優等生を目指す片桐くんは高校のマドンナに弱みを握られスマホ片手に遊ばれる。   作:花河相

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 俺は中学時代……不良であった。

 きっかけは父さんと見た不良映画だった。

 金髪の頭で制服を着崩し、金属バット一つで敵を倒す。それに何故かカッコいいと思ってしまった。

 

 だから、俺は映画の主人公のように過ごした。

 

 中学入学後、髪を金髪に染め、制服は着崩し悪ぶった。

 流石に金属バットを持つのは怒られると思った。だから、それを合法的に許されるため、俺は野球部に所属した。

 だが、俺の出身中学はいわゆる弱小であったので、練習は週に3日、一日二時間。校庭の隅っこで。

 

 メンバーも少なく部員は俺を含めて五人、同好会のような感じであった。

だが、真面目なのか、他にやることがないのか、軽い運動がてら練習をした。

 

 俺はピッチャーをやっていた。体が大きく体を鍛えていたこともあり、一番早く球を投げられそうだと……そんな単純な理由であった。いろんな球種を練習して……足腰を鍛えて出来るだけ早い球を投げられるように練習した。

 週3日平日の練習以外の時間は基本的に暇なので、悪ぶって金属バット(ケースに入れて)担いで街をぶらついていた。

 

 俺の格好は悪目立ちしていたので。ご近所さんからは噂をされた。素行が悪い、子育てがなってない。

 

 だが、俺は気にしなかった。両親からも特に俺の素行について何も言わなかったためだ。

 

 これでも授業はまじめに聞いていたし、無遅刻無欠席。

 テストの順位もそこそこ。

 

 担任からもよくいわれた。……外見以外は優等生だな……と。

 

 だが、こんな日常を過ごしてある日疑問に思う。……俺は何をしているのだろう?……これは不良と言えるのだろうか?

 

 そんな疑問を持ちながらすごし中二の秋……俺は自分の行動が矛盾していることに気がついた。

 

 不良は優等生じゃない……と。

 

 だから、俺は行動を開始した。

 両親に黙って学校を無断欠席し、新幹線で都内に行き出歩いてみた。

 

 その時俺は……これぞ不良と、自分の行動に自画自賛するほどであった。

 都内には不良が多い。

 

 真昼間から俺と同じように学校をサボり、出歩く不良たち、俺は……ついに不良の仲間入りを果たせた……そう思った。だが、残念ながら満足できなかった。

 

 ただ悪ぶって出歩いているだけだ。不良らしいことは何一つできていない。

 

 不良映画を見て……何に感動したのか?

 

 自問自答を続け、答えをだした。

 

 喧嘩だ。仲間を傷つけられた主人公が敵の学校にも単身で攻め込みやり返す。

 そんな主人公の姿に憧れたんだ。

 

 その時俺は単純であった。

 答えにたどり着いた時、誰か都合の良い喧嘩相手がいないかを探した。

 喧嘩をやり合っている集団があるなら混ぜてもらおうとした。

 ……だが、どこを探してもコンビニでたむろっている奴らだけ。

 

 つまらない。せっかく都会に来たのに。

 

 その後も探し続けるも見つからず、気づけば時刻は6時。

 ……もう学校も終わりの時間だな。

 そんなことを思いながら人気のない場所を歩いているとき……事が起こる。

 

「いや!……やめてください!」

「少し遊ぶだけだって……ね。暇でしょ?」

「これから塾に行かなきゃいけないんです!」

「真面目だねぇ」

 

 ……これだ。

 俺はその光景を見て直感でわかった。さがしていたのはこれだと。

 

 歩いていると三人の不良が一人のブレザー制服を着ている女子学生に絡んでいたのだ。

 

 不良らしいことをしたい……一日中途方に暮れていて精神が疲労していたのか、ある種の正義感からか、喧嘩イベントの憧れからか、俺は絡まれている女の子を助けるため、不良の三人と喧嘩をした。

 

「俺をしらんとはお前も田舎もんだな。荒川第二高の剛田様をな!」

「お前は知らん!俺は片桐司だ!」

 

 喧嘩をする前、雰囲気で名乗ってきたので礼儀だと思って名乗り返してあげた。

 

 結果だけいえば俺は圧勝した。

 

 俺は思ったより強かったらしい。野球で鍛えていたから、身長が高く体格に恵まれていたからか、剛田という不良よりも強かった。

 

 だが、その行動は今思うと悪手でしかなかった。

 

 俺は喧嘩に圧勝したが、周りの野次馬が警察を呼んでいたので身柄を預かりとなってしまった。

 もちろんその連絡は両親にも行く。

 

 俺は勝手に新幹線で都内には行っていたので、両親は飛んでくるようにきた。厳重注意され、警察官に両親と一緒に怒られたあと、その日は帰らせてくれた。

 

 普通ならば俺はそのあと怒られるだろう。

 ……だが、俺の両親は変わっていた。もちろんいい意味でだ。

 子供やりたいようにやらせてくれるスタンスを持っていて、基本子供のしたことを叱るよりも良いところを褒めることからしてくれる

 

 今思うとこの件がきっかけで俺は両親にとって誇れる人間になりたいと思うようになった。

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