戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第23話『RN式回天特機装束(後編)』

札幌市………

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

「「「「「ギーッ!?」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!?」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」

 

響が腰のブースターを吹かしながら繰り出した拳で、戦闘員部隊を纏めてブッ飛ばす!

 

「行ってっ!!」

 

更に未来が右手の人差し指で天を指したかと思うと、頭上に無数の鏡が出現し、四方八方にレーザーを放って、アルカ・ノイズ達を赤い霧へと変える。

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

しかし、すぐにお代わりだとばかりに新たな戦闘員部隊とアルカ・ノイズ達が押し寄せて来る。

 

「早く片付けて、師匠の所へ行かないとっ!!」

 

「もしアルカ・ノイズの相手をさせられていたら、司令さんが………」

 

何とか早く片付けて弦十郎の元へ行こうと考えている響と未来に焦りが出始める。

 

「うん? この識別反応は?………」

 

と、そこでギャバンが何かに気付いた様に声を挙げる。

 

「? 轟兄?」

 

「如何したの?」

 

「そうか! ベン所長か!! 2人供! 弦さんの方ならもう心配要らないぞ!!」

 

響と未来が尋ねると、ギャバンはそう返す。

 

「えっ!?」

 

「如何言う事? 轟お兄ちゃん」

 

ギャバンの言っている事が分からず、響と未来が困惑した様子を見せる。

 

「「「「「ギーッ!!」」」」」

 

「「「「「コワッコワッ!!」」」」」

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

その瞬間を格好の隙と見たか、戦闘員部隊とアルカ・ノイズ達が一斉に襲い掛かる。

 

「「!?」」

 

「レーザーZビームッ!!」

 

一瞬慌てる響と未来だったが、ギャバンが放ったレーザZビームで、戦闘員部隊とアルカ・ノイズ達は纏めて爆散する。

 

「話は後だ! 今は兎に角、コイツ等を蹴散らすぞっ!!」

 

「う、うん!」

 

「分かったよ!」

 

今一納得が出来ないながらも、確かに落ち着いて話せる状況ではない事を理解した響と未来は、気を取り直して戦闘員部隊とアルカ・ノイズ達との戦いを再開するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

座標ポイント・〇〇〇の×××にて………

 

「デカマスターだとっ!?」

 

「デカマスター………」

 

驚きの声を挙げるヒムリーと、そのデカマスターの背を見据える弦十郎。

 

「ディーソード・ベガッ!!」

 

そこで、デカマスターは何時の間にか左腰のホルスターに納められていたディーソード・ベガを抜き放つ。

 

すると、狼の頭部を模した形状の鍔が展開し、石化された封印状態が解け、刀身が輝く。

 

「ムンッ!」

 

その状態のディーソード・ベガを構え、オメガと対峙するデカマスター。

 

「コイツ………()()()

 

只構えているだけながら、凄まじい気迫を放つデカマスターに、オメガは若干気後れする。

 

「ヌアアアアアアッ!!」

 

だが、自身を奮い立たせる様に声を挙げると、長剣でデカマスターに斬り掛かる。

 

「ムンッ!!」

 

それを真正面から受け止め、そのまま鍔迫り合いへと持ち込むデカマスター。

 

「コイツは俺に任せて、彼女の元へっ!!」

 

「! 感謝するっ!! ハアッ!!」

 

デカマスターにそう言われ、弦十郎は大跳躍で一気に了子とヒムリーの元へ跳んだ!!

 

そして、その間に割って入る様に着地を決める!

 

「!? うおっ!?」

 

「!!(弦十郎くん!!)」

 

「了子、ちょっと待っててくれ………すぐに助けるからな」

 

ヒムリーが狼狽える中、弦十郎は了子にそう言うと、ヒムリーの方に向き直る。

 

「許さんぞ………ヒムリーッ!!」

 

そして怒りを露わにそう言い放ち、構えを執った!

 

「フ、フンッ! 貴様が使っているバリアの装置はもう限界だろう! それで俺に勝てると思ったか!!」

 

先程までの狼狽えを棚に上げ、ヒムリーは黄金剣を抜き放ってそう言い放つ。

 

だが、確かに弦十郎が使っているRN式回天特機装束は既に限界が近い………

 

「それが如何したっ!!」

 

「!? 何っ!?」

 

しかし、弦十郎がそう言い放つと、ヒムリーは驚愕する。

 

「自分の妻も守れず………何が男、いや夫かぁっ!!」

 

続いて弦十郎がそう吠えた瞬間………

 

RN式回天特機装束が光を放った!!

 

「!? コレはっ!?」

 

弦十郎自身も驚いた瞬間、光は弦十郎の右腕へと収束!

 

まるでシンフォギアを思われるガントレットを形成した!!

 

「な、何だソレはっ!?」

 

「………俺の了子への想いだ!!」

 

またも狼狽するヒムリーに向かって、弦十郎はそう言ってのけた!!

 

「ふざけるなあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

激昂し、自棄気味に弦十郎に向かって黄金剣を振り上げながら突撃するヒムリー。

 

「死ねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

そのまま弦十郎に黄金剣を振り下ろす!

 

「オオオオオオォォォォォォッ!!」

 

振り下ろされて来た黄金剣に向かって、弦十郎はガントレットを填めた右腕の拳を繰り出す。

 

ガントレットと黄金剣が激突したかに思われた瞬間!!

 

黄金剣の刀身がガラスの様に粉々に砕け散った!!

 

「!? なあっ!?」

 

「コレが俺の全力だぁっ!!」

 

唖然となり隙を晒したヒムリーのボディに向かって、弦十郎は一旦右腕を引き、渾身の力を込めた全力の拳を叩き込んだ!!

 

「!? グオアアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」

 

インパクトの瞬間に凄まじいエネルギーが解放され、そのエネルギーに押される様にヒムリーは空中へと押し上げられる!

 

そして、上空高くまで舞い上がったかと思うと、そのまま爆散し、汚い花火となったのだった!!

 

「フウウウゥゥゥゥゥーーーーー………」

 

それを見上げながら、弦十郎は残心の様に大きく息を吐く。

 

(全く………無茶するんだから)

 

そんな弦十郎の姿を、了子は呆れながらも、笑顔を浮かべて見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、オメガと戦っているデカマスターの方は………

 

「チエァッ!! トウアァッ!!」

 

「グオオオオオオオォォォォォォォォッ!?」

 

ディーソード・ベガの連続斬りを喰らったオメガの身体から派手に火花が散る!

 

「ヌウウッ!!」

 

だが、やられてばかりではいないと、デカマスターに両手のショットガンを向ける!

 

「ツウアッ!!」

 

しかし、向けた瞬間にディーソード・ベガが振られ、ショットガンの銃身が2つとも斬り飛ばされる!

 

「ぬうっ!?」

 

「セエエヤッ!!」

 

隙を見せたオメガに、デカマスターは突きを喰らわせる!

 

「!? ガアアッ!? オノレェッ!!」

 

ブッ飛ばされるものの、すぐに着地を決めると、今度は両肩のロケットランチャーを放つオメガ!

 

「ヌンッ!!」

 

だが、何と!!

 

デカマスターは放たれたロケットランチャーの弾を横に構えたディーソード・ベガの刃の側面で受け止めた!

 

「セリャアアッ!!」

 

そしてそのままディーソード・ベガを振り抜き、ロケットランチャーの弾をオメガに向かって打ち返した!!

 

「!? グオオオオオオオォォォォォォォォッ!?」

 

自分が撃ったロケットランチャーの弾を自分で喰らい、身体から激しい爆発を挙げるオメガ。

 

「ば、馬鹿な………嘗ては銀河中で暴れ回ったこの俺が………手も足も出んだと!?」

 

「流れ星のガンマン・オメガ………貴様は所詮、過去の亡霊に過ぎん。貴様が銀河を荒らした事など、今では()()()()()

 

初代の宇宙刑事達と戦った事の有る経験から、今の状況が信じられないオメガに、デカマスターは冷たくそう言い放つ。

 

「俺が………亡霊だと?」

 

「お前には嘗ての時点で既にデリート判決が下されている………もう終わりだ、オメガ!」

 

戦意を失ったオメガに対し、デカマスターはディーソード・ベガを片手で頭上に掲げる様に構える。

 

「ディーソード・ベガ!」

 

そのまま円を描く様にしてから、横薙ぎに振るったかと思うと、脇構えを執る。

 

「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

その状態でスライドでオメガに突撃する!!

 

「!?」

 

「ベガスラアァァァァァーーーーーッシュッ!!」

 

そして擦れ違い様に横一文字に叩き斬る銀河一刀流の奥義『ベガスラッシュ』が炸裂!

 

「ヌオオオオオオッ!?………フ、フフフ………所詮俺は………亡霊か」

 

激しくスパークを発していたオメガが、自嘲する様にそう呟いたかと思うとバタリと倒れ、そのまま爆発四散した。

 

「コレにて一件コンプリート………悪が居るから、俺は斬る!」

 

その爆発を背に、デカマスターはディーソード・ベガをホルスターに納めると、決め台詞を言い放った。

 

「…………」

 

そして、光を放ってドギーの姿に戻ったかと思うと、弦十郎が了子を助け出しているのを確認し、ヒッソリと立ち去る………

 

「大丈夫か、了子?」

 

「ええ、大丈夫よ、弦十郎くん………ありがとう」

 

拘束を取られ、弦十郎にお姫様抱っこで抱き上げられた了子が、弦十郎の首に両腕を回しながら、頬を染めてお礼を言う。

 

「弦さーんっ!!」

 

「師匠ーっ!!」

 

「小父様!」

 

「ダンナーッ!!」

 

とそこへ、漸く全国各地に現れた敵を倒し終えた轟達がやって来る。

 

「お前達………良くやってくれた」

 

「良かった、大丈夫だったんですね」

 

「如何やら、俺達の出番は無かった様だな………」

 

弦十郎が労いの言葉を掛け、劾と雷が2人が無事な姿を見てホッとした様子を見せる。

 

「それにしても了子さん………幾ら何でも迂闊ですよ」

 

「そうですよ。無断で護衛も付けずに外出するなんて………」

 

とそこで、マリアとセレナが、今回の件の発端である了子の行動を咎める。

 

「ゴメンなさいね~」

 

「確かに、君らしくない行動だな………理由を説明して貰えるかな、了子」

 

了子が軽く謝るが、弦十郎は司令としての立場で詳しく問い質す。

 

「ちょっとしてサプライズって奴よ」

 

「サプライズ?」

 

「「「「「「「「「「??」」」」」」」」」」

 

了子から返って来た言葉の意味が分からず、弦十郎と装者達・宇宙刑事達は首を傾げる。

 

すると了子は、白衣の内ポケットから、1冊の手帳を取り出す。

 

「弦十郎くん。貴方………『パパ』になるのよ」

 

笑顔と共にその手帳………『母子健康手帳』を弦十郎に見せる了子。

 

「え?………」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

それを見た弦十郎は言葉を失い、装者達・宇宙刑事達も一瞬唖然となり………

 

「「「「「「「「「「!? えええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!?」」」」」」」」」」

 

やがて揃って仰天の声を挙げた。

 

「パ、パパって事は!?………」

 

「おめでたデスかーっ!?」

 

「嘘っ!?………」

 

「マジかよっ!?」

 

未来・切歌・調・クリスが信じられないと言う様子を見せる。

 

「やったな、弦さん!」

 

「師匠っ! おめでとうございます!!」

 

「いや~、司令が遂にお父さんになるのか………」

 

「素晴らしい事ですね」

 

一方で、轟・響・雷・劾は手放しで祝福する。

 

「…………」

 

しかし、当の弦十郎は先程から微動だにしていない………

 

「? 小父様?」

 

「ダンナ? 如何したんだ? もっと喜べよ?」

 

「…………」

 

怪訝に思った翼と奏が声を掛けるが、やはり反応が無い。

 

「アレ?………」

 

そこでターザンが何かに気付いた様に、弦十郎の目の前で手をヒラヒラと降る。

 

「ターザンくん? 如何したの?」

 

「………おっさん、気絶してるぞ」

 

「「「「「「「「「「………えっ!?」」」」」」」」」」

 

ターザンがそう言ったのを聞いて、了子と一同は弦十郎の顔を見やる。

 

「…………」

 

そこには白目を剥き、了子をお姫様抱っこしたまま気絶している弦十郎の姿が在った。

 

「立ったまま気を失うとは………器用な奴め」

 

「流石の司令も衝撃が大き過ぎたみたいね………」

 

キャロルとマリアが呆れた様に立ったまま気を失っている弦十郎に向かってそう言う。

 

「もう、弦十郎くんったら………」

 

了子も呆れる様に呟いたが、その顔には相変わらず笑みが浮かんでいた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、S.O.N.G.内は暫くその話題で持ち切りとなり、ちょっとしたお祭り騒ぎだった。

 

そんな中で弦十郎は、子持ちの男性職員や兄の八紘に『父親とは如何言うものなんだ?』と相談に走り回り、職員達から『あたたかい目』を向けられていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パヴァリア光明結社のアジト………

 

「ヒムリーめ、くたばりおったか………」

 

「所詮はフーマの残党………兄に忙殺される様な小物よ」

 

ヒムリーの死を悲しむどころか罵倒しているイッキとザンパ。

 

「寧ろコレで足を引っ張る()()()が居なくなったワケだ」

 

「ああ、寧ろ清々したものだ」

 

プリマとギョールも同じ様子だ。

 

「その通り。奴が居なくなった事で事は進め易くなったよ………ねえ、ティキ」

 

「うん! そうだね、アダムーッ!」

 

マッドギャランの目の前で、ティキが踊る様に回りながらそう言う。

 

「それで()()()は分かったのかい? ティキ」

 

「ええ、勿論! 私達が神様に喧嘩を売るのに具合が良さそうな所は………正に()()()()だよっ!!」

 

「そうか………やはりね」

 

意味深なティキの言葉に、マッドギャランは納得した様子を見せる。

 

「となると、やはりS.O.N.G.の連中が邪魔となりますな………」

 

「大丈夫! アダムの敵は、ティキがみーんな殺しちゃうからっ!!」

 

ザンパの言葉を遮る様に、ティキが無邪気にそう言い放つ。

 

「頼もしいよ、ティキ………」

 

全然気持ちが籠って無い様子でティキにそう返すと、マッドギャランは相変わらず力無く玉座に腰掛けているサタンゴースの姿を見上げる。

 

(間も無くです、父上………『神の力』さえ手に入れば、父上は完全に蘇る事が出来ます! そして再び、この銀河に巨獣帝国の夢を!!)

 

内心でそう考え、拳をグッと握り締めるマッドギャランだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

デカマスターとRN式回天特機装束を装備した弦十郎と言う最強の存在を相手に敵う筈も無く、ヒムリーもオメガもアッサリと撃破です。
そして了子の体調不良と行動の理由も判明………
何と、弦十郎、パパになります!
2人を結婚させた時からこの展開は考えてました。
丁度全ての戦いが終わった頃に生まれるって感じにする積りです。

しかし………
そんなめでたい話とは裏腹に、遂にマッドギャラン達は『神の力』に手を出します。
いよいよパヴァリア光明結社の逆襲が始まるのでしょうか?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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