戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第40話『ドリーム・ザ・ナイト』

突如としてイマジン化して轟達の前へ現れた、嘗て地球の神になろうとしたアヌンナキ『シェム・ハ』

 

その詳細を知る為に、轟達はデンライナーのオーナーから招待を受け………

 

時の列車へと乗り込んでいた。

 

そして、オーナーの口から語られたのは………

 

轟と響達にとって全ての始まりであった、嘗てフィーネを利用していたマクーとの戦い………

 

『ルナアタック』こと『マクー事変』の最終決戦と時を同じくして………

 

南極の厚い氷の下に、専用の棺に封印されていたシェム・ハを、暗黒銀河女王が復活させていたのだと言う。

 

シェム・ハを手駒にしようとしたらしいが、当然ながら復活させられた瞬間に、シェム・ハは反逆。

 

そして一瞬で返り討ちにされ、そのまま消滅させられたのだと………

 

シェム・ハは嘗て同胞に反乱を起こし、最終的にエンキによって倒されたが………

 

彼女は、自らをプログラム言語化しあらゆるシステムに侵入、潜伏し、例え自己を保てないレベルの断片となっていようとも、それが繋がりさえすれば何度でも再生し、更には増殖、進化さえ可能という凄まじい能力を持っていた。

 

それにより人類という脳波ネットワークを汚染し潜伏。

 

そのシェム・ハを復活出来ない様にしたのが、人類を分断する事になった『バラルの呪詛』なのである。

 

しかし、暗黒銀河女王はそんな特性を物ともせず、シェム・ハを消滅させたのだ。

 

つまり………

 

暗黒銀河女王の力は、少なくとも神の力を持つカストディアン以上である事が判明した。

 

だが、その暗黒銀河女王も予想していなかったであろう事態が発生する。

 

先述の通り、シェム・ハは自らを言語プログラムと化し、人類との脳波ネットワーク内に潜伏した。

 

それは即ち、人々の潜在意識の奥深く………

 

つまり『記憶』の中に存在していたのと同義である。

 

その為、消滅させられたと思われたシェム・ハは『時の砂』となり、『時の砂漠』へと送られた。

 

その際にイマジン化し、そして『()()()()()()()()()()』と認識された事で、デンライナーへと現れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デンライナー・食堂車内………

 

「以上が、彼女………シェム・ハさんがデンライナーへと乗り込んだ経緯となります~」

 

何時の間にか、旗を立てた炒飯を食べ始めていたオーナーがそう説明を終える。

 

((((((((((何をやってるんだろう? この人………))))))))))

 

しかし、装者達はオーナーのやっている行為の方が気になってしまい、話が半分入って来ていなかった。

 

「まさかマクーとの戦いの時にそんな事が起こっていたなんて………」

 

「カストディアンをあっさりと葬り去るか………如何やら暗黒銀河女王の力は俺達が思っている以上のものらしいな」

 

だが、マクー事変・ルナアタックの当事者である響と轟はそう言い合う。

 

「あの………それで、シェム・ハ………さんは、これから如何なるんですか?」

 

とそこで、未来が若干おっかなびっくりの様子でシェム・ハの方をチラ見しながら、オーナーに尋ねる。

 

「!………」

 

それに一瞬反応するかの様な素振りを見せる。

 

「彼女は一応~、このデンライナーの乗客となります~。只、彼女はかなり特殊なケースでの乗車となりますから~、再び現実世界に実体を持って戻る事は不可能でしょう~」

 

「そうですか………」

 

オーナーの言葉を聞いたマリアが安堵した様子を見せる。

 

何せ大幅に弱体化しているとは言え、相手は嘗て地球の支配者となろうとしたカストディアンだ。

 

再び現世に現れれば何を仕出かすか分かったものではない。

 

「「「「「…………」」」」」

 

他の装者達や宇宙刑事達も、多かれ少なかれそう思っている。

 

「ですが、『契約』をした場合はその限りではありませんね~」

 

「? 『契約』?」

 

「本来イマジンは人間に憑り付き、その人間のイメージから怪人としての姿を得て、契約………その人間の望みを聞き入れる事で実体を得ます。そして契約者の望みを叶え、その人間の記憶の中にある『現在のその人間像を作った最も強い時間』へとタイムスリップするのです」

 

「おお~! バック・トゥ・ザ・〇ューチャーデース!!」

 

「いや切ちゃん、それ意味合い的には未来へ行く方だから」

 

思わず超有名映画のタイトルを口にする切歌と、それにツッコミを入れる調。

 

「シェム・ハさんは正確にはイマジンではないのですが、今は同じ特性を持っているので、契約を行えば実体を得る事が出来るやも知れません~。それでも、イマジンになる前の力には遠く及ばないでしょうが~」

 

「成程! それは良い事を聞いたっ! 小娘っ!!」

 

と、オーナーの話を聞いていたシェム・ハが不意に立ち上がって未来に迫った!

 

「ヒャアッ!?」

 

「貴様の望みを言えっ! 神である我がどんな願いも叶えてやろう!」

 

「この流れで言うと思うのっ!?」

 

嬉々として契約を迫るシェム・ハに、未来は当然のツッコミを入れる。

 

「フンッ!」

 

「!? オゴォッ!?」

 

そのシェム・ハの尻に、某年末コント番組の様に見事なタイキックを決めるコハナ。

 

「大丈夫だった?」

 

「あ、ハイ………ありがとうございます………」

 

至って普通な様子で言ってきたコハナに、未来は若干気圧されながら返事を返す。

 

「オゴゴゴゴゴゴゴゴ………」

 

床に突っ伏して、タイキックをされた尻を両手で抑えると言う非常に情けない姿で悶絶しているシェム・ハ。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

その姿に、段々と憐みを覚え始める装者達と宇宙刑事達。

 

「まあ~、今日のところはコレまでと致しましょう~。しかし、皆さんとしても彼女の事は色々と気がかりでしょうから、コチラをお渡しして置きます」

 

とそこで、オーナーが一旦食事を中断すると、装者達と宇宙刑事達に何も絵が入っていないライダーチケット………ブランクチケットを1枚ずつ手渡す。

 

「コレは?」

 

「ライダーチケットです~。それを持って()()()()が揃った時間に扉を開ければ、時の砂漠に行き、このデンライナーに乗車する事が出来ます~」

 

「つまり、デンライナーの乗車券って事ですか」

 

雷の質問にオーナーがそう答え、劾がそう要約する。

 

「もうコレ以上、得られるものは無さそうだな………」

 

「だな………今日はもう解散にするか」

 

キャロルの言葉に、奏がそう続け、一同はデンライナーから次々と降りて行った。

 

(オノレェ………このままで済むと思うな!!)

 

しかし、そんな装者達と宇宙刑事達を、シェム・ハは相変わらず尻を抑えて床に突っ伏したまま睨み付けていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜………

 

ドルギラン船内にて………

 

「じゃあ、おやすみ、轟兄」

 

「おやすみなさい、轟お兄ちゃん」

 

「ああ、おやすみ2人供」

 

寝間着姿の響と未来に挨拶されながら、自身の寝床の部屋へと入る轟。

 

「じゃあ、私達も寝ようか」

 

「うん」

 

それを見送ると、響と未来は同じベッドに横になり、抱き合う様に身を縮める。

 

「おやすみ、未来………」

 

「おやすみ、響………」

 

お互いに挨拶を交わして目を閉じる響と未来。

 

程無くして、規則正しい寝息が聞こえて来る。

 

しかし、その直後………

 

未来の身体に光球が飛び込んだかと思うと、真っ赤になった目が見開かれた。

 

「フフフ………愚かな………我があの程度で諦めると思ったか」

 

寝た隙を突き、再度未来の身体を乗っ取ったシェム・ハ。

 

今回は未来の意識が眠っている為、追い出される事は無い。

 

シェム・ハは自身に抱き着いて寝ていた響を起こさぬ様に引き剥がし、ベッドから立ち上がる。

 

「さて、面倒ではあるが、此奴の願いを叶えてやるとしよう………」

 

そして、轟のいる部屋に通じる扉を見ながらそう呟いたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドルギラン船内・轟の私室………

 

「………ん?」

 

寝ていた轟が、違和感を感じて目を覚ます。

 

見れば掛かっている布団が盛り上がっており、モゾモゾと動いている。

 

(何だ、また響ちゃんか?………)

 

響がまた寝ぼけて潜り込んで来たのかと思いながら、布団を捲る轟。

 

「…………」

 

しかし、そこに在ったのは未来の姿だった。

 

「未来ちゃん? 何だ、珍しい………!!」

 

響でなく未来が潜り込んで来ていた事を不思議がった轟だが、すぐに違和感を覚え、引き剥がそうとしたが………

 

「フッ!」

 

「! おわっ!?」

 

それよりも早く、未来が肩を掴んで、そのまま再度ベッドへと寝かせたかと思うと、身体の上に跨ってマウントを取った!

 

「フフフフ………」

 

その轟の姿を赤い目で見下ろす未来………否、シェム・ハ。

 

「! お前、シェム・ハか!? 何の積りだっ!?」

 

目の前に居るのが未来ではなくシェム・ハだと気づいた轟がそう声を挙げる。

 

「知れた事………此奴の願いを叶え、再び肉体を得る! そして暗黒銀河女王に復讐した後、我がこの星の神へと返り咲くのだ!!」

 

「願い?」

 

「そう………此奴が貴様を好いておるのは分かっている………そして人は好いておる者と交配したがるという事もな

 

「色んな意味で安直過ぎっ!!」

 

身も蓋もないシェム・ハの言葉に、轟のツッコミが飛ぶ。

 

「案ずるな。人の交尾の仕方など我に掛かれば造作も無いわ………」

 

そんな轟を無視して、シェム・ハがパジャマのボタンを外し始める。

 

そして全てのボタンを外し終えたかと思うと、そのままズボンごと一気に脱ぎ捨てる。

 

その下から現れたのは、矢鱈とセクシーな下着………所謂、勝負下着と言われる物だった。

 

「ブッ!?」

 

「此奴も()()()であった様だぞ。この様な物まで用意していたのだからな」

 

思わず吹き出す轟に、シェム・ハがそう言い放つ。

 

如何やら、下着自体は未来の用意した物らしい………

 

「さあ………極上の快楽を楽しむが良い」

 

遂にシェム・ハの両手が、轟の寝間着に掛かる………

 

………かと思われたが、彼女の手に触れたのは柔らかい寝間着ではなく、硬い銀色のアーマーだった。

 

「………は?」

 

「そう言うのは今はしないって決めてるんだ」

 

間抜けた声を挙げたシェム・ハに、轟………ギャバンはそう言い放つ。

 

 

 

宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!!

 

 

 

「! 貴様ぁっ!! 貴様とて此奴を好いておるくせにっ!!」

 

「好きだからこそ大切にしたいと言う思いも有る!!」

 

理不尽に憤るシェム・ハにそう言い放ち、引き剥がそうとするギャバン。

 

「むにゃ~………轟兄~、如何したの~?」

 

とそこで、騒ぎを聞きつけたのか、響が寝惚け眼を擦りながら、轟の私室へ入って来た。

 

そして、ギャバンに馬乗りになっている勝負下着姿の未来(シェム・ハ)を目撃する。

 

「えっと………如何言う状況?」

 

流石に事態が呑み込めず、困惑を露にする響。

 

「ええい! ゴチャゴチャと………」

 

何としても轟を襲おうとするシェム・ハだったが………

 

(………何してるの?)

 

その瞬間に、底冷えしそうな未来の冷たく低い声が聞こえて来た。

 

「!? しまった!? 目覚めてしまったか!?………」

 

(出てけーっ!!)

 

「!? おわあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

シェム・ハが驚きの声を挙げた瞬間、未来は勢い良く彼女を追い出した!!

 

シェム・ハはデンライナーへと送り返され、未来が身体の主導権を奪い返す。

 

「ハア………ハア………あの人!!」

 

勝手極まりない事をしたシェム・ハに怒りを燃やす未来だったが………

 

「あ~、未来ちゃん………そろそろ下りて貰っても良いかな?」

 

「ふえ?………」

 

そこでギャバンから気まずそうに声を掛けられ、自身が下着姿でギャバンに跨ったままだった事に気づく。

 

「ッ~~~~~!! 轟お兄ちゃん、ゴメンナサーイッ!!」

 

一瞬で顔をトマトの様に真っ赤にしたかと思うと、慌ててギャバンの上から飛び退き、脱ぎ捨てられていたパジャマを引っ掴んで部屋から出て行く未来。

 

「………ホントに何があったの?」

 

「未来ちゃんの名誉の為にノーコメントとさせて貰うぜ」

 

困惑したままの響に、コンバットスーツを解除した轟は、やや疲れた顔でそう返すのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

オーナーの口から語られたシェム・ハの経緯。
再び神へと返り咲き、暗黒銀河女王に復讐する為に、未来と契約しようとするシェム・ハ。
遂には強硬策に出ましたが、コレもあえなく失敗………
この後果たしてどうなる事か………

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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