戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
バルベルデのとある村………
「ライダーチョップッ!!」
「ギーッ!?」
2号のライダーチョップを喰らったクラッシャーが、まるで刃物で切断された様に縦に真っ二つとなり消滅する。
「コワッコワッ!」
「!!」
そこでファイトローの1体が、2号目掛けてマシンガンを発砲するが、2号は右手を突き出すと広げた掌で銃弾を弾く。
「…………」
その状態でマシンガンを発砲しているファイトローに近づいて行く2号。
「コワッコワッ!?」
ファイトローが恐慌状態に陥った瞬間には、突き出していた右手でマシンガンの銃口を掴み、握り潰した!
「ライダーパンチッ!!」
そして左手でライダーパンチを繰り出し、ファイトローの頭を粉々にして消滅させた。
「シュワシュワッ!」
その直後に、ミラクラーが果敢にも仕掛けて行ったが………
「トオォッ! ライダー返しっ!!」
「シュワシュワッ!?」
それをアッサリと受け止め、ライダー返しで投げ飛ばすと、地面に叩き付けられたミラクラーは怪しい光と共に消滅する。
とそこで!
森の中から光が溢れたかと思うと、某宇宙忍者を思わせる超巨大アルカ・ノイズが2体出現!
2号を村ごと踏み潰そうと迫って来る。
「ダンナーッ!!」
ステファン達を守っていたミラアラクが叫ぶが………
「トオオオッ!!」
2号は大跳躍して超巨大アルカ・ノイズの上を執ったかと思うと、跳び蹴りの体勢となり、回転しながら超巨大アルカ・ノイズへと突っ込む!
「ライダアァァァァーーーー卍キィィィィィーーーーックッ!!」
必殺の『ライダー卍キック』が、超巨大アルカ・ノイズを2体纏めてブチ抜き、赤い霧として雲散させたのだった。
「強い!………」
「前に響が会った1号って仮面ライダーは技巧派だったが、アッチは力で戦うタイプみたいだな………」
2号の強さに感嘆しながらも、手は休めずにアルカ・ノイズ達を次々に倒して行っている翼と奏。
「今の内です! 皆さん、逃げて下さい!!」
退路が確保出来た事で、人質をなっていた村人達が避難し始め、未来がそれを守る様に無数に出現させた鏡からビームを放ち、アルカ・ノイズ達や戦闘員部隊を寄せ付けない。
「とっとと逃げやがれっ!!」
「! クリスッ! やっぱりクリスなのねっ!!」
同じ様に避難する村人達の守りに入っていたクリスに、先程ステファンの事を名を呼んでいた褐色肌の女性が声を掛ける。
「! ソーニャッ!………」
それはクリスが謝りたいと思っていた人物………ソーニャだった。
「………早く逃げろっ!!」
「クリスッ!!………」
「急げっ!!」
何か言おうとしたソーニャを遮り、クリスは叫ぶ。
「!!」
「姉ちゃん! 早くっ!!」
ソーニャは躊躇していたが、そこでステファンがやって来て、彼女の腕を掴み、連れて行く。
「あっ!!………」
最後まで躊躇の様子を見せながらも、ソーニャはステファンに半ば強引に連れて行かれた。
「…………」
「クリス………」
「! ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」
一瞬顔を伏せたクリスだったが、未来が心配した様に声を掛けて来ると、それを振り払う様にアームドギアをガトリングガンに変えて辺りに弾丸ばら撒く。
「…………」
そんなクリスの様子を見て、今は声を掛けるべきではないと判断した未来は、再度戦闘に集中し出すのだった。
「クソクソクソォーッ!!」
「ハアッ! フッ! タアアッ!!」
「チュウッ! テヤアッ!!」
そんな中で、悪態を吐きながら錬金術の光弾を次々に放っている錬金術師に対し、響が拳で、ギャバンがレーザーブレードで光弾を弾きながら接近する。
「…………」
その錬金術師の傍に居るヒムリーは、黙ってその様子を見ている。
「覚悟しろ、ヒムリー!」
「もうコレ以上………この国を荒らさせないっ!!」
遂には錬金術師とヒムリーを肉薄したギャバンと響がそう言い放つ。
「ヒ、ヒムリー様っ!!」
「フン………小癪な」
狼狽する錬金術師とは対照的に、ヒムリーは不敵な様子で剣と矛を抜き放つ。
と、その時………
複数のバイクのモノと思われる爆音が聞こえて来た。
「「!?」」
「? 何だ?」
敵の増援かと身構えたギャバンと響だったが、肝心のヒムリーも首を傾げた様子を見せる。
その直後………
複数台のクラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達の乗ったバイクが、村の中へと侵入して来た。
その先頭をあのファウストローブを纏った麗人のバイクが走っている。
と、その行く手に、先回りした2台の戦闘員バイク部隊が現れ、麗人を挟み撃ちにする。
「…………」
すると、麗人はバイクを横にして急停車させる。
「ギーッ!?」
不意に停まった麗人のバイクを躱せず、クラッシャーの乗ったバイクが激突したかと思うと、クラッシャーのバイクが砕け散り、投げされたクラッシャーが地面に叩き付けられて滑って行き、消滅。
「!………」
直後に来ていたファイトローが乗ったバイクに対し、麗人は右手に拳銃を出現させると手の中で回転させて銃身の方を握り、擦れ違おうとしたところを銃床で棍棒の様に殴り付けた!
「コワッコワッ!?」
「シュワシュワッ!?」
殴打を受けたファイトローはバイクから落ちて消滅!
無人になったバイクは、麗人を追撃して来ていた戦闘員バイク部隊のミラクラーが乗った1台に激突して諸共に爆散した!
「…………」
そこで麗人は拳銃の普通に握り、残る追撃して来た戦闘員バイク部隊に向ける。
そして引き金を引いたかと思うと、放たれた赤く光る弾丸が戦闘員バイク部隊の中へと飛び、まるでミサイルの様に大爆発!
戦闘員バイク部隊は一瞬にして全滅した!
「わっ!?」
「何て威力だ………」
その様子に響とギャバンは驚きを示す。
「ほう? 誰かと思えば………『サンジェルマン』ではないか」
とそこで、ヒムリーが麗人の姿を見てそう言い放つ。
「………ヒムリーか」
『サンジェルマン』と呼ばれた麗人は、静かだが僅かに怒気を孕んだ声でそう呟きながら、バイクから降りる。
「!(あの人………)」
そんなサンジェルマンの姿に、何かを感じ取る響。
「サンジェルマン! この裏切り者めっ!! 良くも我々の前に姿を見せられたものだな!!」
「………黙れ」
とそこで、錬金術師がサンジェルマンの姿を見て怒りを露わにそう叫ぶが、サンジェルマンは再度怒気を孕んだ静かな声で返す。
「!? ヒイッ!?」
忽ち錬金術師は情けなく尻餅を着いて恐怖を露わにする。
「…………」
そんな錬金術師とヒムリーに向かってゆっくりと近づいて行くサンジェルマン。
「「!!」」
それを丁度ヒムリーと錬金術師を挟む様に反対側から見ていたギャバンと響が反応した瞬間………
「ギーッ!!」
不意に現れたクラッシャーが、手にしていたスタンバトンをサンジェルマンに叩き付けた!
「!?………」
流れる電流に動きが止まり、サンジェルマンの表情に僅かに苦悶の色が浮かぶ。
「シュワシュワッ!!」
そこで更に、逆サイド側から同じ様にミラクラーが、スタンバトンをサンジェルマンの右腕にへと叩き付け、拳銃を落とさせると共に更に電流を浴びせる。
「………!!」
だが、サンジェルマンは左手で拳を握ると、ミラクラーの頭を殴り付けて粉砕!
更にクラッシャーの首を右手で掴んで持ち上げる!
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
そこで、マシンガンを持ったファイトロー達が、サンジェルマン目掛けて銃撃する。
「!………」
しかし、サンジェルマンは持ち上げていたクラッシャーを盾にして防ぐ。
「ギーッ!?」
「!!」
クラッシャーが動かなくなると、その腹に拳を打ち込んで吹き飛ばし、マシンガンを持ったファイトロー達にブチ当てた!
「「「「「コワッコワッ!?」」」」」
ボーリングのピンの様に弾き飛ばされ、消滅するファイトロー達。
「シュワシュワッ!!」
「!!」
そこで、ミラクラーが1体飛び掛かり、地面へと倒す。
「シュワシュワッ!!」
ミラクラーの方が素早く起き上がり、まだ倒れたままのサンジェルマンにナイフを振り下ろすが………
「!!」
サンジェルマンはそれを倒れたまま掴んで受け止めたかと思うと、ミラクラーの腹に蹴りを見舞って倒すと、そのまま裏拳で頭を潰した!
「コワッコワッ!!」
と、生き残りが居たのか、バイクに乗ったファイトローが、サンジェルマンを轢き潰そうと迫って来る。
「!!」
だが、サンジェルマンは慌てずにバイクが眼前まで来た瞬間に倒れたままバイクの前輪に水平蹴りを見舞う!
「コワッコワッ!?」
それによってコントロールを失ったバイクは、村の壊れた建物の瓦礫に突っ込んで大破し、ファイトローは投げ出されると地面に叩き付けられて消滅。
「ギーッ!!」
そこで、クラッシャーが落ちていたサンジェルマンの拳銃を拾い、立ち上がったサンジェルマンを狙う。
「…………」
そんなクラッシャーの姿を冷めた目で見ているサンジェルマン。
「ギーッ!!」
サンジェルマンの拳銃を彼女自身に向けて引き金を引いたクラッシャーだったが………
「!? ギーッ!?」
発砲した瞬間に襲い掛かった凄まじい反動で、クラッシャーの腕が千切れ飛んだ!!
当然、それで狙いが逸れ、放たれた弾丸は明後日の方向へ飛んで行った。
「…………」
腕が千切れ飛んで消滅して行くクラッシャーを尻目に、サンジェルマンは拳銃に付いたままだったクラッシャーも腕を引き剥がして拾い上げる。
と、その直後!!
キュラキュラッと言うキャタピラの音が聞こえて来たかと思うと、民家の1つを押し潰しながら、新たな戦車が姿を見せた!
「! まだ戦車が居たのかっ!!」
「危ないっ! 逃げて下さいっ!!」
ギャバンが声を挙げ、響がサンジェルマンに逃げる様に言う。
「…………」
だが、サンジェルマンは静かに現れた戦車に向かって拳銃を構える。
それに合わせる様に、戦車の方も砲門をサンジェルマンへと向ける。
そして、両者は同時に発砲!
サンジェルマンの撃った赤く光る弾丸と、戦車砲の砲弾が両者の中間地点で激突したかと思うと………
赤く光る弾丸は戦車砲弾を貫通!
戦車砲弾は爆発し、赤く光る弾丸はそのまま戦車へと直撃!
忽ち戦車は大爆発し、砲塔が上空高くへと舞い上がったかと思うと、やがて重力に引かれて落下。
「へっ!? ギャアアアアアァァァァァァーーーーーーッ!?」
その落下地点に居た、尻餅を着いたままだった錬金術師を押し潰した!
「ほう、錬金術の力が上がっているな。余程修練を積んだと見える。『あの2人』の復讐の為か?」
「!? 貴様ぁっ!!」
その錬金術師の事を気にする事も無く、ヒムリーがそう言い放つと、サンジェルマンは初めて感情を露わにし、ヒムリーへと銃口を向け、即座に次々と発砲した!!
「フッ!!」
だが、ヒムリーは涼し気に飛んで来た弾丸を剣と矛で弾き落として見せる。
「丁度良い。裏切り者の貴様の首を取れば、俺の立場も………!? 何っ!?」
自身の立身出世の為にサンジェルマンを倒そうとするヒムリーだったが、突然驚きの声を挙げる。
「撤退だとっ!? 何を馬鹿な………チッ! マッドギャランめ………」
「!? マッドギャランッ! 奴もこの国に居るのかっ!!」
如何やらテレパシーで撤退の指示を受けた様だが、そこでヒムリーがマッドギャランの名を口にした瞬間、サンジェルマンが激しく反応する。
「何処だ! 奴は何処に居るっ!!」
(! やっぱり、あの人………)
それまでと打って変わって感情を露わにしているサンジェルマンを見て、彼女から感じ取っていた感覚の正体を確信する響。
サンジェルマンの姿に、あの時の自分………
フーマの甘言に乗ってしまい、世界と人への復讐を決めていた自分の姿を重ねる。
「あの人も………
「答えろっ! マッドギャランは何処に居るっ!!」
響の呟きを掻き消す様に、怒りと憎悪の声を撒き散らすサンジェルマン。
「………事情が変わった。貴様等の相手はまた今度だ」
だが、ヒムリーはそれに答える様子は無く、抜いていた剣と矛を仕舞い直した。
「! 逃がすかっ!!」
「フッ………」
即座にヒムリーに向かって発砲したサンジェルマンだったが、ヒムリーは小馬鹿にした様な笑いを残し、煙の様に姿を消してしまった。
「クソッ! 逃がしたかっ!!」
「う、ううう………」
「!」
露骨に悪態を吐くサンジェルマンの耳に呻き声が聞こえ、視線を向けると………
「た、助けて………くれ………」
爆発した戦車の砲塔に下半身を押し潰されて瀕死の錬金術師の姿が目に入る。
如何やら、置き去りにされてしまった様だ。
「…………」
サンジェルマンはその錬金術師の元へ歩み寄る。
「………マッドギャランは何処に居る?」
「た、助けて………」
そのサンジェルマンに向かって助けを求める錬金術師だが………
直後に銃声がして、錬金術師の左腕が撃ち抜かれた!!
「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
「「!?」」
錬金術師の悲鳴が挙がりギャバンと響がギョッとする。
「何処に居るっ!?」
「た、助けてくれぇっ!!」
「…………」
尚も助けを懇願する錬金術師の言葉を無視し、サンジェルマンは今度は右腕を撃ち抜く!
「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
「マッドギャランは何処に居る!? 何処だっ!?」
「あ、あ、あ………」
最早真面に言葉を発する事も出来ない錬金術師。
「…………」
そこでサンジェルマンは、今度は片耳を撃ち抜こうとする。
「! 止めて下さいっ!!」
と、見ていられなくなった響が駆け寄り、サンジェルマンの拳銃の銃身を掴んで、銃口を反らした。
放たれた弾丸は錬金術師の顔の横の地面に着弾する。
「!?」
「この人はもう戦えません! そこまでする必要は………」
「放せっ!!」
拷問染みた事をするサンジェルマンを止めようとした響だったが、サンジェルマンは響を振り払う。
「!? わあっ!?………!」
すると響は本能的にレーザーブレード・Dを抜き放ち、振り払われた勢いで身体を回転しながら振るい、サンジェルマンの首筋に刃を押し当てた!
「!!」
だが、それと同時にサンジェルマンも響の頭に拳銃の銃口を突き付ける。
「「…………」」
そのまま両者は睨み合いとなる。
「「「「「「…………」」」」」
他の面子も迂闊に動けない………
と、その時!
「!? アアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
最早蟲の息だった筈の錬金術師が、突如大声で悲鳴を挙げた!!
その身体から、白い煙が上がり始めている。
「! 如何したんですかっ!?」
響はすぐさま錬金術師に駆け寄る。
「く、薬! 薬がぁっ!? あの薬が無いと………」
「薬?………」
「も、もう………駄目………だ………」
そう言い残し、錬金術師が力尽きた様に脱力する。
「! しっかりして下さいっ!!」
「! 離れろ、響ちゃん!」
「!? キャッ!?」
慌てて助けようとした響だが、そこで嫌な予感がしたギャバンが、咄嗟に手を引いて引き剝がす。
その直後!!
錬金術師の身体が泡となって溶け出した!!
「「「「「!?」」」」」
その光景に言葉を失う装者達。
やがて錬金術師の身体が完全に泡となってしまうと炎上。
最後には何も残らず消滅してしまった………
「
「酷い………」
そう推察するギャバンの言葉を聞きながら、パヴァリア光明結社の悪辣さに静かに怒りを燃やす響。
「チッ………」
一方、サンジェルマンは露骨に舌打ちをすると、乗って来たバイクに再度跨る。
「! あのっ!!」
「!!」
引き留めようとした響に銃口を向けるサンジェルマン。
「!?」
「響ちゃんっ!!」
ギャバンが割って入り、響を守る様にする。
「………次に私の邪魔をすれば容赦はしない」
と、サンジェルマンはそう言い放ったかと思うと、銃口を下げ、ギャバンと響の足元に発砲!
「「!!」」
着弾した弾丸が爆発し、衝撃と煙で2人が一瞬怯んだ隙にバイクを発進させ、走り去って行った。
「! 待てっ!………彼女は一体?」
「………あの人………私と一緒だ」
「? 響ちゃん………」
「あの人の目………世界に復讐しようとしていた私の目と同じだった」
「………
響からの言葉を聞いたギャバンは、サンジェルマンが去って行った方向に視線を向ける………
その走り去って行ったサンジェルマンは………
「………同志達よ………カリオストロ………プレラーティ………必ず仇は執って見せる………」
怒りと憎悪の燃える瞳でそう呟き、夜の闇の中へとその姿を消すのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
八面六臂の活躍を見せる2号ライダー。
流石はレジェンドクラスです。
そんな中で、ギャバンと響がヒムリーの迫りますが、そこへ乱入して来たあの錬金術師………
そう、サンジェルマン登場です。
原作とは似つかない荒々しい戦いぶりに、憎悪と怒りに満ちた目………
最早別人です。
何かしらトラブルでヒムリーが撤退した後は瀕死の錬金術師から情報を得ようとして殺しかける程………
そんなサンジェルマンに、嘗て自分も経験した事から………
彼女が復讐者であると察します。
果たして、カリオストロ達の身とサンジェルマンに何があったのか?
次回はいよいよ2代目ジャスピオンの活躍。
勿論、巨獣も出て来ますので、お楽しみに。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。