戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第12話『弓美の友達聖遺物(中編)』

轟達が弦十郎からコンパニオンロボットの真相を聞かされていた頃………

 

逃げ出した産業スパイ達は、一旦某所の廃工場内へと逃げ込んでいたが………

 

 

 

 

 

某・某廃工場内………

 

「では、ロボットはその小娘と一緒に居ると言う事だな?」

 

「そ、そうだ! 板場大使の娘だ!!」

 

ヒムリーからの問い掛けに、恐怖を露わにそう返す産業スパイ。

 

その周りには、多数のアルカ・ノイズ達が展開し、産業スパイ達を威嚇するかの様な動きをしている。

 

「な、なあ! 全部正直に話したんだ! 頼む! 助けてくれっ!!」

 

「助けてくれっ!!」

 

必死にヒムリーに向かって命乞いをする産業スパイ達。

 

「フンッ………殺れ

 

ヒムリーはそんな産業スパイ達にゴミを見る様な目を向けた後、興味を無くしたかの様に振り返り、アルカ・ノイズ達にそう命じる。

 

忽ち産業スパイ達を取り囲んで威嚇していたアルカ・ノイズ達が、一斉に襲い掛かった!

 

「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?………」」

 

断末魔の悲鳴を残し、産業スパイ達の身体は赤い霧へと分解され、暫し宙を漂った後に雲散した………

 

「よりによって宇宙刑事共の知り合いの手に渡るとはな………何としても奴等よりも早くロボットを見つけねば………自身で成長して強力な兵器となるロボット………何としてもこのヒムリーの手駒としてくれる」

 

野心を露わに、ヒムリーはそう呟くのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、そのロボット………ロボミを連れて逃げた弓美はと言うと………

 

「ハア………ハア………ハア………撒いたかな?」

 

ロボミを連れて必死に逃げている内に、某所に在ったスクラップ置き場へと迷い込んでいた。

 

『ユミ、大丈夫デスカ?』

 

「うん、私は大丈夫………心配しないでね、ロボミ! ロボミの事は私が守るから!!」

 

気遣って来てくれたロボミにそう返す弓美。

 

()()? 何故デスカ?』

 

「何言ってるの? 私達、友達じゃない。()()()()()()()()()()()()

 

当然だと言う様に、弓美はそう答える。

 

『ハイ。ユミハ私ヲ守チマス。私ハユミヲ守リマス。友達デス』

 

「うん! そうよ!」

 

ロボミの返事に、弓美が嬉しそうに笑った瞬間………

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

クラッシャー・ファイトロー・ミラクラーの戦闘員部隊が現れ、弓美とロボミを取り囲んだ!!

 

「!? コイツ等っ!?」

 

「漸く見つけたぞ………それが聖遺物が組み込まれたロボットか」

 

咄嗟にロボミを庇う様にした弓美の前に、ヒムリーがそう言う台詞と共に姿を見せる。

 

「!?」

 

「小娘。ソイツをこっちに渡して貰おうか? そうすれば命だけは助けてやるぞ?」

 

表情が強張る弓美に対し、ヒムリーは邪悪な笑みを浮かべてそう言い放つが………

 

「………ええいっ!!」

 

「!? ぬおっ!?」

 

何と弓美はそのヒムリーに向かって突進して組み付いた!

 

『ユミッ!!』

 

「ロボミ! 逃げてっ!! 逃げるのよっ!!」

 

「ええいっ! 放せっ!!」

 

「キャアッ!?」

 

ロボミに逃げる様に呼び掛けたが、ヒムリーはそんなアッサリと引き剥がし、投げ飛ばす。

 

「ギーッ!!」

 

「コワッコワッ!!」

 

「シュワシュワッ!!」

 

地面に倒れた弓美に、数人の戦闘員が機関銃を向ける。

 

「!?」

 

「下手に出ていれば生意気な………殺れっ!!」

 

「「「!!」」」

 

恐怖で顔が引き攣る弓美に忌々し気な視線を向けながら、戦闘員に号令を掛けるヒムリー。

 

その号令で戦闘員達が機関銃の引き金に指を掛ける!

 

と、その瞬間!!

 

『ユミッ!!』

 

ロボミの目が発光し始めたかと思うと、戦闘員達が構えていた機関銃が磁石での引き寄せられたかの様に手を離れ、ロボミの身体にくっ付いた!

 

「「「!?」」」

 

「何っ!?」

 

戦闘員達とヒムリーが驚きを露わにした瞬間………

 

『私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

ロボミがそう叫び、その身体全体が光を放ち始めた!!

 

『防衛システム作動! 武装ロボット二成長シマス!!』

 

そしてそう言い放つと、周囲のスクラップを次々に吸い寄せ、吸収して行く!!

 

吸収されたスクラップが組み替えて整えられ、家電が寄せ集まった様だった姿が、2メートルを超える緑掛かった黒いカラーリングの巨体のロボットとなった!!

 

右腕には多数の機関銃がガトリングの様に備えられ、左腕はバケットとグラップルが一体化した様な形状となっている。

 

「ギーッ!?」

 

「コワッコワッ!?」

 

「シュワシュワッ!?」

 

その威圧感溢れる姿に、戦闘員達が思わず後退る。

 

『ユミ、大丈夫デスカ?』

 

重量感溢れる足音を響かせながら、弓美の傍に歩み寄る武装ロボミ。

 

「ロボミ?………アンタ、ロボミなの?」

 

『ハイ、ロボミデス。友達デス』

 

困惑していた弓美に、武装ロボミは変化する前と変わらぬ様子で答える。

 

「素晴らしい! コレが自己成長する聖遺物の力か!! その力! 是が非でも手に入れさせてもらうぞっ!!」

 

そこでヒムリーが、興奮した様子でそう言い放つ。

 

「何をしている! 聖遺物を確保しろっ!!」

 

「! ギーッ!!」

 

「! コワッコワッ!!」

 

「! シュワシュワッ!!」

 

そして、恐怖していた戦闘員達を叱咤すると、クラッシャー・ファイトロー・ミラクラー達は一斉に武装ロボミに襲い掛かる!

 

「!?」

 

『防衛システム作動! 私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

弓美が表情を引き攣らせた瞬間、武装ロボミがそう言い放ち、右手を戦闘員達に向けると、装備された機関銃が火を噴いた!!

 

「「「「「ギーッ!?」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!?」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」

 

凄まじい連射速度により、忽ち戦闘員達は蜂の巣にされて行く。

 

「ギーッ!!」

 

『私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

「ギーッ!?」

 

それを掻い潜る事の出来た僅かな戦闘員も、武装ロボミが振るったバケットとグラップルが一体化した様な形状の左腕で弾き飛ばされる!

 

「ええい! 何をしているっ!! だらしないぞっ!!」

 

武装ロボミに全く歯が立たない戦闘員達に苛立つヒムリー。

 

と、そこへ!

 

「! 居たっ! あそこっ!!」

 

戦闘音を聞いて駆け付けた轟・響・未来が車から飛び降りる。

 

「弓美っ!!」

 

「! 響っ! 未来っ!」

 

響と未来の姿を見た弓美が安堵の表情を浮かべる。

 

「! しまったっ!? 遅かったかっ!?」

 

しかし、轟は武装ロボミの姿を見て、防衛システムが作動してしまったのかと苦い顔をする。

 

「! 宇宙刑事か!? オノレェッ!!」

 

「ヒムリー! 貴様の思い通りにはさせんぞ! 蒸着っ!!」

 

ヒムリーが忌々し気に言い放った瞬間、轟が叫び、光と共にコンバットスーツを身に纏う!

 

「宇宙刑事! ギャバンッ!!」

 

そしてスクラップの山の上に降り立ち、高らかに名乗りを挙げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!

 

では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

「蒸着っ!!」

 

轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。

 

『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』

 

そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!

 

その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か0.05秒!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

Rei shen shou jing rei zizzl

 

響と未来も、聖詠を唱えてシンフォギアを纏う。

 

「行くぞっ! チュウッ!!」

 

ギャバンはいきなりレーザーブレードを抜刀すると、スクラップの山の上から跳び、ヒムリーに斬り掛かる!

 

「弓美!」

 

「大丈夫っ!?」

 

一方、響と未来は弓美の元へと向かおうとしたが………

 

『防衛システム作動!!』

 

武装ロボミが、その2人に向かって銃撃した!!

 

「!?」

 

「キャアッ!?」

 

「ロボミッ!? 何してるの!? あの2人は味方だよっ!!」

 

幸いにも弾丸は2人の足元を抉っただけだったが、助けに来た筈の響と未来を攻撃した武装ロボミに、弓美は困惑の声を挙げる。

 

『私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

だが、武装ロボミはそう言い放つと、再び響と未来に向かって銃撃!!

 

不具合の有る防衛システムが作動した事によって暴走状態となっていた!!

 

「!?」

 

「危ないっ!!」

 

咄嗟に響が未来を抱えて跳び、飛来した弾丸群を躱すと、一旦スクラップの陰に身を隠す!

 

「止めて、ロボミ! 止めてっ!!」

 

『私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

慌てて武装ロボミの腕にしがみ付いて止めようとした弓美だったが、逆に武装ロボミによって強引に背負われてしまう。

 

『私ハ友達ヲ守リマスッ!!』

 

「ロボミ! 止まってっ!!」

 

同じ言葉を繰り返しながら、その場から逃げ去ろうとする武装ロボミ。

 

弓美の制止の声にも耳を貸さない。

 

「弓美っ!!」

 

「大変っ!!」

 

「響ちゃん! 未来ちゃん! 追うんだっ!! コッチは任せろっ!!」

 

響と未来が慌てると、ヒムリーと鍔迫り合いを繰り広げていたギャバンがそう言い放つ。

 

「! 分かったっ!!」

 

「轟兄、お願いっ!!」

 

その言葉を受けて、響と未来は弓美を連れた武装ロボミを追う。

 

「貴様1人で俺を相手にする積りか! 舐めおってっ!!」

 

「1度敗れた事の有る奴が何言ってやがるっ!!」

 

「貴様ぁっ!!」

 

ギャバンのその言葉に激高したヒムリーが、勢い良く両腕を動かし、ギャバンを弾き飛ばす。

 

「チュウッ!!」

 

弾き飛ばされたギャバンは、空中でバランスを整えて距離を取る。

 

「ヌウアッ!!」

 

そこでヒムリーは、両手に持っていた剣と矛を投げつける。

 

「フッ! ハッ!」

 

「ヌウウンッ!!」

 

ギャバンがそれをレーザーブレードで弾き落とすと、三叉槍を出現させ、突進して来る。

 

「ヌウンッ!!」

 

「チュウッ!!」

 

繰り出された突きを跳躍して躱すと、地面を転がった後に立ち上がり、続けて繰り出された低い位置での薙ぎ払いを再度の跳躍で躱す。

 

「ドオオッ!!」

 

「ヌンッ!!」

 

レーザーブレードを振るうギャバンだが、ヒムリーは三叉槍の谷の部分で受け止める。

 

普通、槍では肉薄されると不利だが、ヒムリーは槍の右手で先端の方を、左手を石突の近くを握る事で短く持ち、超接近戦でも取り回しを良くして対処していた。

 

腐っても元フーマの大幹部候補だっただけあり、非凡さを見せる。

 

「ヌウンッ!!」

 

「! おわっ!?」

 

そこで不意に、先端の方を握っていた右手を離したかと思うと、石突の近くを握っていた左手だけで三叉槍を勢い良く伸ばし、今度こそギャバンを弾き飛ばす。

 

弾かれたギャバンが地面の上を転がったかと思うと………

 

「デエエエヤアアァァァァッ!!」

 

ヒムリーは三叉槍を右手に持ち直し、左手を広げて掲げる様に構えたかと思うと、5本の指先から薄紫色の稲妻怪光線が放たれ、本当の稲妻の様にギャバンへと降り注ぐ。

 

「!!」

 

するとギャバンは、右手に握っていたレーザーブレードを天に向かって掲げる様に構えた!

 

忽ち降り注いて来た稲妻状の怪光線が、まるで避雷針であるかの様にレーザーブレードの刀身へと集まる!

 

「!? 何っ!?」

 

「ホラ、返すぜっ!!」

 

ヒムリーが驚きの声を挙げた瞬間、立ち上がったギャバンがレーザーブレードを振るう。

 

すると、刀身に帯電したエネルギーが、ヒムリーに向かって光球として送り返された!!

 

「! チイイッ!!」

 

激しい舌打ちと共に迫って来ていた光球を、三叉槍を仕舞うと、嘗てクビライから授けられた黄金剣を抜き放って掃うヒムリー。

 

「レーザーブレードッ!!」

 

とそこで、ギャバンはレーザーブレードにエネルギーを注入し、刀身を発光させる。

 

「ヌウウウアアアッ!!」

 

「行くぞぉっ!!」

 

ヒムリーとギャバンはお互いに向かって突撃する!

 

「セエエヤッ!!」

 

「ヌンッ!!」

 

擦れ違い様にお互いに斬り合い、コンバットスーツと鎧から火花を散らす。

 

「ツエアッ!!」

 

「ヌウウンッ!!」

 

振り返るとお互いに連続で突きを繰り出し、まるでフェンシングの様な応酬を繰り広げる。

 

「ヌウアッ!!」

 

と、ヒムリーが不意を衝く様に蜘蛛を模した兜の目の部分から、薄紫色の怪光線を放つ。

 

「! グウッ! シルバービームッ!!」

 

「!? グウアッ!?」

 

喰らったギャバンが倒れながらも、反撃のシルバービームを叩き込み、ヒムリーは鎧から火花を散らして後退る。

 

「チュウッ!!」

 

その間に立ち上がったギャバンが跳躍し、ヒムリーに向かって降下しながら斬り掛かる。

 

「チイイッ!!」

 

黄金剣を横に構えて受け止めようとしたヒムリーだったが………

 

「デリャアアアアアアッ!!」

 

ギャバンは気合の雄叫びを挙げてレーザーブレードを振り下ろし、黄金剣のガードを弾き飛ばして、ヒムリーに1撃を見舞った!

 

「! グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

「ギャバン・ダイナミックッ!!」

 

鎧から激しく火花を散らして後退ったヒムリー目掛けて、斬撃波を飛ばすタイプのギャバン・ダイナミックを見舞うギャバン!

 

縦一閃の斬撃波がヒムリーに直撃し、大爆発を起こす!

 

「グウウッ!!」

 

だが、その爆炎が晴れると、鎧から白い煙を上げて膝を着いているが、まだ健在なヒムリーの姿が露わになる。

 

「!?」

 

「オノレェ、ギャバン………このままでは済まさんぞ………覚えていろっ!!」

 

驚きながらもすぐさま構えを執り直すギャバンだったが、流石にダメージが大きかったのか、意味深な捨て台詞を残しながらも撤退するヒムリー。

 

「流石に元フーマの幹部か………と、今はそれよりも弓美ちゃんの方だ! サイバリアーンッ!!」

 

ヒムリーの強さを改めて認識しながらも、今は弓美の方だと気を取り直し、サイバリアンを呼んで飛び乗り、すぐに響と未来の後を追うギャバンだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

必死の逃亡をした弓美とロボミに、産業スパイを始末したヒムリーが迫る。
弓美が絶体絶命となったその時………
とうとうロボミは防衛システムを発動させてしまう!
武装ロボミとなり、瞬く間に戦闘員を蹴散らす。
しかし、不具合の有る防衛システムを起動させた事で暴走状態となり、助けに来た筈の響達まで攻撃してしまう。
弓美を連れて更に逃亡する武装ロボミ。
果たして止める手立てはあるのか!?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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