戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
???………
「アレ? 此処は?………」
未来は気が付くと、暗闇の中に居た。
自分の身体が薄らと光っている以外に光源は無く、完全な闇が全方位に広がっている。
「響? 轟お兄ちゃん?………」
不安になりながら、響や轟の名を呼ぶが、当然返事は返って来ない………
「………見つけたぞ」
とそこで、何者かの声が聞こえて来た………
「!? 誰っ!?」
未来がその声が聞こえて来た方向を向くと………
暗闇の中に、白く長い髪と爬虫類の様な目、そして人形の様に白い肌をした女性の姿が浮かび上がった。
「ヒッ!?」
「漸く見つけた………貴様こそが………我が依代………」
異形な女性の姿に、未来が一瞬恐怖を感じて短く悲鳴を漏らすと、女性が獲物を見つけた蛇の様ににじり寄って来る。
「イ、イヤッ!!」
思わず逃げ出そうとした未来だったが………
その瞬間に周囲から黒い布の様な物が無数に伸びて来て、未来の身体に纏わり付く様にして拘束して来た!
「!? キャアッ!?」
手足を軽く広げた状態で宙吊りにされる未来。
「遺憾である………我は人が仰ぎ見るこの星の神………」
とそこで、そう言っていた女性の身体が砂の様になり………
上半身と下半身が逆転したまるで砂時計の様な状態となった!!
「!?」
未来が驚愕した瞬間、女性は完全に砂へと変わり、未来に纏わり付いて来る!!
「イヤアアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
◇
ドルギラン内………
「………く………未来………未来ッ!!」
「未来ちゃんっ!!」
「!? ハッ!?」
響と轟の自身を呼ぶ声に気付き、目を覚ました未来がベッドから跳び起きる様に身を起こす。
来ているパジャマは、寝汗でぐっしょりと濡れていた………
「ハア………ハア………夢?」
「未来! 大丈夫っ!?」
「かなり魘されていたぞ」
荒い呼吸を整えながら、今が自分がドルギランの船内に居る事を確認した未来が呟くと、響が心配そうにその顔を覗き込んで来て、轟も先程までの様子を伝える。
「何か悪い夢でも見たのか?」
「う、うん、だけど………
轟の問いに肯定の意を返す未来だったが、肝心の悪夢の内容が綺麗サッパリ抜け落ちてしまっていた。
まるで
「そうか………悪い夢だったんなら、思い出さない方が良いかも知れんな」
「ありがとう、轟お兄ちゃん………」
「未来、汗でびっしょりだよ? 一緒にシャワー行こうよ」
気遣ってくれた轟にお礼を言う未来を、ナチュラルに一緒にシャワーへと誘う響。
「うん、そうだね………」
それを未来は当然の様に受け止め、濡れたパジャマが肌に張り付いて来ている不快感を消す為、着替えとタオルと手に取ると、響と共にシャワー室へと向かう。
「………あ、ねえ、轟お兄ちゃんも一緒に浴びない?///」
「うん、私も轟兄だったら………///」
と、シャワー室に入る直前で、轟の方をチラ見しながら、赤面しつつもそんな誘惑を掛ける未来と響。
「そう言うのはもっと大人になってからだって言っただろう。我慢しなさい」
轟はヒラヒラと手を振って流した。
「チェッ………ハ~イ」
「やっぱり駄目かぁ………」
響と未来は露骨に残念そうにしながら改めてシャワー室に入って行ったのだった………
◇
翌日………
ノーチラス艦内・某休憩スペースにて………
「って感じで………いけないのは分かってるけど、少しぐらいは反応してくれても良いのに~」
「真面目なのは轟お兄ちゃんの良いところだけど、あの反応はちょっと淡泊過ぎるよぉ」
「「如何思います?」」
「先ず、それを私達に聞かせてるのが如何なんだ?」
響と未来の愚痴に、奏が呆れた様子でそう返す。
「~~~~~っ!!」
初心な翼は只々真っ赤になって縮こまっている。
「…………」
そしてクリスは、死んだ魚の目となって只管にブラックコーヒーを口の中へと流し込んでいる。
甘さに耐え切れてない様に………
尚、切歌と調の年少組は、早々に教育に悪いとして、席を外さされていた。
「「…………」」
一方で、マリアとキャロルは何やら気まずそうに露骨に視線を外している。
まあ、つまりは
「まあまあ、2人供。そんなにガッカリする事ありませんよ。轟さんが御2人を愛してるのは本当です。だからこそ大切になされているだと思いますよ」
とそこで、セレナがフォローするかの様な台詞を言う。
「きっと時がくれば轟さんはちゃんと答えてくれますよ。それは御2人が1番良く分かってる筈ですよ」
「「セレナさん………」」
(((((ナイス、セレナッ!!)))))
素晴らしいフォローに、奏・翼・クリス・マリア・キャロルの面々は心の中でサムズアップを送った。
「ありがとうございます、セレナさん」
「参考になりました」
「お役に立てて何よりです………それよりも今は………」
「『暗黒銀河女王』か………」
とそこで、漸く真面目な話となり、キャロルが口を挟む。
先日の事件の後………
紆余曲折有ったとは言え、復讐の最大の理由を失ったサンジェルマンは、遂に弓美達の願いを聞き入れ、S.O.N.G.への協力を受け入れた。
そして、彼女からの情報に拠り、遂にマクー・マドー・フーマを復活させた全ての黒幕………
『暗黒銀河女王』の存在が、S.O.N.G.側に齎された。
サンジェルマン達も、その正体までは掴めていないが………
3大宇宙犯罪組織、マッドギャランやサタンゴースを復活させた張本人である事から、強大な力を持っている事は明らかであった。
………尚、サンジェルマン達はS.O.N.G.の保護下に置かれ………
現在は、サンジェルマンがリディアン音楽院の女子寮の管理人、カリオストロが同所清掃員として働き、プレラーティは学生として同学院に通っている。
『例のアレ』で様々な意味でメンタルに深刻なダメージを受けたサンジェルマンには、心の療養が居ると判断された。
そして、彼女にとってカリオストロとプレラーティ以外で心を開いている人物である弓美達の傍に居るのが良いだろうと言う判断で、弦十郎が色々と手を回してくれたのだ。
また、件の事で弓美達もパヴァリア光明結社から要注意人物と判断された可能性も有る為、その護衛も兼ねた配置でもあった。
長い年月を世俗的な普通の暮らしからは離れていたサンジェルマン達は、当初戸惑う事の連続であったが………
弓美達のフォローも有り、徐々に慣れて行った。
一応は穏やかな日々を過ごす事で、徐々にサンジェルマンの心境も変わって行った………
嘗て信念として抱えていた、バラルの呪詛を破壊し、人々に革命を起こすと言う思想も………
世界を変えるのは革命では無く、人間1人1人の優しさなのではないかと思える様になっていた。
カリオストロとプレラーティは、元々革命よりも恩人であるサンジェルマンの事が大切であり、頑固者であった彼女の変化を嬉しく思っている。
………只、タロウ汁に影響は根深いのか、気持ちが昂ったりするとドンモモタロウ化してしまう癖は治らず、それが起こると暫く落ち込むと言う事が度々起こってしまっていたが………
「強大な力を持っているのは確かだけど………」
「最終的な目的が何なのかが分からねえのが不気味だな………」
マリアと奏が険しい顔付きでそう言い合う。
ココまでその存在を、宇宙刑事達やS.O.N.G.に感知されずに居た暗黒銀河女王。
逆に言えば、自身が復活させた3大宇宙犯罪組織に殆ど関わっていなかったと言える。
3大宇宙犯罪組織を蘇らせるだけ蘇らせ、その後は好きにさせていたと言う実質の放任………
強大な力を持ちながらも、その最終目的は全くを持って窺い知れなかった。
「一体何を企んでやがるんだ?」
「やはり地球征服か、もしくは壊滅だろうか?」
漸く意識が戻って来たクリスもそう言い、翼が推察しようとするが………
「う~~ん、何か違う気がします………」
「只の予感ですけど………私達には想像もつかない様な
響と未来からそう声が挙がる。
漠然とながら、2人は暗黒銀河女王の強大な悪意を感じ取っていた………
「………まあ、分からない以上、今は考えても無駄だ。それよりも先ずはパヴァリアへの対処が先だな」
まだ情報が少ない為、まだ推察出来ないと判断し、先ずは今戦っているパヴァリア光明結社への対処を優先するべきだとキャロルが言う。
「そうですね………」
と、セレナがその意見に同意した瞬間………
ノーチラス艦内に警報が鳴り響いた!!
「「「「「「「!!」」」」」」」
「パヴァリアが出たデスッ!!」
「また街を破壊してるってっ!!」
響達が反射的に立ち上がると、切歌と調がそう言いながら休憩スペースへと飛び込んで来た。
「噂をすれば影かよ!」
「皆! 行くぞっ!!」
クリスと翼の言葉を皮切りに、装者達はすぐさま休憩スペースから飛び出して行ったのだった………
◇
某・市街地にて………
「ウワーッ!!」
「キャアアアアアアッ!!」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
逃げ惑う人々を、戦闘員軍団が執拗に追い回す。
建造物を破壊している者達も居り、シンプルなテロ行為だ。
とそこで、襲われている市街地の上空に、ドルギラン・グランドバース・バビロス・ダイレオンが現れる。
その母艦群から、装者達が飛び降りて来る。
Balwisyall nescell gungnir tron
Rei shen shou jing rei zizzl
Imyuteus amenohabakiri tron
Croitzal ronzell gungnir zizzl
Killter Ichaival tron
Seilien coffin airget-lamh tron×2
Zeios igalima raizen tron
Various shul shagana tron
聖詠を唱え、光に包まれるとシンフォギアを纏った状態となり、戦闘員軍団の前に立ちはだかる装者達。
「蒸着!!」
「赤射!!」
「焼結!!」
「フッ!!」
更に続けて、轟・雷・劾・ターザンも降下して来て、コンバットスーツとメタルテックスーツを纏う。
「宇宙刑事! ギャバンッ!!」
「宇宙刑事! シャリバンッ!!」
「宇宙刑事! シャイダーッ!!」
次々と高らかに名乗りを挙げる宇宙刑事達。
宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
「蒸着っ!!」
轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。
『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』
そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!
その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。
もう1度言おう!
この一連の動作………僅か0.05秒!!
宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。
では、赤射プロセスをもう1度見てみよう!
「赤射っ!!」
雷がそう叫び、赤射ポーズを取ると、それは直ちに地球の衛星軌道上で待機している超次元戦闘母艦グランドバースへと伝わる。
すると、灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする!
増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンに赤射蒸着されるのだ!
もう1度言おう!
この一連の動作………僅か1ミリ秒!!
宇宙刑事シャイダーは、僅か1ミリ秒で焼結を完了する。
では、その原理を説明しよう。
「焼結っ!!」
劾の焼結コールが送られると、すぐにそれは地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元戦闘母艦バビロスにキャッチされる。
そして、バビロス号からプラズマ・ブルーエネルギーが、劾に向かって照射される。
宇宙刑事シャイダーは、バビロス号から放たれるプラズマ・ブルーエネルギーを浴びて、僅か1ミリ秒で焼結を完了するのだ。
もう1度言おう!
この一連の動作………僅か1ミリ秒!!
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
「行くぞっ!!」
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
現れた装者達と宇宙刑事達を相手に、威嚇する様に奇声を挙げている戦闘員軍団に、ギャバンの呼び掛けで戦闘が開始される。
「………データ収集開始」
その様子を、高いビルの屋上から観察する様に見据えている異形の姿が在ったのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
未来に迫る謎の影………
遂にこの一連の事件の裏に居る存在………
『暗黒銀河女王』の事が響達も知る事となりましたが………
まだ名前が分かっただけでその真の目的は不明………
それでも伝わって来る強大さを、ひしひしと感じています。
そんな中でまたも動くパヴァリア光明結社。
今回の敵は一体?
そして、未来に………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。