戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
S.O.N.G.を誘い出す為に、バルベルデ共和国で戦乱を起こしたパヴァリア光明結社。
宇宙刑事達と装者達の活躍の活躍によって損害を受けた事で撤退したが………
パヴァリア光明結社のボスである『アダム・ヴァイスハウプト』こと『マッドギャラン』と『サタンゴース』の存在が確認される。
そこへ現れたのは嘗てその2人と戦った者………
宇宙の狼『ジャスピオン』の名を受け継いだ戦士、『ターザン』で在った。
本部潜水艦改め『ノーチラス』の発令所………
「うおーっ! スッゲーッ! 何だコレッ!? 何だコレッ!?」
「ちょっ! ストーップッ!! ストーップッ!!」
「勝手に触らないで!」
大はしゃぎの様子で発令所内を走り回り、コンパネを操作しようとして朔也とあおいに止められているターザン。
「………彼がそうなのか?」
「信じられないでしょうが、本当です」
そう言って来た弦十郎に、雷は若干頭を抱えてそう言う。
「アイツが2代目のジャスピオンか………」
「何と言うか………自由な方ですね」
轟と劾もそう評する。
「あの、ターザンくん。色々と聞いても良いかな?」
とそこで、セレナがターザンにそう言う。
「ん? 何だ?」
それで漸く落ち着いた様子を見せるターザン。
「先ず、如何してターザンくんが地球に来たの?」
「ああ、この星で不穏な気配がしてるのを感じてな。気になって来てみたんだけど………まさかその正体があの『サタンゴース』だったなんてな」
「『サタンゴース』………」
「あの黒い巨人ね………」
マリアが黒い巨人………マッドギャランが父と呼んだ『サタンゴース』の事を思い出す中、ターザンは初代ジャスピオンから聞いた『サタンゴース』の事を説明する………
『サタンゴース』………
嘗て全銀河を巨獣帝国と化して支配する事を企んだ暗黒の大魔神である。
ロボットの様な姿をしているが、その正体はブラックホールから弾き出された大宇宙の負のエネルギーが凝縮した超生命体なのだ。
その魔力で銀河中の巨獣を凶暴化させ、数々惑星を支配したが………
やがて地球が嘗て巨獣に支配されていた星であった事から重点的に狙い始める様になる。
それを阻止する為にやって来た初代ジャスピオンとの戦いの中、『大サタンゴース』へとパワーアップしたが………
古代銀河聖書に記されていた光に打たれし勇者である初代ジャスピオンと………
『光に打たれし5人の子供』から誕生した、正のエネルギーに満ちた『黄金の鳥』が変化した『黄金の剣』と『光に打たれし赤子』の力によって葬り去られた………
「因みに、その『光に打たれし赤子』ってのが俺だったらしい」
「!? ええっ!?」
「そうなんデスか!?」
ターザンの言葉に、調と切歌が驚きを示す。
「ああ。と言っても、本当に赤ん坊だったから全然覚えてないけどな」
「しかし、となるとよお………コレまでの一連の事はそのサタンゴースやマッドギャランが黒幕だったのか?」
そこで奏が、マクーから始まり、マドー・フーマと続いた宇宙犯罪組織の復活を裏で糸を引いていたのがサタンゴースではないかと推察する。
「いえ、多分違うと思うわ………」
しかし、マリアがそれを否定する。
「マッドギャラン………アダム・ヴァイスハウプトは、サタンゴースを父上と呼んでいたけど、力を貰った者の事は『
「そのアダムとやらに力を与え、サタンゴースを復活させたの者は別に居ると言う事か」
マリアの考えを察した翼が、代わる様にそう言う。
「アダム・ヴァイスハウプト………パヴァリア光明結社の統制局長だとは聞いていたが、まさかこんな状態となっていたとはな」
そこでキャロルが、メインモニターにアダムと彼が変身したマッドギャランの姿を映し出す。
「………ねえ、キャロルちゃん。『サンジェルマン』って人の事、知ってる?」
と、そのキャロルに、響が村で出くわしたヒムリーとパヴァリア光明結社の錬金術師から裏切り者と呼ばれていた人物………『サンジェルマン』について尋ねる。
「ああ、奴もパヴァリア光明結社の錬金術師だ。以前は俺との連絡要員であり、『カリオストロ』、『プレラーティ』と言う連中と共に最高幹部の1人だった筈だ」
キャロルはコンパネを操作すると、フーマと手を組む前にパヴァリア光明結社に支援されてた頃に連絡要員を務めていたサンジェルマンの姿と、彼女と行動を共にしていた仲間………『カリオストロ』と『プレラーティ』の姿を映し出す。
「パヴァリア光明結社の最高幹部の1人………」
「けど、そのパヴァリア光明結社と揉めてるみてぇだったぞ?」
未来が呟く横で、クリスが村での事を思い出しながらそう言う。
「確か、パヴァリアの錬金術師からは裏切り者とか言われてなかったか?」
「と言う事は、何らかの事情で連中とは袂を分かったと言う事か?………」
奏と翼も同じ様に思い出しながらそう推察する。
「あの人は………『復讐者』です」
「響?………」
そこで響がそう声を挙げ、未来が首を傾げ、他の面々の視線も響に集まる。
「復讐者?………」
「如何言う事だよ?………」
「あの人の目………
翼とクリスが尋ねると、響はそう返す。
「!………」
それを聞いた未来が、響がフーマに惑わされ、復讐者となってしまっていた時の事を思い出し、表情を曇らせる。
「…………」
しかし、轟が安心させる様にその肩に手を置いてやった事で、未来の表情は和らぐ。
「復讐者か………」
「事情は分からないけど、警戒は必要ってところね………」
「兎も角、バルベルデ共和国からパヴァリア光明結社が消えた事は確認された。今後の事は日本へ戻ってから改めて考えるものとする」
奏とマリアがそう言い合っていると、弦十郎がそう言って纏めた。
あの2箇所での戦いの後、パヴァリア光明結社はバルベルデ共和国から完全に撤退。
再編成された国連軍の応援部隊が到着したのと、パヴァリア光明結社の狙いがS.O.N.G.である可能性が有る為、ノーチラスは早々にバルベルデを離れていた。
「…………」
そんな中で、クリスが一瞬複雑そうな表情を浮かべた。
例の村での戦闘に置いて、ステファンの姉と会ったのだが………
その姉こそが、嘗てクリスが雪音夫妻、そしてロケットマンと共にバルベルデ共和国を訪れた際に出会った『ソーニャ』だった。
幼さも有り、感情のままで吐いてしまった言葉で彼女を傷付けてしまっていたクリスだが、結局気まずさから碌に話も出来ず、逃げる様にその場を去って今に到っている。
「クリスちゃん………本当に良かったの?」
「………何がだよ?」
その事を気にしていた響が声を掛けるが、クリスはぶっきら棒な返事を返す。
「………お前が気にする事じゃねえよ」
そしてそう吐き捨てる様に言い、発令所を後にして行った。
「あ! クリスちゃん!!………」
「響ちゃん、コイツは彼女自身の問題だ」
「うん………クリスが自分で心の整理をつけるのを待つしかないよ」
後を追おうとした響を、轟と未来がそう言って止める。
「でも………」
「今のクリスはそんなに弱いワケじゃない。それは響ちゃんが良く知ってるだろう?」
「…………」
そう轟が続けて言うと、もどかしさを覚えながらも、響は頷くのだった。
「なあ~、もう話は終わりか~」
とそこで、退屈を持て余している様子で、ターザンがそう言って来た。
「あ! ゴメンね、ターザンくん」
「………ターザンくん。我々S.O.N.G.は今回のパヴァリア光明結社への対処の件で、君に協力を要請したい」
セレナが謝ると、弦十郎がターザンに向かってそう言う。
宇宙犯罪組織の残党ばかりか、巨獣までも使役し、更にボスであるマッドギャランも戦闘力も馬鹿に出来ない。
加えて、あのサタンゴースが嘗てのサタンゴースが復活したのであれば、ターザンの手を借りなければ倒せない可能性も有る。
彼の協力は是が非でも欲しいところであった。
「う~~ん、別にマッドギャランやサタンゴースを倒すぐらい、俺1人でも十分だけどな~」
「敵を甘く見るな。そんな事では足を掬われるぞ」
そう言って渋る様子を見せていたターザンを、雷が窘める。
「うわっ、アンリみたいなこと言う奴だなぁ………」
「ターザンくん、お願い。貴方の力が必要なの」
その雷の説教を受けて益々渋る様子を見せたターザンだったが、そこでセレナが目の前に立って、頼み込む。
「………分かった分かったよ。協力するよ」
そこでターザンは初めて態度を軟化させた。
「良かった! じゃあ、これからもよろしくね、ターザンくん」
セレナは友好の印の為の握手を求め、右手を差し出す。
「ああ、よろしくな、セレナ」
それに対し、ターザンも右手を差し出すと………
差し出されていたセレナの右手をスルーして、そのまま彼女の姉譲りの豊満な胸を鷲掴みにした。
「あんっ!?」
「!?!?」
途端にセレナは扇情的な悲鳴を挙げ、マリアの顔が夜叉の様になる。
「相変わらずセレナの胸はデッカくて柔らけえなぁ」
「ちょっ! またっ!? はうんっ!!」
「うへへへへ………」
「このクソガキャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!」
「!? ブベラッ!?」
下衆い笑みを浮かべながらセレナの胸を揉みしだいていたターザンを、夜叉の様な顔をしたままのマリアが、何処からとも無く取り出した某勇者王が使って居そうな巨大ハンマーでターザンをブッ飛ばした!
「マ、マリアッ! 落ち着いてっ!!」
「歌姫がしちゃいけない顔してるデースッ!!」
「発令所を壊す気かっ!?」
「皆退いてっ! そいつ殺せないっ!!」
慌てて調と切歌が左右からしがみ付き、雷も発令所に被害が出ると思って羽交い締めにして止めるが、マリアは夜叉の様な顔のまま拘束を振り解こうとする。
「ね、姉さん! 私気にしてないから、大丈夫だよ!」
「セレナッ! 貴方は無防備過ぎるのよっ!!」
セレナもマリアを止めに掛かるが正論で返される。
「イデデデデデデッ!
「………殺す」
と、立ち直ったターザンから火に油を注ぐ発言が飛び、マリアの目からハイライトが消え、パワーが上がる。
「うおっ!? オ、オイ! 皆手伝ってくれっ!!」
「た、大変っ!!」
「マリアさん駄目です!」
「落ち着いてっ!!」
雷が助けを求めると、響・未来・劾が慌てて参戦する。
「やれやれ………こりゃ先が思いやられるぜ」
轟もそう愚痴る様に言いながら、マリアを止めるのに参戦して行くのだった………
◇
パヴァリア光明結社の本拠地………
「…………」
巨大な空間の中に置かれた、これまた巨大な玉座に、サタンゴースが力無く腰掛けている。
その目から光が消えている………
「クッ! やはり、まだ父上の力は
「それを無駄に消費させた挙句、無様に逃げる帰るハメになるとはな………そんな事で良く統制局長などが務めるものだ」
そんなサタンゴースの姿を見上げて悔しそうにしていたマッドギャランに、音も無く現れたヒムリーがそう皮肉を言う。
「貴様!………」
「やるか?………」
マッドギャランが右手に剣を出現させると、ヒムリーも剣と矛を構える。
一触即発の空気が漂い始めるが………
「止めろ、ヒムリー」
「サタンゴース様の御前で、それ以上マッドギャラン様への侮辱は許さんぞ」
そう言う台詞と共に白いパールの様な被り物をした女性………『プリマ』と、赤い鬼を思わせる衣装の女性………『ギョール』が現れる。
「チッ!………」
その2人の姿を見たヒムリーが露骨に舌打ちをしながら剣と矛を収めて下がる。
直後に、古代文明の戦士を思わせる格好をした男性2人………『イッキ』と『ザンパ』が、まるで琥珀の様な状態となっている1体のオートスコアラーを運んで来た。
「おお、『ティキ』! 良くぞ見つけた! 流石は四天王だ!!」
「お褒めに預かり………」
「光栄にございます」
そこでイッキ・ザンパ・プリマ・ギョール………『悪の四天王』は揃ってマッドギャランの前に片膝を着いて畏まった。
「やはりバルベルデに隠されていたか………父上が完全に復活なされるにはやはり『神の力』が必要だ。その為に………働いて貰うぞ、ティキ」
鉱物化しているオートスコアラー………『ティキ』を見ながらそう言い放つマッドギャラン。
「四天王よ!」
「「「「ハッ!!」」」」
「これより我等パヴァリア光明結社は父上の復活の為、『神の力』を得る! しかし! その為にはあの宇宙刑事と装者共………何より、ジャスピオンが邪魔だ!! お前達には我等の真の目的を隠す為に動いて貰う! だが! 必ずや宇宙刑事と装者共は抹殺するのだ!!」
「「「「ハッ!!」」」」」
「だが、ジャスピオンだけは殺すな! 奴だけは………この俺の手で倒さねば気が済まぬ!!」
ジャスピオンとの屈辱の敗戦を思い出し、マッドギャランが怒りで身体を震わせながらそう言い放つ。
(新たな敵、ジャスピオン………そいつを倒せば昇格も夢では無い………何よりマッドギャランに一泡吹かせて遣る事が出来る………)
そんなマッドギャランも姿を遠目に見ながら、邪悪な笑みを浮かべるヒムリー。
隔して………
パヴァリア光明結社による暗躍が開始されるのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
S.O.N.G.と合流した2代目ジャスピオンことターザン。
その自由っぷりで一同を振り回すものの、何とか協力を取り付ける。
これからはマリアの胃が痛む日が続く事になりそうです(笑)
一方、パヴァリア光明結社は秘かにティキを回収。
原作であった神の力を、サタンゴースの完全復活の為に入手しようとします。
流石の暗黒銀河女王でも、サタンゴースは完全に復活させられなかったと言う感じです。
そしてその目的をS.O.N.G.側に気取られない為、今後パヴァリア光明結社は特撮作品の悪の組織がするような悪事を働いて行くと言う展開になります。
ココから完全に原作AXZ編とは違う話へとなっていきますので、お楽しみに。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。