ニューワールド・ブリゲイド─学生冒険者・杭打ちの青春─   作:てんたくろー

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いよいよ核心!だよー

「無事かレイア、あとグンダリ」

「おう、我が英雄に我が友!」

「おじさん! それにカインも!」

 

 僕とレイアに遅れること数分してからやって来た面子の先頭、事実上の副リーダーにあたるウェルドナーさんとカインさんがみんなを引き連れて僕らのところまでやってきた。

 地下86階層までの直通ルート、延々と滑り台を滑るだけの道程は当然ながら元調査戦隊メンバー以外にはほぼ初見のはずだ。

 

 ここからやって来た古代文明人達とか、好奇心だけでこんなとこまでやって来ちゃったレオンくん達とか例外もいるにはいるけどねー。

 とはいえ彼らもそう頻繁に往復していたわけではないから、やっぱりみんな、あまりに長いこと滑ってたもんだから若干、地に足の付いた感覚にホッとしてる様子だね。分かるよー。

 

「さすがだな二人とも、この階層の化物を相手に余裕って感じだが」

「まあねー。一応気配が読み取れる範囲は片付けたよ。でもいつまたやって来るか分かんないし、さっさと進もっか」

「そうだな」

 

 ウェルドナーさんが褒めてくるものの、素っ気なくレイアは返し、すぐさまの行動を促した。冷たい感じに捉えられるかもだけど、この場はそうするに越したことがない。

 一応、感知できる範囲のモンスターは軒並み片付けたけどいつまた発生するか分からないからね。どういう仕組なんだか、大迷宮内はモンスターが自然発生するからさ。

 

 さっさと先に進むに限るってわけなんだけど……とはいえさっきの天使とかも気になるし、さしもの僕も苦情を入れた。

 一週間前に匂わされた僕古代人説とかもだけど、そろそろ説明してほしいよー。

 

「ちょ、ちょっとレイア。それもそうだけど、さっき言ってた天使とか、僕の正体についても話してくれてもいいんじゃないのー!?」

「ん……そうだね、スルーしちゃっててごめんね。みんな集合して、歩き出したらその道中に話すよ。モンスターの正体とか、何よりソウくん、君についてもね」

 

 ニッコリ笑うレイア。口振りからしてようやく、そのへんの詳しい話を聞けそうだよー。

 特に僕古代人説については僕自身のことだからね、知りたくて知りたくてウズウズしてたんだよー。まったくレイアも昔からだけど演出好きっていうか、ちょっと人を焦らして楽しむのが好きなんだもんなー、もーう!

 

「──うわぁぁぁぁぁ!? ……っと、到着?」

「おう、到着だ! 久しぶりに来たなあ、地下86階!」

 

 と、話していている間にも続々とパーティのみんなが下りてきた。殿を務めていたリューゼの姿が見えたから、これで全員無事到着かな?

 新世界旅団のメンバーも当然姿が見える。みんなも僕を確認するなり、周囲を警戒しつつも駆けつけてきてくれたよー。

 

「ソウマくん!」

「ソウマ殿、お疲れ様でござるー」

「団長、サクラさん。それに教授にレリエさんもお疲れー」

 

 シアンさん、サクラさん、モニカ教授にレリエさん。僕のかけがえのない今の仲間達で、大切な人達だ。

 杭打ちくんを持たないほうの手でハイターッチ! ってすると、みんなでひとしきり笑い合う。そうそうこの感じ、パーティって感じがしていいよねー。

 周囲を見回して、シアンさんが緊張しながらもつぶやいた。

 

「ここが、大迷宮地下最深階層付近……今の私には明らかに無理な場所。ある意味冒険者達の最先端に、こんなに早く挑めるなんて!」

「久しぶりってほどでもないけど、我ながらずいぶん早く戻ってきたわ……相変わらずどことなく薄ら寒い場所」

「こないだここからやって来たんだったね、レリエは。ならたしかに久しぶりでもないか。私はレイアさんと同じく3年ぶりだから、どう考えても久しぶりなんだけどね」

 

 どう考えてもまだ冒険者になりたてのシアンさんには早すぎるステージなんだけど、だからこそ冒険心がくすぐられているのか瞳がキラキラしているね。つくづく冒険者向けの質をしているよー。

 一方でレリエさんとモニカ教授も、どことなく懐かしげに周囲を伺っているね。二人とも一応ここには来たことあるから、そこまで物珍しそうでもないや。

 

「全員いるね? よし! ならさっそくだけど進むよ、私とソウくんで周辺のモンスターは片付けたけど、また次、いつどこから連中が発生するかもわからないからね!」

「進むのはもちろんだけど、説明も頼むよレイア。僕の正体とか、さっきモンスターのことを天使とか呼んだことについても」

 

 レイアが号令を出す。さっきも言ってたけどのんびりしてても仕方ない。このままどんどん進んで、開かずの扉にまで行かないと。

 もちろん、道中いろんな秘密のネタバラシをするように頼むのも忘れない。僕が再三頼み込むと、彼女はやはり、朗らかな笑顔で頷くのだった。

 

「もちろん! みんなも歩きながら聞いてほしい。ここにいるソウマ・グンダリが古代文明人である話と、モンスターの正体について──どっちも私達が今から向かう旧世界、はるか地下に眠る古代文明の核心に至る話だからねー!」

 

 断言して、そして歩き出す。

 僕の秘密……ついに明かされる時が来たんだねー。

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