ブルーアーカイブ 実績「楽園を信じる者」及び「闇の中で照らされて」取得RTA闇堕ちチャート   作:狐玄

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 不定期だと言ったからだとしても2ヶ月放置していいわけではない(無言の腹パン)


「提案」

 

『その……これは、素行の悪い生徒たちを捕まえようと……』

「便利屋68のこと?それにしては随分と大所帯ね」

『それはその、万全を期すためにですね……』

「……いや、もういい。大体把握した」

 

 ヒナはちらりと便利屋の方向へと目を向け、そのまま先生の方へと視線を移動させた。

 視線を向けられた便利屋――もといアルは肩を跳ねさせ、先生はふわりと笑みを浮かべて手を振った。

 ヒナはそれに一瞬だけ目を丸くすると、わずかながらの笑みを浮かべた。それもまた瞬きの間に消え、真剣な表情になったヒナはアコへと視線を戻す。

 

「察するに、ゲヘナにとっての不安要素の確認及び排除。加えて政治的な画策の一端ってところね」

「政治的な画策……?」

 

 ぽつりと零したアヤネの声に反応して、カヨコと先生が口を開く。

 

「先生……か」

「まあ、そうなるよね」

「どういうことですか?先生」

 

 驚きを隠せないアヤネの疑問に、先生はアコやヒナの方を真っ直ぐ向いたまま声を返す。

 

「便利屋の皆はたしかに手を焼くかもしれないけれど、それだけであの人数を連れてくるのは過剰だ。なら、他にも目的があると考えるのが自然だと思う」

「その目的は何か。そう考えた時、一番自然なのが先生との接触及び確保――相手方に言わせるなら保護、ってこと」

 

 途中、カヨコが引き継ぎアヤネの方へと目を向ける。アルはそんなカヨコの傍で白目を剥き、疑問符を大量に浮かべていた。ムツキがそれを写真に収めても、それに気付かないほどに動揺しているようだ。

 

「確保って……なんで」

「……ゲヘナは連邦生徒会長が失踪してから微妙な立場が続いている。エデン条約の凍結もそうだし、キヴォトス中に指名手配されてる生徒が新しく出たから」

「……」

「で、でも先生は関係ないじゃない!」

 

 セリカはわけがわからない、と言わんばかりに声を張り上げる。カヨコは視線を風紀委員会の方へと戻し、目を鋭くする。

 

「先生はこの短い間で既に幾つもの事件や問題を解決してる。その評判は情報が来にくいアビドスに届くまでに。今はまだそうじゃなかったとしても、いずれ先生がどこかに付けば勢力図が一変しかねない影響力を持つ」

「先生はそんなこと……っ!」

「しない、とは言い切れない。少なくとも、一度も接触してないのにそれを信じるのは無理がある」

 

 だからこそ、最悪戦闘になることも考慮してこんな人数を連れてきたのだと思う。そう締めくくったカヨコはアコを睨み付ける。

 

「アコ、私達は風紀委員会であって生徒会じゃない。シャーレ、ティーパーティー、それに連邦生徒会長……そういうのは万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)のタヌキ達にでも任せておけば良い」

『はい……』

 

 アコは沈痛な面持ちで言葉を返す。ヒナはそれを聞くと視線を先生たちの方――もっと言えば、モナの方へと向けた。

 

「……」

 

 張り詰めたような沈黙が流れる。各々が睨み合い、牽制しあう。なお、アルは逃げ出す隙を探していた。

 

「じゃあ、改めてやろうか」

「ちょちょちょちょ、ちょっと待ちなさい!?」

 

 そんな中シロコが覚悟を決めた表情でそう言ったところ、アルは思わず声を張り上げシロコの肩に手を掛けた。

 

「ヒナよ!?相手はあのヒナなのよ!?!?」

「そうですよシロコ先輩!ゲヘナ風紀委員長と言えばキヴォトス中でも匹敵する人を見つけるのが難しい程の、強者の中の強者ですよ!?」

 

 アヤネもその行為の危険さを認識しているのか、シロコへと声をあげる。その後ろでは、アル以外の便利屋の面々がこそこそと話していた。

 

「楽しそうなら私はいいけど~」

「あ、アル様の為なら私が……!」

「やめとこう。相手が悪すぎるよ、ハルカ」

 

 ムツキは楽しそうに笑い、ハルカは体を強張らせ、カヨコはそんなハルカを宥めていた。三人とも、ヒナに対してそこまで恐怖していない――というか、気にしていない。

 なぜならば、彼女たちはアルの選択に身を預けられるからだ。アルの選択を信じているからだ。故に、アルがそうだと選択したのならば、それについていくだけだ。

 

「ん、でも今なら抑えられる人がそこにいる」

「……まあ、この中なら私だね」

 

 そう言って、モナの方へ視線を向ける。モナが見たシロコの目は、どこか輝いていた。

 

「た……たしかに?」

「目を覚ましてください!仮にそうだとしてもわざわざ戦いに行く必要がありますか!?交渉くらいはしてもいいじゃないですか!シロコ先輩もどうしてそんなに戦うのが好きなんですかっ!!!」

「……ご、ごめん」

 

 アヤネは激怒した。必ず、かの戦闘大好きの民を落ち着かせなければならぬと決意した。アヤネには彼女に比べれば戦闘は分からぬ。アヤネは、後方支援の民である。画面を睨み、仲間へのサポートをして暮らして来た。けれども危険に対しては、人一倍に敏感であった。

 

 落ち着いて。(閑話休題)

 

「こちらアビドスの対策委員会です。ゲヘナの風紀委員長ですね、初めまして」

「ええ、初めまして」

「この状況については理解されていますか?」

「もちろん。――事前通達無しでの他校自治区に於ける無断兵力運用、及び他校生徒たちとの衝突」

 

 そこで言葉を一旦切ると、ヒナは委員会の方をチラリと見遣る。

 

「……けれど、そちらが風紀員会の公務を妨害したのも事実。違う?」

「……っ!?」

「やっぱりやる?」

「だからどうしたって言うのよ」

「私たちの意見は変わりませんよ?」

 

 一瞬で、緊張が限界まで膨らんだような錯覚に陥った。アヤネは泣きたくなった。ついでにアルも泣きたくなっていた。何時の間にか、とんでもない事態にまで発展しそうになっていたのだ。泣きたくなるのも当然と言えるだろう。

 

「なんでこんなに血の気が多いんだか……」

「さあ?モナちゃんは何か知ってる?」

「いや、私もこんなに血の気が多いとは思ってなかったよ……」

「や、やっぱり私が突撃した方が良かったですか?」

「やめよう。真面目に」

 

 便利屋とモナは、そんなアビドス対策委員会を見て呆れていたりしていた。それでも、いつでも戦えるように備えは怠っていなかった。

 

「ちょっと待ってください……!兵力は拮抗していると仮定しても、補充はまだできてないし不安要素も沢山あるんですよ!?どういうわけか身近な味方が一番好戦的だし……!」

 

 頭を抱えるアヤネ。そんな彼女を先生は労りの目で見つめていた。主にいつもこういったことをしていたのだなぁという方向で。

 

「ああもう。こんな時、ホシノ先輩がいたら……!」

「……ホシノ?」

 

 思わず、とでもいうように零したその言葉。それにヒナは反応した。記憶の中に強く残っていた名前だったからだ。

 

「アビドスのホシノ――もしかして、小鳥遊ホシノ?」

 

 その名前を反芻する。それは信じられないという意味か、それとも――そんな彼女の真意は不意に聞こえてきた言葉によって覆い隠されてしまった。

 

「うへ~こいつはまた何があったんだか。凄いことになってるじゃ~ん」

 

 その時その場に居たすべての視線が、声の主――小鳥遊ホシノに向かっていた。

 

「ホシノ先輩!!」

「ごめんごめん。ちょっと昼寝してて、少し遅れちゃった」

 

 へらり、と笑う彼女は一見隙だらけに見える。だが、その仮面の下では油断なく警戒しているのがわかる。そんな彼女の薄く開いた鋭い目を向けられているモナは、言外の圧力を正しく受け取っていた。

 

(今朝のことは黙ってろってことかな……まあ、別に話す理由もないけど)

 

 

 ◆

 

 

 時は遡り、朝。

 そこはとあるビルの中、小綺麗にしてあるオフィス――言ってしまえば、黒服の所である。

 

「これはこれは」

 

 部屋の主である黒服は、そのシンボルであるスーツを整えた後、手を広げて入り口へいる人物へ歓待の言葉をかける。

 

「お待ちしておりましたよ、暁のホル……いえ、ホシノさんでしたね。これは失礼」

 

 ネクタイを締め、位置を直す。一連の慣れた手つきは、日常的にネクタイをいじっているのだろう。それに意識を割いている様子を見せずに、黒服はホシノを応接用のソファへと案内する。

 

「いやいや、キヴォトスにはまだ馴染めていないようで。こちらへどうぞ、ホシノさん」

「……黒服の人、今度は何の用なのさ?それに……そこにいる人は誰なの?」

「おや、よくお気付きで……」

 

 小鳥遊ホシノから見れば、見えないはずの後方。ドアから入ってくれば、丁度死角となる位置の壁にもたれかかっている人影が佇んでいた。その人物は、彼女の言葉に反応し壁から背を離した。

 

「気にしなくていいよ、小鳥遊ホシノ。私はただ、ここに居合わせたソイツの共犯者なだけだから」

「共犯とは心外ですねぇ。これはただのビジネスですよ、モナさん」

「……どの口が」

 

 その人影――本業モナはぶっきらぼうに言葉を返す。彼女にしてみれば定期報告の時に引き留められて望まずこの場に居るのだから当然とも言える態度なのだが。

 見つめ合うホシノとモナ。その時、二人ともお互いの実力の高さをひしひしと感じ取っていた。やり合えば、勝ち負けがどうなるか分からない。

 

「それで、用ですが……ふふ。実はこちらの状況が変わりましてね、今回は再度アビドス最高の神秘をお持ちのホシノさんにご提案をしようと思いまして」

「提案?ふざけるな!!!それはもう……!!」

「まあまあ、落ち着いてください」

「……!」

 

 そんな空気を知ってか知らずか、黒服はいつも通りの調子で笑いだす。それは勝利を確信しているものの笑みのようだ。なぜならば、モナに契約を問いかけた時の二人(黒服たち)の顔と同じだったからだ。

 

「……お気に入りの映画のセリフがありましてね。今回はそれを引用してみましょう」

 

 そう言うと、黒服は部屋の奥にあるデスクに座る。そして両方の肘を突き、手は胸の近くで軽く組み首を少し傾けた。黒服の後ろの窓から差し込む逆光も相まって、その姿は正に悪役と言って良いだろう姿になっていた。

 

「あなたに、決して拒めないであろう提案をひとつ。……興味深い提案だと思いますので、どうかご清聴ください」

 

 モナはその姿を見て顔を歪め、ホシノもきつく結んだ眉を緩められなかった。唯一、黒服ただ一人はそんな二人を気にせず笑いの声を上げていた。一人だけの声しか聞こえないその部屋は、正に三人の現状を示しているかのような凄みを醸し出していたのであった。

 

「ククッ、クックックックッ……」

 





 気づいたら2ヶ月経ってたのはなにかの魔法ですか?
 何にもできてません、イベント多すぎです。

 ヒナちゃんがメインストーリーで爆イケ活躍するとかいう話聞いたんですけどマジ?爆散する予定を立てなければいけないのですが!まだメインストーリー読めてないのですが!!!

 次回もういつになるかわかりませぬ。私の情緒はぼどぼどよ!!!
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