戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
高次元エネルギー『神の力』を狙い、氷川神社群でレイラインを利用し、戦闘員達を生贄に捧げる儀式を決行したパヴァリア光明結社。
それを阻止すべく駆け付けた、宇宙刑事達と装者達との戦闘が開始された。
氷川神社群………
「トウゥッ!」
「ヌウウウウッ!!」
ブレーザーソードと剣で鍔迫り合いを展開するジャスピオンとマッドギャラン。
「ジャスピオンッ! あの時の屈辱! 此処で返させてもらうぞっ!!」
「ヘッ! 何も出来ずにボコボコにされたってのに、懲りねえなっ!!」
「黙れっ!!」
ジャスピオンの言葉に、マッドギャランは気合の声と共に、ブレーザーソードを払い除ける。
「ウロロロロラアアアアッ!!」
「!? ガハッ!?」
だが、ジャスピオンは払い除けられた勢いを利用して、後方宙返りをしながら、マッドギャランの顎を蹴り上げた!
「オノレェッ!!」
「おっとっ!!」
左手をジャスピオンに向けたかと思うと、稲妻状の怪光線を放つマッドギャランだったが、ジャスピオンは転がって躱し、カウンター気味にビームスキャナーガンを発砲。
「グアアッ!?」
胸部に命中し、火花を散らしながら後退るマッドギャラン。
「ハアアッ!!」
その隙を見せたマッドギャランに向かって、ジャスピオンは突撃する。
しかしそこで、突如上空からロケット弾の雨がジャスピオン目掛けて降って来る!
「!? ウワッ!?」
直撃は受けなかったが、爆風で舞い上げられ、地面に叩き付けられた後に転がるジャスピオン。
「!?」
何だと!?と思いながら空を見上げると、まるで昆虫の様なシルエットの高速戦闘宇宙艇………『ジャルド・ブーマ』の姿が目に入る。
「ツウアアッ!!」
そのジャルド・ブーマに向かって大跳躍し、乗り込むマッドギャラン。
「!!」
身構えるジャスピオンに向かって、ジャルド・ブーマからビーム砲『ジャルドビーム』が放たれる。
「フウッ!!」
周囲で次々に火柱が上がる中で回避運動を執るジャスピオン。
「アイアンウルフッ!!」
そこでジャスピオンがポーズを決めながら空に向かって叫ぶと、高高度上空に待機しているダイレオンから、バイク型のマシン………『超惑星マシーン アイアンウルフ』が発進!
「フウッ!!」
着地して無人で走行して来たアイアンウルフにジャスピオンが飛び乗ったかと思うと、アイアンウルフ後部の可変サークルウイングが正円形に変形し、ハイパーコズモブースターで飛行を開始。
「小癪なっ!!」
ジャルド・ブーマに乗るマッドギャランはそう言いながら、空かさずアイアンウルフの背後を執る。
アイアンウルフが低空飛行に入ると、再度ジャルドビームを放つ。
周囲で火柱が上がる中を、アイアンウルフが突き抜ける様に飛翔。
再度高度を上げたかと思うと、谷間を縫う様に飛び、ジャルド・ブーマもそれに続く。
続け様に、岩山の側面を縫う様に旋回すると、ジャルド・ブーマが追う。
しかし、旋回を終えたかと思うと、アイアンウルフの姿が無かった。
「!? 何処にっ!?………」
慌てて探すマッドギャランだったが、既にアイアンウルフは逆にジャルド・ブーマの背後を執っていた!
「!!」
そのままビーム砲『アイフルビーム』を放つジャスピオン。
「!? ウオオッ!?」
直撃を受けたジャルド・ブーマはコントロールを失い、そのまま岩山の山肌に激突!!
「ウワアアアアアアッ!?」
コックピットから放り出されたマッドギャランが、若干情けない悲鳴を挙げながら地面に叩き付けられる。
「そらっ!!」
そのマッドギャランに向かって、アイアンウルフから再度アイフルビームを見舞うジャスピオン。
「!? ウオオッ!?」
「フウッ!!」
マッドギャランが爆風に吹き飛ばされてて地面を転がっている間に、ジャスピオンはアイアンウルフから飛び降り、再度ブレーザーソードを構えてマッドギャランと対峙する。
「グウウ………」
「如何した、マッドギャラン? 俺に仕返しするんじゃなかったのか?」
アーマーの彼方此方から白い煙を上げて苦しんでいる様子を見せているマッドギャランを、ジャスピオンはそう貶す様に言う。
「ク、クソォ………」
と、マッドギャランが悔し気な声を漏らした瞬間………
突如として、戦闘員達を生贄に捧げていた魔法陣から光が失われ始める。
「!? ど、如何した!? 何事だっ!?」
その光景にマッドギャランが動揺している中………
ノーチラス号・発令所にて………
「間に合ったか………」
その様子をメインモニターで見ていた弦十郎がそう呟く。
『ああ、急な要請にも関わらず、各所とも良く動いてくれた………』
そこで、サブモニターに映し出されていた八紘もそう言う。
魔法少女事変・フーマ戦乱の際、星に巡らされたエネルギーパイプラインであるレイラインが使われた事により、今後も悪用を防ぐ為に、要石を使ったレイライン遮断の手段が構築されていたのだ。
正に今回、パヴァリア光明結社がレイラインを悪用しようとした為、弦十郎は急ぎ八紘に連絡を取り、レイライン遮断の為の要石投入を急ピッチで行ったのだ。
「コレで儀式は失敗ですね!」
「神の力らしきものは顕著していません!」
朔也とあおいからも何処か明るい声での報告が挙がる。
了子やエルフナインも笑顔を見せている。
(………嫌な予感がするな)
しかし只1人………
ベン所長だけは、得体の知れない嫌な予感を感じていたのだった………
氷川神社群………
「儀式がっ!? 神の力がっ!?………」
「ハハハハハハッ! 良い気味だぜ! 今どんな気持ちだよ、マッドギャラン!!」
完全に狼狽しているマッドギャランに向かって、最早どちらが悪役なのか分からない台詞を吐くジャスピオン。
見れば、四天王と交戦している宇宙刑事達と装者達も、今回は四天王の強さを思い知った装者達が、初めからイグナイトを発動させ、全力でブチ当たった事で、若干押され気味となっていた。
戦況は完全に宇宙刑事達と装者達の優勢かと思われていたが………
突然、魔法陣が再度光を放ち始めた!!
「!?」
「えっ!?」
「何だとっ!?」
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
その光景にマッドギャランとジャスピオン、宇宙刑事達と装者達、四天王の全員が驚きを露わにする。
如何やらパヴァリア光明結社としてもイレギュラーな事態が起こった様だ。
『如何なっている!?』
『な、
『
『わ、分かりませんっ!!』
通信回線にそう言う弦十郎と朔也の声が響き渡る。
「やれやれ………サタンゴースを完全に復活させたら面倒な事になるが、この際止むを得ないね。パヴァリアの連中にはもう少し頑張って貰わないと………」
異空間内からその儀式とレイラインへと干渉している者………暗黒銀河女王が愚痴の様にそう言い放つ。
その強大な魔力で、無理矢理に儀式を成功へと持って行ったのだ!
それは最早、神の力すら超える圧倒的なパワーだった………
暗黒銀河女王の干渉により、無理矢理成功させられた儀式により、魔法陣から成層圏を突き抜けるまでの光の柱が立ち上る。
「フンッ!」
そこで、暗黒銀河女王が手にしている杖を掲げたかと思うと………
その光の柱が立ち上る魔法陣の中に、玉座に力無く腰掛けているサタンゴースが現れた!
「! サタンゴースッ!?」
「父上っ!!」
ジャスピオンとマッドギャランが声を挙げた瞬間………
オオオオオオォォォォォォッ!
サタンゴースの目に光が灯り、咆哮を挙げながら玉座から立ち上がった!
「サタンゴースがっ!?」
「おおっ! 遂にサタンゴース様が完全復活なされた!!」
驚きの声を挙げるギャバンとは対照的に、ザンパが歓喜の声を挙げる。
『………余はサタンゴース。全銀河の支配者である』
「全銀河の支配者とは………」
「大きく出たもんだぜ………」
サタンゴースの宣言に、翼と奏がそう言い返すが、サタンゴースから発せられるプレッシャーを前に、知らず知らずの内にアームドギアを握り締めていた。
『その手始めとして、この地球を我が帝国………巨獣帝国とする』
「そうはさせるかよ! 俺がまた地獄に送ってやるぜ、サタンゴースッ!!」
更にそう言葉を続けてサタンゴースに、ジャスピオンが敢然とそう言い返す。
『ジャスピオン………忌々しい愚か者めが………マッドギャラン!』
「ハッ! 父上っ!!」
ジャスピオンに向かって忌々し気にそう言い放つと、サタンゴースはマッドギャランに呼び掛けた。
『!!』
そしてマッドギャランに向かって、目からの赤い怪光線を浴びせた!
「!? ヌオオオオオオッ!!」
その光線を浴びたマッドギャランから悲鳴の様な声が挙がる。
「!? 何をっ!?」
「まさか!? 自分の息子をっ!?」
サタンゴースの行動に、シャリバンが驚き、マリアが自分の息子を手に掛けたのかと思ったが………
「! オオオオオオォォォォォォッ!!」
マッドギャランのアーマーに黄色いラインが現ると形状が一部変化し、剣の刃がN字に似た特殊な形状へと変わった。
「!? 変わったっ!?」
「フフフフ………」
シャイダーが驚きの声を挙げると、姿と剣が変わったマッドギャランが不敵な笑いを零す。
(! このプレッシャーは!?………)
「ヘッ! 大して変わって無いじゃないか! すぐに片付けてやる!!」
そのマッドギャランから得体の知れない威圧感を感じ取ってギャバン戦慄がを覚えるが、ジャスピオンは気付かず、マッドギャランに飛び掛かる。
「! 待て、ターザンッ!!」
「ウロロロロラアアアアッ!!」
慌てて止めるギャバンだが、ジャスピオンはマッドギャランの顔面に跳び蹴りを叩き込んだ。
しかし………
「フフフフ………」
真面に喰らったにも関わらず、マッドギャランは微動だにせず、変わらず不敵な笑いを零していた。
「!?」
驚きながら飛び退き、地面に着地するジャスピオン。
「クッ!!」
そこで今度は、ビームスキャナーガンから連射でビームを放つ。
「フフフフ………」
だが、マッドギャランは開いた左の掌で難なく防いでしまう。
「!? そんな馬鹿なっ!?」
「如何した、ジャスピオン? さっきまでの威勢の良さは何処へ行った?」
驚愕するジャスピオンに向かって、マッドギャランは余裕たっぷりに挑発する。
「! この野郎っ!!」
忽ち激高したジャスピオンは、ブレーザーソードに光子エネルギーをチャージし、プラズマブレーザーソードと化すと、怒りのままマッドギャランに突撃する。
「コズミックハーレーッ!!」
そして、必殺のコズミックハーレーを繰り出したが………
「フッ!」
何とマッドギャランは、コズミックハーレーを繰り出して来たプラズマブレーザーソードを、左手だけで刃を掴み、受け止めてしまった!
「!? コズミックハーレーがっ!?」
「つまらん………神の力を得たこの俺に、最早敵は居ないっ!!」
愕然となったジャスピオンに向かって、剣を振るうマッドギャラン!
「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
メタルテックスーツから激しく火花を散らし、ブッ飛ばされるジャスピオン。
「マッド・ギャラクティックッ!!」
そのジャスピオンに向かって、マッドギャランは剣の刃を下向きにして刀身を撫でると、黄金色のエネルギー………神の力を注入し、刀身を輝かせる。
そして、その状態で大きく振り回してから袈裟懸けに振り下ろしたかと思うと、巨大な斬撃波………『マッド・ギャラクティック』が放たれた!!
「!?」
迫る巨大な斬撃波の恐怖を覚え、動けないジャスピオン。
「危ないっ!!」
するとそこで!!
ギャバンがジャスピオンを庇い、彼を突き飛ばした!
「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
「轟兄ぃっ!!」
「轟お兄ちゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーんっ!!」
代わりにマッド・ギャラクティックの直撃を受けたギャバンの絶叫が木霊し、響と未来が悲鳴を挙げる。
「グハッ!!………」
コンバットスーツが強制解除され、身体に袈裟懸けの大きな傷を受けている轟が吐血と共に膝から崩れ、バタリと倒れて動かなくなる………
「! 轟っ!!」
「轟さんっ!!」
「「「「「「「!!」」」」」」」
それを見たシャリバンとシャイダー、他の装者達も驚愕し、一斉に四天王達との戦いを中断し、轟の元へ駆け寄る。
「轟兄ぃっ!! 轟兄ぃっ!! しっかりしてっ!!」
「轟お兄ちゃんっ! 死んじゃ駄目ぇっ!!」
「…………」
響と未来が涙ながらに助け起こしながら必死に呼び掛けるが、轟はグッタリとしたまま何の反応も返さない………
「あ、あああ………俺の………俺の所為で………」
その光景にジャスピオンも狼狽し、メタルテックスーツが解除されると、ターザンが両手で頭を抱えて蹲る。
「ターザンくん………」
「フハハハハハハハッ! 良い様だなっ!!」
セレナが沈痛な面持ちを見せる中、マッドギャランが勝ち誇り、高らかに笑い声を挙げる。
「!!」
「良くもっ!!」
そこで響と未来が怒りのまま立ち上がり、マッドギャランに向かって構えを執ったが………
その瞬間に、装者達のイグナイトが解除されてしまう。
「!? デス!?」
「しまったっ!? 時間切れ!?………」
イグナイトの限界時間が来てしまった事に切歌と調が思わず声を挙げる。
「形勢逆転だな………」
「覚悟して貰おうか!」
「クッ!」
「させませんっ!」
その光景を見たイッキとギョールがそう言い放つと、シャリバンとシャイダーが装者達と轟達を庇う様に前に出る。
「待て………」
「!? マッドギャラン様!? 何故ですっ!?」
しかし、他ならぬマッドギャランから制止が掛かり、プリマが驚く。
「最早こんな奴等など敵では無い………
それに対し、既に装者達や宇宙刑事達を敵とすら思っていないマッドギャランがそう言い放つ。
「キャーッ! アダム素敵ーっ!! やっぱり私のアダムだよーっ!!」
そんなマッドギャランの姿に、ティキが黄色い悲鳴を挙げる。
「…………」
しかし、何やらマッドギャランは冷ややかな様子を見せる。
「? 如何したのアダムー! アダムの為なら、アタシは何でも………」
「………神の力が手に入った今、
ティキが言いかけた瞬間、マッドギャランの冷たい声が響き渡る。
「えっ?………アダム、何言って………」
「父上っ!!」
オオオオオオォォォォォォッ!
困惑を見せたティキに、サタンゴースが目からの赤い怪光線を浴びせた!!
「!? アアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!? アダムーッ!?」
怪光線を浴びたティキが悲鳴を挙げていると………
その身体が風船の様に膨れあがり、更に粘土の様に形を変え始める!!
グルギャオアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!
そして元のオートスコアラーの姿とは似ても似つかない醜い姿の巨獣………『巨獣ティキ』へと変貌した!!
「ティキ、
グルギャオアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!
巨獣ティキに向かってそう言い放つマッドギャランだが、既に知性に理性、そして自我さえも残って居ない巨獣ティキは只々咆哮を挙げる。
「ハハハハハハッ! それで良い! それで良いぞ、ティキッ!!」
だが、その様子にマッドギャランは満足そうに笑い、煙の様に姿を消すと、四天王達とサタンゴースも姿を消した。
グルギャオアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!
そして残された巨獣ティキが、装者達と宇宙刑事達に迫って来る。
「アイツ!!」
「オートスコアラーとは言え、自分を慕っていた者を………」
「外道め………」
曲がりなりにも自身に愛情を向けていた存在を容赦無く切り捨てたどころか、巨獣へと変貌させたマッドギャランのやり口に、クリス・翼・奏が嫌悪感を露わにする。
グルギャオアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!
「ターザンくんっ! ダイレオンをっ!!」
「俺の所為だ………俺の………」
そんな装者達と宇宙刑事達に巨獣ティキが迫り、セレナがターザンにダイレオンを呼ぶ様に言うが、打ちひしがれているターザンは只々ブツブツと呟いている。
イグナイトも切れ、絶体絶命かと思われたが………
ウオオオオオオォォォォォォォッ!!
そこへ戦闘飛行形態のワンセブンが飛来!
「ワンセブンッ!」
「また来てくれたデース!」
調と切歌が歓声を挙げる中、装者達と宇宙刑事達を守る様に、ワンセブンは巨獣ティキと対峙するのだった。
つづく
新話、投稿させて頂きました。
神の力を狙っていたパヴァリア光明結社を阻止したかに思えたが………
暗黒銀河女王の介入により、遂に神の力を浴びたサタンゴースが復活。
更に、マッドギャランもパワーアップ。
それまで圧倒されていたジャスピオンをアッサリと倒すまでに。
トドメを刺されそうになったところをギャバンが庇い、代わりに大怪我を!?
最早装者達や宇宙刑事を敵と思わずも、用済みと判断したティキを巨獣に変えて嗾ける。
ワンセブンが駆け付けたが、果たして神の力を持つ巨獣ティキに通用するのか?
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。