戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

148 / 162
第44話『最初からクライマックス』

サタンゴースゾーンに包まれた某・市街地にて………

 

「アレって………モモタロスさん達!?」

 

「1人見慣れない人(?)も居るけど?………」

 

タローズに憑依された状態で現れた翼達の姿に、響と未来が驚きの声を挙げる。

 

「ったく、新入りの奴………1人だけカッコつけやがって………」

 

「シェム・ハちゃん………デートしたかったのに、残念だよ………」

 

そんな中で、モモタロスが憑依し、髪が逆立ち赤いメッシュが入り、瞳が赤くなって筋肉質な体型となった『M翼』と、ウラタロスが憑依し、髪は後ろ髪が跳ねた七三分けになり青いメッシュが入った、瞳は青くなって黒いセルフレームの眼鏡を掛けている『U奏』がそう言い合う。

 

「ん! 仇は取ったるで、嬢ちゃん!!」

 

「お前達、許さないからな」

 

キンタロスが憑依し、伸びた髪を後ろで束ね、黄色のメッシュが入って瞳も金色となっている『K調』と、リュウタロスが憑依し、紫のメッシュが入って伸び、ウェーブの掛かった前髪に、DJの様な帽子とヘッドフォンを身に着け、瞳が紫となっている『Rクリス』もそう言い合う。

 

「事情は知らぬが、何やらのっぴきならぬ様子………家臣に付き合うのも主の役目だ」

 

そして事情を全く知らないが、ノリでやって来たイマジン………『ジーク』に憑依され、白いメッシュの入ったコーンロウの髪型となり、白い羽の様な飾りを付け、瞳も白くなっている『W切歌』がそう言い放つ。

 

よく見ると、彼女達のシンフォギアの色も光を取り戻しており、其々に電王格フォームの様な意匠が入ったデザイン………『電王ギア』へと変化していた。

 

「まあ、暴れられるなら何でも良いさ! 行くぜ行くぜ行くぜーっ!!」

 

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」

 

そして、M翼がお馴染みの台詞と共に突っ込んで行くと、他のタローズに憑依された装者達と、メタルヒーロー型ギアとローブを纏った響達も続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M翼サイド………

 

「オラオラオラオラァッ!!」

 

剣のアームドギアを矢鱈と振り回して手数で攻めるM翼。

 

(な、何て乱暴な剣の使い方だ………)

 

そのチンピラ同然の剣の使い方に、憑依されいる翼が半ば呆れる様になる。

 

仮にも剣術を修めている身としては、モモタロスの剣の使い方が納得行かない様子だ。

 

「ぐううっ!? ()()()()()()()()()()()()()っ!!」

 

しかし、そのチンピラスタイルの戦い方は、装者達のデータを完全に収集していたアイガーマンにとっては想定外のものであり、データが役に立たず、圧倒していた。

 

(………信じられん)

 

その様子にますます複雑な心境となる翼だった。

 

「ええいっ! 所詮は接近戦だけの戦い方だ!!」

 

とそこで、アイガーマンは一旦M翼から距離を取ったかと思うと、両手に光線銃を握り、発砲する!

 

「おわっ!? うひょっ!? テメェ、卑怯だぞっ!!」

 

「戦いに卑怯も何もあるものかっ!!」

 

バタバタとしながらも、何とか銃撃を躱しているM翼が言うと、アイガーマンはそう反論する。

 

「ああ、そうかよっ!!」

 

するとそこで、M翼は足元に転がっていたサッカーボール程の大きさの瓦礫を、アイガーマンに向かってシュートした!

 

「!? ゴバッ!?」

 

(!! イダアアアアアッ!?)

 

逆に不意を突かれて頭に真面に喰らったアイガーマンが仰け反って怯むが、蹴った身体の持ち主である翼は右足に走った痛みに思わず悲鳴を挙げる。

 

「今だ! 俺のカッコイイ必殺技! 喰らいやがれっ!!」

 

しかし、憑依しているモモタロスはそんな事など気にせずに剣を構えると、アームドギアにイマジン達が持つオーラを変換させたフォニックゲインが集まり、電王・ソードフォームの時に様に、刀身が分離!

 

「必殺! 俺の必殺技………シンフォギアバージョンッ!!」

 

M翼がそう言いながら手にしていた柄を振るうと、それに合わせて刀身が動き、アイガーマンへと向かう。

 

その途中で刀身に縦回転が加わったかと思うと、『風輪火斬』の様に炎を纏い、アイガーマンを斬り裂いた!!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

切断面から一瞬にして炎に包まれ、アイガーマンは断末魔の叫びを挙げて爆発四散する!!

 

「ヘヘヘ、どんなもんだっ!!」

 

(貴様………後で覚えておけよ………)

 

勝ち誇るモモタロスだったが、まだ瓦礫を蹴った足が痛む翼は、そう恨み節をぶつけるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

U奏サイド………

 

「ホッ! ハッ!」

 

アームドギアにランス状の槍を、まるで杖術の様に振り回し、剣を持つアイガーマンに次々と攻撃を繰り出すU奏。

 

「チッ!!」

 

防戦一方だったアイガーマンが舌打ちと共に一旦距離を取る。

 

「フフ、自慢のデータが役に立たなくて苦労してるのかな?」

 

「貴様っ!!」

 

それを見たU奏が挑発の様に小馬鹿にすると、アイガーマンが怒りを露にする。

 

(オイ、あんまり挑発しない方が………)

 

奏はウラタロスを注意するが………

 

「頭に乗るなよ………すぐに貴様のデータを収集してやる!」

 

アイガーマンはそう言い放つと、再び剣を構えてU奏に斬り掛かろうとする。

 

「あ~っと、()()()()()()()()()()()()()

 

「!? 何っ!?」

 

そこでU奏がそう言うと、思わず足元に視線を向けてしまうアイガーマン。

 

だが、その足元には何も無い。

 

「よっ、と!」

 

すると、その動きが止まったアイガーマンに向けて、U奏はアームドギアを釣竿の様に振ったかと思うと、本当に釣竿の様に先端部からエネルギーの糸が伸び、アイガーマンをグルグル巻きにした!

 

「!?」

 

「敵の言う事を無暗に信じちゃ駄目だよ」

 

自分で嵌めて置きながらシレッとそう言い放ち、U奏はアームドギアを投擲したかと思うと、そのアームドギアに向かって跳び蹴りを繰り出す。

 

先に投げられたアームドギアの柄底と、U奏の蹴りを繰り出している右足が接続されると、そのままアイガーマンに向かって足先にアームドギアをくっ付けた跳び蹴りが炸裂!

 

「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

身体に大穴を開けられたアイガーマンは、断末魔の叫びと共に爆発四散したのだった。

 

(………卑怯な)

 

「良く言われるよ~………ところで奏ちゃん。今度デートして、僕に釣られてみない?」

 

(遠慮しとく………)

 

苦言に開き直ってそう言って来たどころかナンパまでしてきたウラタロスに、奏は呆れた様子を見せるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K調サイド………

 

「ドスコイッ!」

 

「ゴバッ!?」

 

K調の繰り出した張り手を喰らったアイガーマンが、その余りのパワーの前に仰け反る。

 

「ドスコイッ!! ドスコイッ!! ドスコイッ!!」

 

そのまま鉄砲打ちの様に、連続で張り手を喰らわせるK調。

 

余りの威力の前に、アイガーマンが纏っているアーマーが罅割れを起こし、砕けて行く。

 

「ドスコイッ!!」

 

「ゴバッ!?」

 

そして渾身の張り手が繰り出されると、アイガーマンはぶっ飛ばされて地面を転がった。

 

「ごっちゃんです!」

 

(止めてーっ!!)

 

大股開きで残心を取っているキンタロスに対し、年頃な調は相撲の動きを恥ずかしがる。

 

「ええいっ! 舐めおってぇっ!!」

 

怒りを露にすると、2丁光線銃でK調を銃撃するアイガーマン。

 

「…………」

 

(イタイイタイイタイイタイッ!!)

 

キンタロスは持ち前の頑丈さで耐えながら、ギアを組み合わせて行くが、実際に喰らっているのは調の身体であり、堪ったものではない。

 

だが、そんな調の状態を知ってか知らずか、キンタロスは組み合わせたアームドギア………

 

刃の部分にチェーンソーとなっているハンドアックスを構える。

 

その刃のチェーンソーが不快な音を立てて回転し始めると、K調は銃撃を受けたまま前進を始める。

 

次々に銃撃を喰らうが、K調は全く怯まず前進を続ける。

 

「! 馬鹿なっ!?」

 

「ムンッ!!」

 

アイガーマンがその防御力に驚愕した瞬間に肉薄し、ハンドアックスを叩き込むK調。

 

「グアアアアアアッ!?」

 

光線銃が2丁とも砕け散り、アイガーマンはまたもブッ飛ばされて地面を転がる。

 

「ムンッ! ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

そこで、K調はハンドアックスを頭上に放り投げたかと思うと、相撲の様なポーズを執って気合を高める。

 

「ハッ!!」

 

そして跳び上がると、先程放り投げたハンドアックスをキャッチ。

 

「オリャアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

そのままハンドアックスを振り下ろし、落下の勢いもプラスした1撃で、立ち上がったアイガーマンを脳天から唐竹割りにした!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

断末魔の叫びと共に、アイガーマンは爆発四散した。

 

「………ダイナミックチョップ」

 

(身体中痛い………)

 

拘りの後から必殺技の名前を言うキンタロスと、彼の戦い方の所為で全身ボロボロとなる調だった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Rクリス………

 

「イエーイッ! アハハハッ!」

 

右手にハンドガン型のアームドギアを握りながら、ブレイクダンスを踊るRクリス。

 

(オイ! 真面目にやれっ!!)

 

「ふざけおって………死ねぇっ!!」

 

クリスがツッコミを入れた瞬間、アイガーマンも怒りを露に銃撃する。

 

「アハハハハハハッ!!」

 

しかし、Rクリスはブレイクダンスの動きで全て回避する。

 

「! 何っ!?」

 

「ヘッタクソー! アハハハハハハッ!!」

 

驚くアイガーマンに向かって、子供らしく馬鹿にするRクリス。

 

「オノレェッ!!」

 

「じゃあ、今度は僕の番だね! バーンッ!!」

 

そこでRクリスは反撃とばかりに、ハンドガンをアイガーマンに向かって乱射!!

 

しっかりと狙って撃ってるのではなく、むやみやたらと撃ちまくっている為、外れた銃撃が辺りをドンドン破壊して行く。

 

(オイッ! ちゃんと狙って撃てっ!!)

 

「グアアアッ!? コイツ、おかしいんじゃないのかっ!?」

 

周辺の被害などお構い無しで戦うリュウタロスに、クリスは愚か敵であるアイガーマンでさえおかしいと言い放つ。

 

「バーンッ!!」

 

そんなクリスとアイガーマンを無視し、更にアームドギアを乱射するリュウタロス。

 

「チイッ! 接近してしまえば!!………」

 

だが、そこは腐っても高性能な電子頭脳を持つアイガーマン。

 

すぐさまガンフォームの射撃の癖を分析し、回避しながら接近して、近距離戦に持ち込もうとする。

 

「イエーイッ!!」

 

「!? グアッ!?」

 

しかし、Rクリスはブレイクダンスの動きを、そのまま打撃へと変換し、近寄って来たアイガーマンに拳や蹴りを叩き込む。

 

「バーンッ!!」

 

「ガアアアアアアアアアアッ!?」

 

そして駄目押しとばかりに、ハンドガンの銃口を押し当て、ゼロ距離射撃を見舞った!!

 

ブッ飛ばされて地面を転がるアイガーマン。

 

「最期行くよ。良いよね」

 

「ま、待て……」

 

「答えは聞いてない」

 

Rクリスがアームドギアを両手で持って構えると………

 

側面に超小型ミサイルラックが出現!!

 

引き金を引くと、チャージエネルギー弾と共に、無数のマイクロミサイルがアイガーマンに放たれた!!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

明らかに個人に向けるものでは無い火力が襲い掛かり、アイガーマンは断末魔の叫びと共に消滅した。

 

「アハハハハハハッ! 消えちゃった!」

 

(………コエーよ、コイツ)

 

その光景を見て無邪気に笑うリュウタロスに、クリスは心の底から恐怖を感じるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

W切歌サイド………

 

「そこの者………誰の前に居ると心得ている? 頭が高いぞ」

 

優雅なポーズを取り、アイガーマンの前に超然と立って居るW切歌が上からそう言い放つ。

 

(頭が高いって何デスか?)

 

「やれやれ………コレだから教養の無い者は」

 

(教養?………)

 

やや頭が残念な切歌は、ジークの言葉の一部が理解出来ない。

 

「えいい! ふざけているのか!!」

 

アイガーマンは怒りの様子を見せながら、剣でW切歌へと斬り掛かる。

 

「…………」

 

だが、W切歌は両腕を後ろに組んだ姿勢で優雅に躱す。

 

「! キエアッ!!」

 

「…………」

 

更に連続で斬り掛かるアイガーマンだったが、W切歌はやはり両腕を後ろに組んだまま優雅に躱し続ける。

 

そして、アイガーマンの一瞬の隙を突いて、右手にブーメラン状の鎌と、左手に手鎌状の小型鎌のアームドギアを生成する。

 

その2つを擦り合わせて金属音を鳴らすと、アイガーマンが斬り掛かって来たタイミングで彼の攻撃を弾き、逆にカウンターを叩き込む。

 

「ぐああっ!? ば、馬鹿なっ!? 私の攻撃の方が読まれているだと!? 何故だっ!?」

 

「簡単だ………動くのは私でなく、『世界』の方だからだ」

 

(おおっ! 何かカッコイイデスッ!!)

 

信じられないと言う様子を露にしているアイガーマンに対し、ジークがそう言い放つと、切歌が意味の分からぬまま感動する。

 

「我が刃の前にひれ伏せ!」

 

とそこで、W切歌は一旦距離を取ったかと思うと、右手に持っていたブーメラン状の鎌をアイガーマンに向かって投擲した。

 

「! そんなものっ!!」

 

アイガーマンは飛んで来たブーメラン状の鎌を躱すと、そのままW切歌を斬り掛かろうとしたが………

 

そこでブーメランらしく戻って来た鎌がアイガーマンの背中を直撃!

 

「!? グオオッ!?」

 

「…………」

 

その瞬間にW切歌は、今度は左手の手鎌状の鎌を投擲!

 

鎌がアイガーマンの胸へと突き刺さったかと、戻って来たブーメラン状の鎌を回収しながら一気に肉薄。

 

そのままアイガーマンの胸に刺さっていた手鎌状の鎌を引き抜くと、両手の鎌で斬り付けた!

 

「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

断末魔の叫びを挙げ、アイガーマンは爆発四散。

 

「…………」

 

その爆発を背後に、W切歌はまたも優雅なポーズを決める。

 

(エレガントデース………)

 

そんなジークの戦いぶりに、終始感動する切歌だった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

装者達の新たなギア。
先ずはモモタロス達に憑依された翼達の『電王ギア』の活躍から。
アイガーマンはデータに無い戦い方をされたので、撃破されます。
かなり個性が出た戦いだったのでないでしょうか。

次回はメタルヒーロー型ギアを纏った響達の活躍です。
お楽しみに。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。