ダンジョン行ったり巡回にいったりして過ごしているうちに一週間が経って、いよいよ輝夜とのデートの日だぜ!テンション上がるなぁ!にしても輝夜遅いな、まぁそれほど気合をいれてくれてるということでは?
そんな事を考えているとホームのドアを開ける音が聞こえた。
「お、輝夜準備でき、た...か?」
「待たせて申し訳ございません」
そこにはいつもの紅色の着物ではなく、黒色の着物に黄色い花の模様の入った着物を着て、口紅を塗ったのかいつもより色鮮やかな唇は輝夜の綺麗な白い肌をより引き立てていて、どこか神聖さすら感じる。
「どうされました?アストレア様が少しはおしゃれをした方がいい、とおっしゃっりまして、自分なりにやってみたのですが...?」
俺が固まってるのを見て自分にどこか違和感があるのかと思い輝夜が体を見回している。
「え、めっちゃかわいい」
「ッ!?」
「え、俺今からこの女神とデートできるの?まじか」
「そういうことをどうして平然と言えるのでしょうか...」
俺の言葉に少し照れた様子で輝夜は身をよじっている。
「照れてんのか?いやぁ輝夜ちゃんは初ですなぁ」
「イラッ☆死にますか?」
「サーセン!」
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「輝夜さんなにも殴ることはないじゃないですかねぇ。事実言ってるだけなのに」
「貴方がいつまでも調子に乗っているからですよ」
あの後輝夜から強烈な折檻をくらい頭に痛みを感じながらも二人でオラリオの中を歩く。
「今日はどこに行くつもりなのですか?」
「朝飯は食ったし、まずは服でも見に行こうかと思ったたんだけど。着物って着付けめんどくさいからなぁ」
「其方の服を見ればいいでしょう。いつまでもその甚平ばかり着ていては代わり映えしないですので」
「え、いいのか?」
「勝負に勝ったのはそちらですので、それぐらいはお付き合いさせていただきます」
「あんがとさん。それじゃいこか」
輝夜とともに男物の和服を売っている店を探して入り、店員さんが選んできてくれた服を俺が試着して、輝夜が査定する。それを繰り返していると、
「私はこれが一番似合ってると思いますね」
輝夜がそう言うのは、いつもの黒一色のと違い、青と白の2つの色を使い、背中に大きく黒い花が描かれたものだった。
「そう?輝夜がそう言うならこれにするかぁ」
「…自分で言っておいて何ですけれど、そんな簡単に決めていいのですか?」
「俺は常に女の子がかっこいいと思う俺でありたいからな!」
「...はぁ」
「ちょっと?ため息つかないで、それが一番心に来る」
店員さんに、これそのまま着ていっていいか、聞くと、
「構いませんよ。代金は22500ヴァリスです」
「はいよ」
「.....はい!ちょうどお預かりしました。にしても花の模様が
「恋人?誰がこんなアホ面とそんな関係になると思いますか?」
「おい、誰がアホ面だ。敬語で毒づいてんじゃねえよ」
この女やっぱり、腹黒だろ。この前の摸擬戦の時からちょくちょく見え隠れしてんだよ。
「とってもお似合いだと思いますけどねぇ」
「おー。だってよ輝夜、どうする?」
「はぁ、どうもこうもない。さっさと行くぞ」
そう言って冷たくあしらわれると、そそくさと出ていく輝夜を追うように店を後にする。
「あ、またのご来店を〜!」
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あの後昼飯を食べて、バベルに入っていろんなものを見て回っているうちに、いつの間にか夕方になっていた。
「いやぁあっという間だったなぁ」
「私は先々の店の女性店員にナンパするせいで大分疲れましたけれど」
「綺麗な女性を見掛けたら声をかける!それが男の性だからな」
「少しは自重できないのですか。まぁ、私もそれなりには楽しくはありましたが」
「あら、輝夜ちゃんたらツンデレ~」
「殺すぞ」
「おっ、ようやく敬語外したな。そっちの方がいいぜ?仮面なんてない方がいいからな」
「…それは貴方がおっしゃるのですか。自ら『道化』を演じておられるというのに」
……そっか。まだ演じてるように見えてしまうのか。駄目だな、もっと入り込まないと。
「……自分ではない誰かに完全になることなどできはしません。それをわかっているというのに────「輝夜」っ!」
「それ以上踏み込むのはやめとけよ。そういうのはもっと仲良くなってから、だろ?」
「……そうでございますね」
輝夜はいつもの表情に戻ったように見えて、だけど僅かに…本当に僅かに悲痛な表情を浮かべたように見えた。
あぁ…女の子にそんな顔をさせるのはアイツじゃない。アイツは誰から構わず、ましてや女の子には絶対笑顔になってもらおうとしてただろ。
別に俺自身悲しませたいわけじゃないんだが…ここも俺と彼奴との差ってやつか────
「まぁ、とりあえずその敬語は外してくれよ。仲良くなる第一歩としてな」
「……仲良くなろうとは塵も思わんが、まぁお前のような変人にわざわざ敬語を使うのも馬鹿らしいな」
「そこまで言えとは言ってないけど?」
俺と輝夜の関係値が僅かに上がった(多分)と感じた後、日が暮れた空の下歩いていると俺の目線の先で何か人だかりができてるのが見えた。
「ん?なんだあれ」
「あぁ、あれはロキファミリアか。ちょうど遠征が終わり帰ってきたようだな」
「ロキファミリア?」
「お前はここに来たばかりで知らんのか。彼らロキファミリアはこのオラリオでフレイヤファミリアと並ぶ二大派閥だ。そしてあそこに立っている彼が団長の
ん?聞き間違いか?今、『フィン』って…
輝夜の視線を先を見ると身の丈の約二倍の槍を持って、なにやら団員たちに話している金髪の小人族がいた。
「二つ名は【
「……うん」
「今は見えないが、他にも【
「……」
いやあれ、まじで『フィン』じゃん。まんまじゃん。リュールゥ以上に激似だなぁ……しかし、やっぱり
「おい、なにをほくそ笑んでいる。帰るぞ」
「あ、輝夜ちょっと待ってくれ」
「ん?なんだ?」
訝しげにこちらを見る輝夜に俺は懐からラッピングされた箱を見せる。
「これは?」
「開けてみな」
俺がそういうと輝夜はおそるおそる包みを解き、箱を開ける。その中には白い花の髪飾りが入っていた。
「ッ!おまえこれは」
「さっきバベルの店行った時に横目で見てたろ?お前がちょっと離れてる隙に買っといたんだよ」
さっき言ったように仲良くなりたいってのは本当だからな。こういうとこから信頼を勝ち取っていこう!…って思ったんだけど────
「……」
「なんだよ。あんま嬉しくないか?」
「いや、そういうわけではないんだが、こういう贈り物を男から貰った経験がないからな。どう反応すればいいかいまいちわからん」
あ、なんだそういう感じか。まぁ輝夜みたいなタイプって強すぎて男から一歩引かれてそうな感じあるよな。ここはとりあえず、
「笑えばいいと思うよ」
「おい、何故かはよくわからんがそれは怒られそうだからやめろ」
「とりあえず着けてみるか?」
俺がそう言うと輝夜が髪飾りを渡してきた。俺は渡された髪飾りをこちらに傾けられている輝夜の綺麗な黒髪に髪飾りを着ける。
「ど、どうだ?」
「おう、よく似合ってる」
「そうか…」
「それじゃ帰るか」
「あぁ、そうだな…なぁレイ」
「うん?どした?」
「改めて今日はありがとう。これは大切にさせて貰うぞ」
輝夜が俺がさっき助言したように少し微笑んでそう言った。
「どういたしまして」
...やっぱり女の子の笑顔ってのは良いもんだな…なぁアル、俺にも少しは人を笑顔にすることができるのか?
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俺と輝夜がホームに帰るとアリーゼが出迎えてきた。
「あら、二人ともお帰りなさい!夕飯は用意してあるわよ。あれ?輝夜その髪飾りはなにかしら?もしかしてレイにもらったの!?」
「あ、あぁ」
「似合ってるわ!可愛いわね~」
そう言ってアリーゼは照れてる輝夜に抱きついた。
「やめろ団長!おいレイ!一人だけ中に入ろうとするな!私を助けろ!」
「悪いな輝夜。触らぬアリーゼに祟りなし、だ」
俺はアリーゼに絡まれている輝夜を置いて、足早に自分の部屋へと戻った。