「アリーゼとリューは巡回行ってるし、輝夜はダンジョン行っちゃったし、今日何しよう。まだ見ぬ美少女でも探しに行くか」
俺が夢のような計画を立てていると、部屋の扉を誰かがノックした。
「おいレイ、今暇か?」
「ライラか。いやいま俺はどうすれば女性の胸を自然に触れるか真剣に考えていて忙しいんだ」
「そんなどうでもいいこと考えているってことは暇なんだな」
扉の向こうから呆れを含んだ声が聞こえるとともに、扉が開き声の主である小人族の少女が姿を見せる。
「どうでもいいとは心外だな! 男は常に女性とどうすれば密着できるのか日々試行錯誤しているんだ。今もいかに偶然を装ってライラに抱きつけるかに頭を全力で回している」
「そんなことしてみろ、お前の身体をバラバラに爆散させて市場に並べてやる」
「いくらなんでも刑が重すぎだろ?いや、美少女に抱きついて死ねるなら悪くない...?」
「そんな考えに至るのはお前だけだよ」
ライラはそう言うと、今度は呆れたような眼差しで俺を見ると共に短くため息をついた。
「少し出かけるからおまえも付き合えよ」
「それは一緒に休日デートしようということか。よしすぐ行こう」
「違ぇよ、今日は特別にお前をイイところに連れてってやる」
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「ここは?」
「荒くれ者の冒険者たちご用足しの賭博場だよ」
そこにはたくさんの冒険者が机を囲ってトランプやルーレットを使ったいろんなギャンブルを酒を片手にやっている光景が広がっていた。
「こんな朝っぱらにも結構人いるんだな」
「まぁこんな時代だからな、殆どの奴は夜は危なくてホームから出ねぇよ」
「なるほどね。てかこんなとこに正義の眷属が来ていいのかよ。リュー辺りがうるさそうだけど」
「他の奴らには言ってねぇよ。おまえの言う通りあいつにバレたらめんどくさいことになりそうだからな。てかおまえも正義の眷属の一員だろ、自覚あんならいつもの色欲の権化みたいな言動やめろよ」
「これは俺のアイデンティティだから変えることはできない」
「そんなアイデンティティ捨てちまえ」
そんな軽口を叩きながら俺は賭博場をライラの後ろについて歩いていく。するとライラが店の角の一人男が座っているテーブルに座った。どうやらディーラーと一対一でやるポーカーのようだ。
「まぁ、まずはアタシがやって見せるから、お前は後ろで立って見とけ」
「了解」
ライラが席に座るとディーラーの男がカードを配り始めた。
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「
「
「おぉ、ライラすごいな」
「クソッ!」
悪態をついている男を尻目に、ライラは男の賭けていた金を自分の方に寄せた。
「そろそろやめるか、レイもなんかやってみるか?」
「そうだな、せっかく来たしちょっとやってみるか」
俺はライラと一緒に店内を歩き始める。
「お、これあんのか、いいねぇ」
俺がなにを見つけたかと言うと極東のギャンブルの丁半である。さっきのライラがやっていたポーカーは少しテクニックが必要なものだったが、これは完全に運がものを言う勝負だ。
「さて一丁やりますか、丁半だけに」
「...」
「その目やめてはくれないか」
俺がくだらないことを言ったせいでライラがジト目でこちらを見てくる。やめてっ!興奮しちゃう!
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「よぉし!また当たったぁ!」
そこには青ざめた顔で「う、うそだろ」と呟くディーラーと
「レイ、お前すげえな」
「まぁ昔から運は良い方だったからな」
驚いた表情を浮かべ、こちらを見ているライラにそう答える。元々ガレスとかと賭け事は何回かやった時も荒稼ぎしてたたしな。何故かは分からないが昔から運はいい。
「さてこのままたんまり稼がせてもらうぜ!」
「もうやめてくれぇ!」
ディーラーの嘆きを無視して無慈悲にも俺は丁半を続けた。
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「「乾杯~!」」
俺はその挨拶と共に俺とライラはビールを一気にのみ干した。
あれからほぼ勝ち続けてかなり稼いだ俺はライラと共に酒場に来ていた。
「いやぁこんなに稼げるとは思ってなかった。今日はお前を連れてきて正解だったな」
「そりゃどうも、俺も良い暇潰しになった。ありがとなライラ」
「いいってことよ。今日は祝いだ!たんまり飲もうぜ!」
「そうだな。店員さ~ん!ビール二つ追加!あと唐揚げも下さい!」
「はい!わかりました~」
その後頼んだビールを飲み、唐揚げをつまみながら会話する。
「そういえばレイのファミリアは他に団員はどれくらいいんだ?」
「ん?俺のファミリアは団員は俺一人だよ」
「まじか。じゃあお前の主神様は今一人でいるってことか?」
「...そうだな。今も眷属の一人も取ってはいないだろうな」
「?」
俺は持っている酒を一度テーブルに置いて、思い出すように上を見上げる。
「俺以外には決して心を開かなかったからな。それでも俺にとっては親代わりだったんだ。そんな
「『あいつら』?」
「あ、いやなんでもない。それよりライラはどうしてアストレアファミリアに?」
「お、おう...実はアタシもお前みたいに親も兄弟もいなくてな。このライラって名前も自分でつけたんだ。そんで何も縋れるもんが無くて路頭に迷っていたときにアストレア様に出会って眷属になった」
ライラは自嘲気味に笑い、けれどその瞳に温かな色を宿して続けた。
「そあの人ほど良い神はそういねぇ。薄汚い餓鬼だったアタシを少しの嫌な顔もせずにただ慈しむような笑みを浮かべて受け入れてくれた。アストレア様には感謝してもしきれないさ」
その顔には僅かに穏やかな微笑みを浮かべ、その瞳からは確かな愛情と感謝の気持ちが感じ取れた。
「そうか…アストレア様は今も昔も優しい神様ってことか」
「おい。辛気臭い話はやめにしてどんどん飲むぞ!」
「飲みすぎて倒れるなよ?」
その後ライラと俺は会話をしながら夜が更けるまで飲み続けた。
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「うえぇ、気持ち悪ぃ」
「だから飲みすぎるなって言ったのに背中の上で吐くなよ?」
飲み過ぎでぐったりしているライラを背負いながらホームへの帰路を歩いている。ところで背中にいるライラがこちらに体重をかけている故か二つの慎ましくも柔らかな感触が感じられる。
「なんだぁレイ、なにニヤニヤしてんだぁ?」
「いや、ライラの女体を合法的に密着させられていることに感動しているだけだ」
すると俺の発言を聞いてか、背中の感触が僅かに離れた気がする。
「アタシの身体なんて他の女と比べたら貧相で嬉しかねぇだろうに」
「そうでもないぞ。ライラほどの美少女に密着させられてたら男はみんな嬉しいもんだ」
「...お前はなんでそう恥ずかしげもなくそんなこと言えるのかねぇ」
背負っているため全体は見えないが、そう言うライラの顔は酒のせいかもしれないがどこかほんのり赤く染まっているように感じた。
「女性は褒めるものだって親友といつも言ってたからな!」
「そんなこと続けてたらいつか女に刺されるぞ」
「それは嫌だなぁ...まぁやめないけど!」
「はぁ...全くどうしようもねぇ奴」
そういってライラは俺に呆れたような何処か楽しそうなそんな笑みを浮かべた。
「うッやべぇ吐く」
「おい、やめろ!せめて降りてから吐け!さすがの俺でも女の子の吐瀉物浴びて喜んだりはしねぇぞ!?」
「おえぇぇえぇ」
「ギィヤァァァァァァァァァァ!!!」
俺の断末魔の叫びが静まりきったオラリオの街に響き渡った。
少し、主人公のステータスを調整するかもしれません。それに伴ってゴライアス戦の描写も少し変えます。