聖園ミカがシャーレに馴染むまでの話   作:五色雨

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シャーレ部員になるために⑧

 大ホールの静寂は長くは続かなかった。「聖園ミカ」の名前に反応した抗議団体、来賓、一般参加者たちがそれぞれ声を上げたからだ。一人一人の声は小声であったが、総勢100人を超える人数のうちの多くの者が一斉に呟き始めれば、なかなかの音量となる。

 ミカは周囲を睥睨する振りをしつつ、可能な限り聞こえてくる声を拾っていった。

 

「み、聖園ミカって……あの? トリニティでクーデターをやろうとした凶悪犯罪者……!」

 

「アリウスだとか何だか知らないが、危険なテロリスト集団と手を組んでいたという女か!」

 

「確か、シャーレの先生が事件を解決したんだよね……? じゃあ、これは先生への復讐!?」

 

「どうしよう、ヴァルキューレは何をしているのよ! いつになっても助けにこないし……シャ、シャーレに電話かけた方が……いや、トリニティの正義実現委員会……だっけ?」

 

「あれ? トリニティは風紀委員会で、ゲヘナが正義実現委員会じゃなかったっけ?」

 

「どっちでもいいわよ! それに先生がここにいるっていうのに、シャーレに電話してどうするの! あぁもう、何で聖園ミカがこんなところに……」

 

「連邦矯正局送りになったんじゃなかったのか?」

 

「ふむ? 私はシャーレの地下奥深くにある懲罰房に収監されたと聞きましたぞ?」

 

「……え、何か辺境のアビドスに追放になったって、どっかのブログに書いてあったような……?」

 

 怒涛のように耳を通して頭に流れ込んでいる老若男女の声が自分の脳に染み渡るのを感じ、ミカは不敵な笑みを浮かべた。

 やっぱり、思った通りだ。

 まだ1時間程度しか経っていないので、事務室でユウカに言われたことはよく覚えている。

 

「私のような一部の者を除き、貴女の稚拙なクーデター未遂なんて、トリニティの生徒以外からすればどうでも良いもの」

 

「自分たちが暮らしている自治区の外のことなんて、殆どの生徒は聞いた瞬間に忘れるし、言った瞬間にどうでもよいものに変質する」

 

 ユウカの言葉は正しかった。聞いた瞬間はチクチク嫌味を言われているなと思ったものだが、あれは嫌味でもなんでもなく、ミカに関する情報を集めて分析して考え、その過程において頭をよぎったことの一つを口から漏らしたのだろう。

 先程ハレに(1分で)調べてもらったが、抗議団体も含めてこの場にはトリニティ自治区と関係がある者は誰一人としていない。抗議団体も参加者も来賓も基本的にはD.U.の住民ばかりだ。

 参加者のうち、生徒たちはD.U.の住民ではないが、幸いなことに全員同じ学校の生徒だった。一応討論会に参加しているためか全員が学校の制服を着ており、すぐに調べることが出来た。彼女たちの学校はトリニティでもゲヘナでもミレニアムでもない、ミカは初めて名前を聞いた小さな田舎の学校だ。地元の交通インフラの老朽化と旧式化に悩まされており、彼女たちは地元に新しい公共交通機関を設立することを目的とした部活の生徒であるそうだ。D.U.からもトリニティからも、高速鉄道で行くには片道半日以上かかるような遠くにある学校だ。

 そんな学校の生徒たちにとって、トリニティの内紛(・・)などどうでも良いニュースでしかない。流石にシャーレのことはある程度知っているようだが、トリニティやゲヘナのことは「なんか大きい学校」くらいしか知らないのだろう。

 

 当然、ミカのことも、だ。顔や名前とある程度の罪状くらいは知っているだろうが、それだけ(・・・・)だ。ミカにどのような処分が下され、どうなったのかはあまり知られていない。

 勿論、ミカがクーデターを起こした背景やミカに下されたトリニティによる最終処分のことは、ある程度ニュースにもなっているはずだ。しかし、あまり興味を引いていないのだ(・・・・・・・・・・・・・・)。大半のニュースがそうであろうが、事件が解決した瞬間よりも事件の内容そのものの方が派手で、色々と記憶されやすい。この場にいる者は、聖園ミカの末路(・・)になど興味がないのだ。

 ミカの起こした事件が発覚し聴聞会が開かれ、ミカの処遇が決定するまで相応の時間が経過した。日数でいえば然程長くはないのだが、それでも時間は確かに経過したのである。その間、毎日多くの人が多くのことを経験し、体験するだろう。より多くの新しい情報が目から脳に飛び込み、耳から流れ込み、そして自分の口から放たれる。

 生徒だったら毎日の授業の内容、部活中に起こった出来事、新しいニュース。社会人でも仕事のことや趣味のこと。続々と入ってくる新しい情報の雪崩によって、ミカに関する情報は埋もれ、忘れ去られていく。

 ミカの事件が生徒たちの会話の道具(ツール)としての役目を果たせたのも、事件から数日間という少ない期間だけだろう。ミカの処分が下されたというニュースも、生徒たちが無言の時間を少しでも埋めたいがために1回使われた後は、もう捨てられる。誰にとってもどうでも良い情報(もの)となる。

 事件の中心地となったトリニティを除いて。

 

 だからこの大ホールにいる者たちの大部分は、ミカがこの場にいることを異常事態(・・・・)だと認識する。ミカに下された処分の内容をよく知っていれば、この占拠された建物にいるのは兎も角、D.U.をただ歩いていても何の問題もないことくらいはすぐに分かるはずだ。

 よって自分たちを助けに来た救援者ではなく、先生を探してここまで来た良からぬことを企む悪者だと考えてしまう。そう、今のミカは悪役(・・)なのだ。

 だから誰も動かない。ミカの背後の空いた扉に、我先にと殺到したりしない。ちなみにドアの前で大ホールの中の者を出さないよう見張っていた数人は、ここに入ってきた際にミカが轢いた。まさに轢いたとしか言えない光景であった。不幸にも轢かれた数人は、10メートルほど吹き飛ばされて頭から床に突き刺さっている。

 

「……うるさいなぁ」

 

 小声だがとてつもなくドスの利いた声を放ちながら、ミカは顎を少し上げて周囲を見渡した。

 

「私は先生を探しているんだよ? 先生以外には用はないの。外野はつべこべ言っていないで黙ってて。……ほら、先生! 早く出てきなよ!」

 

 少し声を張る。何人かが小さく悲鳴を漏らした。見せつけるように、ミカは愛銃を構えて右や左に銃口を向けていく。

 ちなみにこの討論会は数カ月前から開催が決定していたちゃんとしたイベントなので、主催者側が開催前にポスターを幾つも用意しており、D.U.のコンビニや公立図書館などに貼られていた。さらに市民ホールの公式ホームページにも開催についての情報が掲載されていた。ポスターもホームページも来賓として先生が参加することはしっかり書かれていたので、ここに乗り込んできたミカが先生が市民ホールにいることを知っていても、誰も疑問に思わない。

 

「……」

 

「……あ」

 

 そんなミカの前に、スッと出てきた男がいた。長身というわけではないが細身のお陰でスラリと見える体躯に、鴉の羽のように黒い髪と目。オーダーメイドの連邦生徒会の制服にデザインが似ているスーツを着込み、左胸にはシャーレのマークが彫られたバッジを付けている。

 先生だ。

 横には先生に縋りつつ、怯えたような表情で周囲をキョロキョロ見渡している月雪ミヤコもいる。ふと、ミカとミヤコの視線が交差した。ミヤコは表情こそ怯えているが、瞳に感情は浮かんでおらず、目の前の存在のことを何とも思っていないような目でミカを見つめている。常に半歩先生の先を歩いており、愛銃もしっかりと握られている。何時でも先生を庇うことが出来るポジションだった。

 やっていることは護衛として正しいのだろうが、見ているミカとしては頭の血管がバーストしそうな光景である。いや、もしかしたら実際に何本か血管が飛んだのかもしれない。何かそんな感じの音が聞こえた気がする。

 

「……へぇ、久しぶりだね……先生。会いたかったよ」

 

「ミカ……」

 

 男性としてはやや高めな声が、ミカの耳を震わせた。先生は眉を下げ、少し驚いたような表情でミカを見ている。

 ミカは目を細め、口を三日月形に曲げた。まるで復讐に取り憑かれた悪鬼のような表情を見て、数人の生徒が絶叫に近い悲鳴を上げた。大変だ、このままでは先生が危ない。流れ弾の心配なんてしている場合ではない。1階席の奥の方にいた生徒たちが慌てて銃を構えた。しかし、ミカは気にもせずに先生を見つめるのみだ。

 

「お、おいお前! 何を勝手に歩いている!」

 

「失礼します!」

 

 抗議団体のメンバーが肩を怒らして先生のもとへ近付いた。それと同時に、開かれたままの扉からもう1人乱入者が現れる。抗議団体の者はキャパオーバーを迎えたのか、肩を不自然に上げた間抜けな姿勢のまま扉の方を凝視して立ち止まった。

 

「ヴァルキューレの中務キリノです! 危険人物(・・・・)である聖園ミカがシャーレの先生を狙っているという情報を聞いてきました! すでに聖園ミカが館内に侵入し……むっ、見つけましたよ、聖園ミカさん!」

 

 鋭い声で流れるように説明したのは、大ホールに飛び込んできたキリノである。ヴァルキューレ警察学校生活安全局の制服を着た新参者を見て、ホールの者たちはますます顔を青ざめさせる。ヴァルキューレの登場により、ますます聖園ミカが危険人物にしか見えなくなったのだ。ここに来てやったことと言えば、数人を撥ね飛ばしたとはいえただ普通にドアを開けて入ってきて、威嚇射撃をしただけなのだが。

 

「動かないでください、聖園ミカさん!」

 

 キリノは素早くショルダーホルスターから回転式(リボルバー)拳銃「第3号ヴァルキューレ制式拳銃」を取り出した。その動きは教科書に載せたいほど綺麗なものだ。ちなみにキリノは2丁の拳銃を装備しているが、1丁は予備なので抜いたのは片方のみである。

 ドロウ(拳銃をホルスターから抜くこと)は、拳銃の暴発事故が最も発生しやすいタイミングと言われている。地味だが非常に重要な動作なので、腕のいい拳銃使いはドロウの所作も完璧にこなすというのが常識だ。

 一方、キリノはドロウやリホルスター(拳銃をホルスターに戻すこと)は完璧なのだが、拳銃の命中精度はからっきしという(しかも狙っていないものには命中する)ある意味珍しいスキルの持ち主である。しかし、キリノの銃の腕前を知らない者を怖気付かせる効果はある。勿論ミカには効かないが、周囲の者たちには「コ、コイツ……出来るっ!」と確信させる謎のオーラがあった。

 お陰で、この場にいる全ての者がキリノに視線を集中させた。

 

 ちなみにキリノは、愛銃のメンテナンスやグリップ方法(握り方)まで完璧である。そこまで出来ていて射撃する際の姿勢も間違っていないのに、あそこまで当たらないのはもはや魔法、とキリノの腕前を評価したのは、キリノと同じ拳銃使いである便利屋68の鬼方カヨコである。

 さらにキリノは外しまくるからか任務の度に連射しまくる傾向にあり、その為かアモマネージメント能力(携帯残弾数や愛銃の装填状態を正確に把握する能力のこと)や装填速度まで優秀だった。本当に、命中精度だけが駄目なのである。

 

 キリノは腰を若干前に傾け、両足を広げ、左足を少し前に出した後、両膝を軽く曲げた。それを見た複数の生徒が息を飲む。

 キリノの姿勢は「モディファイド・ウィバースタンス」と呼ばれる拳銃を撃つ時の実戦的な射撃姿勢(スタンス)の一つだ。ボディアーマーの効果を最大限に発揮できる上(敵の真正面に胴体を向けているため)、いざとなったら他のアクションに繋げやすいなどの利点満載の極めて実用性の高いスタンスとして、ヴァルキューレで積極的に採用している撃ち方である。

 つまり、撃つ気満々の体勢だ。

 

「聖園ミカさん、貴女はシャーレの先生を誘拐しようとした容疑があります! 銃を下ろし、こちらに来てください! それと、シャーレの先生もこちらに! シャーレの先生には他の者が対応しますので、あ、あっ……」

 

 緊張を含んだ声でキリノは呼びかけつつ、一度姿勢を崩して無線機に呼び掛けようとしたところ、ポケットから何かが落ちた。金属音が響く。

 

「し、失礼しました!」

 

 落ちたのは手錠だった。キリノは片手で拳銃を構えてミカに向けたまま、右膝を床に付けて落ちた手錠を拾った。

 周囲の者たちは一瞬怪訝そうな表情を浮かべるが、すぐに緊迫した表情に戻る。あの聖園ミカを1人で相手しようとしているのだ、緊張して多少はミスすることもあるだろう。誰も口には出さなかったが、そんな言葉が出てきそうな空気だった。

 

「……ふぅん、ヴァルキューレ……か。私は先生とお話ししたいんだけど?

 でもまぁ、確かに外野がこんなにいる状態じゃ楽しくお喋りもできないかな? しっかたないなぁ、じゃあ、そっちに行ってあげる☆」

 

 そう言って、ミカは先生に視線を向けた後にキリノの方へと向かっていった。

 

 

「……案外、何とかなるものね」

 

 ミカとキリノが入っていった扉のすぐ側に待機していたユウカ、イズナ、ハレの3人は、ミカが入ったと同時にどさくさに紛れて侵入させた浮遊ドローンからの映像を見ながら話し合っていた。

 

「結局、止めきれずにミカさんが飛び出した時はどうなるかと思ったけれど……これでもう一安心ね。キリノの合図(・・)が出たことだし」

 

 額から垂れそうになる冷や汗をポケットから取り出したハンカチで拭いながら、ユウカは軽く息を吐いた。

 

「本当、ある意味今日一番の僥倖よ。さっきはミカさんが演技とはいえ、こんな犯罪そのものな行為をするということに反発したけれど……その部分を抜きにしても、こんな作戦が上手くいくとは思えなかったわ」

 

 ユウカの言葉に、2人は同時に頷いた。全くもっておかしな作戦である。立てこもり事件の犯人により凶悪な事件を起こした(・・・・・・・・・・・・)犯人をぶつけ、その犯人から逃がすという名目で先生(とミヤコ)だけを逃がすなど。

 

「イズナも本当にこうなるとは思えませんでしたね……。ミカ殿が主殿がここにいると知って乱入してきたのは、まぁ……メチャクチャとはいえ納得できなくもないですが、まさかミカ殿を追ってきた(・・・・・・・・・)キリノ殿が来たのに、抗議団体を鎮圧するためのヴァルキューレ警備局が全く来ないことに、誰も何も言わないなんて。すぐにおかしいと感づきそうなものだと思うのですが……」

 

「疲労と混乱のせい、だね。大ホールにいた人たちは、討論会に参加していた最中に突然やってきた抗議団体によって閉じ込められ、メガホンや肉声で彼らの抗議や罵倒を何十分も聞かされ続けていたんだよ。体も心も疲れて当然。みんな一般市民だからね。

 もちろん抗議団体の人たちも、ずっと怒鳴って騒ぎ続けているんだから同じことが言えるよね。彼らだって疲労は溜まっていく。

 それに加えてあの聖園ミカの乱入。予想できるわけもない異常な事態。もう頭が思考を放棄しちゃっているんじゃないかな?」

 

 呆れたかのように言うイズナを横目で見ながら、ハレはオートコントロール状態にしたドローンからの映像をタブレットに映しつつ、別の小型タブレットで先生の周囲だけをひたすらに観察していた。ハレが投入したドローンは2体である。

 有事の時にはハレのドローンもハレ自身も、先生の盾になることが出来る。ミカに言ったその言葉には嘘はないのだ。

 

「ちょっと考えればおかしなことだらけなのにね。そもそも今のミカさんは一般生徒に過ぎないからヴァルキューレがミカさんを特別マークする理由はないし、ミカさんを追っているのが生活安全局の生徒というのもおかしいし、キリノだけに説得されてミカさんが大ホールから出ていくのだっておかしいわよ。

 第三者から見るとこうも変な点しかないことなのに、当事者の立場になると気付かないものなのね。……まぁ、気付いていないのはミカさんも(・・・・・)、か」

 

 顎に手を当てながら皮肉気に言ったユウカに向かい、ハレは楽しそうに微笑んだ。

 

「まったく、ミカさんはまだまだ先生を分かっていないよね。あんな酷い劇を見せられた先生が座視しているなんてこと、あり得ないっていうのにね」

 

「それはそうよ。だって彼女、初出勤日前だもの」

 

 ハレの笑顔につられるように、ユウカは柔らかい笑みを浮かべた。

 

 

 ミカは先生に背を向け、スタスタと歩き出した。扉の付近には真面目な顔を作ったキリノが片手に拳銃、もう片手に手錠を持って待機している。既にキリノは拳銃の銃口を床に向けていた。

 よし、これで先生(とミヤコ)は私を理由にここから連れ出せる。この後すぐに市民ホール前に待機しているヴァルキューレを呼べば、キリノの発言も嘘にはならない。私が先生を狙っているとわかった以上、ヴァルキューレが先生をここから連れ出して護ろうとするのは当然のことだから。

 そんなことを考え、ミカはふぅ、と誰にもばれないように息を吐いた。明日には、また今日のことがニュースになるのかもしれない。ナギちゃんたちはこれを聞いてどう思うだろう? また犯罪者が犯罪を起こしたって、トリニティの人たちはそう思うのかな。

 ミカは床を見つめた。どうしよう、やっぱり先生に謝らないとダメかな。こんなことしかできないから。そうだ、折角だし大ホールから出ていく直前に、天下の大犯罪者に会ったみんなの顔でも拝んでおくかな。

 

 ミカはくるりと振り返った。その目の前に、先生がいた。

 

「……へっ?」

 

 思考がフリーズした。全く気が付かなかった。思わず目を見開き、先生の瞳を見返した。吸い込まれそうな黒い瞳が、ミカを映していた。

 先生はポンとミカの両肩に手を当てた。さらに動揺するミカを尻目に、先生は息を大きく吸い込んだ。

 そして、叫んだ。

 

「ミカ! 助けに来てくれたんだね!? ありがとう!!」

 

 大ホール全体に響く様な大声だった。

 瞬間、出入り口からユウカたち3人が飛び込んできた。3人は先生の背中のすぐ後ろにいたミヤコ、そしていつの間にか先生の隣にいたキリノと頷き合うと、呆然とするミカを残してぐるりと先生を護るかのように取り囲み、周囲に銃を向けた。

 

「え、ちょ、なにが……」

 

 大ホールにいる誰かの呟きが響くとともに、先生に背中を向けて舞台側に銃口を向けていたユウカが一歩前に出た。そして周囲を見渡し、大声で笑った。

 

「ははっ。ひっかかったわね!」

 

 不自然なほどに口角を上げて笑うユウカを見て、ミカはますます目を見開いた。




 どこで区切ればよいか悩んだ結果、本文が7,000字を超えてしまいました。最初は1話5,000字くらいでやればいいかと思っていたのですが……。
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