ブルーアーカイブ 実績「楽園を信じる者」及び「闇の中で照らされて」取得RTA闇堕ちチャート   作:狐玄

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 ファッキンアクシデント。
 1週間遅れてる時点でわかる計画性のNASA☆
 詳細は活動報告にありますがパソコンくんが泣いちゃいました。ぴえん。以上!
 来週も遅れそうな予感がビンビンします。時間通りに投稿する人って本当に偉いですね……!



「わからない」

 

 轟音がその場に響き渡る。触れてしまえば容易く消し飛んでしまいそうな威力を誇るそれは、幸か不幸か誰にも当たることなく後方の建物まで飛んで行った。

 一瞬、当たらずに済んだことに安堵するユウカたち。しかし、直後に響く轟音にその安堵は消え失せる。

 何事かと彼女たちが後ろを振り返れば、それなりの近さの建物が崩れ落ちる姿。仮に倒壊したとしても直撃はしない距離だろう。しかし、その余波までは避け切れない位置であるのもまた確かだ。

 ユウカたちが動き出そうとするよりも早く、その建物は倒壊し、地面に堕ちる。その衝撃は荒れ狂う暴風となって襲い掛かって来た。それはモナたち襲撃側も例外ではなく、判断が遅い不良たちは風で転がり落ちていった。

 

「ッ先生!」

「わっ……ぷ!」

「直撃しなくてもこんな……!!」

 

 先生の傍に居たハスミが庇うように抱き寄せ、その大きな翼で包み込む。モナはユウカたちのその様子を見て、先生の無事を確認する。直接は見えないが、怪我をしていればもっと焦りが見えているはずだ。

 モナとて、先生を傷つけたい訳ではない。しかしワカモと敵対する気概も無く、かと言って先生を傷つけないようにする術もなく。流されるがままに来た結果がこの中途半端な敵対ということだ。

 

「先生、ご無事ですか」

「うん、ありがとう。ハスミは大丈夫?」

「はい、問題ありません」

 

 モナは足を踏み出そうとして、即座にその足を引っ込めた。

 

「おや?追撃はしないので?」

「……あのトリニティ、良い位置に居たから」

「ふぅん……ま、構いませんか」

 

 モナの言うトリニティの少女――スズミは、ユウカの斜め後ろの位置に居た。彼女は無意識ながらも、モナが一番踏み込みにくくなる位置へと移動していたのだ。

 確かに、モナの身体能力があれば追撃してカウンターが来たとしても躱すことは可能だ。だが、危険性があることもまた確かである。モナはそこまでの危険性を抱えてまで追撃する理由も、義理も無かった。

 故にモナは一歩引き、何が起きても対応できるよう備えたのだ。無論、それらは先生たちには知る由もない事ではあるが。

 

「先生!」

「うん、行こう!」

 

 先生が何やら話している。モナの位置から見えないが、どうやって状況を把握するのだろうか。

 

「せやぁっ!」

 

 先生の方を向いていたモナに、ユウカが迫る。モナはそれに反応して素早く照準を合わせるが……その瞬間、視界の端に転がる特徴的な円形の物体――閃光弾が目に付いた。

 

 刹那、迸る閃光がモナを襲う。

 

 モナは咄嗟に目を閉じ、腕を前に置きながら後方に飛び退いた。それでも一瞬間に合わず、眩しさと大音量の爆撃に思わずよろめいてしまう。

 片目をどうにか開け、前方を確認すればこちらに銃を向けるユウカの姿が見て取れる。彼女は閃光弾の影響がないのだろうか?なぜ?どうやって?――いや、影響が全くない訳ではないのか。

 覚束ない視界をどうにか駆使し、物陰に退避しながら前方を見れば、ユウカも少々眩しそうに眼を細めていた。恐らく通信機が耳栓の役割を果たし、音の方はシャットアウト出来ているのだろう。閃光の方は……爆発場所を工夫することで軽減しているのか。あれはユウカの後ろで起爆されていた。そうすれば、こちらより被害は少ない。

 

「――ハスミ」

「はい、先生」

 

 突如、頭上から鳴り響く甲高い音。

 何事かと上を向けば、散らばった窓ガラスの破片が視界に映る。このままであれば、モナの全身はガラス片で切り裂かれ、動けなくなるだろう。

 

「くっ……!」

 

 物陰から飛び出したモナは再び戦線に立たされる。そして、そのモナに迫る影が一つ。

 

「――行きます」

「トリニティ……!」

 

 スズミである。先程まで相対していたユウカの姿を探すと、少々離れた所でワカモと対峙しているのが見えた。

 スズミは躊躇いなく肉薄しながら銃弾をばら撒く。対し、立ち止まっていたモナは素早く頭を下げ銃弾を避ける。髪の端を削るような銃弾を走って避け、徐々にスズミへと近付いていく。

 これ以上、戦いの主導権を握られたくないからか、スズミは腰の閃光弾に手を伸ばす。それに気付いたモナは、走っている途中でブレーキを掛けながらスズミに向かって銃を放つ。込められた神秘は少量だが、それでも一人打ち倒すには十分な威力を誇るそれをスズミは分かっていたようにしゃがみこむことで避けた。

 

「……!」

「あなたに何があったかは知りませんが……シャーレは奪還させていただきます!」

 

 先生の援護からか、モナのリズムはことごとく崩れる。スズミはその隙を見逃さず、触れ合えるほど近くに迫り銃を向ける。今度は避けられないように、と言わんばかりの距離で。

 

「そう……?じゃあ、頑張りなよ!」

「っ、くっ……!?」

 

 響いたのは銃声……ではなく、何かが弾かれた音。スズミの視界に映るモナは、真上に片足を上げていた。スズミが銃を持つ手を蹴り上げられたと気付いたのは、弾かれた手が痛みを訴えてからであった。

 スズミの顔が強張る。一方は無手、そしてお互いに体勢が崩れているが……モナの方が整える時間は短いだろう。弾かれた手に引っ張られて未だに仰け反っているスズミに対して、モナは既に足を戻す途中だ。

 このままではスズミが大ダメージを受けるのは必至……であろうその時、唐突にモナの身体は吹き飛んだ。

 

「ご無事ですか、スズミさん!」

「……!ありがとうございます、ハスミさん。助かりました」

 

 ハスミの狙撃――おそらくはワカモと対峙するユウカへの援護の隙にこちらへ放ったものだろう。モナは服に付いた砂をはたき落としながら立ち上がる。その時、近場に居た気絶している不良から銃と手榴弾を拾う。

 

「あれを防ぎますか……!」

「いやぁ、危なかったよ。ほんと」

 

 実際、モナに余裕はあまりなかった。おそらくは先生が指示したのだろうが、完全にモナの意識が緩んだ瞬間を狙われていた。これが大人、これが先生というものなのだろうか。

 幸い常に警戒を一定以下に落とさないようにしていたお陰か、銃のストックを使い銃弾を弾くことが出来た。その警戒を培ったのは、皮肉にも犯罪に走った結果であるというのは複雑な気持ちにはなるが。

 

「まずいですね……」

 

 汗が頬を伝う。スズミの銃は彼女本人から見て後方、取りに行けば間違いなく攻撃を貰うだろう。ハスミの援護があったとしても、危険極まりない行為なのは間違いない。

 

「――少々、よろしいですか?」

「……ワカモ?」

 

 そんな状態でモナの隣に立ったのは、離れた所で戦っていたはずのワカモであった。

 それを追って来たのか、ユウカとチナツもやって来る。

 

「ああもうっ!いい加減にしなさいよ!」

「ユウカさん、抑えて……」

 

 一体どうしたというのだろうか。そろそろ退避したいのだが、ワカモがそれを許すとは思えない。どうしたものかと悩むモナを気にせず、ワカモは遠慮なく要件を告げる。

 

「私は少々やることがありますので……あとはお任せします」

「は?」

 

 それを聞いたモナが何か返す間もなく、ワカモはひらりとシャーレの方へ駆けて行く。

 

「一人減ったけど……!」

「ええ、片方だけでも厄介です。警戒しましょう」

 

 モナを倒す――それがどれだけ難しいか。モナの戦闘センスはずば抜けているし、それに加えてモナはこれから引き気味に戦う。

 先生たちには知る由も無いが、先程まではワカモが居たためポーズとはいえバレない程度には攻めなければいけなかったのだ。しかしワカモが居なくなった今、モナに戦い続ける理由はない。逃げる事を念頭に置いた動きをするだろう。

 そんな相手を崩すのは、思った以上に難しい。四人だけであれば不可能だろうが……先生の指揮があればあるいは。

 

「さて……それじゃ、始めようか」

 

 空気が張り詰める。モナの後方から、ぞろぞろと不良たちが湧いて出てくる。状況は悪化しているが、依然として四人の目に悲嘆の色は無い。それは成すのは信頼か――それとも。

 モナはそれを見て僅かに笑みを浮かべた後、持っていた手榴弾を投擲する。手を挙げる動作に合わせて投げられたそれに、四人は一瞬だけ硬直する。

 

「ユウカさん!」

「分かってるわ!」

 

 迫りくる手榴弾。それがこちらに着くよりも早く、ユウカは銃を発砲して起爆させる。それと同時にすぐさましゃがみ、顔を腕で覆って被弾面積を狭くする。荒れ狂う爆風と共に、ユウカたちの視界は煙に包まれる。

 モナはその隙に逃走を開始した。万が一にでも相手からの射線が通らないよう、見つかりにくいように物陰を経由して。幸い、路地裏も多い道だったのですぐさま視界から逃れることができた。

 道中、手榴弾を倒れている不良から拝借し、ポケットに入れる。恐らく、連邦生徒会の戦力もこっちに来ているのだろうと予想して。万が一の備えと言うのは重要だ。特に、モナのような日陰者にとっては。

 

「とりあえずで離れたのは良いものの……どっちに行けばいいんだろう?」

 

 ブレーキをかけ、止まる。連邦生徒会の目が近いこともあり、モナはこの辺りにはあまり詳しくなかった。無論、事前に地図などで確認はしているが、すぐに思い出せるほど慣れてはいない。

 辺りを見回し、目印になる建物を探していたモナの耳に――大勢の人が歩いて来るような足音が聞こえてきた。

 

「本業モナ……!総員、戦闘準備を」

「連邦生徒会――!」

 

 音の方を向くと視界に映ったのは、特徴的な制服に身を包んだ集団――連邦生徒会、そしてその長の代行である七神リンであった。

 モナは顔を歪ませながらも、視線を巡らせる。――全てを利用し、生き残るために。

 リンはその様子を見て逃げられると予感したのか、声を掛けて引き留める。

 

「一つ、聞きたいことがあります」

「……なに?」

「なぜ――あのヴォルフスエック鋼鉄を?あなたなら、伝手を頼れば正規の手段で手に入ったはずでは?」

 

 リンの目が細められる。疑念、疑惑。そんな感情を乗せた視線を受けたモナは、少しばかり考える素振りを見せたあと自嘲するような笑みを浮かべ、告げた。

 

「知りたいなら、捕まえて見せなよ」

 

 そんなもの、モナ自身にも分からない。その先に逃れられぬ破滅の結末が待っているとしても、死なない為に犯罪を犯す日々。

 生きる意味を見失い、それでも死ぬことに恐怖し。何故、何の為に生きているのか分からずに、只々精神を摩耗させながら生き永らえる。

 分からない。教えて欲しい。何故生きている?どうして死ぬのが怖い?

 でも、それを正直に言う必要はない。言う気もない。もし、打ち明けて――その結果、また誰かを裏切るだなんてことになったら。きっと……きっと、耐えられないから。

 

「……」

「よくわかんないけど……捕まえれば解決ってことだよね!」

 

 眉間に皺を寄せるリンと対照的に、握り拳を手に打ち付け威嚇するように笑みを浮かべる褐色の少女――ハイネ。

 それに合わせて、連邦生徒会のメンバーが二人の前に隊列を成して現れる。じりじりと焼けるような焦燥を醸し出すその場で、最初に我慢できなくなったのは一人の連邦生徒会メンバーであった。

 

「――ッシ」

 

 短く息を吸い、走り出すモナ。近くにあった物陰に隠れながら、拾っておいた銃を乱射する。精度もクソもないその銃弾に、固まっていた連邦生徒会のメンバーが一人、また一人と倒れていく。

 

「クッ……散開してください!固まっていては良い的です!」

 

 その指示を受け、散らばろうとする生徒たち。気が逸れる隙とも言えぬその一瞬をモナは隙と認識し突貫を開始する。それを見て、連邦生徒会のメンバーたちが引き金を引く。降り注ぐ銃弾がモナの頭を――通過した。

 

「……!?」

 

 完全に当たったかのように見えた銃弾は、直前にモナがステップを踏んだことで避けられていた。ただ、それが速過ぎたために残像が残り、肉体を通り抜けたかのように錯覚したのだ。

 右へ、左へ。高速で動き回るモナにリンは新たな指示を出そうとするが、それよりも早くモナは連邦生徒会のメンバーの前へ辿り着く。

 地を這うように目の前へ現れるモナに、連邦生徒会のメンバーの一人は底知れぬ恐怖を感じていた。こちらが見下ろしているはずなのに、彼女から感じる圧倒的なまでの圧。

 

「くっ……来るなアぅっ!?」

 

 なんとか動く体に鞭を打ち、銃口を相手に向ける。そんな彼女の視界に映るのは、肩を踏みつけ、跳躍するモナの残滓だった。

 モナは踏み台にした彼女を気に掛けることもなく、リンの方へと一直線に駆け出していく。隊列の中へ入ったモナに、周りの生徒は迂闊に銃を撃てなくなった。何故ならば、避けられた銃弾が仲間に当たり同士討ちになる可能性が高いからだ。

 

「させるかっ!」

「――!」

 

 生徒の一人が、肉壁を覚悟してかリンとの間に立ちはだかる。しかし、モナはスピードを緩めない。躊躇うことなく相手に銃を投げつけ、一瞬の硬直を誘う。その驚いた顔を後目にモナは隣を通り抜ける。これでリンまでの残りは――

 

「せやぁっ!」

「危なっ!?」

 

 たった今モナの頭があった場所を蹴り抜いた、ハイネ一人だけである。隙もなく構えるハイネを見て、モナは堪らず足を止める。

 

「通さないよっ!!!」

「通してもらうよ」

 

 間髪入れず、ハイネはモナに向かって攻撃する。恵まれた体格から放たれる蹴りは、そこらの生徒を戦闘不能にするには十分な威力を誇っていた。無論、それはモナとて例外では無い。

 当たってしまえば、の話だが。

 

「――じゃあね」

「ッックッ!」

 

 跳躍し、ハイネの上を飛び越えるモナ。逆さに映る視界には驚くハイネの顔と、その背後でこちらを見るリンの顔があった。

 着地する――と同時にモナは拾っておいたもうひとつのもの……手榴弾を放り投げる。

 小さく音をたてながら、転がる手榴弾。それに驚愕の顔を見せながらどうにか対処しようとする連邦生徒会の面々。それを横目に、モナは全速力でその場を離れる。

 

「待ちなさ――」

 

 リンがそれ見て何か言葉を紡ごうとしたが……爆発が、それを許さなかった。

 





・先生
 ハスミに包まれた時、「これが……バブみ!」と訳の分からない感想を抱いたらしい。
 戦闘中はずっと指示を出していた。

・リン
 いつ悪を働くか分からない危険分子としてモナを認識した。

・ハイネ
 すげ〜!

・スズミ
 大活躍。

・モナ
 哲学みたいなこと考えてんな?
 信念(信じること)が折れているため人格がブレブレ。それでも破綻していないのは、まだ彼女の中に何かが残っているのだろうか?

・ワカモ
 先生たちが予想以上に強くてこのままでは目的を達成する(壊す)時間が無くなると判断し、一足先に離脱した。

 最近思いつくシチュがだいたい本編でやりたい……ッッ!ってなるからあとがきに載せれないマンです。かなしい。
 絶対ハピエンティーチャーのお陰でハピエンは思い付くのにバドエンifは尽く粉砕されるのどうにかしたい。本編で使わずに先生が絡まないシチュはさすがにネタ切れが近いか……?

 夜勤だからって言うのもあるけど、この頻度の投稿でもゲームあんまり出来んのどうにかならんか?私いまめっちゃ某3Dファンタジーで水中遊泳したいんだが、時間が許してくれないんだ。うわーん!溜まっているメインストーリーがデカすぎます!
 ……とりあえずプロローグ終わらせてからだなぁ。私は、絶対に……モナちゃんを泣かすから……!!!どんな誘惑があっても!諦めねぇから!!!
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