戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第11話『雪音 クリス その心』

公園敷地内………

 

「ひ、響………その恰好は?………それにさっき………」

 

自分に降り注ごうとした車を蹴り飛ばした響の姿を思い出しながら問い質す未来。

 

「…………」

 

だが響は答えられない………

 

「オイッ!」

 

とそこへ、クリスが響の前に降りて来た。

 

「!?」

 

「!」

 

空から現れたクリスに驚く未来と構えを取る響。

 

「未来は………この子は関係無い! 巻き込まないで!!」

 

このまま戦っては未来を巻き込んでしまうと思った響は、クリスに向かってそう懇願する。

 

「フン、元よりその積りだ。そんな姑息な真似はしねえ」

 

「!」

 

クリスからの返答に、響は軽く驚く。

 

「(この子、やっぱり悪い子じゃない。如何してマクー何かに………)未来! 逃げてっ!!」

 

クリスの人の良さを感じながらも、響がすぐに未来にそう言う。

 

「響!………」

 

しかし、未来が何かを言おうとした瞬間………

 

「ギギッ!」

 

「ギーッ!!」

 

突如クラッシャー達が現れ、響と未来を取り囲んだ!

 

「!? クラッシャーッ!?」

 

「!? この人達!?」

 

驚く響と、以前に出くわした事を思い出して震える未来。

 

「なっ!?」

 

「ちょっと! 話が違うよ!!」

 

「ち、違う! アタシが呼んだんじゃない! オイ! お前等は出て来るなって言っただろ!! 引っ込んでろ!!」

 

驚いていたクリスに、響が抗議の声を浴びせると、クラッシャー達に引っ込めと言う。

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

するとそこで、咆哮と共にダブルモンスター『サーベルダブラー』が現れる!

 

「! ダブルモンスター!!」

 

「立花 響! その小娘を巻き込みたくなければ大人しくマクーに従えっ!!」

 

サーベルダブラーがそう言うと、クラッシャー達が一斉にナイフを構える。

 

「ヒッ!?」

 

「! 未来っ! 止めて! 未来を巻き込まないで!!」

 

「ならば大人しくするんだな!」

 

「クウッ!………」

 

忽ち動けなくなる響。

 

「オイ! 何やってんだ! ソイツは関係ねえだろ! 今回はアタシがやるって………」

 

「何を甘い事を! そもそもそんな話など聞いていない!」

 

「!? なっ!?」

 

クリスがサーベルダブラーに抗議するが、返って来た答えに絶句する。

 

(フィーネ! 何でだよ!!)

 

約束を守らなかったフィーネを心の中で非難する。

 

「さて………このまま連れて行くのは簡単だが、それでは面白くない。俺のこの爪で甚振ってから連れて行くとしよう」

 

とそこで、サーベルダブラーがそう言い、左の二の腕から生えている鋭い爪を光らせながら、ジリジリと響に迫る。

 

「!!」

 

「響! 止めてーっ!!」

 

恐怖で顔が引き攣る響と悲鳴の様な声を挙げる未来。

 

「フハハハハハハハッ!」

 

そんな響の顔を見て、サーベルダブラーは心底愉快そうに笑い声を挙げ、左腕を振り被った!!

 

その瞬間!!

 

「! 止めろーっ!!」

 

 

 

NIRVANA GEDON

 

 

 

クリスが叫びながら、鎧の肩部のムチ状突起からエネルギー球を生成し、サーベルダブラーの背に向かって放った!

 

「! グアアアッ!?」

 

サーベルダブラーの背中が爆発してよろけたが、踏み止まる。

 

「!? えっ!?」

 

「!?」

 

「き、貴様! 何の積りだっ!!」

 

その光景に響と未来が驚き、サーベルダブラーもクリスに向き直る。

 

「ウルセェッ! お前等みたいなのを見てると虫唾が走るんだよ!!」

 

サーベルダブラーを睨み付けながらそう言い放つクリス。

 

「オノレェッ! 貴様から始末してくれるわぁっ!!」

 

するとサーベルダブラーは、標的をクリスに替え、襲い掛かった!

 

「ちょっせいっ!!」

 

クリスはサーベルダブラーを迎え撃ち、そのままその場から離れて行った!

 

「ギギッ!?」

 

「ギーッ!?」

 

サーベルダブラーが離れて行ってしまった為、クラッシャー達が一瞬戸惑った様な様子を見せたが………

 

「ギーッ!!」

 

「ギギッ!!」

 

すぐさま再度響と未来に向き直り、未来の方を狙おうとする。

 

「! やらせないっ!!」

 

構えを取り直す響だが、クラッシャーの数は多く、未来を守って戦うのは余りに不利だった。

 

だが、そこで………

 

「! アレは響ちゃんか! それに………!? 未来ちゃん!?」

 

公園へ到着した轟が、木々の隙間越しに響と未来の姿を認め、驚きを示す。

 

「知られてしまったのか!? 兎に角、今は………蒸着っ!!

 

響の事を未来が知ってしまったのかと思いながらも、すぐに蒸着し、光の玉となって宙に舞うと、響達の元へと降り立った!

 

「! あ、貴方は!?」

 

「ギャバンさん!!」

 

「宇宙刑事! ギャバンッ!!」

 

驚く未来と声を挙げる響を背に、ギャバンは高らかに名乗りを挙げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!

 

では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

「蒸着っ!!」

 

轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。

 

『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』

 

そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!

 

その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か0.05秒!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「響ちゃん! この子は俺に任せろっ!!」

 

「キャッ!?」

 

そう言うが否や、未来をお姫様抱っこで抱え上げるギャバン。

 

「お願いします!」

 

「ああ!」

 

響に頷き返すと、ギャバンは未来を抱き抱えたまま再度光の玉となり、その場から離脱する。

 

「ギーッ!!」

 

「ギギッ!!」

 

それを追おうとするクラッシャー達だったが………

 

「お前達の相手は私だ!!」

 

その前に響が立ちはだかるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園から少し離れた場所に在る高台………

 

光の玉となっていたギャバンがそこへ降り立つと、未来を降ろす。

 

「すぐに此処から離れるんだ」

 

そう言うと、響達に加勢しに行こうとしたが………

 

「待って下さい! 貴方は響の事を知ってるんですか! なら教えて下さい! 響のアレは一体!?」

 

未来はその腕を掴んで止め、響の事を問い質して来る。

 

「………今話している時間は無い。俺が加勢に行かなければ彼女が死ぬかも知れないぞ」

 

「! 響が………死ぬ!?」

 

その言葉にショックを受け、未来はギャバンの腕を離してよろけて数歩後退った。

 

とそこへ、1台の黒塗りの車が横付けする様に現れる。

 

「ギャバンさん! その子は僕が保護します!」

 

運転席のドアが開くと、慎次が姿を現す。

 

「緒川 慎次………だったな。頼むぞ………チュウッ!!」

 

慎次からの言葉を聞いたギャバンは、高台から飛び降り、再び響達の元へ向かった。

 

「さ、こちらへ………諸々の説明は致しますので」

 

「響………」

 

慎次によって車に連れられながら、未来は爆煙が上がる公園から目を離さなかったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園内………

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

「何だ、こんな物!!」

 

クリスが放った鞭を、サーベルダブラーは左腕の爪を振るってバラバラにする。

 

「なら、コイツは如何だぁっ!!」

 

 

 

NIRVANA GEDON

 

 

 

先程喰らわせたエネルギー球を再度放つクリス。

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

しかし、サーベルダブラーはその見た目通り、獣の様な咆哮を挙げると、エネルギー球を両手で受け止める!

 

「!? 何ぃっ!?」

 

「そら返すぞっ!!」

 

そして驚くクリス目掛けて投げ返した!!

 

「!? ぐああああああっ!?」

 

自ら放った攻撃を喰らってしまい、爆発と共に吹き飛ばされるクリス。

 

「グウッ!………クッソォ………」

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

ヨロヨロと起き上がるクリスに、サーベルダブラーが襲い掛かる!

 

左腕の爪が振られる度に、ネフシュタンの鎧が切り裂かれ、破片が辺りに飛び散る。

 

(! 嘘だろっ!? 完全聖遺物のネフシュタンの鎧がっ!?)

 

完全聖遺物である筈のネフシュタンの鎧が、まるで紙の様に壊されて行き、クリスが戦慄する。

 

「フハハハハハハハッ! 完全聖遺物と言えど、使っているのが小娘では所詮この程度か!!」

 

そんなクリスを嘲笑うサーベルダブラー。

 

「! このぉっ!!」

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

何とか反撃に転じようとしたクリスだったが、それよりも早く、サーベルダブラーの右手により首を掴まれ、持ち上げられた!

 

「ガッ! ハッ!………」

 

「聞いているぞ、小娘。貴様、力で争いを無くそうとしているそうだな。笑わせるな! そんなちっぽけな力で無くせる争いなど有るものか! 貴様は何も出来ん!!」

 

クリスの首を締め上げながら、サーベルダブラーは更に嘲笑う。

 

(………ク………ソ………意識………が………)

 

脳への血流が阻害され、クリスの意識が遠のいて行く。

 

「トドメを刺してやる。その鎧は回収して有効に使ってやるから安心しろ」

 

トドメを刺そうと左腕の爪を振り被るサーベルダブラー。

 

(…………)

 

意識が落ちかけているクリスの目から、一筋の涙が流れる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

気合の雄叫びと共にクラッシャー達を片付けて現れた響が、サーベルダブラーの横っ面に拳を叩き込んだ!!

 

「?! グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」

 

「カハッ!?」

 

サーベルダブラーがブッ飛ばされ、クリスが解放される。

 

「ゲホッ! ゲホッ!」

 

「大丈夫!? しっかりして!!」

 

尻餅を着いて咳き込むクリスの傍に、響が心配そうにしゃがみ込む。

 

「お、お前………何で助けたんだよ! お前なんかに助けて貰う筋合いは………」

 

「お前じゃない!」

 

「!?」

 

余計な事を言おうとしたクリスの言葉を遮り、響が叫ぶ!

 

「私は立花 響、15歳! 誕生日は9月の13日で、血液型はO型! 身長は、此間の測定では157センチ! 体重は………もう少し仲良くなったら教えてあげる! 趣味は人助けで、好きなものはごはん&ごはん!」

 

そして、突如として大声で自己紹介を始めた。

 

「後、彼氏居ない歴は年齢と同じ! けど、ずっと好きな人が居ます! ちょっと年上の幼馴染で、強くて優しくて、私や未来が困ってると何時でも何処でも必ず現れてくれるお兄ちゃんみたいな………」

 

「いきなり何をとち狂ってやがるんだ、お前は!? って言うか、後半なげぇよ! 惚気かっ!?」

 

若干暴走気味になったところでクリスがツッコミを入れて遮る。

 

「私達はノイズとは違って言葉が通じ合うんだから、ちゃんと話し合いたいって思って………」

 

「この期に及んでっ!」

 

「なら何でさっき助けてくれたの!?」

 

「!? そ、それは………」

 

怒りのままサーベルダブラーを攻撃してしまい、結果的に響達を助ける事になった為、クリスは口を噤む。

 

「君、本当はマクーじゃないんだよね。何か事情があって今まで従ってだけなんだよね?」

 

「ア、アタシは………」

 

響の問いに、クリスが何か言おうとしたところ………

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!! オノレェッ! 立花 響ぃっ!!」

 

ブッ飛ばされていたサーベルダブラーが、怒りの咆哮と共に立ち上がった!

 

「!!」

 

それを聞いた響は、すぐに立ち上がって、クリスを守る様にサーベルダブラーに向かって構える。

 

「ギーッ!!」

 

「ギギッ!!」

 

とそこで、追加のクラッシャー達が多数現れる。

 

「! クラッシャーがまだこんなに!?」

 

「フッフッフッ、先程と同じ状況になったな。それとも敵である小娘は見捨てるか? 立花 響」

 

驚く響に向かってサーベルダブラーがそう言い放つ。

 

クリスが纏っているネフシュタンの鎧はボロボロになっており、徐々に再生して行ってはいるが、完全に修復されるには時間が掛かりそうだった。

 

それで今のクリスは戦えない状態だと判断し、響の人の良さに漬け込み、今度は彼女を人質代わりにする算段だ。

 

「クウッ!………」

 

響が苦しそうな声を漏らした時………

 

「………オイ、アタシが合図したら伏せろ」

 

「えっ?」

 

突如クリスが小声でそう言って来て響は軽く驚く。

 

「何をゴチャゴチャと言っている!」

 

気が短いのか、サーベルダブラーがそう言いながらにじり寄り、クラッシャー達も包囲網を狭める。

 

「! 今だっ!!」

 

「!!」

 

とそこでクリスが叫び、響は地面へと伏せる。

 

「ブッ飛べっ! アーマーパージだぁっ!!」

 

クリスがそう叫ぶと、その身体から光が放ち、ネフシュタンの鎧がバラバラとなって弾け、散弾の様に辺りへ飛び散った!!

 

「ギーッ!?」

 

「ギギッ!?」

 

「ぬおおおっ!? 何ぃっ!?」

 

破片を浴びたクラッシャー達は全滅するが、サーベルダブラーはその身に多数の破片を喰らいながらも踏み止まる。

 

 

 

Killiter Ichaival tron

 

 

 

その直後、歌が聞こえてきた。

 

「! この歌って!?」

 

響が驚きながら立ち上がり、背後のクリスを振り返る。

 

それはシンフォギアの起動に必要な聖詠だった。

 

「見せてやる。『イチイバル』の力だ!」

 

クリスのそう言う台詞と共に、彼女を覆っていた球体状のエネルギーが弾け、先程のアーマーパージで発生した土煙を吹き飛ばしながら、赤いシンフォギア………『イチイバル』を纏ったクリスの姿が露わになった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院の地下・特異災害二課本部の指令室………

 

「イチイバルだと!?」

 

モニターに表示されている『Ichii-Bal』の文字を見ながら、弦十郎が驚愕の声を挙げる。

 

「アウフヴァッヘン波形、検知!」

 

「過去のデータとも照合完了! コード・イチイバルです!」

 

朔也とあおいからもそう報告が挙がる。

 

「失われた第2号聖遺物までもが渡っていたと言うのか………クッ! こんな時に了子くんは何処へ行ったんだ!?」

 

弦十郎がそう呟き、この場に居ない了子に愚痴るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園………

 

「私達と同じ………」

 

「………クリスだ

 

「えっ?」

 

雪音 クリス………それがアタシの名前だ」

 

驚いていた響に、クリスは初めて名を名乗る。

 

「クリス、ちゃん………」

 

「か、勘違いすんなよ! 借りを返しただけだからな!!」

 

嬉しそうな顔をする響に向かって、クリスは頬を赤く染めながら言い放つ。

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!! 小娘共めがぁっ!!」

 

そんな2人の様子に、忌々し気に咆哮を挙げるサーベルダブラー。

 

と、そこへ!!

 

「フフフフ、苦戦している様だな」

 

そう言う台詞と共に、新たなダブルモンスター………『シャモダブラー』が姿を現した!!

 

「!?」

 

「ダブルモンスターがもう1体!?」

 

新たなダブルモンスターの出現に、クリスと響は驚く。

 

「貴様! 何の積りだ!?」

 

「ドン・ホラー様からの命令だ。貴様に加勢しろとな」

 

「グウッ!………」

 

余計な事をと言いたいサーベルダブラーだが、首領であるドン・ホラーの命令とあっては聞き入れないワケには行かなかった。

 

「ええいっ! このまま俺が始末を付ければ良い事よぉっ!!」

 

とそこで、サーベルダブラーは勝負を急ぎ、腰に下げた手投げ弾を次々と投擲!!

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

更に左腕の爪を地面に叩き付けたかと思うと、地走り火炎が放たれる!!

 

「「!!」」

 

不意を衝かれた響とクリスの姿が爆炎に包まれる!

 

「フハハハハハハハッ! やったぞぉっ!!」

 

勝利を確信し高笑いを挙げるサーベルダブラー。

 

「! いや、待てっ!!」

 

しかし、何かに気付いたシャモダブラーが声を挙げる。

 

徐々に爆煙が治まって来ると、そこには………

 

バリヤーを展開しているギャバンと、巨大な壁の様な物が存在した。

 

「!? 盾だと!?」

 

「剣だ!」

 

「「!!」」

 

上から振って来た声に、サーベルダブラーとシャモダブラーが見上げるとそこには………

 

地面に突き刺さっている巨大な剣の柄の上に仁王立ちしている翼の姿が在った。

 

「! 翼さん! ギャバンさん!」

 

「アイツ等………」

 

響とクリスがそう声を挙げると、ギャバンはバリヤーを解き、翼は巨大な剣を消して地面に降り立ち、通常サイズの剣を抜く。

 

「宇宙刑事ギャバン………貴方にも色々と迷惑を掛けた」

 

「さて、何の事だ? そんな覚えなんかないぜ」

 

ギャバンに対して一言詫びる翼だったが、ギャバンは謝られる謂れは無いと返す。

 

「感謝する………立花!」

 

「! ハ、ハイ!」

 

「そっちの奴の事は取り合えず後回しだ。今はマクーを叩く! 手を貸してくれ!」

 

「! 勿論です!!」

 

翼にそう言われ、響は若干嬉しそうにしながらその隣に並び立つ。

 

「チッ! 言っとくが、慣れ合うワケじゃねえぞ! アタシはアタシでコイツ等と戦う理由が有るだけだ!」

 

更に、クリスもそう悪態を吐きながらも、その一団に加わるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィーネの拠点………

 

「魔空空間に引き摺り込め!」

 

そこで、大型モニターでギャバン達の様子を見ていたアシュラーダがそう命じる。

 

「ギーッ!!」

 

傍に控えていたクラッシャー達が地軸転換装置を操作する。

 

地球の地軸が操作され、公園内に魔空空間が形成され始めた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公園………

 

「! 気を付けろ! 魔空空間だ!!」

 

「「!!」」

 

「な、何だアリャ!?」

 

魔空空間が発生したのを確認したギャバンが声を挙げ、響と翼が身構え、初めて魔空空間を見たクリスが驚きの声を挙げる。

 

「グルアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

「ヒエアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

サーベルダブラーとシャモダブラーが吸い込まれて行き、魔空空間は更にギャバン達も吸い込もうとする。

 

「うわっ!?」

 

「サイバリアーンッ!!」

 

吸い込まれまいとしたクリスだったが、そこでギャバンがサイバリアンを呼ぶ!

 

「チュウッ!」

 

「たあっ!!」

 

「ハッ!!」

 

ギャバンが運転席に飛乗り、響がその後ろにタンデムし、翼も側車の部分に立ち乗りすると、魔空空間へと突入して行った!

 

「なっ!? マジかよ!?」

 

怪しげな空間に自ら飛び込んで行ったギャバン達に驚きを露わにするクリス。

 

「ああ、クソッ!!」

 

やがて自身も、ギアの背中の部分に超大型ミサイルを展開させたかと思うと、発射したそれに飛び乗り、魔空空間へと突入するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

二課お抱えの病院・屋上………

 

「翼の奴、大丈夫かねぇ………」

 

1人残されていた奏が呟く。

 

連絡を受けた際に、自分も飛び出して行こうとしたが、まだ怪我が治り切っていないので翼に止められ、こうして大人しく待っていた。

 

「付いて来たら泣き喚いてやるだなんて、何て脅しだよ………ま、今のアイツなら、響や多分ギャバンとも上手くやれるだろうけどね」

 

病院を飛び出して行く際、吹っ切れた顔をしていた翼の事を思い出しながらそう言う奏。

 

 

 

 

 

だが、そこへ!!

 

 

 

 

 

「ケェーッ! ケェーッ!」

 

奇声と共にカマキリを思わせる姿をしたダブルモンスター………『カマダブラー』が姿を現した!!

 

「!? マクーッ!?」

 

「ケェーッ! ケェーッ!」

 

驚く奏に、鎖鎌を手ににじり寄って来る。

 

「クッ!………! アウッ!」

 

シンフォギアを纏おうとギアペンダントに手を伸ばす奏だったが、傷が痛み、怯んでしまう。

 

「ケェーッ! ケェーッ!」

 

そんな奏の姿を嘲笑うかの様に、鎖鎌の分銅を振り回すカマダブラー。

 

「クウッ!………」

 

絶体絶命の奏。

 

 

 

 

 

その時!!

 

 

 

 

 

風切り音と共に飛んで来たカードが、カマダブラーが振り回していた分銅の鎖に命中!

 

「ケェーッ!? ケェーッ!?」

 

カマダブラーがブッ飛ばされ、弾かれたカードは地面に突き刺さる。

 

「! JPカード!!」

 

奏がそのカードがJPカードである事に気付いた瞬間………

 

光が放たれる!!

 

「ケェーッ!? ケェーッ!?」

 

カマダブラーが怯む中、逆光の中に黒い革のジャンパーと革のズボンを着用しているジャンパーソンの姿が現れる。

 

ジャンパーソンががジャンパーの前を勢い良く開けると、紫と銀色のメタリックなボディが露わになり、光を放つ。

 

そのまま勢い良くジャンパーとズボンを脱ぎ捨てるジャンパーソン。

 

そして顔に、フェイスガードを装着。

 

目や胸の電飾の様な部分が起動したかの様に光を放つ。

 

「Janperson, For Justice!」

 

そして高らかに決め台詞を叫ぶ。

 

「ジャンパーソン!」

 

「無事か、奏」

 

「ああ………また助けられちまったな」

 

「気にするな。コレが俺の使命だ」

 

「ケェーッ! ケェーッ!」

 

奏とジャンパーソンがそう言い合っていると、漸く落ち着きを取り戻したカマダブラーが奇声を挙げる。

 

「!………」

 

そのカマダブラーに向き直り、ジャンパーソンはジャンデジックを抜き、構えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

未来に秘密を知られてしまった響。
だがそんな事は御構い無しにクリスとマクーが襲い掛かって来る。

しかし、約束を破られたと思ったクリスが、サーベルダブラーを攻撃。
そのまま成り行きで共闘する事に。
遂に彼女のシンフォギアであるイチイバルもお披露目です。
騒ぎを聞き付けて翼も駆け付けましたが、原作と違い彼女は負傷してませんので十全で戦えます。

一方、代わりに怪我をしていた奏の元にもカマダブラーが出現。
まだ怪我が完治していない奏はピンチかと思いきや………
彼女のピンチにはジャンパーソンが登場です。

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