、あどけない笑顔だった。

 彼女はこれでもティーパーティー、トリニティの生徒会長の一人だ。周りからの視線を考えると気軽に友人を作れなかったのだろう。彼女に柵がどれだけあるのか、今のモナには計り知れない。

 けれどもモナは、そんな立場や柵に囚われている友人が己に見せる心からの笑みが、何よりも好きだった。自分の信じた相手が信頼を返してくれている、心の内をさらけ出していいと安心してくれている。それが分かるのが、モナにはとても、とても嬉しいことだったのだ。

 ――もちろん立場や柵がなくとも彼女が大切な友人なのは変わらないが。

 

 その笑顔を目に焼き付けながらミカの言葉に耳を傾けようとしたその時、不意にモナの瞼の裏に見知らぬ情景が映りこんだ。

 

 

――お友達……だったのにね。

 

 それはどこなのか。いつなのか。何も分からない。視界も不明瞭な中分かるのは目の前に印象的な桃色の髪をした少女がいるということだけだ。

 聞こえた声は私もよく知る彼女――先程まで目の前にいたミカのものだ。

 

 ()()()()()()()。ここ1年で時たま見るようになった夢のようなもの。私は、()()をそう認識している。

 見るのはいつも悲劇だ。悲しくて、苦しくて、憂鬱になるような……それでいて、唯々後味だけが苦い……そんな夢のようなもの。けれど、それを夢と言い切るにはあまりにも鮮明で。感触も、匂いも、音も。そのどれもが実際に起きたかのように思えてくるほどの衝撃を私に与えてくるのだ。

 ああ、恐ろしい。もしこれが現実になってしまったらと思うと、怖くて怖くてたまらない。

 夢だと断じるのは簡単だった。けれど、けれどもそうするにはあまりにも記憶が鮮明過ぎた。なにせそれは、そう遠くない未来に起きるかもしれない程、直近の出来事と繋がり過ぎていた。その内容の通りに進めば、確実にそうなるだろうという確信が持てるほどに。だから私は、目をそらすわけにはいかなかった。そうならない為に、そうしない為に。選択を、間違えない為に。

 

 今回はなんだ?何が起きている?――なぜ彼女は笑いながらも泣いている?

 眉間に皺が寄り、眉は八の字になり目は見開いている。濁流のように零れ落ちる涙は狂ったように上がった口角に曲げられ下に落ちる。それはまるでこの捻じれて歪んだ終着点までの流れのように。

 泣かないで、ミカ。私はそう彼女に手を伸ばそうとする。たとえ理由が分からずとも、大切な友人が泣いているのだから。

 しかし……その声も、その手も。形になることは無かった。

 

――ごめんね、ごめんね……!私が、私がバカだから……!

 

 そこでふと、気付く。自分は今、ミカの腕の中にいると。彼女に抱きしめられていると。

 頭の中でバラバラだったパズルのピースが次々とはまっていくように、自分の体のことが分かっていく。手足がもう動かないこと、全身がボロボロなこと。体のあちこちから血が流れ出て、……もうすぐ、命の灯火(ヘイロー)が消えてしまうこと。

 周りの景色も見えてくる。紅い空、辺りは無数の瓦礫に覆われ、天の頂きから崩れていく遠くに見える塔――サンクトゥムタワー。

 現実では無いとはいえ衝撃的な景色だ。しかし、不思議なことにそれを見た私の心は落ち着いていた。

 ……何故だろうか?それはきっと、目の前で泣いている(友人)がいるから。あの子(ミカ)はとっても強い、けれど、とても弱い。だから、私が。私がこんな無様を晒しているから、泣かせてしまったのだろう。そんな顔はあなたには似合わない。無邪気で、純粋で、それでいて思いやりもあって。あなたには笑顔でいて欲しい。私のことなんかよりも、あなたのことの方が大事だから。

 

――私がもっと、あなたのことを気にかけていれば……!

 

 途端、流れてくる景色の数々。それは、この状況に至るまでの過去(未来)。違う、違うんだ……ミカ。あなたのせいじゃないんだ。これは、私のせい。私が弱かったから、私が選択を間違えたから。だからどうか、泣き止んで。

 そう、言いたかった。出ない声、動かない手足。それでもと私は力を振り絞る。

 

『ミカ……ちゃん……』

 

 結局、今は居ない大人(私の理想)のようにはいかないらしい

 

――……!ごめんなさい……!私のせいで、あなたが……!!

 

 あの大人(■■)が、全ての鍵なのだろう

 

『いいの……私は……』

 

 私には、無理だった。

 

――でも、でもっ……!!

 

 だから、今度は死ぬ気で守ろう

 

『私が……こうなるべきだから……』

 

 ああ、身体の全てが痛い

 

――そんな!そんなことないよ!!

 

 でも、構わない

 

『これは……っ……私が背負うべき……ものだから……』

 

 あなたの笑顔が見れるなら

 

『あなたの……せいじゃ……ないんだよ……』

 

 あなたの心を守れるなら

 

『だから……』

 

 私は、私の出来る限りを捧げよう

 

『どうか……生きて……』

 

 その願い(呪い)のために

 

――……!

 

 息を呑む声が聞こえる。もう、目は見えない。

 

――うん、わかっ……たっ……☆

 

 その声は、酷くしわがれていた。まるで、何か溢れそうな思いを噛み殺しているように。

 

 

「――モナちゃん?……大丈夫?具合悪かった?もしかして、私が無理言ったから……?」

 

 意識が、浮上する。ああ、そうだ。現実を確認する。ここは喫茶店の中、ミカとの会話中――()()を見た。結局、今回も何故こんなものを見始めたのかは分からなかった。けど、初めて見た希望があった。奇跡への、始発点が。それまでは、希望なんてなかった。見るのは悲劇だけだった。全てが無意味で、全てが無に帰す。そんな物語。

 その中で、その人は輝いていた。名前も、所属も、何もかもが分からない。しかし、確かにモナの理想だった。『信じる』ということ。『信じられる』ということ。その思いの結晶が。

 ……けれど、記憶の中のその結晶は壊されてしまった。『私』では守り切れなかった。だから今度こそ、守らなければならない。それが、輝きの足りないモナにできる、精一杯のことだから。私の望む奇跡を、起こせる人だから。

 あの人が、あの大人がいつ来るのか。それは分からないけれど、やるべきことは決まった。

 

 少々、思考に没頭し過ぎていたみたいだ。ミカを安心させる為に、モナは笑顔を作り言葉を返す。

 

「ううん、ちょっと考え事をしちゃってて。ごめんね、ミカちゃん」

「そう……なの?それならいいんだけど……ホントに大丈夫?無理してない?」

「うん、大丈夫。だから聞かせて?ミカちゃんのお話」

 

 ミカは不安そうにしていたが、こちらに話す気がないのだと分かると諦めたように溜息を吐いた。ありがたい、これは誰にも話せない事だから。荒唐無稽な話だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そこに、論理的な証拠などない。普通に考えれば、信じられない。でも、それは己だと心が叫んでいる。他人ではないと云っている。これが何なのか、モナにも分からない。けれど、信じようと決めた。それはきっと、大切な人たちのためだから。

 

 

 

 

 

 

 太陽(本業 モナ)に、影が差し込む。その空(キヴォトス)に、暗く冷たげな暗雲が漂い始めようとしていた。

 

 

 

 

「そういえば、ミカちゃん。モモトークで言ってた愚痴って、何だったの?」

 

 しばらく他愛もない話をしていたミカとモナ。あそこのスイーツ屋さんが美味しかっただとか、ゲヘナの風紀委員が忙しそうだから手伝ってあげるつもりだとか、礼拝堂の授業で水着を着て現れた生徒が居たとか、そんな穏やかな話。

 その話が一段落ついた頃、モナは思い出したように口を開く。

 

「あっ、そうだった!聞いてモナちゃん!!酷いんだよセイアちゃんもナギちゃんも!」

「ティーパーティーで何かあったの?」

「そう!……モナちゃんは、アリウス分校って知ってる?」

「ううん、知らない」

「そっか。じゃあ、トリニティが色々な分派が集まってできた学校だってことは?」

「噂には聞いたことあるけど……詳しくは分からないかな」

 

 モナは首を振る。そもそもモナはゲヘナの生徒だ。トリニティの内情や歴史には疎い。

 

「軽く知ってるなら大丈夫だよ。」

「トリニティ総合学園は、モナちゃんが噂に聞いた通り幾つもの分派が集まってできたの」

「それまでは今のゲヘナとトリニティみたいにお互いを敵視してて、毎日紛争とかしてたんだって」

「それである時、もう戦うのは止めようってなってティーパーティーを開いたんだって」

「んぐんぐ……んむ。それが、今の生徒会であるティーパーティーの由来?」

 

 そこで、一息つく。喉を潤すために紅茶を口に含んでいるミカを後目に、モナは注文していたロールケーキを口にする。あ、ここのロールケーキ、初めて食べたけどすごい美味しいな。お持ち帰りとかできるんだろうか。

 

「そう、でもこの話に最後まで抵抗していた学校があったの」

「それが……」

「うん、それがアリウス」

「元々はちょっとした解釈の違いがあっただけで、私たちとあんまり変わらなかった学校だったの」

「最終的には、争いに繋がっちゃったらしくて」

「連合になったトリニティ総合学園はアリウスを弾圧し始めたの」

「大きな力を得たから、試したくなる……そんなよくある事の、ターゲットにされたんだ」

 

 モナは静かに、そしてさりげなく目をそらす。なぜなら、自分にも覚えがあるからだ。ゲヘナ学園に入学したころ、戦い方を変えて実力が段違いに上がったのを実感したくて行っていた不良狩り。

 ――アレはあっちから仕掛けてきただけだから。ちょっと襲われそうなところに一人で行ったりしてたけど、私からはやってないから。

 そんな言い訳を心の中でしたモナは、ミカに向き直る。これで話を聞き逃したら、シャレにならないから。

 

「それで、アリウスはどうなったの?予想はできるけど」

「最終的には、アリウスは潰されたの。トリニティの自治区からも追い出されて……今の詳細は分からないけれど、キヴォトスのどこかに隠れてるみたい」

「そんな学校があったんだね」

「大半のトリニティの生徒は、このことを知らないくらいには忘れられてるけどね」

「……そのアリウスが、どうしたの?」

「アリウスだって、元はトリニティの一員だったの。すれ違って、離れ離れになっちゃったけど、今からでも仲良くすることが出来ないかなって」

「私は――アリウスと和解したいの。そう、セイアちゃんとナギちゃんに言ったんだ」

 

 ミカは真剣な表情で言う。どうやら冗談で言っているわけでは無さそうだ。

 

「それ、私が聞いていい話なの?」

「モナちゃんなら、大丈夫!でしょ?」

「――!まぁ、それは……そうだけど」

 

 頬に、熱が籠る。こういった信頼に、モナはとにかく弱かった。思わずまた視線を外してしまったくらいには。

 

「あ~、照れてる!可愛い~☆」

「ちょっとミカちゃん、やめてよ!」

 

 わざわざ立ち上がってまで目線を合わせるのはどうかと思う。照れ隠しなのは分かっているが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。モナは話の続きを促す。これ以上この話を続けると、顔がリンゴのように真っ赤になってしまいそうだから。

 

「それで?ティーパーティーの二人はなんて?」

「それがね!!こんなことがあって――

 

 

 トリニティ総合学園、ティーパーティーの集まるテラス。

 中央にあるのは、大人数で使用することが出来そうな巨大なティーテーブル。様々な菓子やティーポットに飾られたそれは、優雅な雰囲気を醸し出すのに一役買っていた。そんな空間で会話をしているのは、三人の生徒。綺麗な所作で紅茶を嗜んでいたその内の一人――ナギサは、ティーカップをソーサーに戻すとその鋭い視線をこちらに――ミカのいる方へと向けた。

 

「ミカさん、そろそろ聞かせていただけませんか?『アリウスと和解する』……そこにある意図を」

「え、意図?」

「どういった政治的な利益があるのか……と、ナギサは聞いているんだよ」

 

 亜麻色の髪を揺らす三人の中の残りの一人――セイアは、ナギサの言葉を補足するように口を開いた。その言葉は、静かな空間によく響いた。それはまるでどこか非難めいたように聞こえるほどに。

 

「別に政治的な利益っていうか……だって元々は、同じトリニティでしょ」

「直接自治区に行ってさ、『仲良くしよ?』って言ってみようよ!ほら、みんなでお茶会でも開いてさ!」

「……」

「……」

 

 それが真実なのかはミカには分からないが、その返答は歓迎されてはいないだろうということは分かった。その証拠と言わんばかりに、二人の顔の眉間には皺が寄っていた。

 

「……え、何この空気。私何か変なこと言った?」

 

 それでもミカはこの意志を曲げようとはしない。だってこれは、この気持ちは。対立しているゲヘナでも仲良くなれた、たった一人の友人に貰ったものだから。信じないと、何も始まらないと。裏切られるのは、怖い。信じられないのも、怖い。けれど、自分から踏み出さなければ、自身が望む一番の結果は手に入らないから。

 

「良いと思わない?あーあ、私がホストだったらすぐにでも動いたのに」

「ミカさん、あなたは本当に……まぁそれは一先ず良いとして。あちらが応じるかは分からないでしょう。自治区の場所も判明していない事ですし」

 

 確かにそれはそうだ。ミカは深く考えていなかった。ただ、そうしたいと願っているだけなのだ。そこに論理的な思考など介在しない。理由など、深くなんかない。

 

「それにミカ、君はもしそれが達成できたとしてどうするつもりだい?アリウスを吸収してより強大になったトリニティ……何か大きな戦いを起こそうとでも?」

「そんな大層なことは考えてないよ。……それに私に難しいこと考えられるとは思わないでしょ?ナギちゃん」

 

 強いて理由を言うとするならば。ただモナと。ゲヘナと仲良くする時に、心残りを無くすため。たった、それだけなのだ。

 

「それは……」

「あはは、そんな遠慮しなくてもいいって☆」

「それは私が一番分かってるんだし」

 

 そう、自嘲的に呟く。一人では、良い考えは絶対浮かばないだろう。そんな確信がミカにはあった。でも、それで諦めたら永遠に変わらない。だから、無謀に見えたとしても二人に相談したのだ。

 

「……」

「……なぁに、セイアちゃん。そのお顔は」

 

 それでも、受け入れられるとは限らない。分かってはいたことだった。それでも、前に進もう。きっと何時か、分かってくれると信じて。

 

 

「ってことがあって」

「なんというか……ミカちゃんらしいね」

 

 モナはちょっと目が遠くなった。恥ずかしさから話をそらしたのに、その先にもっと恥ずかしい話が出てくるとは誰も思わないだろう。どんどんと顔全体が熱くなっていたのがよく分かる。唯一の救いは、ミカが話している間、役に入り込んでいるのか目を瞑っていたことか。今の内に顔を冷ましておこうと、モナは静かに深呼吸をした。

 

「酷いと思わない?モナちゃん!」

「まぁ生徒会長さんだもんね、色々と考えることがあるんじゃないかな。……私の目の前にいる人も生徒会長のはずだけど」

「モナちゃん!?酷い!!」

「あはは!ごめんごめん。私は良いと思うよ?」

 

 からかったのは先ほどの仕返しです。悪しからず。からかわれたからにはからかい返す資格はあるとモナは思う。

 それはそれとして、ミカの思想はモナにとって好ましいことだ。とても難しいことなのは間違いないだろう。常識的に考えれば不可能に近いのだろう。それでも、信じることで人と仲良くなれたのなら。それはモナにとって何よりも理想の日常だと言えるから。

 

「ほんと!?」

「うん。私は応援するよ。その意志を」

 

 だから、誰がミカを批判しようとも。モナは応援し続けよう。それが、ミカを信じたモナの、モナ自身を構成する芯の一つだから。それをやめたら、モナはモナでなくなってしまうから。

 

「やったぁ!モナちゃん、大好き!!」

「み、ミカちゃん!?いきなり抱きつくのはやめて!」

 

 感極まったのか、ミカはモナに抱きついて来た。店内で狭い上、見つかりにくいように外から見えにくい端に座っているからさらに狭いというのに、なんという蛮行か。ミカの柔らかい抱擁を顔面で受けつつ、後頭部は固い壁に叩かれるという天国と地獄のような状況にモナは苦言を呈する。

 

「え~いいじゃん、少しくらい☆」

「ふ~ん、せっかく頑張ってるミカちゃんにプレゼント持って来たんだけどな~。これじゃ渡せないな~」

「プレゼント!?何々、何くれるの!?」

 

 プレゼントという発言を聞いたミカは、その身体能力を活かし即座に飛びのいた。才能の無駄遣い……モナは一瞬そう思ったが、自分もなんだかんだヒナに抱きついたりするときに身体能力を無駄遣いしている事に気付き、考えるのをやめた。

 

「ちょっと待ってね……はい、これ」

 

 そうして差し出したのは、夜空を連想させる暗い青の包み紙に、三日月状の封がしてある箱だった。

 

「わぁ……きれいな箱。ねね、開けていい?」

「いいよ」

「……これ、髪飾り?」

 

 その箱から取り出されたのは、トリニティの制服に合わせた純白のシュシュに淡い青紫の小さな花が幾つも付いた髪留め。ミカのお団子ヘアーを留めるのにちょうどいいサイズだ。

 

「そう、ミカちゃんに似合いそうだなって」

 

 その他にも、ミカに似合うアクセサリーを見つけた時ミカが笑顔を浮かべてくれる様を想像してしまったという理由もあるからなのだが……これは死んでも言わないと決めている。絶対にからかわれるのが目に見えているので。

 

「この花……」

「ワスレナグサっていうの。花言葉は、『誠の愛』だって。今のミカちゃんに、ピッタリかなと思って」

「モナちゃん……モナちゃん!!」

「ちょっ……だからいきなり抱きつかないでよぉ!!」

 

 ミカがとても嬉しそうな笑顔を見せてくれたのは嬉しいことだが、二回目の天国と地獄は予想できないし勘弁してほしかった。モナは普通の生徒より防御面は貧弱なのだ。普通に後頭部が痛い。

 

「だって、だって嬉しくて!あはは!ありがとう、モナちゃん!!」

「ふふふ……全く、どういたしまして。ミカちゃん」

 

 それでも、モナの顔にも笑顔が浮かぶ。笑い声に包まれたその抱擁は、しばらくの間解けることは無かった。







 ワスレナグサの花言葉は「私を忘れないで」「真実の愛」「誠の愛」らしいですね。これから居なくなるモナちゃんが送る花としてはピッタリではありませんか?

 ところでこれ書いてる間、私の中の悪魔が囁いてたんだよね。このアクセをミカの目の前で破壊したら凄い顔しそうだね♡……って。
 人の心とかないんか?そんなことしちゃいけないでしょ!!!消えろ!!私の中の悪魔!!!
 全く、悪魔は直ぐに収穫しようとするんだから油断できませんね。ちゃんと自分が無くしたと思ってしまうようなタイミングで紛失させないとダメでしょう!!!そしたらほら、私が無くしたと勘違いしてポロポロと泣いてるミカが見れて一石二鳥ですよ?こっちの方が美味しいじゃないですか。ちゃんと最大限のカタルシスを得ないと。たまに悪魔の誘惑に屈してしまう私も居ますが今回のワタクシは一味違いましてよ。純♡愛出来たから興奮してる?そうかもしれませんね。んほぉ~!!!(鳴き声)

 それにしてもモナちゃん、今回の話書き始めた時はミカにこんな重い感情持ってなかったはずなんですけどいつの間にミカに対してこんなにバチクソ感情持っちゃったんですかね?え?お前が純愛入れたせい?知らんなぁ……(汗)
 しかしモナちゃんの一番はヒナちゃんってそれはこの小説書き始めた頃から決まってるからな~~~~これは譲れない部分だからな~~~~これはヒナちゃんに対してもっとドチャクソ激重感情持たせるしかないな~~~~~。ヨシ!!これで釣り合いが取れたな!!(指さし確認)

 ちなみにモナちゃんの見た夢のようなアレ、未来視ではありません。どちらかと言うと『あ!この問題進○ゼミでやったところだ!!』に近いです。
 まぁぶっちゃけて言えばこれまでの走者がやってきた試走やら調査プレイやらが記憶の正体です。記憶の中には「本業 モナ」という名前、出てこないでしょう?この情報、本編で出てくること絶対ないと思ったのでここに投下しちゃいます。ちなみにあとがきの純♡愛も同じものですよ?だから全部モナちゃんがメインで死ぬんですね。なんもかんも走者が悪い(暴論)
 未来が見え、変えられないからと目を背けたセイアちゃんと変えなければならないと立ち向かうモナちゃん。その行き着く先とは――(闇堕ち)
 努力すれば変えられると思った?ウケるw
 残念、結果を残してる人はみんな努力してるけど努力した人が全員結果を残せるわけじゃないんだよ♡
 で、必要なのは力じゃなくて先生みたいな人と人を繋ぐ力だって知って絶望して曇るってワケ。美しいですね。モナちゃんは現実的な考えが出来ちゃうから、これ以上トリニティの生徒と仲良くなるのは無理だろうと無意識に自分で限界を作っちゃったんだよね。それを超える覚悟が一番必要だったのにね。エグいハイレグ着ろってことじゃありませんからね。コラそこのハナコさん座ってなさい。ステイッステイッ!
 
 あ、ちなみにこれでモナちゃんは先生ガチ勢になりました。恋する方ではなく覚悟がキマってる方のです。だから座ってなさいハナコさん!!!
 元々先生と信念の方向性が似ているので友好的になるのは当たり前だよなぁ?

 それと、どこかで見たことあるかと思われる展開がいくつかあるとお気づきかもしれませんが先生との絆ストーリーとかめっちゃ参考にしてます。私はモナちゃんのことを特定の人物限定の先生みたいに見てる節がありますので、皆さまの広い心で許してください!!何でもはしませんけど代わりにモナちゃんをもぎもぎしますので!!
 でも先生と特定の部分だけ似ているの、良いと思いませんか?だって先生が生徒の事を思って言った言葉でモナちゃんの事(もういない大切な友人)を連想して泣いちゃうんですよ?とっても心がポカポカしてくると思いませんか?私は思います。なのでこれはいつかヒナちゃんにしてもらいます。絶対にです。嫌といってもダメです。これはあなたのためなんですから(毒○感)
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