戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
完全聖遺物デュランダルを永田町へと移送する計画が開始された。
広木防衛大臣殺害犯を検挙する名目で検問を敷き、一般人や車両を排除。
記憶の遺跡まで一気に駆け抜ける作戦だ。
デュランダルを乗せた了子の車には響が乗り込み、その四方を護衛車両が囲んでいる。
更に上空には、弦十郎が乗ったヘリも飛んでいる。
無人の道路を走る移送部隊。
やがて、大きな橋へと差し掛かる。
「ココまでは順調か………」
「! 司令! アレはっ!?」
と、弦十郎が呟いた瞬間、ヘリのパイロットが何かに気付いた様に声を挙げる。
「如何した!?」
そう尋ねながら、弦十郎がヘリのパイロットが見ている先に視線を向けると…………
大編隊を組んで飛んで来るマクー戦闘円盤の姿が在った!!
「! 円盤だと!?」
弦十郎が驚愕の声を挙げた瞬間、マクー戦闘円盤は移送部隊に向かって急降下!
次々と光線を発射し、爆撃を開始した!!
「キャアッ!?」
「チイッ!!」
思わず姿勢を低くする響と、舌打ちを漏らしながらハンドルを切る了子。
それにより、彼女の車は光線の直撃を免れたが、護衛車両は一瞬にして全滅した!
更に、激しい爆撃で橋が崩壊を始める!
「! 嘘っ!?」
「響ちゃん! しっかり掴まってて!!」
このままでは橋諸共に水中へ落ちてしまうと思った響に、了子がそう呼び掛ける。
「えっ?………」
「私のドラテクは凶暴よ!!」
了子はそう言うと、まるでカースタントマンかレーサーの様な運転テクニックで、橋の崩落しそうな部分を避けながらハイスピードで車を走らせる!
その甲斐あってか、如何にか橋が完全に崩落する前に市街地に入り込む事に成功。
ビルが立ち並んでいる為、マクー戦闘円盤からの光線が一部遮られ、了子の車に襲い掛かる光線が減る。
しかしそれでも、マクー戦闘円盤は数に任せて爆撃を続行。
無人の市街地が次々と廃墟に変わって行く………
「クソッ! まさかこんな大規模な襲撃を掛けて来るとは!!」
マクー戦闘円盤に襲われている了子の車を眼下に弦十郎が叫ぶ。
助けに行きたいが、今彼が乗っているのは武装も無い只のヘリ………
仮に武器が在ったとしても、マクー戦闘円盤相手に何処まで戦えるかは疑問だ。
「近くの航空自衛隊基地へ救援要請を出せ!」
「駄目です! 付近の基地は既にマクーの攻撃を受けて壊滅状態だそうです!!」
「クッ、周到な奴等め!」
航空自衛隊に連絡し、戦闘機を飛ばしてもらおうと考えたが、既に先んじたマクーにより、付近の基地は壊滅させられていた。
「! この先の薬品工場に誘導しているのか!?」
そこで弦十郎は、了子の車が誘導されているのに気付く。
現在、了子の車が向かっている先には、大規模な薬品工場地帯が広がっている。
「敢えて飛び込むしかないか。だが、このまま爆撃に晒されていては………」
弦十郎がそう考えている間に、了子の車は薬品工場地帯へと突入してしまう。
と、その時!!
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
「!?」
空から響いて来た咆哮に、弦十郎が視線を挙げるとそこには………
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
雲の隙間を縫う様に降下して来る電子星獣ドルの姿が在った!
「…………」
その頭の上には、ギャバンがポーズを決めて仁王立ちしている!
「! ギャバンッ!!」
「ドルクラッシュッ!!」
弦十郎が声を挙げた瞬間、ギャバンの叫びが響いて、電子星獣ドルがマクー戦闘円盤の1編隊を両前脚で叩き潰す!!
「スクリューアタックッ!!」
更に続けて、ボディ全体を利用して振られた尻尾の薙ぎ払いで、複数の編隊を纏めて叩き落す!
そこでマクー戦闘円盤達は、標的をギャバンと電子星獣ドルに変え、殺到して来る。
マクー戦闘円盤から放たれた光線が、電子星獣ドルの周りで次々に爆発を起こす!
「クッ! ドルレーザーッ!!」
電子星獣ドルの頭の上に乗っているギャバンにも爆風が襲い掛かるが、怯まずに指示を飛ばす。
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
電子星獣ドルが咆哮を挙げると、目から赤い光線、前脚からリング状レーザーが放たれ、多数のマクー戦闘円盤編隊を爆散させる!
「ドルファイヤーッ!!」
更にギャバンが指示が飛んだかと思うと、電子星獣ドルは口から高熱火炎を吐き出し、更に多数のマクー戦闘円盤を薙ぎ払った!
「凄いっ! 流石ギャバンさんっ!!」
その様子を了子の車の助手席の窓から身を乗り出して見上げている響。
「! 響ちゃん! 前っ!!」
「えっ?………」
と、了子が叫んだのを聞いて、響が前方に視線を向けると………
「ヌアアアアアアッ!!」
まるでサイを思わせる怪人が立ちはだかっていた!
「!?」
「このぉっ!!」
驚く響と、跳ね飛ばしてやろうとアクセルを全開に踏み締める了子!
しかし………
「ヌウウンッ!!」
何とサイの怪人は、100キロ以上で突っ込んで来た了子の車をアッサリと受け止め、逆に了子の車のフロント部が大破した!
「!? キャッ!!」
「わっぷっ!?」
エアバックが作動し、バルーンに顔を突っ込む了子と響。
「ヌアアアアアアッ!!」
と、その次の瞬間には、サイの怪人が車を一瞬にして引っ繰り返した!!
「あうう………」
響は屋根が潰れた車から、何とか這い出ようとする。
すると拉げていたドアが引っぺがされ、サイの怪人と目が合う。
「!?」
「邪魔だぁっ! 退けぇっ!!」
サイの怪人は右手で響の襟首を掴んだかと思うと、そのまま車内から放り出す様に投げ飛ばした!
「うわああああああああっ!? あうっ!?」
宙に舞った響は、そのまま薬品工場の施設の壁に背中から叩き付けられ、地面に落ちる。
「コレがデュランダルかぁ」
サイの怪人は車の後部に乗っていたデュランダルの入ったケースを引っ張り出す。
「ま、待ちなさい………」
「確かに頂いて行くぞ」
と、運転席側から何とか這い出した了子が呼び掛けるが、サイの怪人は気にも留めず、デュランダルのケースを持ち去ろうとする。
「待てっ!!」
しかしその前に、響が立ち塞がる!
「小娘! 邪魔をするなら八つ裂きにしてやるぞ! 『ダブルモンスター』のワシに敵うと思っているのか!!」
「『ダブルモンスター』!?」
「そうだ! ワシはダブルマンの頭脳とベム怪獣のパワーを合体させた最強の存在! ダブルモンスター『サイダブラー』よぉ!!」
サイの怪人………『サイダブラー』は高らかにそう宣言した。
「! ダブルマンとベム怪獣の合体!?」
只でさえ手強い敵が合体して現れた事に響は戦慄する。
実際、ダブルモンスターの戦闘力は、ダブルマンやベム怪獣と比べて
言わば常に魔空空間で戦っている様な状態になるのだ。
「………だとしても!!」
だが、響は怯まない!
(よろしく勇気!!)
Balwisyall nescell gungnir tron
弦十郎や藤兵衛との特訓を思い出し、轟の言葉を胸に聖詠を唱える。
響の身体が光に包まれ、シンフォギアを纏う!!
「ハアアアアアアァァァァァァァッ!………! ととっ!?」
深く呼吸をし、拳法の構えを執る響だったが、ヒール状のレッグガードのせいでよろける。
「ヒールが邪魔っ!!」
すぐさま響は、ヒール部分を破壊し、普通のレッグガードの状態にすると、改めて構えを執った。
「ほう? ワシと戦う積りか? 面白い! 捻り潰してくれるわぁっ!!」
それを見たサイダブラーは、デュランダルのケースを放ると、右手に盾、左手に片刃の大剣を出現させて構える。
「デヤアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!」
気合の雄叫びを挙げながら、渾身の拳をサイダブラーに繰り出す響。
「ムンッ!!」
サイダブラーはその拳を盾で受け止める。
「! 痛あああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」
その盾の余りの堅牢さに、反動が全て返って来て、響は悲鳴を挙げて右手を抑えながら後退る。
「フハハハハハハハッ! 何だソレは!? 粋がっておっても所詮は小娘か!!」
馬鹿にした様なサイダブラーの笑いが木霊する。
「クウッ!(あんなに特訓したのに………駄目なの?)」
渾身の拳が通用せず、響の心に諦めが生まれ始める。
「歌いなさい! 響ちゃん!!」
するとそこで、了子がそう呼び掛けて来た!
「!? 了子さん!?」
「シンフォギアを強くするのは歌よ! 貴方の胸の歌を歌いなさい!!」
驚く響に、了子は更にそう呼び掛ける。
「胸の………歌」
響は目を閉じ、拳を握った手を胸に当てる。
絶対に離さない…この繋いだ手は
こんなにほら暖(あった)かいんだ ヒトの作る温もりは
そして歌い始めながら、再度構えを執った。
「フハハハハハハハッ! 歌えば強くなるだと!? 笑わせるなぁっ!!」
そんな響に向かって、サイダブラーが突撃する。
「ヌアアアアアアッ!!」
難しい言葉なんて いらないよ
唐竹割りを繰り出すサイダブラーだったが、響は僅かにズレて回避。
今わかる 共鳴する Brave minds
そしてサイダブラーに向かって再度拳を繰り出す。
「無駄だぁっ!!」
サイダブラーはまたも盾で拳を防いだが………
「!? ヌオオオオオオッ!?」
凄まじい衝撃が襲い掛かり、地面の上を滑る様に後退させられた!
ぐっとぐっとみなぎってく 止めどなく溢れていく
「何だこの力は!? さっきとはまるで違うぞ!?」
突然響のパワーが上がった事に戸惑うサイダブラー。
(行ける! 戦える!!)
紡ぎ合いたい魂 100万の気持ち…さぁ
ぶっ飛べこのエナジーよ
自身を取り戻した響が、再びサイダブラーに突撃しようとする。
しかしそこで、何処からとも無くピンク色の鞭が伸びて来た!
「!?」
「今日こそはモノにしてやるっ!!」
咄嗟にジャンプして躱した響だったが、そこへ鎧の少女が現れ、跳び蹴りを繰り出して来た!
「! あうっ!?」
ガードした響だったが、鎧の少女の蹴りはガードを撥ね退け、響の頬に命中した!
(まだシンフォギアを使いこなせていない………如何すればアームドギアを………)
響はまだシンフォギアを使いこなせていない事を実感し、未だに出ないアームドギアの使い方を模索しながらも、地面に叩き付けられる。
「遅いぞっ! 何をやっていた!!」
「チッ! 勝手に先行っといて、何言ってやがる!!」
文句を言うサイダブラーにそう返しながら、鎧の少女は了子の方を見やる。
「…………」
了子は鎧の少女に向かって不気味な笑みを浮かべていた。
(コレで良いのかよ………クソッ!!)
心の中で悪態を吐く鎧の少女。
と、その時!!
サイダブラーが放り投げたデュランダルのケースが爆発!!
中に入っていたデュランダルが飛び出し、空中に浮かんだ!!
「!? 何っ!? デュランダルの覚醒には相当量のフォニックゲインが必要なのではなかったのか!?」
「! アイツか!?」
それを見たサイダブラーが驚きの声を挙げ、鎧の少女は先程まで歌っていた響を見やる。
「チイッ!」
すぐさま鎧の少女が跳躍し、デュランダルを手にしようとする。
「渡すものかあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
だがそこで、同じく跳躍した響が、藤兵衛との特訓で身に付けた『電光ライダーキック』を鎧の少女の背に見舞った!!
「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
背骨が圧し折れたのではないかと思う様な凄まじい衝撃に悲鳴を挙げ、そのまま薬品工場の施設に叩き付けられる鎧の少女。
「ハアッ!!」
そして響は、宙に浮かんでいたデュランダルを掴む。
すると、デュランダルから金色のオーラの様なモノが発せられる!
「ウウウウウウウッ!!」
着地した響は獣が唸る様な声を発する。
デュランダルから凄まじいエネルギーが発せられ、響はそのデュランダルを両手で天に掲げる様に構える。
途端に、デュランダルの姿が、文字通り遺物の様な状態から、金色で豪華絢爛な姿へと変わった!!
「ウワアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
咆哮を挙げている響の目は赤く染まり、顔から上半身に掛けてが黒く染まっている。
明らかに普通ではない!!
「!? コイツ! 何をしやがった!?」
まだ施設の残骸に埋もれている状態でその光景を見た鎧の少女が、また了子に視線を向けた。
「…………」
了子は笑みを浮かべている。
まるで長年求めていた物を見つけたかの様な………
「! そんな力を見せびらかすなぁっ!!」
「………!」
それを見た鎧の少女は、響に向かってそう叫ぶが、それに反応したかの様に、響が鎧の少女を見やる。
「!?」
「ウワアアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」
そして手にしていたデュランダルを、徐に鎧の少女目掛けて振り下ろした!
デュランダルから発生している凄まじいエネルギーが、鎧の少女に迫る。
鎧の少女はまだ瓦礫に埋もれていて動けない。
「あ………」
その瞬間、鎧の少女は己の死を実感した………
(パパ………ママ………小父さん………)
迫り来るエネルギーが、スローモーション映像の様に感じられる中、走馬灯が脳裏を過る………
しかし、その時!!
「バリヤーッ!!」
突如鎧の少女の前に現れたギャバンが、彼女を守る様にギャバンバリヤーを展開させ、デュランダルのエネルギーを受け止めた!!
「!? お前はっ!?」
「グウウウウウウウッ!!」
驚く鎧の少女を気に掛ける余裕も無く、必死にデュランダルのエネルギーを受け止め続けているギャバン。
だが、徐々に押され始めている様な様子を見せる………
「! 馬鹿! 逃げろっ!! 完全聖遺物のエネルギーに勝てるワケねえだろっ!!」
「グオオオオオオオッ!!」
思わずそう叫ぶ鎧の少女だが、ギャバンは逃げない。
寧ろそれどころか………
逆にデュランダルのエネルギーを押し返し始めた!!
「!? 嘘だろっ!? 完全聖遺物のエネルギーを押し返すだと!?」
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」
鎧の少女が驚愕した瞬間、ギャバンの気合の叫びが響き、デュランダルのエネルギーが完全に跳ね返された!!
跳ね返されたエネルギーは天へと昇って行き、そのまま宇宙空間にまで到達して消えたのだった………
「あ………」
それに伴って、響の手からもデュランダルが弾かれて宙に舞った。
途端に響は脱力し、倒れそうになる。
「響ちゃんっ!」
だが、寸前のところでギャバンが受け止めた。
「う、ううん………ギャバン………さん?」
閉じていた目を開けると、ギャバンの姿を認める響。
「大丈夫か?」
「な、何? 今の力? 私………全部吹き飛べって、身体が勝手に………」
自分の手を見ながら呆然とそう呟く響。
「ヌオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」
「「!?」」
とそこで、突然咆哮が聞こえて来て、ギャバンと響が視線を向けると………
「素晴らしい! 素晴らしいぞぉっ! 力が! 力が溢れるぅっ!!」
何時の間にか響が手放してしまったデュランダルを手にしていたサイダブラーの姿が在った!
その姿は、先程の響の様に全身が黒く染まり、目が元々赤かったのが、更に赤く発光している!!
「! オイ、お前っ!?」
「ヌオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」
漸く瓦礫の中から抜け出した鎧の少女が声を挙げた瞬間、サイダブラーはデュランダルを横薙ぎに振るった!!
「! 危ないっ!!」
「うわあっ!?」
「!?」
ギャバンは響を抱えたまま地面に伏せ、鎧の少女も反射的にその場に伏せる!
その一同のすぐ上をデュランダルから発せられたエネルギーが通り過ぎたかと思うと………
薬品工場地帯が大爆発し、一瞬で廃墟となった!!
「!?」
「何てパワーだ………」
その光景に戦慄する響とギャバン。
「じょ、冗談じゃねえ! 巻き添えは御免だぜ!!」
鎧の少女は、このままでは巻き添えを喰らうと思い、逃げ去って行った。
「チイッ! サイダブラーめ………デュランダルのエネルギーを受けて我を失っておるのか?」
そんな中で、了子は紫色に目を発光させ、男性の声で喋りながら、手からピンク色のバリアを展開させ、飛んで来た瓦礫を防いでいた。
「了子さん! 大丈夫ですか!?」
「!………」
しかし、響がそう言って姿を確認しようとして来ると、すぐにバリアを消して気絶しているフリをする。
「ヌアアアアアアッ!!」
と、サイダブラーがギャバンと響に向かって突進して来る!
「! 来るぞっ!!」
「!!」
ギャバンと響は左右に広がる様に転がり、サイダブラーの突進を躱す。
「むんっ!」
ギャバンはレーザーブレードを取り出し、サイダブラーに斬り掛かる。
「チュウッ! トアッ!」
素早い連続斬りを繰り出し、サイダブラーの身体を何度も斬り付けるギャバン。
「フハハハハハハハッ! こそばゆいぞぉ、ギャバンッ!!」
しかし、サイダブラーの身体は全く傷付かない!
「ヌウウアアアアッ!!」
「! おうわっ!?」
逆にサイダブラーが振るったデュランダルの1撃を食らい、ギャバンはコンバットスーツから激しく火花を散らしてブッ飛ばされ、薬品工場の施設残骸を破壊した。
解放全開!イっちゃえ Heartのゼンブで
進む事以外 答えなんて あるわけがない
そこで今度は、響が歌いながらサイダブラーを殴り付ける!
「効かぬっ!!」
だが、やはりサイダブラーには何のダメージも無い………
見つけたんだよ 心の帰る場所
Yes 届け! 全身全霊この想いよ
響は尚も歌いながら、拳や蹴り、時には鉄山靠を喰らわせるが、それでもサイダブラーにダメージは与えられない。
「鬱陶しいわぁっ!!」
「響け! 胸の鼓動! 未来の………! ガハッ!!」
そこで鬱陶しくなったサイダブラーが、デュランダルを持っていない方の手で殴り付け、響は歌うのを中断させられ、地面を転がる。
(歌っても駄目だなんて………やっぱり私は………)
またも諦めの心が芽生え始める響。
「死ねええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」
その隙を見逃さず、倒れたままの響に向かってデュランダルを振り下ろそうとするサイダブラー。
「むんっ!!」
だがそこへ、ギャバンが割って入り、左手で刀身を支えて横に構えたレーザーブレードでデュランダルを受け止める!
「! ギャバンさん!」
「諦めるな、響ちゃん!!」
「えっ!?」
「若さってのは振り向かない事! そして諦めない事だ!!」
「!!」
ギャバンのその言葉が、響の胸を強く打つ。
「邪魔をするなら貴様から死ねぇっ! ギャバンッ!!」
と、サイダブラーがそう叫ぶと、デュランダルからエネルギーが溢れる!
「グウウウウッ!!」
だが、ギャバンは1歩も退かずに対抗する。
自分が退けば、響が危ないと分かっているからだ。
「ギャバンさんっ!………!!」
その時………
響の胸に新しい歌が浮かんだ………
「終わりだぁ! ギャバンッ!!」
デュランダルを一気に振り下ろそうとするサイダブラー。
と、そこで………
チェイス! チェイスチェイス ギャバン
ファイト! ファイトファイト ギャバン
「!? 何っ!?」
「響ちゃん!?」
サイダブラーとギャバンが驚きの声を挙げる。
戦うために 生まれたおれさ
怒りの炎は 誰にも消せない
響が再び歌い始めていたのだ。
しかもその歌は………
悪があるかぎり どこまでも追うぜ
命のかぎり 戦うぜ
(!? コンバットスーツのエネルギーが上昇している!?)
すると何と!!
ギャバンのコンバットスーツのエネルギーが、
サイダブラーのデュランダルを押し返し始めるギャバン。
「ヌウウッ!?」
「何だか分からないが、コレならば!!」
そして遂に、サイダブラーを弾き飛ばした!!
「ヌウアッ!?」
「レーザーブレードッ!!」
ギャバンがレーザーブレードの刀身を撫でたかと思うと、バードニウムエネルギーを注入され、刀身が光を放った!!
チェイス! チェイスチェイス ギャバン
ファイト! ファイトファイト ギャバン
「チュウッ!!」
輝く刀身のレーザーブレードで、サイダブラーを連続で斬り付けるギャバン。
「ヌウウアアアアッ!?」
今度はダメージが通り、サイダブラーの身体に次々と火花が走って傷痕が付く!
おれは背中を 見せない男さ
そして響が、サイダブラーの右胸に拳を叩き込む!!
「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
悲鳴を挙げるサイダブラー。
サイダブラーの心臓は右胸に在り、そこがウィークポイントなのだ!!
「ア、ア、ア、ア………」
身体を覆っていた黒い色が剥がれ、ヨロヨロと後退るサイダブラー。
「トドメだ! ギャバン・ダイナミックッ!!」
そのサイダブラーに、ギャバンは必殺のギャバン・ダイナミックを繰り出す!!
「!!」
咄嗟にデュランダルを横に構えて防ごうとしたサイダブラーだったが………
ギャバン・ダイナミックは、そのデュランダルごと、サイダブラーの身体を両断した!!
「ヌオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!?」
断末魔の叫びと共に、サイダブラーの身体は大爆発し、木っ端微塵となったのだった。
「…………」
それを見据えながら、ギャバンは残心の様にポーズを決める。
「ギャバンさん!」
「響ちゃん、感謝するよ。君のお陰で勝つ事が出来た」
そこで響が声を掛けて来て、ギャバンはそうお礼を言う。
「そ、そんな、私のお陰だなんて………」
「事実さ。君のあの歌が勝利の決め手だった。本当にありがとう」
「私の、歌が………えへへ」
そう言われて響は、照れながら赤くなった頬を指で掻く。
「しかし………」
とそこで、ギャバンはある物へと視線を向ける。
「へっ?………!? アアアアッ!? デュランダルッ!?」
その視線の先に在った物………真っ二つに叩き切られたデュランダルを見て、響は悲鳴の様な声を挙げる。
「響くん! 大丈夫か!?」
とそこで、弦十郎が乗ったヘリが傍に着陸して来た。
「あ、師匠! わ、私も了子さんも大丈夫です! でも………」
「デュランダル………」
響がそう返すのを聞きながら、弦十郎は真っ二つになっているデュランダルを見やる。
「すまない、風鳴司令。私の責任だ………」
「ち、違います! 私がちゃんとデュランダルを確保していれば………」
弦十郎に向かって頭を下げるギャバンを見て、響が庇おうとするが………
「………いや、コレで良かったのかも知れん。マクーの手に渡るぐらいならばな」
だが弦十郎はそう返して来た。
「それに、君には響くんの事を始め、色々と助けて貰ったからな。完全聖遺物と言えど、人命には代えられん」
「心遣いに感謝する………では、私はコレで」
「ああ、後の処理は任せろ」
ギャバンはそう言い、その場を去ろうとする。
「ギャバンさん」
「響ちゃん………頑張るんだぞ」
「! ハイッ!!」
響の嬉しそうな笑顔を見た後、ギャバンはドルギランに回収され、現場を去って行ったのだった。
その後………
該当物であるデュランダルが破壊された事で、移送作戦は頓挫………
政府はマクーの脅威を改めて認識し、二課の警備システムのパワーアップを承認したのだった。
つづく
新話、投稿させて頂きました。
無印前半山場のデュランダル移送作戦。
ノイズではなく、マクー戦闘円盤の爆撃を受けると言う原作よりも激しい攻撃で開幕となりました。
そこへ電子星獣ドルに乗ったギャバンが駆け付ける。
だが、響の前にダブルマンとベム怪獣が合体した怪人『ダブルモンスター』が出現。
特訓と歌の力で優位に立ったかに見えましたが、そこでデュランダルが起動。
原作通りに暴走しまう響でしたが、ギャバンのお陰で被害出さずに済んだ………
かと思いきや、何とサイダブラーがデュランダルを!?
完全聖遺物の力にギャバンも手も足も出ないかと思いきや………
何と響がギャバンの歌を!?
これがシンフォギア作品を書くに当たって私がやりたかった事の1つです。
シンフォギアと言えば歌って戦う。
そして宇宙刑事シリーズでは戦いの場面を盛り上げてくれる故・渡辺宙明先生を始めとした作曲家の方々の数々の名曲があります。
そして装者達が歌ってくれたら良いなと思いまして。
シンフォギアらしく、伊達や酔狂で歌っているワケではなく、パワーアップするからと言う理由があるって事で。
因みに………
シンフォギアの歌を歌う→装者がパワーアップする。
ヒーロー達の歌を歌う→装者とヒーロー達がパワーアップするって感じです。
その歌のパワーを受けて、見事サイダブラーを撃破。
デュランダルを破壊してしまいしたが、これは終盤に考えている展開の為です。
如何言う事なのかは、無印の最終決戦までのお楽しみです。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。