ならば俺とは全くもって無縁のものだろう。
由比ヶ浜が部員になってからしばらく経った日、部室へ向かうと道中に比企谷がいた。
「比企谷か」
「うす」
いつも通りの陰気な挨拶を交わし、俺たちは部室へと向かう。
「なあ……奉仕部って一体何する部活なんだ」
「……気持ちはわかるぞ」
結局のところ大々的に宣伝はしていないので、奉仕部という部活は各々で読書やら携帯を弄るなどして、放課後を無駄に潰す。暇つぶし部と言ってもいい活動内容だ。
由比ヶ浜が来てからというもの、奉仕部は再び依頼人が来ない虚無の部活動となっている。
「まあ、とはいえそろそろ平塚先生が誰かしら連れてくるんじゃないか」
「それはそれでめんどくせぇな」
「文句を言うな」
俺は働きたくないんだ、などと宣う比企谷を置いておいて、俺は少し歩を早めて部室へと向かう。しかしどうしたことか、部室の前に雪ノ下と由比ヶ浜がなにかに怯えるように立ち尽くしていた。何をしているのかと思ったら、扉をちょっと開けて中の様子を覗いているようだ。
「何してんの?」
「ひゃうっ!」
二人は肩を跳ね上げて本当に驚いたようなリアクションをする。まるで不審人物に唐突に話しかけられたかのような、それなら納得だ。いつも猫背かつポケットに手を突っ込み、腐った魚のような目で辺りを歩く姿は正しく不審者そのもの。驚くものやむなしと言ったところだろう。
「扉の前で何をしているのかは知らんが……奉仕部、今日はないのか?なら帰ってもいいだろうか」
「ダメに決まっているでしょ。それに奉仕部がないわけじゃないの。ただ……」
雪ノ下が言いよどみ、扉の方に目を向ける。扉の向こうには奉仕部の部室があるのみだった。
「じゃあ何してんの?」
「……部室に不審人物がいるの」
「不審人物?」
なんの事かは分からないが、中の様子を覗いた方が良さそうだ。誰に言われるまでもなく、俺は彼女達の前に立つといつも通り乱雑に扉を開けた。
扉を開ければ吹き抜けるのは強い潮風だった。そしてその風によって巻き上がったプリントが辺り一面に散乱する。正しく紙吹雪といったその光景の中、佇む一人の男がいた。
「クククッ、まさかこんなところで出会うとは驚いたな。───待ちわびたぞ。比企谷八って何奴!?」
「こっちのセリフだ、度し難いほどの阿呆め。格好をつけるより先に、この散乱したプリント類を拾え」
「クックック、我に命令できるのは相棒たる───」
「どうでもいいからさっさと拾え」
「我は──」
「拾え」
「わ、我は──」
「拾え」
「……拾います」
「可哀想な材木座……」
果たしてそこにいたのは、全く持って、本当に、心の底から知らない男だった。もうすぐ夏も近いというのに分厚いコートに指貫グローブを着た大柄な男は、項垂れながらプリント類を拾い始める。よくよく見れば、それはWord等のソフトで作られた原稿のようだった。
「……比企谷くん、あなたの名前を呼んでいたようだけれど」
雪ノ下が扉からひょっこり顔出し比企谷と男子生徒を見比べ、その鋭い自然に男は萎縮してしまい、再び原稿用紙を拾い集める。
「……何の用だ、材木座」
「むっ、我が魂に刻まれし名を口にしたか……しばし待て」
原稿用紙を集め終え、それを集め終えた後コートを力強く靡かせ、キメ顔をしながら比企谷の方に向き合った。というか比企谷の方しか顔を向けることがない。
「我こそは!剣豪将軍・材木座義輝なりっ!」
足利義輝の事を言っているのだろうか。頭が痛くなってきた。やっぱり帰っていいだろうか。
◇
厨二病を患う材木座義輝という男子生徒の依頼は、小説の原稿を読んで欲しい、というものだった。
昨今投稿サイト等も色々と発達しているわけで、そういったツールを使えば良いと思ったがどうやら心のないコメントが来るのが怖いそうだ。
なので各々原稿を受け取り読むことになったのだが───。
「頭痛がするな……こいつは」
ジャンルは学園異能バトル物、いわゆるライトノベルという文学ジャンルにになる。それをコーヒーを飲みながら、添削をしつつ赤ペンをつけ、見やすいように付箋をつける。全てを読み終え、添削しきった頃には朝になっていた。まあそれはいつもの事だからいいのだが、この付箋の量はやりすぎたか。やってる間に段々と楽しくなってきて、思わず熱が入ってしまった。
コーヒーを飲み終え、一息つく。時計を見れば朝の五時半。いい時間だ。
「弁当でも作るか」
寝室を出て、誰もいないリビングに行く。ただでさえ誰もいないこの空間は、早朝の閑静さと相まって物寂しさを感じる。
昔は一人でいることに苦痛なんて感じなかった。一人暮らしを提案される前からずっと、俺が失望されたあの日からずっと。だが今は違う、一人は寂しいということを知った。だからその点奉仕部という部活はこの寂しさを紛らわせるにはちょうど良かった。
もしかしたら平塚先生にはそれを見抜かれていたのかもしれない。だとしたら本当に頭が上がらない。賑やかしに朝のニュースをつければ、アナウンサーが深刻そうな顔で芸能人の不祥事を喋っていた。
それを聴きながら、俺は溶いた卵を卵焼き用のフライパンに流して、卵焼きを作る。しかし昨日卵が安売りされていたのは本当に良かった。後輩のお陰で卵が四パック変えたのもデカい。これで暫くは飯に困らないな。
いつもは面倒だから適当におにぎりで済ませるのだが、今日は徹夜したこともあって時間もある。凝った弁当でも作るとしよう。
そうして朝食も済まし、身支度を終えたらだいたい七時半前には家を出る。総武高から俺の住んでいるこの家は、比較的学校から近く朝は余裕を持たせても急ぐ必要がない。
使い古した自転車を漕ぎ、欠伸を噛み締めながら進んでいると声がかかった。
「あれ、田島さーん!」
「あん?」
ブレーキーをかけ自転車をとめ、声の方を向けば見慣れた亜麻色の髪目に入る。中学校からの後輩である一色いろはがそこに立っていた。彼女はいつも通り人受けの良さそうな笑顔を浮かべ、俺の隣に立つ。どうやら一緒に登校する気らしい。時間に余裕もあるので、俺も自転車から降りて歩くことにした。
「おはようございます」
「おはよう。昨日は悪かったな、助かった」
「気にしないでください、日頃お世話になってるお礼ですから」
「ほう?そうか。なら今度別のセールの日が……」
「や、それは面倒なんで嫌です」
「そうかい……」
一色いろはという少女は、あざとく計算高い小悪魔のような性格をした少女だが、その本性は彼女の普段の立ち振る舞いによって巧妙に隠されている。
本人も自覚している通り男ウケは良い。そんな一見可愛らしい雰囲気を纏っている彼女だが、身内にはこんな風に素のあけすけとした態度を取ってくる。
俺が相変わらずなその性格に呆れていると、彼女はふと俺の顔を眺めた後尋ねてくる。
「……田島さん顔色悪くないですか?」
「ん、そりゃ徹夜したからな」
「はぁ……ちゃんと寝ないといつか倒れちゃいますよ?」
「その時はその時だ。最悪死ぬかもだが、どうでもいいことだ」
冗談交じりにそう言うと一色の表情が陰る。ブラックジョークもブラックすぎると笑えない。つまるところ、少し冗談が過ぎた。
「……あまり心配させないで下さいね」
「わかっている。冗談だ。その時は助けてくれ」
「はい、約束してますから。でもほんと気をつけてくださいね」
「ああ」
俺も大概だが、こいつも大概律儀な奴だ。中学の頃に交わした約束なんて、忘れていても良いだろうに。まあ、俺が言えた義理ではないが。真面目で、意外と義理堅くて、優しくて。だからきっと今でもこうして、俺は彼女との関係だけは切れなかったのだろう。
「話は変わるが、学校生活はどうだ?」
「いえ、特に何も」
「ほう、なら噂のハヤマ先輩とやらとは上手くいっているのか?」
「いやー、それが全然。あの人ガード超硬いんですよねー」
「相当人気者らしいからな」
ハヤマ先輩、正確には葉山隼人。直接の面識はないが噂話は良く耳にする。女子生徒の有名人が雪ノ下ならば、男子生徒の有名人はこの男だろう。一色は葉山を追っかける為にサッカー部のマネージャーになったらしい。
「わたしそんなに魅力ありませんかね……」
「あ?お前そのあたり自覚してる癖に何を今更……」
「あまりに手応えがないので、ちょっと自信無くなってきました」
そう言うと彼女はさっきとは違い、あからさまに私落ち込んでますよと言わんばかりに肩をガックリさせる。
葉山の事はよく知らないが、彼女がガードが固いと言っているという事から察するに、葉山とやらはこいつのこの性格を見抜いてるのかもしれない。だとしたら相当のやり手だ。本気で落とすのだとしたら一色でも相当厳しいだろう。
とはいえここで励ましたり慰めたりしたら調子に乗るのは明白だ。
「ハッ、その程度で無くなる自信なら捨ててしまえ」
「めちゃくちゃ辛辣……励ましの言葉ぐらいくれてもいいじゃないですか」
「そんな期待も捨ててしまえ。だが応援はしてやろう。適度に、それなりに、適当に頑張るといい」
「……他人事ですねー」
ムスッと頬をふくらませ、軽く俺に肘打ちをした後一色は目線を前へと向けた。
そうこうしている内に学校へと着く。俺は駐輪場に自転車を置いてくる必要があるので一色とはここまでだ。
「それじゃ、またな」
「はい、それではまた」
小さく手を振った後一色は校舎へと向かっていった。しかし、どうして彼女が俺を慕ってくれているのか未だに分からない。田島 実の七不思議のうちの一つに認定しよう……我ながら疲れているな。授業は寝て過ごそう。そうしよう。
◇
部室に来ると、珍しく雪ノ下が船を漕いでいた。材木座の原稿をおそらく俺と同じように夜通し読んだのだろう。起こすのも悪いので、できるだけ音を立てないようにしながら俺はいつも通りの場所に座る。ゆっくり眠れるというのは幸福な事だ。出来うる限り寝かせてやろう。と、思ったのだが部室の扉が開く。入ってきたのは、いつもより気だるそうな雰囲気を纏う比企谷のようだった。
「うす」
「静かにな」
「……あ、やべ」
俺の言葉に比企谷は頷き、座るのだが、その際に少しだけ椅子が動いたのか床と擦れる音が鳴る。
「………驚いた、あなたたちの顔を見ると一発で目が覚めるのね」
「そりゃいい、俺も天井に鏡でも設置して自分の眠気覚ましに使うとするか」
「ええ、そうするといいわ」
雪ノ下は小さく欠伸をすると、体を解すように体を動かし、軽く伸びをする。
「やっはろー」
聞いた事のない新種の挨拶をしながら由比ヶ浜もやってくる。材木座の原稿を読んだ割には思ったより元気だった。顔色も悪くないし、いつも通りの溌剌さだ。
「妙に元気だな」
「あ、えっと、あはは〜」
その様子に思わず質問をすると、由比ヶ浜は露骨に目を逸らした。
「あいつ、たぶん原稿読んでないぞ」
「納得だ」
俺たちの様子に由比ヶ浜は唸り、鞄から原稿を取り出す。折り目もない綺麗な状態で本当に読んでないことが分かる。そして恨みがましそうにこちらに目を向けた。
「てか田島くんだっていつも通りじゃん」
「普段から寝不足だからな。四徹くらいならば余裕だとも」
「ちゃんと寝ようよ!」
「……それもそうだな、ようしなら今から寝よう」
「あら、なんなら永遠に寝ていてもいいのよ。安心してちょうだい、決して起こさないから」
急に辛辣な言葉が飛んでくる。しかしさっきまで寝てやがった女が何を言っても説得力がないな。俺もこの前寝てた?忘れてくれ。
「頼もう」
件の依頼者である材木座が期待した面持ちで入ってくる。
そうして材木座に対して原稿の総評が始まったのだが、比企谷がこの依頼を受けた時の言葉『雪ノ下の方が容赦ないよ?』という台詞を、彼はその身で理解することとなったのだ。
「つまらなかった。読むのが苦痛ですらあったわ。想像を絶するつまらなさ」
「げふぅっ!」
「文法がめちゃくちゃ、『てにおは』の使い方くらい小学校で習わなかった?」
「ぬぐぅっ!」
「ルビの誤用が多すぎるわ。『
「げふっ!」
「そもそも完結してない物語を人に読ませないでくれるかしら。文才の前に常識を身につけた方がいいわ」
「ぴゃあっ!」
雪ノ下の怒涛の口撃。材木座は四肢を投げ出し床に転がり、ビクビクと白目を向いて泡を拭きながら気持ち悪く痙攣する。オーバーリアクションなのか本気でこうなっているのか。後者ならそれはそれで気色が悪い。
比企谷がストップをかけて、由比ヶ浜、比企谷と続くのだが───
「む、難しい言葉を沢山知っているね」
「ひでぶっ!」
「で、あれなんのパクリ?」
「ぶふっ!?ぶ、ぶひ……ぶひひ」
比企谷の言葉を最後に完全に材木座がノックアウトされた。夢も希望も完全に打ち砕かれており、もはや材木座は動かない。これは俺の感想は追い打ちになってしまいそうだ。比企谷もそれを察したようで一応といった感じで尋ねてくる。
「それで、次は田島、お前の番なんだが……」
「……止めておくか?」
「……いや、言ってくれ。我には意見が必要だ」
「ほう……そうか、ならば遠慮しないがいいんだな?」
「我は剣豪将軍なり。故に例えどのような鋭き言霊であっても決して屈したりせぬ!」
天性のマゾヒストなのかと一瞬思ったが、材木座の目は真剣そのもの。なるほど、そこまでの覚悟を見せられたならば、俺としても答えないわけにはいくまい。
「まず、この目も当てられない駄作ぶりには苦痛を通り越して吐き気がした」
「ぎゃあ!?」
「それがどの程度かと言えば、恐らく誰の目にも止まらない、なんなら消費すらされない出来であり、世に出すことすら馬鹿らしい程度には駄作だった」
「うぬごぉ!」
「続けて言うなら、メインキャラ以外のサブキャラクターに個性がないな。もう少し考えておけ」
「ヒィんッ!」
「それと世界観、あえてテンプレから外そうとしたせいでところどころ矛盾している、もう少し何とかならなかったのか?」
「い、いや我なりに考察をだな……」
「そしてお前これ読み返したか?主人公の性格がブレすぎだ」
「うぐっ、わ、我としてもそのつもりではあるのだがやはり、こう、あれがあれしてあれなのだ……具体的に言えば羞恥心がだな……」
モゴモゴと口を動かし、発言することを材木座は拒否するが言いたいことはわかる。誰だって自分が作り出したものを自分で見返すのは恥ずかしいものだ。それが己の妄想を具現化したものなら尚更なのだ。
「いいから読み返せ、自分と向き合え。お前なりに推敲しろ」
「んぐうぅお……」
材木座は奇妙な呻き声を上げながらも、あまりオーバーなリアクションは取らなかった。精神的にやられすぎてもはやリアクションをとることすらままならないのだろう。もうやめてくれと目で言っているような気がする。これ以上やると本格的に心が折れそうだな。
「……ちなみにあと百通りぐらいは指摘点があるんだが」
「そんなにあるんだ!?」
「どれから聞きたい?俺としては──」
「いやその辺にしておけって、材木座今の言葉で絶望超えて可笑しくなってるから」
「ムハハ、ムハハハハ」
「さすがに可哀想になってきたわね」
遠い目をして笑っている。一体誰がやったのだろうか。
「仕方がない。後はこれに書いてあるから読むと良い」
「……かたじけない」
材木座は俺が夜通し書いた指摘や改善点が書かれた原稿用紙を受け取り、しばらくそれをペラペラと捲り目を通す。その後、材木座は真っ直ぐに俺たちを見据えた。
「……また、読んでくれるか」
「お前……」
「ドMなの?」
「酷いい草だな」
由比ヶ浜や雪ノ下の視線は完全に変態は死すべきといったものである。彼女達の気持ちも分からないでもないが……。しかし俺という人間は彼の気持ちを理解できないほど、共感性に欠けてはいないのだ。
「お前あんだけ言われまだやるのかよ」
「無論だ。確かに酷評されはした。死んじゃおっかなーとも思った。しかし、しかしだ。それでも嬉しかったのだ。自分が書いたものを誰かに読んでもらえて、感想を言って貰えるというのは、嬉しいものなのだと」
そう言って材木座は笑う。
きっと、彼も立派な作家の端くれなのだ。どれだけ酷評されようとも、自分が書いたものが自分の作りだしたものが誰かの手に渡って、それが悪評であれ好評であれ、結果として誰かの心を動かす。それが彼には堪らなく嬉しいのだろう。
俺にはないもの。俺がかつて失った熱量を、彼は持っている。それが少しだけ眩しく見えた。
「ああ、読むよ」
比企谷も笑ってそう答えた。
「また、新作が書けたら持ってくる」
そして材木座は部室を後にする、その足取りは堂々としており、初めて部室に来た時に見せたオドオドとした彼はもうどこにもいない。正しく剣豪将軍と名乗るに相応しい態度だった。と思ったのだが、ドア越しに何やら奇声が聞こえた。
ああいうのがなければ、終始微妙な顔をして、まるで理解が出来ないと言わんばかりに首を傾げている女性陣にも、多少なりとも歩み寄って貰えるのではないかと思うのだが。だがああいう心の病は治るまで時間がかかるから無理だろうな。本人もノリノリだし。
活動記録書にペンを走らせながら、コーヒーを飲む。コーヒーはもう温くなっていて、しかし何故だが不味さを感じることはなかった。
◇
「田島殿、いや、師よ!我に御指導願えるだろうか!」
後日、恐らく俺の添削した原稿を読んだであろう材木座が再び奉仕部の元に突撃、汗と唾を撒き散らしながら俺の前に跪いた。
「は?」
「師の綴ったもの、我は目を通し感銘受けたのだ、田島師匠ならば、我を間違いなく高みに導いてくれるのだろうと!」
「いや、待て……」
「良いじゃない、導いてあげれば」
「そうだな、ここいられるのもめんどくさいし」
オーバーリアクションをしながら俺に詰め寄る材木座に対して、雪ノ下と比企谷は他人事だからやけに冷めた反応をしてくる。むしろ面白がってないか。由比ヶ浜はもはや興味ないと言わんばかりに携帯を弄っている。
「さぁ、師よ!共に参ろうぞ!そして声優さんと結婚させて!」
「それが本音か。いいからまずは話をだな」
「では了承も得られたことだし、我は帰ろう。新しい原稿を作り終えたその時が、我が再び舞い戻る時なり!それまで!さらば!」
「いや、誰も了承を、おい、話を聞け!」
『ブロウクンファントム!』と材木座は叫んで、部室を後にする。
呆然とする俺をよそに、他の部員たちは何事もなかったように各々好きなことをしている。
依頼は無事終わり、万事解決の筈。なのにどうして心は晴れないのだろうか。ああ、全くもって人生は憂鬱だ。本当に。勘弁してくれ。
ファイナルフュージョン
この作品のメインヒロインを誰だと捉えてますか?
-
雪ノ下
-
一色いろは
-
鶴見留美
-
松山千佳子
-
材木座義輝
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戸部翔