戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第4話『パヴァリア光明結社のマッドギラン』

バルベルデ共和国内・某ジャングル地帯………

 

プラント基地担当メンバーの内、翼・奏・クリスが慎次の操縦するボートで川を遡っており、それと並走する様に、川沿いの野道を響と未来を乗せた轟の車が走っている。

 

「…………」

 

ボートに乗っている面子の中で、1人険しい顔を見せているクリス。

 

その脳裏には、この国での嫌な思い出が蘇っていた………

 

 

 

 

 

クリスの回想………

 

『パパッ! ママッ!』

 

血塗れで担架に乗せられて搬送されて行こうとしている両親に縋り付き泣きじゃくっている幼き日のクリス。

 

『クリス、離れてっ! 2人を運べないわっ!!』

 

その幼いクリスを引き剥がす褐色肌の女性。

 

『離して、『ソーニャ』!

 

『駄目よ! 離れてっ!!』

 

『ソーニャの所為だ!!』

 

『!!………』

 

感情のままにそんな言葉をぶつけてきた幼いクリスに、ソーニャは只涙を流すしかない。

 

彼女はこの国の人間であり、雪音一家とNGO活動の手伝いを行っていた。

 

しかし、彼女が運んで来た支援物資の中に爆弾が混入しており、雪音夫婦はそれによって負傷してしまったのである………

 

『クリス、それは違う………』

 

『あ………』

 

『! 小父さん………』

 

そこで、白い衣装が自身の血で所々赤く染まっているロケットマンが姿を見せる。

 

彼が逸早く爆弾の存在に気付いたお陰で、本来ならば爆発に巻き込まれて死んでいた筈の雪音夫婦は、重傷こそ負ったものの助かったのだ。

 

『悪いのは私だ………私がもっとしっかりしていればこんな事には………』

 

『! ち、違うよ! 小父さんは悪くない! わ、私、そんな積りじゃ………』

 

申し訳無さそうにするロケットマンの姿を見て、クリスは自分が酷い事を言ってしまったと自覚し、狼狽するのだった………

 

 

 

 

 

現在………

 

「…………」

 

表情に後悔の色が出始めるクリス。

 

結局あの後、クリスはソーニャに謝罪する機会を逃したまま重傷を負った両親と共に帰国。

 

その後、両親が回復した後には反発心から家出をしてフィーネに拾われてと言う経緯を辿った。

 

もしまたこの国に来る事になったのなら、ソーニャに謝りたいと思っていたが、今のこの状況では彼女を探す事さえ叶わない………

 

「昔の事か?………」

 

と、そんなクリスの様子に気付いた翼がそう声を掛けて来る。

 

「! ああ、昔の事だ! だから気にすんな!」

 

それを受けてクリスは、何でも無いと言う様に業と明るく言う。

 

「………詮索はしない。だが、今だけは前を見ろ」

 

しかし、もう長い付き合いとなる翼は、それが強がりである事を見抜きそう忠告する。

 

「でないと………」

 

「! 御出でなすったぞっ!!」

 

更に言葉を続けようとした翼だったが、そこで轟がそう声を挙げた!

 

直後に、ジャングルの中から木々を薙ぎ倒して、装甲車が轟の車の進路を塞ぐ様に現れる!

 

「ギーッ!!」

 

そして、上部の銃座に付いていたクラッシャーが、機関銃をボートに乗るメンバーに向かって発砲する。

 

「コワッコワッ!!」

 

「シュワシュワッ!!」

 

更に、後部ハッチが開いたかと思うと、姿を見せたファイトローとミラクラーが、轟の車に向かって手榴弾を投げつけて来る。

 

「チイッ!!」

 

轟は車を蛇行させて、紙一重で爆発を避ける。

 

「状況、開始!」

 

「1番槍! 突貫しますっ!!」

 

「響! 気を付けてっ!!」

 

慎次がそう言って回避運動を執る中、響がそう言って、未来の言葉を背に轟の車から跳躍!

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

そして聖詠を唱えて、シンフォギアを纏う!

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

気合の雄叫びと共に、腰のブースターの勢いに任せて装甲車を殴り付ける響。

 

殴られた装甲車が玩具の様に宙に舞ったかと思うと、そのまま肉薄していたプラント基地の敷地の傍に落ち、爆散した!

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

異常を察知した基地内にサイレンが鳴り響いて、サーチライトが次々に点灯したかと思うと、彼方此方からクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達がゾロゾロと飛び出して来る。

 

更に、警備システムらしき機械が作動して結晶をばら撒き、アルカ・ノイズを出現させる。

 

「蒸着っ!!」

 

と、響に続く様に、轟が車を横滑りさせながら強引に止めると、跳躍と共に叫び、銀色の光球となり、現れたクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達の一部を薙ぎ倒しながら、プラント基地の管制塔の上に降り立つ!

 

「「「「「ギーッ!?」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!?」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」

 

「宇宙刑事っ! ギャバンッ!!」

 

そして、狼狽するクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達を見下ろしながら、ポーズと共に高らかに名乗りを挙げた!

 

 

 

 

 

宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!

 

では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

「蒸着っ!!」

 

轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。

 

『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』

 

そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!

 

その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か0.05秒!!

 

 

 

 

 

「行くぞっ! チュウッ!!」

 

そして、そのまま管制塔の上から跳び、クラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達の中へと飛び込むのだった!

 

「ハアアッ!!」

 

「デラアアアアアッ!!」

 

既にシンフォギアを纏っていた翼とクリスも、剣とガトリングガンでアルカ・ノイズ達を次々に赤い霧へと変えて行く。

 

「「「「「ウワアアアアアアッ!!」」」」」

 

「落ち着いて! 慌てないで下さいっ!!」

 

「救助隊がすぐ近くに控えています! 安心して下さいっ!!」

 

襲撃の混乱乗じて、強制労働させられていた人々が脱走を始め、慎次と未来がその避難誘導を行っている。

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

と、折角の労働力逃がしてなるものかと、クラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達の一団が止めにやって来るが………

 

「! 近寄るなぁっ!!」

 

すぐさま未来が周囲に無数の鏡を出現させたかと思うと、そこから次々にレーザーを放つ!

 

「「「「「ギーッ!?」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!?」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」

 

レーザーが当たった場所から消滅する様に姿を消して行くクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達。

 

とそこで、敷地内に巨大な魔法陣が出現したかと思うと、そこから巨大なアルカ・ノイズ達が出現する。

 

その巨大アルカ・ノイズの1体が、未来に向かって腕を振り被る。

 

「!!」

 

思わず未来が目を見開くが………

 

「オリャアアアアアッ!!」

 

叫びと共に槍を構えてミサイルの様に飛んで来た奏が、未来に狙いを定めていた巨大アルカ・ノイズを貫く!!

 

「! 今っ!!」

 

久遠

 

奏に貫かれて、身体に大穴の空いた巨大アルカ・ノイズに向かって、未来は閉じた状態の扇を向けたかと思うと、その先端に周囲に浮かぶ鏡から収束させた光を集め、極太のレーザーとして放つ!!

 

その極太レーザーを浴びた巨大アルカ・ノイズは、そのまま赤い霧さえ残さずに消し飛ぶ!

 

「よっ、と!」

 

「ありがとうございました」

 

「気にすんなって」

 

近くに降り立った奏に未来がお礼を言うと、サムズアップが返って来る。

 

「ギャビオーンッ!!」

 

とそこで、クラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達を粗方片付けたギャバンが叫び、ギャビオンが飛来。

 

巨大アルカ・ノイズ群に向かってロケット弾とミサイル、レーザーで攻撃!

 

次々と赤い霧へと変えて行く。

 

「さあ、もう一踏ん張りだ!!」

 

「ハイッ!」

 

それを見て、避難する人々を守りながら、残る敵の掃討を始める未来と奏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

パヴァリア光明結社が本拠地としていると思われる場所へと向かった雷・マリア・切歌・調・セレナ・劾は………

 

既にその場所へと接近していた。

 

「………やっぱり何も無い様に見えるデス」

 

目視出来る筈の距離にまで近づいている筈なのに、只のジャングルが広がっている光景見えない事に、切歌がそう言う。

 

「ううん、切ちゃん。確かに目には見えないけど………」

 

「何だか………不穏な気配がします」

 

しかし、調とセレナは何かのプレッシャーの様な物を感じ取っていた。

 

「コンバットスーツで透視してみるか………」

 

「そうしましょう」

 

そこで、雷と劾がコンバットスーツの透視機能で見てみようと前に出る。

 

と、その時!!

 

『コチラ本部! 敵の奇襲を受けた!』

 

『至急救援をっ!!』

 

「「「!?」」」

 

本部の朔也とあおいから、敵の奇襲を受けたと言う緊急通信が入り、切歌・調・セレナが目を見開く。

 

「しまったっ!? 罠かっ!?」

 

「僕が戻ります! 皆さんは本拠地を頼みます!! 焼結っ!!」

 

マリアが声を挙げた瞬間、劾が焼結し、コンバットスーツを身に纏った!

 

「宇宙刑事っ! シャイダーッ!!」

 

 

 

 

宇宙刑事シャイダーは、僅か1ミリ秒で焼結を完了する。

 

では、その原理を説明しよう。

 

「焼結っ!!」

 

劾の焼結コールが送られると、すぐにそれは地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元戦闘母艦バビロスにキャッチされる。

 

そして、バビロス号からプラズマ・ブルーエネルギーが、劾に向かって照射される。

 

宇宙刑事シャイダーは、バビロス号から放たれるプラズマ・ブルーエネルギーを浴びて、僅か1ミリ秒で焼結を完了するのだ。

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か1ミリ秒!!

 

 

 

 

 

「バビロースッ!!」

 

シャイダーが空に向かったポーズを決めながら叫ぶと、バビロスが飛来!

 

「タアアッ!!」

 

そのままバビロスへと飛び乗り、すぐさま本部の救援へと向かうのだった。

 

「向かうはシャイダーに任せよう。さて………コレが罠だったと言う事は………」

 

それを見送った雷が再び、敵の本拠地が在ると思われる方へと向き直ったかと思うと………

 

突如目の前の景色が揺らぎ、オペラハウスを思わせる構造の基地が出現!

 

「「「「!!」」」」

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

マリア達が身構えた瞬間に、そこかしこから戦車や歩兵戦闘車に乗ったクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達が現れ、更に攻撃ヘリまでもがホバリングしている。

 

「やはり俺達の動きは筒抜けだったワケか………」

 

「「「「…………」」」」

 

しかし、雷は動じず、装者達も冷静にギアペンダントを手にする。

 

するとそこで………

 

「ようこそ………宇宙刑事と装者さん達」

 

気の無い拍手の音と共に、そう言う声が聞こえて来た。

 

「「「「「!!」」」」」

 

雷達がその声が聞こえて来た方向に視線を向けると………

 

そこには、オペラハウス状の基地施設の上に佇む白いスーツに帽子、そしてサングラスを掛けた男………アダムの姿が在った。

 

「何者だっ!?」

 

「お初にお目に掛かるね。僕の名前は『アダム・ヴァイスハウプト』。パヴァリア光明結社の統制局長………まあ、所謂ボスって奴だね」

 

マリアの問いに、何処か惚けた様子でそう返すアダム。

 

「! アイツがパヴァリア光明結社のボスデスか!」

 

「一体如何やって宇宙犯罪組織の残党を?………」

 

切歌に続いて、調が問い質すかの様に言うが………

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

アダムがそう言ってサングラスを外し、その目を黄色く光らせたかと思うと………

 

全身が怪しい光を放って、マッドギャランの姿となった!

 

「!? それはっ!?」

 

「『()()()()』から頂いた素晴らしい力だ。この力のお陰で、俺は今までつまらない事を考えていた自分から脱却する事が出来たのだ!」

 

驚きの声を挙げるセレナに、口調までもが変わったマッドギャランがそう言い放つ。

 

『あのお方』? 誰の事だっ!?」

 

とそこで、マッドギャランの言葉に引っ掛かりを感じた雷がそう問い質す。

 

「おっと、喋り過ぎたか………まあ、良い。どのみち貴様等は全員死ぬのだからなっ!!」

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

だが、やはりマッドギャランは答えず、腕を振ったかと思うと、クラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達が乗った戦闘兵器が動き出す。

 

「赤射っ!!」

 

Seilien coffin airget-lamh tron×2

 

Zeios igalima raizen tron

 

Various shul shagana tron

 

そこで雷が赤射し、マリア達も聖詠を唱える。

 

全員が光に包まれ、シンフォギアとコンバットスーツを身に纏った!

 

「宇宙刑事っ! シャリバンッ!!」

 

 

 

 

宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。

 

では、赤射プロセスをもう1度見てみよう!

 

「赤射っ!!」

 

雷がそう叫び、赤射ポーズを取ると、それは直ちに地球の衛星軌道上で待機している超次元戦闘母艦グランドバースへと伝わる。

 

すると、灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする!

 

増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンに赤射蒸着されるのだ!

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か1ミリ秒!!

 

 

 

 

 

「行くぞっ!」

 

「「「「おうっ(ハイ、デス)!!」」」」

 

シャリバンの掛け声で、マリア達は一斉に戦闘を開始するのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、プラント基地攻撃メンバーの方は………

 

「片付いたな………」

 

すっかり静まり返ったプラント基地を見ながらギャバンがそう言う。

 

「強制労働させられていた人達も全員脱出出来ました。今、救助隊が保護を………」

 

慎次がそう報告していると………

 

「頼む! 助けてくれっ!!」

 

強制労働させられていた人々の1人と思われる褐色肌の少年が戻って来てそう言って来た!

 

「! 君! 駄目だよ、戻って来ちゃ!!」

 

「俺の村が危ないんだっ!!」

 

響が慌てて注意するが、少年はそれを無視してそう言葉を続ける。

 

「! 如何言う事だ?」

 

「この近くに、俺達の村が在るんだ! さっきこの基地から出て行った奴等がそっちの方角に向かったんだ! ひょっとしたら、腹いせに村を襲う気かも知れない!」

 

翼が問うと、少年は慌てた様子でそう言う。

 

「そんなっ!?」

 

「クソッ! 無差別攻撃ってワケかよ!」

 

「七面倒な事になる前に行くぞっ!!」

 

「すぐに行くぞっ! 全員ギャビオンに乗るんだっ! チュウッ!!」

 

未来、奏、クリスがそう言うと、ギャバンが呼び掛けながらギャビオンの上に飛び乗る!

 

「案内してくれる!?」

 

「任せてくれっ!!」

 

翼・奏・クリス・未来もギャビオンへと飛び乗り、最後に響が少年を抱えて飛び乗る。

 

「後の事は僕が引き受けます!」

 

「頼みます。そう言えば、君………名前は?」

 

「俺は『ステファン』だ! 頼む! 村を助けてくれっ!!」

 

「任せろっ! ギャビオン、GO!!」

 

プラント基地の後始末を慎次に任せ、少年………『ステファン』に力強くそう返すと、ギャバンはギャビオンを飛翔させ、村へと向かう。

 

そのギャビオンを、地上から1台の2人乗りしたバイクが追跡していたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

程無くして、ギャビオンは村へと到達。

 

村の外郭へと着陸すると、ギャバン達が村へと突入する。

 

「! 待てっ!!」

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

ギャバンに制止させられた響達が見たのは………

 

1箇所に集められ、アルカ・ノイズ達に取り囲まれている村人達と………

 

その傍に佇むフード付きのローブを纏った人物………パヴァリア光明結社の錬金術師と、バルベルデ元大統領の姿の姿だった。

 

「待って居たぞ………宇宙刑事と装者共」

 

「貴様は!?………」

 

「バルベルデ元大統領!? クーデター軍の親玉じゃないか!?」

 

バルベルデ元大統領がそう言うのを聞きながら、翼と奏が驚きを示す。

 

「………つまらん化けの皮はとっとと剥いだら如何だ?」

 

「? 轟兄?」

 

しかし、ギャバンがそう言い放ったのを聞いて、響が困惑する。

 

「フッ………流石は宇宙刑事だな。良く見破った」

 

バルベルデ元大統領がそう言ったかと思うと、その身体が怪しい光に包まれ、ヒムリーとなった!

 

「! テメェはっ!?」

 

「奴はヒムリー………フーマのヘスラー指揮官の弟だ」

 

「!? ヘスラー指揮官の弟っ!?」

 

クリスが声を挙げた瞬間にギャバンが説明し、未来が驚きの声を挙げる。

 

「ヘッ、フーマが壊滅して、今はパヴァリア光明結社に身を寄せてるってか? 兄貴の敵討ちするってんなら相手になるぜ!」

 

()()()? ハッ、馬鹿を言うな。何故俺がそんな事をする?」

 

「! 何っ!?」

 

兄であるヘスラー指揮官の敵討ちをする積りは無いと言い放つヒムリーに、奏が意外そうな顔をする。

 

「兄貴は自分より優れた俺の腕を妬み、シャイダーとの戦いのどさくさで俺を謀殺した! そんな奴の敵討ちなど誰がするか!? 俺は兄貴よりも出世して地獄に居るアイツを見下してやるのだ!!」

 

「悪の組織内の権力争いかよ………醜い事この上ないぜ!」

 

クリスはそう言いながらも、アルカ・ノイズ達の位置を詳細に把握する。

 

彼女の腕ならば、アルカ・ノイズ達が行動する前に村人達を避けて全て撃破する事も容易い。

 

「動くな! 宇宙刑事に装者共!! コレを見ろっ!!」

 

「キャアッ!?」

 

とそこで、錬金術師がそう言ったかと思うと、後ろ手に隠して捕まえていた1人の少女の姿を見せる!

 

「「「「「!?」」」」」

 

「まだ人質が!?」

 

「ちょっとでも動けば、この娘が如何なるか………分かっているな?」

 

フードを被っているので、唯一覗いている口元を下衆に歪ませながらそう言い放つ錬金術師。

 

「クソがッ! 卑怯な真似しやがって!!」

 

「コレでは迂闊に動けんぞ………」

 

悪態を吐く奏の横で、翼も冷や汗を流す。

 

「………ん? オイ、あのステファンって子は如何した?」

 

「えっ?」

 

「そう言えば………」

 

と、何時の間にかステファンの姿が無くなっていた事に気付いたギャバンがそう問い質すと、響と未来が辺りを見回す!

 

「何をゴチャゴチャと言っている! さあ、早くコンバットスーツとシンフォギアを解除………!? ブベッ!?」

 

苛立った様な声を錬金術師が挙げた瞬間、その頭に丸い物体………サッカーボールが直撃!

 

衝撃で仰け反り、人質の少女が解放される。

 

「コッチだ!」

 

それを蹴った主………ステファンが少女に駆け寄ると、すぐさま手を引いてその場を離れる。

 

「ステファンッ!」

 

「!?(アレはッ!?)」

 

そこで、集められている村人達の中から聞き覚えのある声が聞こえて、そちらに視線を向けたクリスがその人物に気付いて驚く。

 

「も、申し訳ありません、ヒムリー様!!」

 

「フッ………」

 

慌てて錬金術師がヒムリーに向かって跪いて謝罪するが、ヒムリーは不敵な笑みを浮かべた。

 

その直後!!

 

建物を派手に吹き飛ばしながら、逃げたステファンと少女の行く手を塞ぐ様に、1台の戦車が現れた!!

 

「「!?」」

 

「戦車だとっ!?」

 

思わず立ち止まってしますステファンと少女の耳に、ギャバンの驚きの声が響く。

 

と、戦車の砲塔が旋回すると、立ち尽くしていたステファンと少女に合わせられる。

 

「!? 止めてーっ!!」

 

「止めろーっ!!」

 

村人の中に居た女性とクリスの悲鳴の様な叫びが木霊した瞬間に、無情にも戦車砲は火を噴く!

 

「!!」

 

咄嗟に少女を抱き締め、戦車に背を向ける様にして庇う様にするステファン。

 

その次の瞬間!!

 

戦車から放たれた砲弾は、間に割って入った『者』の突き出したモノにより、粉砕されて爆散!

 

「うっ!?」

 

その者が立って居た事で、爆炎と破片もステファンと少女には当たらなかった。

 

「!? 何だっ!?」

 

翼がそう言っている間に、徐々に爆煙が晴れ始め………

 

突き出された赤いグローブを纏った手が露わになる。

 

赤い………

 

奏がそう言った瞬間に爆煙が完全に晴れ………

 

黒い仮面と赤いブーツとグローブを纏った戦士の姿が露わになる。

 

「! 仮面………」

 

「ライダー………」

 

その戦士が仮面ライダーである事に気付く響と未来。

 

「「…………」」

 

「ホラお前達、コッチだ!」

 

呆然となっていたステファンと少女を、羽の生えた少女………ミラアルクが安全な場所まで避難させる。

 

とそこで!!

 

戦車が現れた仮面ライダーを轢き潰そうと突撃した来た!

 

「ライダアアアアァァァァァーーーーーーパアアアアアァァァァァァーーーーーーーンチッ!!」

 

だが、その仮面ライダー………力の戦士『仮面ライダー2号』がパンチを繰り出すと、まるでペーパークラフトだったのかと思いそうになる程に戦車が一瞬で潰れる!!

 

潰れた戦車だった物は、そのまま爆散した!

 

「ほほぉ………良い性能だな。貴様の作戦目的とIDは!?」

 

不敵に笑って、2号に向かってそう問い質すヒムリー。

 

「正義………仮面ライダー2号!」

 

それに対し、2号はライダーファイトのポーズを決めながら、雄々しく名乗りを挙げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

プラントへと本拠地への同時攻撃に掛かる宇宙刑事達と装者達。
プラントの方は難なく攻略出来ましたが、村へと逃げた錬金術師が村人を人質に。
ヒムリーも居る中、ステファンが人質の少女を助けたかに思えたが、戦車に狙われる。
だがそこへ………
遂に登場!
仮面ライダー2号!!
原作とはちょっと言うニュアンス違いますが、あの名シーン、再現させて頂きました。

一方、本拠地に向かったマリア達は、本部潜水艦が襲撃されたとの報告で、シャイダーが救援に戻る。
そして、待ち受けていたパヴァリア光明結社のボス………アダムことマッドギャランが姿を見せるのだった。

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