戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
初めましての方は初めまして。
宇宙刑事ブルーノアです。
前作、『新サクラ大戦・光』の完結の際に、筆を擱くと言ってましたが………
今更ながら『戦姫絶唱シンフォギア』にハマってしまい、書きたいと言う思いが湧きあがったので、恥ずかしながら帰って参りました。
今回のクロス作品は、私がユーザーネームにも付けているくらい好きな作品………
『宇宙刑事シリーズ』、延いては『メタルヒーローシリーズ』とのクロスです。
宜しければ、またご愛読の程、宜しくお願い致します。
プロローグ『伝説を継ぐ者』
太陽系第3惑星・地球………
この青く輝く美しい星が、嘗て卑劣な宇宙の悪に狙われていた事を知っているだろうか?………
マクー、マドー、フーマ………
どれも恐ろしい宇宙の悪魔達の集団であった………
しかし………
そんな悪魔達に果敢に立ち向かい、打ち倒した
冷たい鋼の鎧に身を包みながらも、熱い正義の心を持った男達………
人は彼等をこう呼ぶ………
『宇宙刑事』と………
バード星………
地球から5光年離れたこの星に、宇宙刑事達の所属する銀河連邦警察の本部がある。
その本部の一室の前に、1人の若者の姿が在った。
「教官!
「入れ」
若者が扉の前でそう言うと、中からそう声が返って来て、扉が自動で開く。
「失礼します!」
若者がそう言って入室すると、扉が閉まる。
そのまま部屋の奥の方に在るデスクに付いている壮年の男の元へ向かう。
目の前で止まると、敬礼する。
「お呼びですか? 教官」
「うむ、先日の最終試験の結果についてだが………」
「………!」
教官がそう言うと、若者は緊張した面持ちとなる。
「………見事合格だ!」
「! よっし!!」
しかし、教官がそう言って破顔すると、すぐにガッツポーズを執った。
「良くやったな。これまでの2年半の訓練が実を結んだわけだ」
「ありがとうございます」
椅子から立ち上がってそう言う教官に、若者………『
「では、君の『宇宙刑事』としてのコードネームだが………『ギャバン』だ」
「! えっ!?」
教官の言葉に、轟は驚きを露わにする。
「教官! それは………」
「君には俺と同じ『コンバットスーツ』のtypeG型が支給される。『超次元高速機ドルギラン』もな」
「………自分はまだ、その名を受け継げる身では………」
「いや。俺はお前にこそ相応しいと思って、この名を送る事にした」
轟の言葉を遮り、教官………『ギャバン』こと『
「ギャバン教官………」
「この2年半、お前の事をずっと見て来た。だから、受け継いで貰いたい………」
まるで父親の様な目で、轟を見やる烈。
「!………」
その目を見て、轟も決意を固めた。
「………分かりました。若輩者の身ですが………慎んで拝命致します!」
そう宣言して姿勢を正し、再度敬礼する轟。
「良く言った! では、早速お前に宇宙刑事としての初任務を与える!」
烈はその姿を見て、満足そうな笑みを浮かべた後、再び教官の顔となり、轟にそう言う。
「君には太陽系第3惑星………『地球』へと向かってもらい、『宇宙犯罪組織マクー』の企みを阻止してもらう」
「!? 地球に!? それにマクーですって!?」
「そうだ………あの事件の事は覚えているな?」
「忘れもしません。あの事件で重傷を負った俺を助けてくれたのは他ならぬ教官でしたから………」
今から3年前………
轟は地球で暮らしていた。
両親は轟が生まれてすぐに亡くなり、孤児院に身を寄せていた轟はある日、宇宙犯罪組織マクーの残党と戦っていた烈と偶然遭遇。
不意を掛けようとした敵の姿を見た轟は、咄嗟に烈を庇い、瀕死に重傷を負った。
地球の医療技術では助からない程の重傷であった轟は、烈によりバード星に連れて行かれ、半年の昏睡の末に一命を取り留めた。
目覚めた轟は、烈から衝撃的な事実を聞かされる。
実は顔も知らない両親が地球人では無くバード星人であり、自身も純粋なバード星人である事を………
轟の両親は元宇宙刑事とそのパートナーであった。
烈とは懇意の仲であり、結婚を機に引退した後、彼より良く話を聞いていた地球へと移住したのだ。
だが、轟が生まれて間も無くに、不幸にも事故で両者共に他界………
当然、身寄りの無かった轟は孤児院へと引き取られたのだ。
烈が地球へ赴いていたのも、友人の忘れ形見である轟を探しての事だった。
事実を知り、驚き戸惑った轟ではあったが、元より正義漢の強い彼は両親がしていた宇宙刑事になる事を決意し、今に至ったのだ。
「あの後、調査を続けていたが………アレは残党ではなく、復活したマクーである事が判明した」
「!!」
「今地球では『ノイズ』と呼ばれる特異災害が頻発している。我々はその事にもマクーが何らかの形で関わっているのではないかと睨んでいる」
「ノイズまで………」
「本来ならパートナーと共に向かわせるところだが………今銀河連邦警察は人手不足でな………」
「大丈夫です。1人でも任務を遂行して見せます」
「良く言った。地球は俺の母の故郷でもある。必ずマクーの魔の手から守ってくれ。頼むぞ、轟………いや、『宇宙刑事ギャバン』!」
「ハイッ!!」
烈の言葉に、轟は力強く返事を返す。
◇
数時間後………
1隻の宇宙船が、地球を目指してバード星から飛び立った。
「ワープ開始!」
銀色の円盤状の船体下部に、青いユニットが接続している形状の宇宙船………『超次元高速機ドルギラン』の操縦席で、轟がそう叫ぶ。
するとドルギランは、ワープを行い、アッと言う間に5光年の距離を飛び越え、太陽系へと到着する。
操縦席のメインモニターに、最大望遠で地球の姿が映し出される。
「地球か………3年ぶりだな」
しみじみとした様子でそう呟くと、操縦席のコンパネの上に置いてあった2つ写真立てに視線を向ける轟。
右側の写真立てには、轟に良く似た男女………バード星を離れる際に撮られた両親の写真が入れられている。
(父さん、母さん………俺は2人の後を継いで宇宙刑事となりました。これから地球へ行き、マクーと戦います。どうか見守っていて下さい)
両親の写真に向かってそう呟くと、今度はその隣………
両親の写真と比べ、やや色褪せてしまっている、高校生ぐらいの轟が、学生服で中学生ぐらいの少女2人と共に写っている写真に目を遣る。
「『響ちゃん』と『未来ちゃん』、元気かな………2人からしたら、突然居なくなっちまったもんだからなぁ」
写真の少女たち………『
回想………
ワンッ!! ワンッ!! ワンッ!!
「ひうっ!」
「だ、だいじょうぶだよ、みく! わ、わたしがまもるから!」
3歳ぐらいの未来と響が、大型のドーベルマンに吠えられている。
怯える未来を守る様に両手を広げて前に立って居る響だが、彼女自身も恐怖に涙目で震えている。
ウウゥ~~~………
そんな2人の恐怖を煽るかの様に、ドーベルマンは唸りながら近づいて来る。
「!!」
「ひうっ!」
恐怖に負け、目を瞑ってしまう響と未来。
だが………
クゥ~ン、クゥ~ン
そこで聞こえて来たのは、先程までと打って変わって甘える様な鳴き声だった。
「「?………」」
戸惑いながら2人がそっと目を開けると………
「お~、よしよし。ダメだろ~、女の子おどかしちゃ」
クゥ~ン、クゥ~ン
自分達より少し年上くらいに見える少年が、ドーベルマンを撫でていた。
ドーベルマンは唸っていたのが嘘の様に、尻尾を大きく振りながら、少年にされるがままになっている。
「「…………」」
その光景に唖然となっている響と未来。
「ホラ、帰りな」
ワンッ! ワンッ!
少年が促すと、ドーベルマンは去って行った。
「大丈夫だったか?」
「おにいちゃん、すご~い」
「あ、ありがとう!」
少年が尋ねると、響は感嘆し、未来はお礼を言う。
「おにいちゃん、何て言うの!? わたし、たちばな ひびき!」
「こひなた みくです」
「おれは轟。十城士 轟だ!」
これが十城士 轟と立花 響、小日向 未来での出会いだった………
その後も3人の交流は続いた………
孤児だった轟の事を、響と未来の両親も気に掛けてくれて、良く家にまで招いて食事を共にしたり、時には3人で泊まったりもした。
何時も3人で泥だらけになるまで遊び回り、2人の両親や孤児院の園長に怒られたりとしたりと………
3人の仲はどんどん深まって行った………
「みく~」
「ひ、ひびき~、はずかしいよ~///」
「2人はホントに仲良いな~」
未来に抱き着いている響と、恥ずかしがっている未来を見て、轟がそう言う。
「うん! みくはあったかいんだ! みくのそばがいちばんあったかいばしょで、わたしのひだまりなんだ!」
「ひびき………わたしもそうだよ。ひびきはわたしにおひさまなんだよ」
真っ直ぐにそういう響を、潤んだ目で見やりそう返す未来。
「陽だまりにお日様か。成程、お似合いだな」
「それでね! それでね! ごうにいは『ゆうじゃ』だよ!!」
とそこで、響は轟に向かってそう言う。
「『
「おとうさんがいってたよ! ごうにいみたいにじぶんのことをかえりみずにひとをたすけることができるつよくてやさしいひとのことを『ゆうじゃ』っていうんだって!」
「うん、ごうおにいちゃんにぴったりだよ」
やや興奮した様子で、捲し立てる様に響は言い、未来も同意する。
「『
轟が笑い、響と未来も笑い合う。
そんな日々がずっと続くと、この時の3人は思っていた………
しかし、3年前のあの日………偶然マクーと烈が戦っていた場に遭遇してしまった轟は、不意打ちを掛けようとしていた敵から烈を庇って重傷を負った………
そして、地球の医療技術では助からない轟は、烈によってはバード星に運ばれ治療され、半年の昏睡の末に一命を取り留めたのだ………
現在・ドルギラン船内………
(地球の宇宙進出は未だに未熟………文明には不干渉と言う銀河連邦警察の規則の為に、俺が宇宙刑事になろうとした事は2人には知らせられなかった………)
それでも轟は、せめてもと無理を言い、目覚めた直後に響と未来宛てに、1通だけ手紙を送っていた………
(それ以降は音信不通………ひょっとしたら、2人供もう俺の事なんか忘れてるかもな………)
写真の響、未来を見ながら、轟は遠い目をする。
(けど、2人が幸せならそれでも良い………俺は2人の幸せの為にも、地球をマクーから守ってみせる!)
と、轟が決意を新たにしていたその時………
ドルギラン船内に警報が鳴り響いた!!
「!!」
視線をメインモニターに戻すと、そこには暗闇の宇宙に浮かぶ無数の光点が在った。
その光点が近づいて来ると、それはマクーの強襲宇宙円盤………『マクー戦闘円盤』である事が明らかになる。
「来たな、マクー! 早速の歓迎と言うワケか!」
マクー戦闘円盤は多数の3機編隊を組み、ドルギランに向かって来る。
「よーし! レーザー砲、発射!!」
轟がそう言って、操縦桿のボタンを押すと、ドルギランの上部『ギラン円盤』の前部から、一条の青いレーザーが放たれる。
正面から来ていたマクー戦闘円盤の編隊が次々に撃墜される。
とそこで、別の編隊が回り込み、ドルギランの背後に付く。
そして角の様な上部の部分から、赤い波状の光弾を放って来る。
ドルギランの周辺で爆発が起こり、振動が船体を揺さぶる。
「舐めるなよ! このドルギランは見た目こそ変わっていないが、嘗てよりもパワーアップしているんだ!」
だが、ドルギランはビクともしない。
操縦桿を引きながら、再度ボタンを押す轟。
すると今度は、前部に加えて左舷、右舷からもレーザー砲が対空砲火の如く薙ぎ払う様に放たれ、回り込んで来たマクー戦闘円盤の編隊を撃墜する。
正面への連射や、乱れ撃ちを使い分け、ドルギランは次々にマクー戦闘円盤の編隊を撃墜して行く。
遂にその数が4分の1にまで減った瞬間………
マクー戦闘円盤達は尻尾を巻く様に引き上げて行った。
「やったぜ!!」
その光景にガッツポーズをする轟。
「さて、とんだ道草を食っちまったな。地球へ急がないと………」
ロスした時間を取り戻す様に、ドルギランを加速させ、地球へと急ぐのだった。
その様子を、光の全く存在しない暗黒の空間から見ている者が居た………
「フン、やるじゃないかい。ギャバンの名を受け継いだってのは伊達じゃ無い様だね」
ドルギランがマクー戦闘円盤を撃墜した様子の映像を見ていたその人物はそう呟くと映像を消す。
「けど、良い気になるんじゃないよ。今日のは本の挨拶さ。精々マクーの連中共と戯れてな」
右手に持つ禍々しいデザインの杖を持ち、黒いマントを翻したこれまた黒い禍々しいデザインの服を着た人物はそう言葉を続ける。
「お前がどんなに足掻こうと、この『暗黒銀河女王』には決して勝てないと思うんだね………ハッハッハッハッハッハッ!!」
そう言ってその人物………『暗黒銀河女王』は高笑いを挙げるのだった………
今、伝説の宇宙刑事………
ギャバンの名を受け継いだ若者が、地球へと舞い戻った………
復活したマクーの陰謀を阻止する戦いが始まる………
だが、その裏には謎の巨悪………
『暗黒銀河女王』の影が渦巻いている………
果たして、十城士 轟はこの強大な悪に勝てるのか?………
戦え、轟!
蒸着せよ! 宇宙刑事ギャバン!!
つづく
新作、投稿させて頂きました。
前書きでも言った通り、戦姫絶唱シンフォギアシリーズとメタルヒーローシリーズのクロス作品の始まりです。
ハーメルンで色々な方のシンフォギア作品を読んでいる内にすっかりハマってしまいまして。
特に影響を受けたのは、『一種の信者』様の作品『改造人間 立花響のシンフォギア』ですね。
原作主人公である響が改造人間にされ、ショッカーの怪人達と戦いを繰り広げるという作品ですが、聖遺物の力や技術を得て原作以上に強くなったショッカーが、原作以上に一般人を殺戮しまくったり、響が改造人間である事に苦悩したりと、ダークな要素が強いですが、ただ暗いのではなく、その中にも熱さがある名作です。
さて、私の作品では、2代目ギャバンとなったオリ主『十城士 轟』が、シンフォギアの地球を狙うマクーと戦います。
しかし、その背後には更なる巨悪が………
今回のプロローグから分かる様に、メインヒロインは響と未来になります。
最初は響の単独ヒロインにしようかと思ってたのですが、原作のシンフォギアシリーズを視聴して、響と未来は2人一緒なのが大切なのだと思い、ダブルヒロインで行く事にしました。
所謂、百合の間に挟まる男になってしまうので、それが如何して許せない方は申し訳ありませんが、この作品はお勧め出来ません。
さて、第1部である無印ではギャバンだけの登場となりますが………
シャリバンはGより。
シャイダーはGXより登場します。
この2人も2代目で、オリキャラとなり、カップリングがありますので、予めご了承ください。
そしてAXZからは独自展開となる予定です。
更に、宇宙刑事シリーズ以外のメタルヒーローシリーズや、東映特撮作品のヒーロー達がゲスト的に出演したりもする予定です。
また週一で頑張りますので楽しみにしていて下さい。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。