戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
ネフシュタンの鎧を纏っていた少女の正体が………
嘗て二課より盗難にあった第1号聖遺物『イチイバル』の装者候補とされていた『雪音 クリス』である事が判明………
彼女は『フィーネ』なる人物より指令を受けており、そのフィーネはマクーと協力関係にあると推測された。
ギャバン達の前にその姿を現したマクーの大幹部『アシュラーダ』は、ネフシュタンの鎧を回収し、ギャバン達に改めて宣戦布告し去って行った。
それを追う様にクリスも姿を消し、現在二課の黒服部隊による捜索が続けられている。
一方、戦いに巻き込まれてしまった未来は、二課より響の事情を説明され、機密保持の約束をさせられる。
だが、2人の友情に大きな溝が生まれてしまうのだった………
夜の繁華街………
「じゃ、気を付けてな」
「さよなら」
「おねえちゃん、ありがとう!」
「お世話になりました」
フィーネの所に戻ろうとしたクリスは、成り行きから迷子の兄妹を助けて、無事に父親と再会させる事に成功。
「…………」
去って行く親子達の背を何やら思う様なところが有る様な目で見ていたが、やがて踵を返して歩き出した。
そしてそのまま、人目を避けるかの様に路地裏へと入る。
すると途端に、音も無く現れた二課の黒服達がクリスを取り囲んだ!
「!!」
「雪音 クリスさんですね。申し訳ありませんが、特異災害二課までご同行願えますか?」
クリスが身構えると、黒服達がサッと左右に広がり、慎次が姿を見せる。
「ハッ! 大人しく言う事を聞くと思ってんのか?」
馬鹿にする様な笑みを浮かべ、ギアペンダントを構えるクリス。
「………手荒な真似は避けたいんですがね」
慎次はそう言いながら、拳銃を構える。
「「「「「…………」」」」」
黒服達もそれに倣う様に銃を構える。
一触即発の空気が辺りに漂う………
「待て」
と、その空気を切り裂く様に声が響く。
「「「「「「!!」」」」」」
慎次達とクリスが驚いていると、上空から人影が音も無く降りて来た。
「!? アンタッ!?」
「!? 貴方は!?」
その人物を見て驚愕するクリスと慎次。
それはまるでどこぞの人種差別の秘密結社を思わせる白い三角頭巾と装束で、背中にロケットランチャーを背負った、
「探したぞ、クリス………緒川も久しぶりだな」
「ロケットマンの小父さん!?」
「世界忍者 爆忍・ロケットマンさん!? 何故此処に!?」
それは世界忍者の1人………『爆忍・ロケットマン』だった。
「スマンが緒川。この娘は俺に任せて貰いたい」
「えっ!?」
「頼む………」
戸惑う慎次に対し、ロケットマンは深々と頭を下げて見せる。
「………分かりました。貴方程の方がそこまで仰るのなら」
「感謝する」
「…………」
慎次が手を上げると、クリスの周りを取り囲んでいた黒服達が、現れた時と同じ様に音も無く消えて行く。
「…………」
最後には慎次の姿も、影の中へと沈んで行った………
「…………」
それを確認したロケットマンは、クリスの方に向き直る。
「…………」
当のクリスは、気まずそうにロケットマンから視線を逸らす。
「まさか二課の在るこの街に居たとは驚いたぞ。さあ、クリス。ご両親も心配している。帰ろうじゃないか」
そんなクリスに、ロケットマンは優しい口調でそう語り掛ける。
「! ウルセェッ! 帰る気なんかねえよっ!!」
途端にそう怒鳴り返すクリス。
「クリス、意地を張るな。あの時の事は雅律もソネットも後悔しているのだぞ」
「! そんなの………今更に聞きたくねえよっ!!」
そこでクリスは、ロケットマンに背を向け、走り去ってしまう。
「あ! クリスッ!!………ハア~、全く………反抗期を拗らせた年頃の娘ほど扱い辛いモノは無いな………」
走り去って行くクリスに虚しく手を伸ばしながらも、ロケットマンは深く溜息を吐いた。
爆忍・ロケットマン………
先代のロケットマンからその名を受け継いだ彼は、先代の過去の経緯から戦争や紛争を嫌っており、各地の戦乱に秘密裏に介入しては民間人への被害を防ぐと言う活動を行っていた。
そんな活動の中で、クリスとその両親である世界的ヴァイオリニストの父『雪音 雅律』と声楽家の母『ソネット・M・ユキネ』と出会ったのだ。
歌で世界を救うと言う夢を抱いていた雪音夫妻は、NGO団体に所属し、各地で公演をしつつ、戦地での難民救済のボランティア活動を行っていた。
手段は違えど、同じ平和を望む心を持った雪音一家とロケットマンは意気投合。
行動を共にする様になる。
しかし、南米の小国『バルベルデ共和国』を訪れていた際………
支援物資として届けられていた荷物の中に、爆弾が混入。
幸いにも逸早くロケットマンが気付き、被害は最小限に抑えられたが、雅律とソネットは重傷を負ってしまった。
2人は治療に為にクリスと共に日本へ帰国。
長い入院生活とリハビリの末に、無事に退院したのだが………
あんな目に遭ったのに、まだ歌で世界を救うという夢を捨てず、NGO活動を続けようとしていた雅律とソネットにクリスが反発。
何とか説得しようとした2人だったが、クリスは衝動的に家出をしてしまう。
すぐに捜索願いを出した雅律とソネットだったが、その時点でクリスはフィーネに拉致されてしまっていた………
夫妻から話を聞いたロケットマンも、仲間の世界忍者達にも手伝ってもらい、本業の合間にクリスを捜索していたのだ。
◇
翌日………
放課後のリディアン音楽院・校門にて………
「響ちゃんと未来ちゃん………大丈夫なのか?」
校門が見える位置に車を止め、リディアンの様子を窺っている轟。
昨日の戦闘で、未来が響の秘密を知ってしまい、2人の仲が拗れてしまっていないか心配しているのだ。
とそこで………
「待って、未来っ!!」
校門から走り出て来た未来を、追う様に響が現れる。
(! 未来ちゃん! 響ちゃん!)
轟は車内に身を伏せ、様子を窺う。
「いや! 来ないで!」
「未来! お願いだから聞いて!」
拒絶する様な態度を執る未来に、響は再度呼び掛ける。
「…………」
そこで足を止めるが、響に背を向けたままにする未来。
「未来! ゴメン!」
「………如何して響が謝ったりするの?」
「未来は、私に対して隠し事しないって言ってくれたのに、私はずっと未来に隠し事してた。私は………」
「言わないで!」
響の言葉を遮って振り返る未来。
その目には涙が浮かんでいる。
「!!」
「これ以上、私は………響の友達でいられない」
「?!」
その言葉に愕然となる響。
「………ごめん!」
未来は再度響に背を向けると、逃げる様に走り去って行った………
「…………」
呆然としたままそれを見送った響が、その場にペタンと座り込む。
「………如何して………こんな………やだ………嫌だよぉ………未来ぅ………」
そしてそのまま泣きじゃくり出す。
(やっぱりか………如何する? 如何すれば良い?)
その様子を見ていた轟は、如何すれば良いのかと苦悩したが………
そこで脳裏に、幼馴染として過ごしていた響と未来の記憶が過る。
「………そうだよな。放っておけないよな」
轟は決心したかの様な表情となると、未来が走り去って行った方向に向かって、車を発進させた。
リディアンの校門前を通り過ぎる際に、泣きじゃくる響に『
「う、ううう………?」
泣き続けていた響だが、そこで『
「………ハンカチ?」
それは真っ白なハンカチだった。
「如何してハンカチが?………!?」
突然ハンカチが乗っかって来たのに疑問を覚えた響だったが、その瞬間にある光景が脳内にフラッシュバックする。
響の回想………
「ひっく………ひっく………」
1人泣きじゃくっている幼い日の響。
今日は偶々未来が居らず、寂しさで泣いていたのだ。
「うう………?」
とそこで、泣いていた響の頭にハンカチが落ちていた。
「泣いてちゃ可愛い顔が台無しだぜ」
聞こえて来た声に響が顔を上げると、そこには何時の間にか現れた轟の姿が在った。
「轟兄………」
「さ、涙を拭きな。あばよ涙だぜ」
「………プッ、何それ! アハハハハハハッ!」
轟の言葉に、響が笑い出しながら、貰ったハンカチで涙を拭くのだった………
現在・リディアンの校門前………
「まさか!?」
涙も引っ込んだ響は、慌てて立ち上がって周りを見回すが、既に轟の車は走り去っており、周囲には誰も居ない。
「………轟兄」
ハンカチを握り締め、そう呟く響だった………
一方、その頃………
未来はまだ走っていた。
まるで何かから逃げる様に………
(嘘吐き………響の噓吐き!)
心の中でそう繰り返しながら走り続ける未来。
と、その時!!
ギャインッ!
周囲の確認が疎かになっていた未来の足が
「えっ!?」
思わず足を止めた未来が見たのは………
ウウゥ~~~………
自分に向かって唸り声を挙げている大型のドーベルマンの姿だった!
如何やら、未来が先程踏み付けてしまったのは、ドーベルマンの尻尾だった様だ。
「!? ゴ、ゴメンなさい!!」
ワンッ!! ワンッ!! ワンッ!!
咄嗟に頭を下げて謝る未来だったが、ドーベルマンは怒り心頭の様子で吠える。
「キャッ!?」
ウウゥ~~~………
それを聞いた未来が怯むと、ドーベルマンは唸り声を挙げながらにじり寄って来る。
「あ、ああ………」
恐怖で足が竦んでしまい、逃げられなくなる未来。
不幸には周りに人は居らず、助けを求める事も出来ない。
ウウゥ~~~………
「こ、来ないで!………」
未来は恐怖から目を瞑る。
(ああ、そう言えば、昔もこんな事が………あの時は響と………)
その脳裏に、走馬灯の様に幼き日の記憶が過る。
すると………
クゥ~ン、クゥ~ン
突如ドーベルマンの鳴き声が、甘えている様な機嫌の良いモノへと変わった。
「お~、よしよし。悪かったって、そう怒るなよ」
そして続いて聞こえて来た男性の声。
(………えっ?)
その声を聞いた未来が何かに気付いた様にバッと目を開けると………
「よ~しよし。ホラ、行きな」
ワンッ! ワンッ!
ドーベルマンを宥め、立ち去らせた男の背中が在った。
去って行ったドーベルマンを見送ると、男はゆっくりと立ち上がる。
その姿が、記憶の中に在る姿とダブる未来。
「貴方は………」
「…………」
未来が声を掛けると、男性………轟は振り返る。
「!? 轟………お兄ちゃん?」
目を見開いて驚愕を露わにする未来。
「よっ、久しぶり。益々綺麗になったな、未来ちゃん」
轟は笑みを浮かべてそう言葉を返す。
その笑みが、未来の記憶の中の轟の姿と完全に重なる。
「元気そうだな。響ちゃんは………! おっと!?」
「轟お兄ちゃん! 本当に轟お兄ちゃんなのね!?」
台詞を遮り、未来は轟に抱き着くと、何度も名前を呼びながら泣きじゃくる。
「オイオイ、落ち着けって。俺は正真正銘、十城士 轟だぜ」
「轟お兄ちゃん!!」
宥める轟だったが、未来は暫く轟に抱き着いたまま泣き続けたのだった………
数10分後………
漸く落ち着いた未来と話をする為、轟は近くに在った喫茶店に入っていた。
「お待たせしました。コーヒーとアイスティーです」
「どうも」
「ごゆっくりどうぞ」
テーブル席に向かい合って座っていた轟と未来の元に、店員が注文した飲み物を置いて立ち去る。
「あの轟お兄ちゃ………轟さん。今まで何を………」
「何だよ、そんな他人行儀な呼び方して。お兄ちゃんで良いよ、未来ちゃん。さっきはそう呼んでてくれたじゃないか」
「! だ、だって、もう子供じゃないし………その………恥ずかしいし………」
「未来ちゃんが大人に………お兄ちゃんは悲しい~、オイオイ」
恥ずかしがる未来に、業とらしい悲しんでいる演技を見せる轟。
「! もう! ふざけないでよ、轟お兄ちゃん! それよりも何時戻って来たの!? 今まで如何してたの!? 如何してあの日居なくなっちゃたの!? 全部教えて!!」
そんな轟の姿を見て、未来は怒りながら捲し立てる様に質問を飛ばす。
「悪い、それは言えないんだ」
だが、轟はコーヒーに口を付けながら、あっけらかんとそう返した。
「…………」
途端に未来は表情を曇らせ、視線を俯かせた。
「轟お兄ちゃんも響みたいに私に隠し事するんだね………」
「何だ? 響ちゃんと喧嘩でもしたのか?」
事情は知っているが、轟は敢えてそう尋ねる。
「別に………何も言ってくれない轟お兄ちゃんには関係無いよ」
「そうか。まあ確かに、未来ちゃんと響ちゃんの仲が如何なろうが、俺には関係無いな」
「!? えっ!?………」
突っぱねる様に返した未来だったが、轟からそんな更に言葉が返って来て、思わず驚きながら視線を上げた。
「人の付き合いなんて呆気無く切れるもんだ。響ちゃんと未来ちゃんの友情が終わったのは寂しいが、長い人生で見ればほんの些細な事だ。特別に気にする様な事じゃないだろう」
「!!」
あんまりな轟の態度に、未来の顔が怒りに染まる。
「まあ、そう気にするな。別に響ちゃん以外にも友達は………」
「響は私の太陽なの! 轟お兄ちゃんも知ってるでしょう!!」
テーブルを両手で叩きながら立ち上がり、轟にそう怒鳴りつける未来。
「何時も一緒に居てくれた! 辛い事も悲しい事も分け合って乗り越えて、嬉しい事や楽しい事は倍になった! 響は私のとって掛け替えない存在なの! 代わり何て居ない!!」
「…………」
「そんな響が私に隠し事してて………私、悔しかった! 秘密を打ち明けてくれないのは私が頼りないから! 今の私じゃ響の力になれないから! そう思ったら気持ちがぐちゃぐちゃなって、響に酷い事言っちゃって!!………」
「何だ………ちゃんと分かってるじゃないか」
「………えっ?」
不意にそう言って来た轟に、未来は困惑の表情を見せる。
「悪いな。実を言うと、響ちゃんと喧嘩してるところを見ててな。そんで、多分未来ちゃんは気持ちの整理が出来てないからあんな事を言っちまったんじゃないかと思ってな」
「それは………」
「今自分で言ってたじゃないか。響ちゃんは掛け替えない存在だって。そんな響ちゃんと喧嘩しちまったのは未来ちゃんの気持ちの整理が出来てなかったからだろう」
「…………」
轟の言う事にも一理有ると思った未来は黙り込む。
「それになあ、未来ちゃん………きっと響ちゃんも辛かったと思うぞ」
「響が?」
「響ちゃんは隠し事が出来る性格じゃない。知ってるだろう」
「うん………」
「そんな響ちゃんが必死に隠そうとしていた。それは何故か?………それはその秘密を知ってしまったら、未来ちゃんにも危険が及ぶからじゃないか?」
「私に?」
「そうだ。もし未来ちゃんと響ちゃんの立場が逆だったら、未来ちゃんは響ちゃんに話せたかい? 知ってしまったら命に関わる様な事が起きかねない秘密を?」
「!?」
そう言われたハッとした様な表情となる未来。
「私………自分の事しか考えてなかった………響だって、本当は隠してる、辛かった筈なのに………」
未来の目から涙が零れ出す。
「轟お兄ちゃん………私、如何すれば?………」
「簡単だ。響ちゃんと良く話し合えば良い」
「でも!………」
「響ちゃんが俺の知ってる響ちゃんのままなら………許してくれると思うぞ。アイツはそう言う奴だからな」
「!………」
途端に未来は、憑き物が落ちたかの様に穏やかな表情となった。
「そう………だよね。ありがとう、轟お兄ちゃん」
涙を拭うと、轟に向かって笑顔でお礼を言う未来。
「気にするな。2人が喧嘩したら俺が仲介するのがお約束だったろ」
そう言いながら轟は、伝票を手に取り、財布を出して中を見る。
「………あ」
途端にその表情が固まる。
「? 轟お兄ちゃん? 如何したの?」
「………未来ちゃん、ゴメン。お金借りても良いかな?」
未来が尋ねると、轟は苦笑いしながら
「…………」
それを見た未来は、途端に打って変わって心底呆れた様な表情を見せるのだった………
数分後………
「いや~、ホントスマン」
「もう! ちゃんと纏まったお金は持ってないと駄目だよ! 昔っからそうなんだから!!」
「いや面目次第もございません」
プリプリとしている未来に対し、轟は只管に平謝りするしかない。
「………もう良いよ。許してあげる。その代わり、お願いを聞いて貰うからね」
「………予想は付くけど、何かな?」
「響とも会って」
(やっぱそう来るよな………)
未来からのお願いに内心でそう思う轟。
「ホントは轟お兄ちゃんが隠してる事も知りたいけど………それは時が来たら必ず話してくれるでしょう?」
「ああ………」
「だったら今は響と会って。響だって、ずっと轟お兄ちゃんと会いたがってたんだから」
「………分かった。約束する。タイミングはそっちで指定してくれ。合わせるよ」
轟は覚悟を決めた様な表情となり、未来にそう言う。
「うん、分かった。それじゃあ轟お兄ちゃん………またね」
未来は轟に向かって手を振ると、響との仲直りへ向かった。
「………腹括るしかねえか」
残された轟は、そう言いながら頭を掻き、車を停めた場所へ戻ろうとする。
と、その時!!
「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
「!? 未来ちゃん!?」
未来の悲鳴が聞こえて来て、慌てて駆け出す轟。
「は、放してぇっ!!」
「フアハハハハハハッ!!」
そこで目にしたのは、恐竜を思わせるダブルモンスター………『キョウリュウダブラー』が未来を捕まえている光景だった。
「! マクー! オイ、待てっ!!」
「! 轟お兄ちゃんっ!!」
すぐさまキョウリュウダブラーに向かって行く轟と、その姿を見た未来が必死に手を伸ばす。
「フアハハハハハハッ!!」
だが、キョウリュウダブラーが高笑いを挙げると、その姿が未来諸共消えようとして行く………
「未来ちゃん!」
「轟お兄ちゃんっ!!」
未来が必死に伸ばした手を取ろうとした轟だったが、寸前のところで未来はキョウリュウダブラー共々消えてしまった………
「ああ!?………クソォッ! マクーめっ!!」
まんまと目の前で未来を攫われてしまった轟の叫びが、虚しく辺りに木霊するのだった………
その頃………
リディアン学生寮・響と未来の部屋………
「未来………遅いなぁ」
未来の帰りを今か今かと待ち続けている響。
(やっぱり………まだ怒ってるよね)
1人考え込んでいるとネガティブな気持ちばかりが募っていく………
と、その時!!
響の携帯が鳴った!
「!!」
すぐに手に取ると、通知画面には『未来』と表示されていた。
「! 未来! 今何処に………」
『立花 響だな』
すぐさま出る響だったが、電話の先から聞こえて来たのは未来ではなく、男性らしき声だった。
「!? その声は!? まさかっ!?」
驚愕を露わにする響。
それは先日、クリスと共闘したダブルモンスター達との戦いの後で出て来たマクーの大幹部………アシュラーダの声だった。
『小日向 未来は我々マクーが預かった』
「!?」
アシュラーダから聞かされた言葉が一瞬理解出来ず、響は固まる。
『返して欲しければ廃棄港湾地区に貴様1人で来い。もし他の装者や特異災害二課に知らせれば、小日向 未来の命は無いと思え』
そう言って、電話は一方的に切られた。
「…………」
呆然となっていた響の形態を持っていた手がダラリと下がり、そのまま携帯を取り落とす。
「未来が………マクーに………」
絶望に染まった表情で、響は愕然としながら呟くのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
クリスの言っていた小父さんの正体は………
世界忍者戦ジライヤの爆忍・ロケットマンでした。
奏の家族の救済を決めた時、クリスの家族も救ってやらないと不公平になるなと思い、クリスの家族の救済も考え、バルベルデ共和国で戦火に巻き込まれる事に介入出来そうなキャラを考えたところ、初代ロケットマンがベトナム戦争に絡むキャラだったので、そこから2代目ロケットマンを紛争や戦争に介入して戦火に巻き込まれた民間人を救助しているキャラにしようと思い、こんな形に纏めてみました。
本編でも言っている通り、この作品のクリスは反抗期を拗らせてあんな感じになってますので、まだちょっと仲間になるのは時間が掛かります(笑)
そして響の秘密を知ってしまった未来。
2人の友情にヒビが入ってしまったのを見過ごせなかった轟は、遂に未来の前に姿を現します。
未来を説得し、響とも会う約束をさせられた師匠と同じ金欠症と言う意外な弱点(笑)が発覚した轟ですが、そこへまたしてもマクーが!!
未来が連れ去られ、響が呼び出して受けてしまいます。
果たして響と轟は如何するのか?
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。