戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第21話『クリスよ、急げ! マヤの遺産の恐怖!!(後編)』

パヴァリア光明結社のアジト………

 

「「「「喰らえいっ!!」」」」

 

ガメッシュ軍団が、一斉に右目の義眼に装備されていたナイフをブーメランの様に飛ばす。

 

「シュリケンズバットッ!!」

 

それに対し、シュリケンジャーが愛刀『シュリケンズバット』をバット状の鞘から抜き放つと、目にも止まらぬ速さで振って、次々に弾き返す。

 

「!!」

 

その直後に、ロケットマンが右手に装備した手甲からロケット弾を次々に放ち、ガメッシュ軍団に撃ち込む!

 

「グアアアアアアッ!?」

 

「ノワアアアアアッ!?」

 

「ユー達に掛けているタイムはナッシング。一気に決めさせてもらうよ!」

 

ガメッシュ軍団が悲鳴を挙げていると、シュリケンジャーがそう言い放ちながら、一旦シュリケンズバットを納刀すると、金色の羽織の様なアーマー………『シュリケンズアーマー』を脱ぎ捨てる!

 

「ファイヤーモードッ!!」

 

そして、マスクの上部を回転させると、『ファイヤーモード』へフォームチェンジした!

 

「燃えて来たぜぇーっ!!」

 

先程までのインチキ外人口調ではなく、江戸っ子の様なべらんめえ口調となり、黄色いボールの様な物を構えるシュリケンジャー。

 

「超忍法・分身魔球っ!!」

 

その黄色いボール………爆弾ボールを野球投手の様に投げると、爆弾ボールが幾つにも分裂!

 

「「「「「グアアアアアアッ!?」」」」」

 

ガメッシュ軍団に次々と命中すると、爆発する!

 

「トドメだ! 超忍法・秘打千本ノックッ!!」

 

続けて、今度は鞘に納め、バットと化したシュリケンズバットで、爆弾ボールを次々にノック!

 

「!!」

 

オマケとばかり、ロケットマンの背負っていたロケットランチャーを構えて発射!

 

「「「「「!!」」」」」

 

ガメッシュ軍団は断末魔の叫びすら挙げられず、消し飛んだ!

 

「ハッ! どんなもんだいっ!!」

 

「流石は流派宇宙統一忍者流の天空忍者………」

 

勝ち誇るシュリケンジャーを見て、ロケットマンは感嘆の声を漏らすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ガメッシュ003と戦うクリスは………

 

「オラァッ!!」

 

MEGA DETH PARTY

 

腰部のアーマーを展開させて、ガメッシュ003に向かって小型ミサイルを無数に放つクリス。

 

「無駄だ! 鉄忍法磁気嵐っ!!」

 

だが、ガメッシュ003はまたも鉄忍法磁気嵐を繰り出す。

 

磁気嵐を浴びた小型ミサイル群はコントロールを失い、四方八方に散らばって着弾する。

 

「チイッ!!」

 

「もう1度貴様のシンフォギアを狂わせてやる! 鉄忍法磁気嵐っ!!」

 

舌打ちしたクリスに向かって、再度鉄忍法磁気嵐を浴びせようとするガメッシュ003。

 

「!!」

 

「クリスーッ!!」

 

クリスが反射的に身構えた瞬間………

 

ステファンが落ちていた空き缶をガメッシュ003に向かって蹴り飛ばした!

 

「! グッ!?」

 

蹴られた空き缶がガメッシュ003の額にクリーンヒットし、一瞬だが怯ませる。

 

「今だ!!」

 

「「くううううっ!!」」

 

とそこで、雅律が声を挙げ、ソネット・ソーニャと共に、ドラム缶をガメッシュ003目掛けて投げつけた!

 

「! こんなものぉっ!!」

 

投げ付けられたドラム缶を、忍刀で斬り捨てるガメッシュ003。

 

だが、その瞬間!!

 

ドラム缶内に残っていた可燃物に、切断された際に僅かに飛び散った火花が引火!!

 

「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

忽ちガメッシュ003の姿が爆発に包まれた!!

 

「! 何やってるんだよ!!」

 

鉄火場に介入して来た雅律達に、クリスは思わず怒鳴るが………

 

「クリス達が助けてくれたから、今俺達もクリスを助けられた!!」

 

「!!」

 

ステファンからそう返され、思わず黙り込む。

 

「過去は如何やったて変えられない! だけどこの瞬間は変えられる! きっと未来だって!!」

 

「ステファン………」

 

「姉ちゃんもクリスも! 変えられない過去に囚われてばかりだ!」

 

「「!!」」

 

目を見開き、ハッとするクリスとソーニャ。

 

「クリスの仲間達だって、未来を変えようって頑張ってるんだろ! 俺だってそうだ! だから………」

 

「………若さってのは振り向かない事………そして諦めない事か」

 

「? えっ?」

 

不意にクリスが呟いた言葉に、今度はステファンが驚きを示す。

 

「ったく………まさかアイツ等の言葉の意味が分かる様になっちまうとは………アタシも焼きが回ったもんだぜ」

 

愚痴る様にそう言うクリスだったが、その顔には屈託無い笑みが浮かんでいた。

 

「ヌアアアアアアッ! オノレェッ!!」

 

とそこで、炎を吹き飛ばしながら、全身が黒焦げになったガメッシュ003が姿を現す。

 

「「「「!!」」」」

 

その光景に雅律達は一瞬顔を引き攣らせたが………

 

「大丈夫だ!」

 

そんな雅律達を守る様にクリスが立つ。

 

「皆には………指1本触れさせねえっ!!」

 

「「「「!………」」」」

 

クリスがそう言うのを聞いて、今度は全員の顔に安心の笑みが浮かぶのだった。

 

「ほざくなっ! 小娘ぇっ!!」

 

「!!」

 

と、ガメッシュ003が吠えた瞬間、クリスは跳び上がり、ガメッシュ003に向かって撃ち下ろす様に2発の大型ミサイルを見舞った!

 

「無駄だっ!!」

 

だが、ガメッシュ003は鉄忍法磁気嵐を繰り出し、大型ミサイルを狂わせて有らぬ方向へと飛ばしてしまう。

 

「!!」

 

しかし、その大型ミサイルは囮だったのか、鉄忍法磁気嵐を繰り出し終えた後の隙を狙う様にガメッシュ003を肉薄するクリス。

 

そのままハンドガン型にした両手のアームドギアを突き付けたが………

 

「甘いっ!!」

 

ガメッシュ003は胸部の赤いアンプから直接磁気嵐をクリスに浴びせた!

 

シンフォギアの機能が狂い、光が失われると、アームドギアも消えてしまう………

 

「オラァッ!!」

 

「ガブッ!?」

 

その瞬間、クリスはガメッシュ003の顔面に拳を叩き込んだ!

 

「オラオラオラオラァッ!!」

 

そしてどこぞの黄金の精神を持つ男のスタンドの様な叫びと共に、ラッシュを見舞う!!

 

「ゲバッ!? ガボッ!? ゴフッ!?」

 

「こんな事言うのも癪だけどなぁ! ()()()鹿()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

そう言いながら、クリスはラッシュの締めに、渾身のボディーブローを叩き込む!!

 

「ゴブハッ!?」

 

「ツウゥ~~~ッ!!」

 

ブッ飛ばされるガメッシュ003だが、クリスの方も慣れない攻撃をした為、顔を顰めながら、殴っていた両手をブンブンと降る。

 

「まだだぁっ!! この程度でえっ!!」

 

しかし、ガメッシュ003はまだ仕留められなかった様で、叫びと共に起き上がる。

 

「!!」

 

慌てるクリスだが、まだシンフォギアの機能不全は続いており、アームドギアが出せない。

 

「クリス! コレを使えっ!!」

 

するとそこで!!

 

ロケットマンが愛用のロケットランチャーをクリスに向かって投げ渡した!!

 

「! ありがとう、小父さん!!」

 

クリスはロケットランチャーをキャッチすると、即座にガメッシュ003に狙いを定めた!!

 

「!?」

 

「ブッ飛びやがれぇっ!!」

 

クリスの叫びと共に引き金が引かれ、放たれたロケット弾は、吸い込まれる様にガメッシュ003に直撃した!!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

断末魔と思われる叫びと共に、爆発に包まれるガメッシュ003。

 

やがて爆炎が晴れると、その姿は何処にも無くなっていた………

 

「やったのか?………フウ~~~」

 

完全に気配が感じられなくなったのを確認したクリスが、脱力した様にその場に座り込む。

 

「「「「クリスーッ!!」」」」

 

そんなクリスの元に、雅律達が集まって来る。

 

「大丈夫かい、クリス!?」

 

「怪我は無いっ!?」

 

「だ、大丈夫だよ、パパ、ママ………コレぐらいなんて事無いって」

 

心配して来る雅律とソネットを安心させる為、クリスは立ち上がって見せる。

 

「クリス………」

 

「クリス」

 

続いて、少し遠慮気味に声を掛けるソーニャとステファン。

 

「…………」

 

そんな2人向かって、クリスは笑みを浮かべた。

 

「「!………」」

 

それを見て、ソーニャとステファンも笑みを浮かべる。

 

「一件落着か………シュリケンジャー殿も、助力感謝する」

 

そんなクリス達の様子を見て安堵した様子を見せたロケットマンが、シュリケンジャーに声を掛けたが………

 

既にその姿は無くなっていた。

 

「何時の間に………彼こそ正に忍だな」

 

風の様に現れて消えたシュリケンジャーを、ロケットマンはそう評するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アジトから少し離れた場所にて………

 

「ゼエ………ゼエ………」

 

そこにはボロボロのガメッシュ003の姿が在った。

 

やられた様に見せかけ、撤退したのだ。

 

とは言え、ダメージは深く、死に体である。

 

「せ、せめてマヤの遺産のデータだけでも持ち帰らねば………」

 

しかし、マヤの遺産のデータだけでも持ち帰れろうと粘る。

 

そのガメッシュ003の前に、人影が立った。

 

「! 貴様はっ!?」

 

「磁光真空剣! 真っ向両断っ!!」

 

驚くガメッシュ003に向かって、人影………ジライヤは問答無用で必殺技を喰らわせる!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

斬られた箇所から虹色の光を放ちながら、ガメッシュ003は消滅した。

 

「………あの子にこんな事をさせるワケには行かないからな」

 

それを見届けてそう呟いたジライヤだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パヴァリア光明結社の本アジト………

 

「ガメッシュめ………何が鉄忍一族だ」

 

「結局マヤの遺産もパアか………役立たずめ」

 

報告を受けたザンパとイッキが、ガメッシュを貶す。

 

「いや、そうでも無いぞ………」

 

「その通り。奴は十分に役に立ってくれた………」

 

しかし、対照的にプリマとギョールは褒めるかの様な事を言う。

 

「フフフフフフ………」

 

そして不敵に笑って居るマッドギャラン。

 

その右手には、ボール大のエネルギーの塊が握られている。

 

良く見ると、そのエネルギーの塊の中に歯車の様な物が浮かんでいる。

 

彼の目の前には、あの琥珀の様な状態となっているオートスコアラー………ティキの姿が在った。

 

「漸く『アンティキティラの歯車』を甦らせる事が出来たか………その為のフォニックゲインを集める役目は確かに果たしてくれたな」

 

「ティキは惑星の運行を星図と記録する為に作られたオートスコアラー」

 

「その通り! 機密保護の為に休眠状態となってたが、今このアンティキティラの歯車により再起動する!」

 

イッキとザンパがそう言うと、マッドギャランが意気揚々とアンティキティラの歯車を掲げる。

 

すると、ティキを覆っていた琥珀が弾け飛ぶ!

 

そして、胸部が解放されたかと思うと、そこにアンティキティラの歯車が填まり込む。

 

その状態で胸部が元に戻ると、頭部のバイザーから単眼の様な部位が分離。

 

天井にプラネタリウムの様に星図を映し出した。

 

その後も動作確認の様な動きが続いたかと思うと、やがて鈍い音を立てながら、ティキが動き出す。

 

「う………ううん………」

 

ティキが声を挙げると、バイザーを自ら外し、年頃の少女の様な顔を露わにする。

 

「やあ、久しぶりだね………ティキ」

 

「!? 誰貴方っ!? 貴方なんか知らないっ!!」

 

マッドギャランがそう言うと、ティキは動揺を見せたが………

 

「ああ、ゴメンゴメン。この姿は初めてだったね」

 

そう言ってマッドギャランからアダムの姿へと戻った。

 

「! あーっ! アダムーッ!! もうー! そうならそうって言ってよー!! さっきの姿は何っ!?」

 

忽ちティキは猫なで声でアダムに擦り寄る。

 

「フフフ、相変わらず姦しいなぁ………さっきには僕の新しい力だよ」

 

アダムはそう言うと、再度マッドギャランの姿となる。

 

「この姿は嫌いかい?」

 

「ううん! アダムならどんな姿になっても素敵だよ! だってティキが大好きなアダムだもん!」

 

「ありがとう、ティキ………それじゃあ早速だけど、頼みたい事が有るんだ」

 

「良いよー! 私はアダムの為なら何でもできるティキだもん!!」

 

「フフフフフ………」

 

正に都合の良い人形の様な存在であるティキに、マッドギャランは嘲りが含まれた笑いを零すのだった。

 

(チイッ! とうとうティキが蘇ってしまったか………こうなれば『()』を使う他道は無いか………)

 

そして、その光景を盗み見ていたヒムリーも、内心で焦りながらそう考えていただった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後………

 

空港の展望デッキにて………

 

雅律・ソネット・ソーニャ・ステファンが乗った旅客機が、今飛び立って行くのを装者達と宇宙刑事達が見送る。

 

雅律とソネットはまたNGO活動に、ソーニャとステファンは故国へ戻る為だ。

 

(クリス………また、何時か)

 

(また今度………絶対に)

 

搭乗しているソーニャと、見送っているクリスは、お互いに心の中で再会を誓い合っていた。

 

「良かったねー、クリスちゃん。仲直り出来て」

 

と、そんなクリスに響が声を掛ける。

 

「…………」

 

何時もなら怒鳴り返すクリスだが、今日に限ってはそうはせじ、響の方を向いたかと思うと………

 

「ああ………ありがとよ、響」

 

「!? ふえっ!?」

 

何と響の名を呼びながらお礼を言った。

 

思わぬクリスの返しに、響が驚愕で固まる。

 

「ハッ、何間抜けな顔してんだよ………」

 

そんな響に向かってクリスはそう言い放つと、背を向けてその場から去り始めた。

 

「! あっ! ちょっ! クリスちゃーん! もう1回言ってーっ!!」

 

それで漸く我に返った響がそう言いながら慌ててクリスの後を追う。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

残された装者達と宇宙刑事達は、全員が顔を見合わせたかと思うと、一斉に笑い出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからも頼むぞ、シンフォギア装者!

 

戦え! 我等の宇宙刑事達!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ファイヤーモードへチェンジしたシュリケンジャーとロケットマンの活躍で、量産型ガメッシュ軍団はアッサリと撃破。

そしてクリスは、ソーニャ達の協力も有り、心の葛藤を乗り越えます。
そのままロケットマンのロケットランチャーを借りて、ガメッシュを撃破。
最後のトドメはジライヤにやってもらいましたが………
一応、ガメッシュは元人間なので、クリスが倒してしまうと余計なモノを背負わせてしまうかなと思い、原作で容赦無く倒していたジライヤに、トドメは担って貰いました。

しかし………
今回の一連の騒動は、ティキ復活の為のカモフラージュでした。
遂に覚醒したティキ。
いよいよマッドギャラン達が神の力を本格的に狙います。

その前に、次回でヒムリーとの決着イベントとなります。
しかも、対決するのは意外なキャラになるかと。
またもゲストヒーローも登場しますので、お楽しみに。

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