4日ぶりかな?
前回のあらすじ
吸血鬼が家に住み着いて、その日の内に別の任務でまた変なのに絡んじゃったよ!
以上!解説のゼウスちゃんでした!
◇◆◇◆
「じゃあ…うち来るか?」
「は?お前何言ってんだ。」
その時、彼女の警戒心が隙を見せた。
その隙をこの
ポケットに手を突っ込み、細い筒の様な物を取り出し、ボタンを押してぶん投げる。
投げられた筒は少女の所に向かう。
少女はすぐ気づいたが、もうその時は遅かった。
筒が少女の額にヒットする。
「なっ…」
すると少女は筒の中に吸い込まれて行き、完全に吸い込まれた所でプシュー、と筒が音を立てた。
それを先に避難して上から眺めていた御崎はこう思った。
こいつ嘘付きだな、と。
「ただでさえも吸血鬼が住み着き始めたってのに新しい住人なんて住ませられないな。嘘付いたけど解決したからオッケーだろ。」
そう言って宮薙は少女が吸い込まれた筒を拾う。
この筒は研究部門が最近開発した収容筒と言う物で、この大きさだと最大戦車10台まで収納できるらしい。
何とも使える物ができたと思いながら、破壊の影響を受けなかった階段を登り、地上に出る。
登った所で最初に掛けられた言葉は、
「あんな可愛い子に嘘付くなんて最悪ですね宮薙さん。人として見損ないました。」
「酷くないか?あの場合しょうがないだろ。下手に対応したら俺が消し飛んでたんだぞ。」
「まぁ、あの体で直径数百mの地下からここまで撃ち抜くなんて火力お化けですもんね。一理あるかもしれません。」
「だろ?お前もあの状況に居たら俺と同じ対応してたと思うぞ。」
「それは分かりませんよ。私なら説得して見せますよ。」
「出来たらいいがな。」
「その筒、どうするんですか?」
「うーん…取り敢えず白銀に渡して来るか。」
「それが良いですね。多分的確に対応してくれますし。」
そうして白銀に筒を渡しに行く。
筒を渡した時白銀は『多分レントゲンやCTを撮って血液検査をしてから能力の無力化をして解放されるでしょうね。』と言っていた。
今回の作戦での死者はゼロ。負傷者は数人出たものの被害はほぼ皆無だったらしい。
帰ったらきっとあの吸血鬼がご飯を作れと言って来るだろう。
ていうか眷属にするって、何にも体に変化が起こらないんだが。
いつになったら変化するんだ?変化しないのか?
そんなつまんない事を考えながら本部へ帰った。
報告書をパパッと書き上げて提出して、305号室を出る。
外の駐車場に行って車を停めていた場所に向かうが、
そこには俺の愛車は無く、代わりに一枚の紙が置いてあった。
『現在貴方の車は修理中です。歩いて帰って下さい。管理部門より。』
「嘘だろ…」
◇◆◇◆
宮薙が駐車場に向かう2時間前…
白銀は研究部門に来ていた。
「これで全ての検査は終わりですね。背中のエネルギー源の制御器も付けたので解放して構いません。」
そう言って検査結果の紙を渡して来るこの女性はここ研究部門の部長、
腰まで伸びているロングヘアーに丸メガネを掛けている容姿はいかにも研究員という感じがする。
「一応近くにいつでも対応できる人を置いておきたいんですが…どうします?」
「あー、それなら…良い人知ってますよ。」
「ほう…誰ですか?」
「宮薙斎賀って言う対象と戦った人です。あの人収容筒を使うために『家に来ないか』って嘘付いたんですよ。」
「それで?」
「それで、その『嘘』を『本当』にするって事ですよ。」
「どういう事ですか?」
「宮薙さんの家に対象を連れてくって事ですよ。」
「方法は?」
「そう急かさないで下さい。方法はまず、宮薙さんの車を修理と言う名目で回収して、そこから徒歩で帰らせます。
宮薙さんの家はここから30kmは離れてるんでしばらく時間が掛かるでしょう。それで、次に対象を回収した宮薙さんの車で
送ります。それで完了です。」
「少しだけ複雑で、中々に面倒くさいですね。」
「まぁまぁ、『家に来ないか』って言ったのは宮薙さんですし、それを実現させてあげるだけですよ。」
「だけど誰か住んでるんじゃないですか?噂の謎の女性。」
「そこはどうにかしますよ。僕は対象の護送をするんで、一さんは根回しをお願いします。」
「面白そうだしやってあげましょう。」
行こうとしたその時、一さんが言葉を放った。
「あ、対象の名前どうします?」
「確かに…ずっと『対象』じゃ駄目ですもんね…あっ、こう言うのはどうです?
背中のエネルギー源、ゴジラのあのヒレみたいだったじゃないですか。だけど、核エネルギーは発して無かった。
だからゴジラっぽいけどゴジラじゃない。『unGodzilla』で『アンゴジラ』、それを縮めて『アンジラ』って言うのはどうですか?」
「『アンジラ』…良いですね。それで良いんじゃないですか?」
「そうですね。じゃあ、後は頼みました。」
そう言って白銀は部屋を出た。
この時白銀は凄く楽しそうだったと通りがけの職員は感じたらしい。
◇◆◇◆
あの後4時間ぐらい掛けて宮薙は家に戻った。
あんな山の中から徒歩で帰らされるなんてどんな苦行だ。
愛車は家に停められていて、しかも鍵がかかっていなかった。
代車も用意しない挙句家に車を鍵を掛けずに置いておくなんて絶対労基に訴えてやる、そう誓った所で玄関の前に着いた。
鍵を開け、2階の部屋に上がって服を着替え、1階の洗面所で手を洗ってリビングに向かう。
リビングの扉を開けると、いつもの机、昨日来たばっかりの吸血鬼、それにゴジラの擬人化みたいな少女が。
……ん?一回扉を閉めて、もう一回扉を開く。
そこにいたのは、あの少女だった。
ちょっと前に嘘ついて筒にぶち込んだあいつ、地下から地上まででっかい穴を空けたあいつ。
そいつが今目の前に居る。
「あ、帰ってきてたのね。なんかここに来た人がこの子を貴方に預かってくれって言ってたわよ?
ちなみに拒否権は無いって。」
「だってあいつが言ったんだぞ。『じゃあ…うち、来るか?』って。本当に来させられるとはな。あ、ちなみに名前はさっき貰った。
『アンジラ』だってな。中々良い名前じゃないか。」
「そ、それは良かったな…ちなみに連れて来たのはどんな人だった?」
「あー、白髪?銀髪?で、子供みたいな顔した奴だったな。」
白銀だ。絶対白銀だ。あいつは受付の筈なのに自分の部隊持ってるし自由に部門を動かせる。
それに顔と性格が一致していない。絶対俺が言った言葉を嘘だと理解した上でこんな事してる。
今度あいつのあらぬ噂を至る所に流してやろう。
「取り敢えずご飯作るか…三人分足りるかな…」
「美味しいの頼むぞ。ずっと決まった食事しか食えなかったからな。基本パンだけだったし。」
「じゃあ、今日は唐揚げとポテトサラダ、あと味噌汁にするか。」
「どれも食べた事が無いな。どんな味なんだ?」
「どんな味って…そんな味だよ。食べ慣れてるから表現しにくいな。」
そう言って宮薙は厨房に向かった。
「私は朝ご飯に味噌汁を飲んだけど思ったより美味しかったわよ。」
「思ったよりって…」
「それより、貴女これからどうするのかしら?私はこれから宮薙のヒモとして生きるつもりだけど。」
「私は…まだ決めて無いな、身の保証はしてくれるみたいだが、あの男と付いてる組織を完全に信用したかと言えばまだ出来てない。
これからゆっくり考えておく。」
「そう…」
「もうご飯出来たぞ。皆机に着け。」
宮薙が思ったよりも早くご飯を作り終えて机に置いていく。
「美味しそうだな…写真でしか見た事がなかったから…良い匂いがする。」
「まさか唐揚げでここまでとは…」
「俺の腕前は世界一ィ!だからな。」
唐揚げは美味しい。これ万国共通。