青春ラブコメ憂鬱譚   作:FAN男

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四十三話 緊張と、油断と、溢れ出る血

 それから数日が経って、いよいよ次の会議の日となった。

 比企谷や由比ヶ浜が言うには、海老名も材木座もしっかりと案を考えてきているそうだ。ただ、二人とも彼らどんな案を考えたのかはまだ聞いていないらしいが。

 それを聞くと途端に不安になるのは、なんというか助っ人二人の日頃の行いのせいなのか、単純に俺が信じきれていないせいか。どちらもだろう。

 そんな不安を抱えながら、午前午後と授業を受けて今は放課後。

 帰りのHRも終わり、眠気眼を擦りながらゆっくり体を起こす。寝たいと訴える脳のシグナルを無視して、体を伸ばすことで霞がかかっていた頭をクリアにした。その後手早く会議室に向かおうと席を立った。

 

「少し良いですか田島くん」

「うおっ……ああ、お前か……手短にな」

 

 そんな俺の背中に突然声がかかった。

 相手は同じクラスメイトの松山千佳子だ。

 本当にこの女、ほとんど気配を感じないのに気がつけば近くにいるから驚いて仕方がない。文化祭の時もやられたなそういえば。

 振り返れば彼女はいつ見ても変わらない眠たげな目をこちらへと向けながら、三つ編みに結んだ二つのお下げを揺らしてちょこちょことより近くまで歩いてくる。

 やけに愉しげなのは俺の見間違いではないだろう。

 

「いろはさんから聞きましたよ。何やら面白いことをやっているようですね」

「……体育祭のことか?」

「ええ。私は生粋のインドア派なので今回は関わるつもりはありませんが……。いえ、やはり面白いことが起こるかもしれないと考えると一枚噛むべきでしょうか……?」

 

 俺には何が面白いのかは皆目見当もつかないが、何故か了承を出すと面倒くさそうな気がした。とはいえ彼女の手助けが得られるのは、割と魅力的ではあるのだが。

 

「いい、いい……。迷惑もかけられんし、そのまま傍観者でいてくれ」

「ほう、迷惑だと仰いますか……。ですが、仕方がありません良いでしょう。今回はいろはさんがいる訳ですし、話は彼女からお伺いすれば良いですからね。のでここは大人しく身を引きます」

 

 なぜ少し不満げなのかはさておき、ひとまずは諦めて貰えたようで何よりだった。

 

「それで、今から会議に行くのでしょうか?」

「ああ。お前は帰るのか?」

「そうですか、頑張ってください。私は……そうですね、帰っても暇ですし少し彼らでも揶揄うとしましょうか」

「彼ら?」

「おや、気になりますか?」

 

 にんまりと笑う彼女に対して、何となく面倒な雰囲気を察した。

 見た目は小さく幼いのに、時折こうして蠱惑的な笑みを浮かべるのがこの女の恐ろしいところだ。きっと彼らとやらも犠牲になっているに違いない。

 

「……いや、聞くのはやめておこう」

「ふふふ、そうですか」

 

 さすがに嘘だが、ここで聞くのもなんとなく怖いので、聞かずに会議室に向かうことを選択する。

 

「俺はもう行くぞ」

「ええ、また明日」

「じゃあな」

 

 去り際、遊戯部がどうだこうだと聞こえた気がするが気のせいだと思うことにしよう。秦野と相模……そういえば、俺の知っている相模は二人いるんだな。姉弟だったりするのだろうか。まぁそれはいいとして、二人の無事を願って、俺は足早に教室を去るのだった。

 

 

 松山に捕まったことで少しばかり遅れて会議室にやってきた俺は、部屋の中に僅かながらも確かに漂う異様な雰囲気に一瞬眉を顰める。

 気のせいでは無いその感覚に何事だ一体、と困惑していれば俺が入ってきたことに気づいた会長が小さく手招きをした。

 

「田島くんこんにちは」

「ええ、こんにちは」

 

 会長に会釈とともに挨拶を帰し、改めて周囲を見渡せば執行部のメンバーはもう準備を行っていたようだ。会議室前方にあるプロジェクターの準備やセッティングなどを行っているようで、彼らは忙しなく動いていた。

 

「すみません、少し遅れてしまったようですね。ぼくが手伝うことはありますか?」

「あっ、じゃあ私と一緒にプロジェクターがちゃんと作動するかチェックしてもらえる?」

「了解です」

 

 会長と共にプロジェクターまで動くと奉仕部の面々もいて、彼らと軽く挨拶をしたあと準備を開始する。

 準備をしながらもやはり疑問だった。この会議室の雰囲気。剣呑なわけではなく、それこそ文化祭の時のような感じではなかった。

 なんだっていうんだ、一体。

 なので、手近にいた比企谷にその疑問をぶつけてみることにした。

 

「比企谷、どうも会議室が妙な雰囲気だがどうかしたのか?」

「……ん?ああ、アレのせいだろ」

 

 そう言って比企谷が目線を移した先には席のど真ん中、ではなく。端の方で腕を組んでどっしりと座っている材木座の姿と、反対にはぐふぐふと気持ちの悪い笑い方をする海老名の姿が。

 しかし、頻繁にチラチラと材木座が海老名のことを見ているのが気になる。

 どうも海老名のことを気にしているようだが、何かあったのか……ああ、そうだったな。

 それを見ていて俺もようやっと思い出した。

 

「……そういえば、由比ヶ浜からどちらがより良い案を出すか否かの対決形式になったとかLINEで聞いたが、それが原因か?」

 

 一瞬比企谷の目がキョドったがその後至って平成な顔をして比企谷は続ける。

 

「お、おう。あの後由比ヶ浜と一緒に頼みに行ったんだが、自然とそんな流れにな。海老名さんの方はそうでもないんだが、材木座がなぁ……」

「対抗心を抱いてしまったと……分が悪いだろうに」

「な。あれで海老名さんハイスペだからな」

 

 俺はそこまで彼女のことは知らないが、F組の文化祭はほぼ彼女が取り仕切ったそうだしその辺の能力は高いのだろう。それゆえのハイスペック呼びといったところか。

 正直比企谷も材木座にはあまり期待していないのだろう。その目は憐れなものを見るかのようにどんよりとしていた。

 準備の方はもう佳境であり、雪ノ下が最後にレーザーポインターのオンオフをチェックし終えると、離れた場所で座って見ていた生徒会長に声をかける。

 

「城廻先輩。こちらの準備は終わりました」

「ありがとう」

 

 会長はにっこりと笑ったあと、隣の相模へと視線を向ける。

 

「じゃあ始めよっか?いける?相模さん?」

「だ、大丈夫です!いけ、ます……はい」

「田島くんもサポートお願いね」

「ええ」

 

 少し声は震えているものの、少なくとも以前にみせたやる気は未だ衰えていない模様。ただ、これからの進行は俺がサポートするものの、ほとんど相模一人の手によって行われると考えれば、彼女が感じているプレッシャーは如何程のものか。

 文化祭の雪ノ下のように彼女の役割を奪うことなくしかしやれることはやらなければならない。

 

「それじゃあ、ひなちゃんと……ええと……」

「材木座」

「……材木座くん、二人とも、よ、よろしく」

「まかせてっ!」

「うおほん」

 

 相模が二人のことを呼ぼうとして材木座の名前は知らなかったようなので教えたら睨まれた。そんな彼女に肩を竦めて、両名の様子を伺う。方や興奮気味、方や緊張気味で二人は既に立ち上がりスクリーン横へと移動していた。互いに向かい合えば不敵な笑みを浮かべる。

 この様子から見るに問題はなさそうだが、材木座のあれは単純に強がっているだけだろう。

 本人がいれば「も、もははは、これは武者震いなり」なんて言うに違いない。……なぜこんなにエミュレートができているのだろうか。普通に嫌なんだが。

 ともあれプレゼンが始まる。先手は材木座からだった。

 少々意外ではある。緊張しているようだしハナは海老名に譲るものかと思っていたが。

 

「るふん」

 

 材木座はスクリーンの前に立ち、奇妙な咳払いを一つした。

 首を小さく下げてお辞儀、未満のよく分からない礼をすれば彼はパソコンを操作する。手早く操作すればスクリーンに恐らくソフトで作ったレジュメを映し出す。タイトルは「体育祭競技提案」。至ってまともなものだった。

 奇抜な感じで来るかとも思ったが、そうでもないらしい。フォントが筆文字のような形式である以外は至極シンプルなものであった。

 良いと思う。こういった場ではシンプルな方が見やすいものだ。

 感心しながら材木座が注ぎ口を開くのを待つ。ただ、時折小さくヒューヒューとか細い息遣いのみが聞こえる。

 ロボットのようにカクカクと動きながら時折スクリーンに映し出されたレジュメへと目をやっていた。

 会議室は静かだった。皆聞く姿勢はばっちりで、あとは材木座の発表を待つのみなのだが、いまだ聞こえるのはか細い虫の羽音のような音だけ。……まぁ、わかっていたとも。

 多分、極度の緊張で声が出ていない。察することは容易だがこういった場に彼はあまり慣れていないのだろう。普段からやたら目立つ癖に人前には出たがらない男だ。

 手助けはしてやった方がいいだろうな。

 

「タイムだタイム。材木座、全く声が出てないぞ」

「ほ、ほひ……?」

 

 一度中断させればすかさず材木座に声をかける。彼は何を言っているか分からないようで間抜けな声を出しながらその場で彫像のようにフリーズしていた。

 

「え、まさか話してたの!?」

「あの羽音みたいなやつか……?」

 

 由比ヶ浜から驚きの声が出し、比企谷は困惑しながら心当たりのあるものを口に出す。気づかないのも無理はない。俺もたまたま気づいたわけだからな。

 

「極度の緊張のせいで全く声が出てなかったみたいね」

 

 雪ノ下は冷静に分析していた。

 ともあれ仕方が無いが、助け舟を出してやる必要があるな。

 だが、誰に手伝わせてやるべきか……。雪ノ下は論外だし由比ヶ浜もあいつの好感度は低いだろうからな。俺も副委員長という立場的に難しい─本音としてはやりたくないというのがあるのだが。となれば。

 

「比企谷、手伝ってやれ」

「俺かよ……。まぁ、そうか。俺がやるべきか……」

「頼んだぞ」

 

 比企谷は短くため息を吐くと席を立ち上がる。

 

「材木座、手伝ってやるから、もっぺんやるぞ」

 

 錆び付いたロボットがごとく、ゆっくりカクツキながら材木座の首が動き、比企谷を視界に取られる。途端先程まで石化の呪文にでもかかっていたかのように強張っていた表情は柔らかなものへと変わった。

 

「……ふ、ふむん。であるか」

 

 安心したようで普段の調子を取り戻してきた。

 どうやら問題はないようで「んじゃ、始めるか」と比企谷と材木座は俺たちに向かって一礼をして、比企谷がパソコンを操作する。材木座じゃないんだな。

 

「えー、提案する内容はこちら。千葉市民対抗騎馬戦、です。え、なにこれ」

 

 タイトルだけでは分からなかったようで比企谷は材木座へと振り向いた。材木座は比企谷に向かって、大袈裟にポーズを取って先程とは打って変わって、そりゃもう大きく発声した。

 

「千葉市民対抗騎馬戦。略してええええええ!チバセンッ!」

 

 これが最初からできてればいいのになぁ……。それも比企谷に向かってではなく、俺たちオーディエンスに向かって。

 そしてそこから始まったのは漫才じみた発表だった。

 

「で、これなんなんだよ」

「はぽん。その昔、千葉では里見氏と北条氏の争いがあってだな。その歴史性を考慮した素晴らしい競技だ」

「当時はこの辺、海だったと思うけどな。で、ルールは」

 

 比企谷に向かってだけ話す材木座。比企谷の訂正は確かにそうかもしれないが、実際に千葉では両家の争いが行われていたのは確かだ。一般的には三船山合戦と呼ばれる戦いだったはずだ。詳しくは覚えてないが。

 

「あ、いや待て八幡!ほらちょっとなんか恥ずかしいから!そのスライドまだちゃんと出来てないから!途中段階であれ───」

「いいからさっさと進めろ、比企谷」

「ほい」

「待ってえええ!」

 

 羞恥なのかくねくねしながら比企谷を止めようとする材木座を見て、俺は比企谷にゴーサインを出す。

 スクリーンが切り替わった。

 

「ほげえええええええ!」

 

 酷くやかましい材木座の絶叫、そしてスクリーンに映し出されたのは恐らくコラージュ画像らしきものだった。普通のよくある騎馬戦の写真に、鎧武者が乗っているものだ。確かに彼の言う通り中途半端なものであり、所謂雑コラと呼んでも差支えのないクオリティ。

 材木座が見せるのを嫌がったのも納得だ。そんな彼を他所に比企谷は話を進める。

 

「えー、ルールは普通の騎馬戦とほとんど同じですが、鎧を着てコスプレをした大将騎を複数決め、その大将騎を倒した数で勝敗が決します。これにより、通常の騎馬戦よりも戦略性が増し、見た目のインパクトを演出することが可能です。……なんだ、ルールの方は案外まともじゃねぇか」

 

 比企谷は酷く驚いたようにして材木座の方を見る。確かに彼の言う通りルールはかなりまとも、いやそれどころ普通に採用して良いレベルの出来だった。

 とはいえ材木座本人は「そ、そうかあ?」と戸惑いを隠せないようだが。

 

「シンプルでわかりやすいね。イメージもしやすいし」

 

 うんうんと会長が頷く。そしてぱちぱちと手を叩けば、会議室全体に小さくだが広がっていった。それでもどうやら不安なようで俺の方へと材木座は顔を向けた。

 

「し……田島殿的には、ど、どう……?」

 

 一瞬師匠と呼ぼうとしたようだが、俺がこいつと顔を合わせる度に、せめて人前では止めろと釘を刺し続けていた成果か呼び方を変えている。

 しかしなぜにこうも不安げなのか。

 

「なぜ俺に……?まぁ、かなり良かったな。目玉競技に必要なインパクトのある見た目、かつ会長の言う通り誰もが説明を聞けば何となく理解しやすいシンプルさ。充分合格点は満たしているだろう」

「ほ、ほほーう……」

 

 ようやく安堵したのか、ため息を吐いた材木座。そんな彼に比企谷は言葉をかけて軽く背中を叩き、元いた席に戻った。

 安堵したらしく胸を撫で下ろしている材木座は、予想以上に評価されている現状に満足したのか口元を緩ませた。

 

「デュ、デュフ」

 

 パッと拍手がやんだ。

 その気持ち悪い笑みがなければ完璧だったのだがなぁ……。

 

 

 材木座のプレゼンが終わり、海老名のターンが回ってきた。

 彼女は材木座と違って慣れているのか特に緊張した様子もなく慣れた様子で前に立った。

 

「えっと、私が考えたのはこれです」

 

 彼女はパソコンを操作して、スライドを進める。パッと表示されたスクリーンには『棒倒し』と短く表記されていた。

 これまた存外に普通だ。正直不安だらけの材木座と違ってまだ安心感のある海老名だが、唯一どんな案を出すかだけは不安だったが……これなら問題はなさそうだ。

 缶コーヒーを手に取って、音を立てないように中のコーヒーを飲みながら俺は安心しきって彼女のプレゼンを聞いていた。

 

「今回のポイントはズバリ大将の存在です。さっきのプレゼントちょっとかぶっちゃいましたけど、こちらは戦略性よりカリスマ性を重視しています」

 

 テーマはカリスマ性か。どういう事なのだろうか。

 

「生徒人気の高い、サッカー部部長の葉山隼人くん。彼をこの棒倒しで大将と位置づけることで全体からの注目を集めます」

 

 うん?些か雲行きが怪しくなってきたな……?

 海老名はスライドを操作するとスクリーンにやたら爽やかな笑顔を浮かべている葉山隼人の画像が映し出された。

 俺は困惑気味だったが、知り合いの女子を除けば大部分の女子陣はキャピキャピし始めた。

 とはいえ彼女の選択自体は間違っていない。人気のある葉山を大将にすることで女子陣のみならず彼の知り合いなどからの注目度を上げて目玉競技としてのインパクトを増す。海老名の狙いは概ね正解だろう。

 しかし……相手は大妖怪だったのを失念していた。油断した俺が間違いだ。もう少し気を引き締めた方がいい。主に、精神的に。

 

「隼人くんは白組なので、赤組の大将を誰が立てないといけないんですが、えっと……誰か、赤組で良さそうな人いないですか?」

 

 どうもそこら辺は割とライブ感でやるようで、海老名は委員長である相模に目を向けた。

 

「さぁ、どうかなぁ……」

 

 相模は首を捻って考えるのを見て、海老名は俺へと目を向けた。怪しくその瞳を光らせながら。

 

「じゃあじゃあ、田島くんは?もしかして赤組だったり!?」

「ちがーう。俺は白だ。仮に俺を大将に添えるのだとしても葉山を退けるのは無理だろ」

「うーん、そっか……」

 

 俺の言葉に彼女はすっかり興味を失くして……はないようで、何やらブツブツと呟いている。「ならとべっちを───とべたじアリ───」これ以上聞くのはやめた方が良さそうだ。

 すると相模の隣に座る会長が、あ、と声を上げた。

 

「雪ノ下さんたち、赤組だし、誰か候補思いついたりするかな?」

「えっ!?ヒキタニくん、赤組なの!?」

 

 おっ、大物が釣れたな。是非とも比企谷には頑張って欲しいものだ。

 海老名はそりゃもう強烈な食い付きで比企谷の方に詰め寄る。

 

「じゃあもうヒキタニくんで決まりじゃん!敵対する大将同士のカップリングが紅白でめでたいから今日はもうお赤飯だよ!キマシタワー!」

 

 やはり妖怪は妖怪であった。やけに手馴れた様子かつ普通の案だったから騙されかけたが、気を引き締めて正解だったな。

 ただ、葉山の対になるのが比企谷なのは流石に無理がある。名前もロクに覚えて貰えてない男だぞ。現に未だに興奮して軽く鼻血すら出ている海老名に対して、会議室は若干、いやかなり困惑気味で海老名に詰められている比企谷を見ていた。

 相模なんて露骨に嫌そうな顔をしている。

 

「と、とりあえず、エビナはエビナは驚きと戸惑いと喜びを隠そうともせずそのまま淡々と説明を続けます。えっと、し、白組の隼人くんが、あ、あか、赤くなったヒキタニくんの棒倒しをぶはっ」

 

 海老名は背中から倒れて動かなくなった。鼻からは赤い液体が漏れ出ていた。

 

「うわ……」

 

 光景があまりにヤバすぎて誰もが絶句していたが、まず間違いなく危険な状態なので、察した会長が生徒会役員に向かって頷く。すると役員たちがしゅたっと動き、海老名の手を引っ張る。そして彼女はズルズルと廊下へと引きずられながら消えていった。

 

「ちなみに俺は運営委員会もあるんで無理っすね」

 

 勿論、比企谷が大将になるという海老名にとって恐らく最大の希望は、彼の一言によって、呆気なく潰えるのであった。

 




次回 プレゼンの結果

この作品のメインヒロインを誰だと捉えてますか?

  • 雪ノ下
  • 一色いろは
  • 鶴見留美
  • 松山千佳子
  • 材木座義輝
  • 戸部翔
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