戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
某・市街地にて………
「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
気合の雄叫びと共に、響が地面を殴り付けると、発生した衝撃波と振動で、戦闘員軍団が宙に舞い上げられる。
するとその瞬間に、舞い上げられた戦闘員軍団を取り囲む様に無数の鏡が出現!
その鏡全てからレーザーが放たれたかと、放たれたレーザーが別の鏡に命中して乱反射し、戦闘員軍団はレーザーの嵐に次々と貫かれた!!
「「「「「ギーッ!?」」」」」
「「「「「コワッコワッ!?」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」
その光景を地上に残されていた戦闘員軍団が唖然としながら見上げて居たかと思うと………
「レーザーZビームッ!!」
そこにギャバンのレーザーZビームが叩き込まれ、纏めて爆散する!
「チュウッ!!」
「轟兄っ!」
「轟お兄ちゃんっ!」
着地を決めたギャバンの元に、響と未来が駆け寄って来る。
「粗方片付いて来たな………」
他所でもシャリバン達や翼達の活躍で、戦闘員軍団がドンドンとその数を減らしているのを見て、ギャバンがそう言う。
「うん、でも………」
「何か
だが、響と未来は引っ掛かりを感じていた。
コレまでの戦いで悪の四天王が倒れ、マッドギャラン側に残る幹部はギルザとギルマーザだけ………
にも関わらず、この戦いにその姿は無いどころか、ダブルモンスター・魔怪獣・不思議獣も居ない………
何なら戦闘メカの介入も無く、今更戦闘員軍団だけでギャバン達を如何にか出来る筈も無い………
「マッドギャランの奴、一体何を………!? 伏せろっ!!」
「「!?」」
考えているんだ、とギャバンが言おうとしたがそう叫んで身を屈め、響と未来もそれに倣うと、先程まで3人の頭が在った位置をビームが通過して行った!
「誰だっ!?」
「「!?」」
ギャバンが立ち上がりながら叫ぶと、響と未来も構えを執る。
「………データよりも反応速度が速い………修正が必要だな………」
するとそう言う台詞と共に、ヘルメットとプロテクターの様な装備を身に付け、両手に光線銃を握った異星人が姿を見せた。
「! 貴様、『アイガーマン』かっ!」
「アイガーマン!?」
「轟兄! それって?………」
その姿を見たギャバンがそう声を挙げ、未来と響が聞き返す。
「アイガー星のスーパーコンピューターを搭載したアンドロイドだ。宇宙中を荒らし回ったアリエナイザーだったが、地球で死んだと聞いていたが………」
「そうだ。嘗ての私はジャスピオンに敗れて死んだ………だが、サタンゴース様とマッドギャラン様によって蘇った! 今度こそ御二方の巨獣帝国建国の夢を達成させるのだ!!」
ギャバンが2人に説明していると、アイガーマンはそう声を挙げる。
「そんな事は!」
「させないっ!」
それを聞いた響と未来が構えを執ると………
「フッ………」
アイガーマンは小馬鹿にする様に笑い、クイックドロウでに腰の二丁拳銃を抜き、ビームを放った!!
「「「!!」」」
ギャバン・響・未来は咄嗟にバラバラの方向へと回避する。
「ハアッ!!」
するとアイガーマンは、未来に狙いを定め、襲い掛かる。
「!? このっ!!」
襲い掛かって来たアイガーマンに対し、未来は閉じた扇子を取り出すと、先端を向けてからビームを放つ。
「…………」
しかし、アイガーマンはそれを最小限の動きで躱すと、逆に二丁拳銃のビームを未来に叩き込んだ!
「! あうっ!!………ならっ!!」
ダメージに顔を顰めながらも、未来はアイガーマンの周囲に、戦闘員軍団の時と同じく無数の鏡を出現させ、乱反射させたビームの雨を巻き起こす。
「無駄だ………」
だがそれさえも、アイガーマンは最小の動きで躱し、逆に自身の光線銃の攻撃を鏡で反射させて未来へと命中させた!
「がはっ!?………そ、そんなっ!?」
またも最小限の動きで躱されたどころか、自身の攻撃を逆に利用された事に未来は驚愕する。
「コレまでと先程の戦いで貴様等のデータはインプットしてある! 貴様等の攻撃は全て予測出来る!」
アンドロイドであり、高性能な電子頭脳を持つアイガーマンは、膨大なデータを着実の処理し、未来の行動を完全に予測出来ているのだ。
「貴様のシンフォギアの魔を掃う能力は脅威だが、そのスペックが最低である事も分かっている。
如何やら、シンフォギアのスペックが1番低い未来から倒そうと言う腹積もりの様で、アイガーマンは二丁拳銃を未来に放つ。
「!!」
咄嗟に飛行して躱す未来だったが………
「甘いっ!!」
その行動を既に予測していたアイガーマンは、素早く未来の回避先へとビームを放った!
「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
真面に喰らってしまった未来が、黒煙を引きながら墜落する。
「! 未来っ!!」
「未来ちゃんっ!!」
すぐさま響とギャバンがフォローに向かおうとしたが………
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
突如戦闘員軍団が割って入って来たかと思うと、足の裏よりロケットを噴射し、空中へと舞い上がった!!
「!? うええっ!?」
「何っ!?」
戦闘員軍団の予期せぬ行動に響とギャバンが驚愕の声を挙げると………
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
空へと舞い上がった戦闘員軍団が、ロケットを噴射したまま宙返りし、頭から突っ込んで来た!!
「!? わっ!?」
慌てて身を反らす響。
だが、外れた戦闘員が頭から地面に激突したかと思われた瞬間………
忽ち大爆発が巻き起こった!!
「!? ウワアアアアアアッ!?」
真面に爆風を喰らい、ブッ飛ばされる響。
「! 響ちゃんっ!?」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
ブッ飛ばされた響を見て声を挙げるギャバンにも、足裏からロケットを噴射している戦闘員軍団が襲い掛かる。
「チイッ!!」
大きく跳躍して爆風も含めて回避するギャバンだが、ミサイルと化した戦闘員軍団は次々に突撃して来る。
「特攻作戦かよ!? いよいよ消耗品扱いだなっ!!」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
最早完全な消耗品扱いをされている戦闘員軍団の待遇に僅かに同情するギャバンだが、自身の存在に疑問を抱く事の無い戦闘員軍団は次々に自爆攻撃を見舞って来て、未来への救援を阻まれる。
「響っ!! 轟お兄ちゃんっ!!」
「人の心配をしている余裕が有るのかっ!?」
その光景を見ていた未来が悲鳴の様な声を挙げると、隙を晒したのを見逃さず、アイガーマンの光線銃からのビームが直撃する!
「! ガハッ!!………こうなったらっ!!」
とそこで、未来は右手に持っていた閉じた扇子を左手に持ち替えたかと思うと、空いた右手にレーザーブレード・Dを出現させると、浮遊しながらアイガーマンに向かって突撃!
接近戦を挑む腹積もりの様だ。
「ヤアアアアアアアァッ!!」
「甘いっ!! 貴様の動きは読めていると言っただろうっ!!」
勢いのままにレーザーブレード・Dを振るう未来だが、アイガーマンは二丁拳銃を素早くホルスターに戻し、剣を抜き放って、未来のレーザーブレード・Dを受け止めた!
「!!」
怯まずに左手の閉じた扇を振るおうとした未来だが………
「ヌウウアアアアッ!!」
「!?」
その行動さえ読まれており、そのまま強引に振り切られたアイガーマンの斬撃で、未来はブッ飛ばされ、ビルの側面に背中から激突した!!
「!? ガハッ!?」
肺の空気が一気に押し出された上、後頭部を強打してしまい、未来の意識が遠のき、そのまま気絶してしまう。
右手のレーザーブレード・Dが消え、張り付く様に激突していたビルの側面から剥がれると、そのまま自由落下して地面にうつ伏せに倒れる未来。
「!? 未来っ!?………!? ウワアッ!?」
その光景を見た響が慌てて助けに行こうとしたが、やはり戦闘員軍団ミサイルによって防がれてしまう。
「フフフ………トドメを刺してやる」
未来にトドメを刺す為に、剣を手にしたまま近づいて行くアイガーマン。
気を失っている未来には成す術が無い………
と、その時!!
光る球の様な物が何処からとも無く飛んで来たかと思うと、未来の身体へと入り込んだ!!
「!!」
途端に未来の目が開かれたかと思うと、
そして、その身体から白い砂の様な物が零れ落ち始める。
「死ねぇっ!!」
それに気付かなかったアイガーマンは、剣を振り上げ、未来の頭目掛けて振り下ろす!
「!!」
が、直前で未来の袖の布が伸び、剣の刀身に巻き付いて止めた!!
「! 小癪なっ!!………!?」
そこで、ある事に気付いたアイガーマンは、驚愕する。
(何故今、
そう………
装者達と宇宙刑事達の全ての最新データを入力し、その動きを完璧に予測出来る筈のアイガーマンの電子頭脳が、何故か今の行動を予測出来なかったのだ。
と、その次の瞬間!!
アイガーマンの剣が、未来のシンフォギアの袖の布が振れている部分から銀色に染まり始めた!!
「!?」
何か危険な予感を感じ取ったアイガーマンは、咄嗟に剣を手放して未来から距離を執る。
直後に、アイガーマンの剣は完全に銀色に染まり、布が解かれると甲高い金属音を立てながら地面に落ちた。
「! コレは!?………
その剣をスキャンしたアイガーマンが、物質変換が行われている事にまたも驚愕する。
「…………」
ゆっくりと未来が起き上がる。
「未来?………! 違う! 貴方は誰っ!?」
そこで響が、起き上がった未来が未来では無いと気付く。
「………遺憾である」
すると未来(?)は、普段の彼女ならば絶対にしないであろう、不遜な表情を浮かべてそう呟いた。
直後に、彼女の胸のギアペンダントが怪しげな光を放ち、神獣鏡が変化を起こす!
ドレスを思わるゆったりとしたデザインとなり、脚部のパーツが巨大化し、頭部にまるで悪魔を思わせる巨大な白い角、そして額に紫色の菱形のクリスタルパーツが装着される。
「!? アレはっ!?」
「我が名はシェム・ハ………人が仰ぎ見るこの星の神が、我と覚えよ」
ギャバンが声を挙げた瞬間、未来………否、カストディアンの改造執刀医『シェム・ハ』はそう名乗りを挙げた。
「! シェム・ハ、だと!?」
「それって!?」
シェム・ハと言う名を聞いたギャバンと響が、以前調に憑依したフィーネから聞いたカストディアン達の話に出ていた存在である事を思い出す。
「良き哉………人の生き汚さ、百万の夜を超えて尚、地に満ち満ちていようとは」
明らかに未来ではない尊大かつ不遜な態度のシェム・ハ。
(アレが本当にカストディアンであるならば………今は退くしかあるまい)
と、アイガーマンは先程の剣を物質変換したシェム・ハの力を見て、今戦うのは不利だと判断し、撤退しようとする。
「………逃げる気か。我に無礼を働いた事、許しては居らぬぞ」
だが、そうはさせないと、シェム・ハの視線がアイガーマンを捉える。
「クッ! 戦闘員共っ!! 時間を稼げっ!!」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「コワッコワッ!!」」」」」
「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」
するとアイガーマンは、残っていた戦闘員達全てシェム・ハに向かって特攻させる!
ミサイルと化した戦闘員軍団が、次々にシェム・ハへと殺到する。
「矮小な者共が己の力量も分からずに我へと挑む………実に滑稽だ」
迫り来る戦闘員軍団ミサイルを前に、シェム・ハがそう言ったかと思うと、右手を翳す様に構えた。
すると、シェム・ハの眼前に、巨大な魔法陣が展開する。
「だが! それ以上に目障りだっ!!」
そこから黒紫色の極太レーザーが放たれた!!
迫って来た戦闘員軍団ミサイルは、薙ぎ掃う様に振られた極太レーザーによって、一瞬にして消滅!
それだけでは飽き足らず、極太レーザーはビル群をも薙ぎ払い、次々に瓦礫の山へと変えた!!
「うおおっ!?」
「うわあっ!?」
「クッ!!………」
無数の瓦礫が降り注ぎ、思わずギャバンと響が怯む中、アイガーマンは僅かな隙を衝いて撤退に成功するのであった。
「逃したか………まあ、良かろう」
それを見たシェム・ハは不満を見せながらも、すぐに気持ちを切り替え、何処かへと行こうとする。
「未来っ!!」
「未来ちゃんっ!!」
しかし、それを許さぬと、行く手にギャバンと響が立つ。
「…………」
「立花っ!」
「ギャバンッ! 何が有ったんだっ!?」
シェム・ハが不機嫌そうに顔を顰めた瞬間、先程のシェム・ハの仕出かしで戦闘員軍団が全滅した為、集合する事が出来る様になった翼達とシャリバン達がやって来る。
「…………」
「未来っ!? その恰好は一体!?………」
「今の彼女は未来ちゃんじゃない! カストディアンのシェム・ハだっ!!」
そこで、シェム・ハとなっている未来の姿を見たクリスが挙げた疑問の声を遮る様に、ギャバンがそう叫ぶ。
「!? カストディアンだとっ!?」
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
翼が驚愕の声を挙げると、他の一同も仰天する。
「シェム・ハと言えば、以前にフィーネから聞いた………」
「それが如何して、未来さんに………」
「!? まさかっ!?」
マリアとセレナがそう言い合っていると、キャロルが何かに気付いた様に声を挙げる。
「キャロルちゃん、何か分かるんですか?」
「立花 響! お前と小日向 未来は以前、神獣鏡の光を浴びた事があるんだったな!?」
「えっ!?………あ、うん! フロンティア事変の時に………」
キャロルの問いに、響は嘗てフロンティア事変・マドー大災害の時、未来と共に神獣鏡の光を浴びた時の事を思い出す。
「やはりか………奴が本当にカストディアンのシェム・ハであるなら、神の力を使っている筈だ。本来、神の力は原罪を持つ人間には扱えない代物だ………だが、お前と未来はは神獣鏡の光………
「それでシェム・ハに乗っ取られたってワケか………だが、
キャロルの説明を聞いていたギャバンが、唐突気味に現れたシェム・ハに疑問を感じる。
「不快である………我の目の前で我を捨て置き、何を話している?」
とそこで、無視されていると感じたシェム・ハが、不快感を露わにし、腕を上げる。
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
只それだけの動作に、装者達と宇宙刑事達は一斉に身構える。
「未来! しっかりして! 返事をしてっ!!」
そんな中で、響は1人、シェム・ハに乗っ取られてる未来へと呼び掛ける。
「遺憾である………人が仰ぎ見るこの星の………!?」
と、それに対し言い返そうとしたシェム・ハの動きが不意に止まる。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」
如何したのだと装者達と宇宙刑事達が注目していると………
「ば、馬鹿なっ!? コヤツ、何故っ!?」
シェム・ハは身体を激しく左右に揺らし、動揺している様子を露わにする。
その次の瞬間………
その頭上に、半透明の本来の姿のシェム・ハと、同じく半透明の未来の姿が映し出された!!
「!? 未来っ!?」
「未来ちゃんっ!?」
(貴方! 人の身体を勝手に使わないでよっ!!)
響とギャバンが驚きの声を挙げる中、半透明の未来はシェム・ハに掴み掛かる。
(た、只の人間が! 我に抗うだと!? あ、有り得んっ!!)
自身の支配を撥ね退けようとしている未来に、今度はシェム・ハが驚愕する。
(出てってっ!! ええーいっ!!)
(!? のわあああっ!?)
そこで、未来がシェム・ハを突き飛ばしたかと思うと………
上半身と下半身が逆転したまるで砂時計の様な状態のシェム・ハが、通常形態の神獣鏡のシンフォギアを纏った未来の姿へ戻る。
弾き出されたシェム・ハは、瓦礫に当たるとそのまま砂となって砕け散った。
「あ………」
「! 未来っ!!」
「未来ちゃんっ!!」
直後に、膝から崩れ落ちそうになった未来に、響とギャバンが駆け寄り、両側から支える。
「な、何が起こったんだ?………」
キャロルでさえも今目の前で起こった事態が分からず、困惑するしかなったのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
今回登場した敵『アイガーマン』は、ジャスピオン第28話に登場した敵です。
今作通り、データ収集で行動予測型の敵で、ジャスピオンを苦戦させました。
あと、戦闘員達が特攻してたのは、劇場版ディケイドの大ショッカー戦闘員達がミサイルになって突撃していたのを参考にしました。
可哀そうだけど、悪の組織らしいやり口でしたので。
そしてシェム・ハが登場。
不利と思ったアイガーマンは撤退しますが………
何と、未来は自力でシェム・ハを追い出します。
そして次回は、また時の列車が登場します。
お楽しみに。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。