今回は完全オリジナルであります。
第二次世界大戦で、枢軸国は勝ってしまった。
ナチスドイツはヨーロッパを支配し、
アメリカは敗戦国となった。
そこから約70年。ナチ党は終わりを迎え、
アメリカは世界での権力を回復させた。
世界は一足遅れて平和になっていた。
これはそんな世界の日本で起こった話である。
これ、そんな重い話じゃないぞ。
◇◆◇◆
2019 帝都東京 歌舞伎町
ここは日本の首都、東京である。
第二次世界大戦で勝利した日本は、軍閥政権が力を握っていた。
民主政治が侵されかけていた議会は政治クーデターを起こし、軍閥政権を打倒した。
それが30年ほど前。俺は未だ生まれていない。
今の日本は平和一色になり、『平和な国』のお手本と言われる程になった。
だが、裏がない国は存在しない。
当然この国も例外ではない。
俺はそんな裏の世界で暗躍しているエージェント…
そんな事を考えていると、隣から話掛けられていた。
「何鼻伸ばしているんですか?サングラスかけてるのにみっともない顔になってますよ?」
「あ゛?みっともないって?この俺の美貌が?」
「そんな良い顔してないでしょう。サングラス掛けてなかったらただのモブですよ。」
そんな辛辣な事を上目遣いで言ってくるこの身長の低い奴は
いつもこんな事を言ってくるが、こいつはやる時はやる奴だ。こいつ自身も『私出来る女ですから!』なんて言ってる。
「それより、任務の事考えてます?意外に重要な任務ですよ?」
「分かってるって。確か…歌舞伎町のビルで機密情報を回収するって奴だろ?」
「そうですよ。この回収する情報、相当重要な奴らしいですよ。」
それもその筈、この情報、戦前から戦後30年までの汚職事案が全て纏められているとんでもない代物だから。
「なんでこんなの、歌舞伎町に隠すかな〜」
「さあ。ビルが立ち並んでて、隠しやすいからじゃないですか?」
「失敗したら上司に怒られるかな…」
「怒られるかな…じゃないですよ。首が飛びますよ。く び が。」
「そ、そうか…」
「じゃあ、そろそろ下降しますよ。」
「はいはい、分かってるよ。」
扉が開き、足元に広大な夜空とビル群が広がる。夜景が綺麗だなー。
今いるのは高度3000m。乗っているのは輸送機だ。
この光景はいつ見ても足が竦む。
やっぱり行きたくねぇ〜
「やめて良い?」
「駄目に決まってるじゃないですか。ほら、」
そう言って背中を押された。鬼!悪魔!
「うおあああああああ!」
◇◆◇◆
場所は目的のビルの屋上。
「死ぬかと思っだ…」
「そんな鼻水垂らしてみっともないですね。早く逝って下さい。」
「なんか言葉に悪意がある気がするんだが?」
「気のせいじゃないですか?ほらほら、早く逝くんですよ。」
もうこの職場耐えられないかもしんない。
「じゃあ、いちにのさんで扉破りますよー」
「「いち、にの」」
御崎が扉をぶち破った。
「さんは!?」
そんなの気にせず突き進んでいく御崎。
奥からは早速銃声が聞こえてくる。
頼むよ、空気合わせてくれよ。
『舐めとんのか?クソ共〜!』
奥からクールな感じの御崎とは思えない程の罵声が聞こえて来る。
俺も行かないと。
階段を駆け降りて御崎が制圧している途中の階を通り過ぎて下の階に降りる。
右の4部屋目。ここだ。
扉の方に人の気配を感じる。
きっとこのまま突入すれば反撃されてしまう。
ここで使うのが、
テレレレッテレー!小型爆弾〜!
扉にくっつけて5秒待つだけで扉の前を制圧出来る代物だ。
扉にくっつけて、1…2…3…4…5……ドカン。
突入して、部屋に居た敵を的確に始末する。
「ルーム、クリア。」
早急に部屋の中を調べる。すると、鍵の掛かっている棚を見つけた。
ピッキングして、棚の中を調べる。
「これで仕事は終わりだな〜♪」
中を見てみると、えっちい写真集が。
「……。」
「まだ、まだなんかある筈。」
奥を見てみたり、裏を触ってみる。すると、
「やっぱりな。あるじゃないか。」
上にUSBがくっついていた。
割と巧妙だった。(自己採点)
御崎が部屋に入ってくる。
「見つかりました?」
「見つかった。完璧だ。」
そう言ってUSBをちらつかせる。
「そうですか。じゃあ帰りますよ。」
「どうやって帰るんだ?お前服血まみれだぞ。」
「あ、本当ですね。」
「気づかなかったのか…」
「じゃあ宮薙さんは先に帰って下さい。私は回収班呼びますんで。」
「俺も一緒にいい?」
「駄目に決まってるじゃないですか。」
「oh….」
「あ、USB下さい。」
その後粘ったが、渋々歩いて帰ることにした。回収班は呼んじゃ駄目らしい。
◇◆◇◆
夜の歌舞伎町は何か不思議な雰囲気を醸し出している。
表は明るいのだが、奥に行けば行くほど暗くなっていき、東京の闇を感じる。
「なんか呑んで行こうかな…」
そんな感じでぶらぶらしていると、路地に人が蹲っているのが見えた。
ここは歌舞伎町でも割と深い所で、治安はお世辞にも良いとは言えない。
シルエットは女性、大分身長は低い。
何か起きる前に忠告しておいた方が良いだろう。
路地に入り、女性に声を掛ける。
「そこの女の人。何でそんな所に蹲ってるんだ?」
「私…道に迷っちゃって…」
声が大分若い…いや、幼い。子供?なら更に疑問が深まる。
「君、女の子か?ここは女の子が来るような場所じゃない。お家に帰るんだ。」
「じゃあ…連れてってくれる?」
そう言って女の子は振り返った。
総白髪の長髪に、透き通るような白い肌。それに、ルビーのように紅い目。
顔はヨーロッパ系…なのか?整った顔立ちをしている。
「貴方は、私の王子様?」
そう言って、屈んでる俺の肩に腕を絡ませてくる。
俺はそういう経験は少ないがこれは分かる。やり慣れてる奴の犯行だ。
俺の脳みそがアラートを鳴らしている。
「何を言って……!?」
首筋に何かが突き刺さった。
牙のような何か。
反射的に押し返す。
女の子は倒されること無く立っていた。
「ふふふ…貴方の血液、美味しかったわよ。」
「何だお前。吸血鬼か何かか。」
「あら、貴方の方から答えを言ってくれるのね。」
「何だと…?」
「私は吸血鬼のルアー。貴方は私の眷属になるのよ。」
「ルアーって、あの釣りの?」
「何言ってるの。英語で魅惑っていう意味があるのよ。」
知らんな?そんなの。
ていうか眷属にされるって?なんか体に変化でも出るのか?
今の所何も起こってないけど。
すると、ルアーの体から霧が出ているのに気づいた。
霧はどんどん濃くなり、遂にルアーの体を覆った。
霧が晴れると、ルアーは最初の少女の姿から大人の女性に姿を変えていた。
ありえない大賞獲れるだろこれ。
「え…」
「どう?これが私の真の姿よ。血液を吸ったから回復したの。」
「凄い…綺麗だな。」
正直言ってそれ以上でもそれ以下でもない。
吸血鬼は凄いが、今になって疲労が出てきた。血吸われたからか?
早く帰らないと。本部に連絡もしなきゃならない。
「ちょっと…帰っていいかな?」
「何よ、これからじゃないの?」
「疲れてるんだよ。」
「私が疲れを癒してあげようか?」
そう言って胸元に手を添えるルアー。
疲れが段々と積もっていっているお陰で全く魅力的に見えない。
こういうのは仕事じゃない時に出会いたかったな…
「俺本当に疲れてるんだよ。今直ぐ帰って寝たいんだ。」
「そうですか…じゃあ、住所教えてくれる?」
「住所…?」
疲れているせいで判断が出来ない。
心なしか眩暈も感じる。
送ってくれるんなら送って貰おうかな…
なんで今日こんな疲れてるんだろ…
「住所は、××区7丁目×-17だ…」
「まさか教えてくれるとは…」
「送ってくれるんだろ?頼むよ。」
「しょうがないわね…本来ならこんな計画じゃ無かったんだけど。」
ルアーがパチンッと指を鳴らすとテレポートした。
いつもの狭い部屋とベッド。
送ってくれたルアーには悪いが、寝させて貰おう。
「そんじゃ、お休み。」
「あ、まだ話は終わってないわよ…って、寝るの速っ!」
見事にベッドに滑り込みましたー!スヤァ…
◇◆◇◆
「面白い人間ね。眷属にした筈なんだけど、なかなか命令を聞かないわ。」
ルアーは少し考える仕草をし、
「初対面の人間には悪いけど、少し悪戯しちゃおうかしら…」
妖艶な笑みを浮かべていた。
御崎に変態呼ばわりされるまで、残り10時間。
どうでしたでしょうか。
今回は面白くできると信じています。
登場人物の情報
ルアー
身長:160cm
お胸のサイズ:デカくは無い。
御崎仄
身長:157cm
お胸のサイズ:控えめ
宮薙斎賀
身長:170cm
お胸のサイズ:田方平野