「ご協力感謝します!」
「はいよ。憲兵さんもお仕事頑張ってなー」
俺はその人に軽く手を振って検問所の外に出る。
はぁ…人質から解放されたと思ってたら事情聴取されるとは。お陰で結構時間が経っちまった…まぁ仕方ない。
気を取り直して今から良さげなファミリア探しに出ぱ「ねぇ、少しいいかしら」つだー?
俺が今度こそ最初の一歩を踏む出そうすると、後ろから誰かに声をかけられた。振り向くとそこにはさっきの赤い髪の女性と金髪のエルフさんが立っていた。
「お、貴女達はは先程の男を追っていた綺麗な赤髪の人とエルフさん。さっきはお騒がせしました」
「あら、リオン聞いた?!『綺麗』ですって!ふっふーん!まぁ事実、私は美少女だからね!」
あー、この人変な人なんだ。
俺はその発言で一瞬にして、赤髪の女性が残念美人だと言うことを理解する。
「アリーゼ、初対面の人に最初から、その言動は止めてください。それに謝ることはない。私たちはあなたを巻き込んで危険な目に遭わせてしまった」
「いやいやあれは俺の自己責任なんで、アンタが気にする必要はない」
「しかし...」
「じゃあ少しでも罪悪感があるんなら、貴方達の名前を教えてくれると俺としては感涙物だね。ちなみに俺の名前はレイ・オーガだ、よろしく」
俺にとって女の子の名前を知ることこそ、最高の褒美なのだ。だが二人は俺のそんな発言に少し目を丸くする。
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私の名前はアリーゼ・ローヴェル!正義の女神アストレアファミリアの可憐な美少女団長よ!気軽にアリーゼって呼んでくれて構わないわ!」
その少女は何かピシッとポーズを決めて、自分の名を名乗った。うん、やっぱり変な人だ。
「あと、こっちは同じファミリアの団員のリュー・リオンよ。少し頭の硬い子だけど、そこが可愛いのよね!」
「あ、アリーゼ!?」
「あら、もしかしてリオン、照れてる?そういうところが可愛いわ!」
そう言ってアリーゼはリオンさんに抱きついた。「や、やめてください!!」とリオンさんは顔を赤くしながら抵抗している。
おー、やっぱり綺麗な人同士が戯れてると絵になるなぁ…
「んんっ、それで俺に何か用か?」
「はっ、そうだったわ!レイ、貴方って何処のファミリアに所属しているの?」
アリーゼは抱きしめているリオンさんを放してこちらに近づくと聞いてくる。
「あぁ。オラリオの外のファミリアだが」
「なるほど、外のファミリアなのね。あんな簡単に制圧しちゃうものだから。結構有名な冒険者だろうに見覚えがなかったから。じゃあ貴方は主神様と一緒にここに?」
「いや、一人だ」
「あら…何故かしら?主神がいなければステイタスの更新もできないじゃない」
あぁ…そういえば、
「あ、あぁ。えっとそれはまあ、帰ってからやってもらうんだよ」
「そうなの?一緒に来ないと不便じゃない?」
「色々事情があってな。今回は俺一人だけで来たんだよ。とはいってもここで活動するのに拠点は必要だからどこかのファミリアに頼み込んで仮所属的な感じにしてもらおうかな、と」
「ふーん……」
アリーゼは顎に手を当てて何か考えこんだ後、口を開く。
「ねぇレイ。私達のファミリアに来ない?」
「え?」
「あ、アリーゼ!?」
羞恥心で顔が赤くなっていたのが回復すると、リオンさんはアリーゼの発言に驚いたように声を上げる。
「あらリオン、何か不満?いいじゃない!レイには今回の件で迷惑かけたわけだし、その御礼ってことで。あとレイ強いし」
「し、しかし、勝手に決めては...」
「なら今からホームにレイを連れて行って聞けばいいじゃない!レイはそれでもいい?」
何かリオンさんは言っているが、お構いなしにアリーゼは話を進めていく。
「俺は一向に構わないが、エルフさんはそれでいいのか?」
「別に名前で呼んでもらって構わないですよ。はぁ...まぁこうなったアリーゼは止められないので仕方ありません。実際あなたには迷惑を掛けてしまいましたので」
「気にしなくていいのに、まぁそういうことならお言葉に甘えさせてもらおうか。リューも敬語はいらないぞ。それと……一つ質問いいか?」
「...?えぇ、なんでしょう?」
こちらを不思議そうに見つめてくるリューに俺はずっと気にかけていたことを問いかける。
「リューって...男じゃないよな?」
そう発言した瞬間、先程までの和やかな空気感が一気に消え、心無しか寒気すら感じる静寂に包まれる。
あ…これやったな…。
「……それは私の姿が女性に見えないほどに貧相という解釈でよろしいですか?」
リューは俺の言葉に不満そうに自分の得物をこちらに向ける。
「ち、違う違う!そっか、女性ならいいんだよ、うん」
「は、はぁ...?」
そりゃ、今日あったばっかの奴に「お前本当に女か?」なんて聞かれたら誰でも頭にくるに決まってるよな…!
俺はなんとか今にもこちらに切り掛からんとするリューを宥める。
「さて交流も済んだことだし、ホームに行きましょうか」
そう言って歩いていくアリーゼとリューの後ろについていった。
おお……二人共いい尻してんなぁ。
控えめに言って最低である。
──────────────────────
「レイ、ここがアストレアファミリアのホーム、『星屑の庭』よ」
自分がここに来るまでにあったことなどを話しながら二人について歩いた後、アリーゼが足を止めてそう言う場所には木造の小さな屋敷のような建物があった。
「おぉここかぁ。うん、良い雰囲気の場所だ」
「でしょでしょ?さぁ、さっそくアストレア様にレイを紹介しましょうか!」
そういってアリーゼはホームの玄関のドアをノックした。
「みんな〜。あなたたちの自慢の団長が帰ってきたわよ〜!」
「ただいま帰りました」
すると建物の中から足音が聞こえてきて長い茶髪をしたこれまた美しい女性が出てきた。見た目こそ人間だが、この気配からして相手が神であると感じ取る。
「ふふ、いつも元気ね。アリーゼもリオンもおかえりなさい。お風呂は入れてあるわよ……あら、そちらの子は誰かしら?」
「彼はレイ・オーガです」
「私達が追っていた人を捕まえてくれたんですよ!あとレイは今日オラリオに来たんですけど一時的にオラリオに滞在する拠点が欲しいそうなので、じゃあ私たちのところでいいじゃない!と思い、連れてきました!」
「あら、それはそれは...とりあえず上がりましょうか。今はちょうどみんないるから話はそこでしましょう。レイさんもそれでいいかしら?」
「あなたのように綺麗な女神の下に着けるなら文句などありません!あともし時間がありましたら、この俺と逢瀬の時を過ごしませんか?」
「あら…」
はっ!ついうっかりデートのお誘いを…くっこれが神の魅力だと言うのかっ!
「なっ!レイ、神に対して不敬ですよ!」
「ふふふ、口がお上手な人ね。でも、それはまた今度。行きましょうか」
『また今度』…ということはデートはしてくれてもいいということか?これは期待してもいいのか!?
心の中で密かに葛藤している間に、アリーゼとリューは汗を流すために風呂に行ったようだ。滅茶苦茶そっちの様子も気になるのだが、今は紹介するのが先だということで走り出す気持ちを我慢する。
2人と別れ、ホームの中をアストレア様についていくとリビングのような場所に案内された。そこには
「ん?アストレア様その男誰ですか?」
「あら、同郷の方?アストレア様、その殿方は誰でしょうか?」
「アストレア様その男の人はだれですか?」
短い桃髪の小人族の女性と長い黒髪の極東の服を着た女性と銀髪でセミロングの狼人の女性、その他にも数人の団員がいた。
「レイ。これがアリーゼたち以外のアストレアファミリアメンバーよ」
「………え、アストレア様。これでファミリア全員ですか?」
「ええ。そうだけど」
まさかの全員……女性…!?こんなとこに入ったら俺は…!
「ハーレムじゃねぇか」
「「「「は?」」」」
「あ、」
やべ、声出しちまった。どうしよ...