新魔術開発したら魔術学院を追放されたったwwww 作:雫お嬢様
わたくしの脳内の物語を自動で出力してくれる機械とかありませんの?
【悪夢】。人間が眠るときに見る悪いもの。だけど今回に限ってはそういう意味ではなく、現実の裏側に存在する異空間を指す言葉でち。
悪夢は現実世界を媒介として生まれる空間で、ある程度現実の地形や建造物を模倣していることが多いでち。中には【魔素】と呼ばれる素粒子が充満していて、通常の生物に有害な効果を齎すでち。このため、通常の人間は中に入るとまともに活動出来なくなる。困ったもんでち。
その上、悪夢の中には人間に敵対的な存在が蠢いているでち。【魔物】【モンスター】と呼ばれるそれらは、現実の生物とは異なる容貌・生態を持つ怪物でち。
魔物達は精気に飢えており、程度の低い個体は本能にのみ従い行動し人を襲う。襲われた人は精気を吸い尽くされ、干からびて死ぬってわけでちね。中には肉体ごと精気をそのままバリバリ喰う種類も居るって話でち。怖いでちね。戸締まりしておくでち。
ただ、人間もやられてばかりじゃないでち。国に所属して民を守る騎士団や、国に左右されない戦力である冒険者達が日夜戦っているのでち。彼ら彼女らは魔術や加護のかけられた装備品を持つことで魔素に対抗し、悪夢の中でも十全に戦闘行動を行うことが出来る、ということでちね。
勿論、悪夢の中から魔素を引き出して自身の力に変える魔術師も同じことでち。寧ろ、魔物を除けば『最も悪夢に適応した生物』と捉えることも出来るでち。正に悪夢のエキスパートでち。
「でちから、僕が聖国の首都の内部に
「ですから! それが出鱈目だと言っているんですッ!」
「お前も結構強情でちね……おっぱいは柔らかいのに頭は固いでちか?」
「んあっ♡……さ、触るなッ!」
うーん、このレズビアン、僕の言葉を一寸も信用してないでちねぇ。何故か僕はシルミに嫌われているでち。一体どうしてなんでちかね~~~?(すっとぼけ)
自分の恋人であるペンドラが僕を最も優先することが気に入らない。大体そんなところでちね。まったく……嫉妬の感情というのは面倒臭いでち。自分の女が他に抱かれることくらい許容出来れば良いんでちけど。そこは『自分の魅力で心も体も最終的に引き戻す』くらい言って欲しいでちよ。
「シルミは頑固でちねぇ。僕が嫌いなのは知ってるでちけど、こういう時くらいは信じて欲しかったでち」
「でも、悪夢を従えて自分の物にする、だなんて……そんなことはあり得ません!」
「どうしてそう言い切れるのかしら? ワタシのカワイイ子」
「え……?」
おっと。此処でペンドラの華麗なるインターセプト。シルミの頬を撫でながら微笑を浮かべる様はまるで人を堕落させる悪女のようでち(直喩)。
「もしかして、『授業でそう教わったから』『学院の蔵書に記されていなかったから』……なんて言うつもりじゃないわよね?」
「あ、え……っと……」
あの顔は図星を突かれて焦ってる顔でち。人間観察を極めて心理を読み取れるようになった(自己申告)僕には、彼女の心情が手に取るように分かるでち。
「ハァ……(クソデカ溜息)アナタ、やっぱりダメね。ダメダメよ」
「……ッ!? っせ、先輩……?」
「ひょっとしてアナタ、自分が全知全能の神にでも成ったつもりなのかしら?」
おっ、ヤベーでち。ペンドラのドSスイッチが入ったでち。
「ワタシはオームの言葉を信じているし、実際に証明して貰ったから、紛れもない事実として知ってるわ。アナタはソレすらも否定するのかしら? アナタの恋人であるこのワタシを?」
「そ、それは……」
「フン……アナタとワタシの信頼関係も、この程度だった。そういうコトね?」
「……うぅ……っ」
可愛い女の子が泣きそうな顔で縋る顔は僕の好みじゃないでちね(他人事)。
「……でも、大丈夫よ」
「……え?」
「誰だって、最初は未熟なモノ。学院でも最初にそう言われたでしょう? 安心して。ワタシが導いてあげるわ。見捨てたりなんてしないから」
「……せ、先輩……っ♡」
うわぁ……。
「うわぁ……」
「声に出てるよ~」
「サンも聞いたでち? 一旦落としてから上げる……詐欺や洗脳の常套手段でち」
「流石は【天賦の双子】。ヤることも兄妹一緒だなんてね~」
「お前もやってたでちじゃん。『自分だけ関係ありません』みたいな顔してんじゃねえでち」
「てへ♡」
「犯すぞオスガキ」
「語尾が抜けてるよ~」
「でち」
魔術学院ラピス=ラズリを出立してから二週間と三日。僕達は徒歩で最寄りの街まで行き、そこから商隊の護衛ついでに荷台に乗せて貰ったり、乗り合い馬車を利用したり。なんやかんやあって、遂にサルマ聖国の首都【聖都】に辿り着いたのでち。
今は丁度、簡易的な魔術による身体検査を終えて聖都に入ったところでち。此処は世界で最も影響力を持つ宗教【ミクラト世界教】、通称『世界教会』のお膝元。聖職者の聖地であるから、当然警備も厳重でち。順番待ちのクッソ長い列に並んで入都に時間が掛かってしまうのも致し方ないことなのでち。
そこは聖職者見習いが必ず受けるクペラ教室で優秀な成績を修めたサンが居てくれて助かったでち。証明書を提示してくれたお陰で疑われず、スムーズに入ることができまちたからね。
一度入ってしまえばこっちのもんでち。正門前は外も内も人が多く居るから盗み聞きの心配は殆ど無いし、念の為に範囲内の音を周囲に漏らさない術【音断ちの帳】を発動させていたので対策もばっちりでち。
僕は他者を攻撃する魔術の才能は欠片も無い代わりに、こういう搦め手や暗部の術は大得意なのでち。やっぱり僕って裏で暗躍する謎の敵ポジションが一番似合うでちね……。
「それで~? オームとペンドラの実家は何処にあるの~?」
「こっちでち。案内するでちよ」
「ほら、手を繋いで? はぐれちゃうといけないわ」
「は、はい!」
僕達は連れ立って大通りを進んで、途中で薄暗い路地裏に入り、そのまま最奥まで歩いたでち。目的地に近付くに連れてサンとシルミの顔が怪訝→不審→恐怖に変わっていくのがちょっと笑えたでち。
「あ、あの……先輩方……?」
「あのさ~……これって~……?」
「人間の死体でち」
「死因は見たところ餓死と撲殺が大半ね」
「「いやいやいや!ちょっと待って!!」」
「「???」」
僕とペンドラは顔を見合わせる。何かおかしいことでもあったでち?
「どうして死体が転がっているんですか!!? それもこんなに……! ここはミクラト世界教の本拠地なんですよ!?」
「ちょ~っと、よく分かんないかな~って」
「あら? もしかして、アナタ達もこの国に期待し過ぎてるクチなのかしら」
「煌びやかな街並みの裏で薄汚い闇が隠されているのは何処の国、何処の街でもよくあることでちよ」
「そ、そんな……よりにもよって、この聖都で……?」
あー……そういえば、シルミは何処かの貴族の家出身だってペンドラから聞いたことある気がするでち。サンは魔術教授の息子だから学院から出たことも無かった筈でちから、こうなるのは必然でちたね。うっかりしてたでち。
「まあ、其奴らは何処にでも居るただの浮浪者でち。もう死んでるから、僕達に出来ることは無いでち」
「単なるオブジェクトだと思いなさい。そうしないとアナタ達の心が持たないわ」
「うぅ~……善処します~……」
「……っ」
こうして僕らは、サンとシルミの心にちょっとした傷を負いつつも聖都の実家に無事に帰ってくることに成功したのでちた。後で二人にはフォロー(意味浅)を入れる必要があるでちね……。
■■■
「魔術学院に潜入させている密偵より、文が届きました」
「……内容は?」
「かの有名な天賦の双子の片割れ、【神の誘惑、オーム】が学院を追放処分。もう一方の【誘惑者の刃、ペンドラ】他数人の学徒がそれに追従している模様」
「……あの誘惑者が?」
「むう……これは由々しき事態ですぞ」
「彼の者がもし我らが
「どれほどの堕落が蔓延るか、想像するだけで悍ましい……」
「おい、すぐに全域に伝達せよ。【神の誘惑、オーム】【誘惑者の刃、ペンドラ】両名を決して聖都に入れるな」
「はっ!」
「念の為、門番に聞き込みをすべきかと。既に侵入されているやも知れませぬ」
「そうだな。すぐに取り掛かろう」
「決して我らに、そして聖女様に近づけさせてはならぬぞ」
「世界に大いなる光のあらんことを」
「「「世界に大いなる光のあらんことを!」」」
「……? この気配……、オーム……?」
【ペンドラの太刀】
誘惑者の刃、ペンドラが用いた大太刀。
柄頭に青輝石の嵌め込まれた特殊な刀剣。
この大太刀には地属性の極地である不壊不滅の魔術が込められており、ペンドラは、自らの持てる魔の才の全てをそれに注ぎ込んだ。
魔術はこれだけで良い。あとは肉体と技量で、それを成すのみ。
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