戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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XV編 星空のメッセージ
第1話『月面の脅威』


遂にサタンゴースとアダムことマッドギャランを倒し、パヴァリア光明結社との戦いに決着を着けた宇宙刑事達と装者達。

 

だがそこへ………

 

マクー・マドー・フーマを蘇らせた一連の黒幕………

 

『暗黒銀河女王』が、遂にその姿を現した!!

 

その圧倒的な力により、翼・奏・マリア・切歌・調の5人もの装者が1撃で戦闘不能とされてしまった………

 

それに満足したのか、暗黒銀河女王は全宇宙を自分の物とする事を宣言し、姿を消した………

 

果たして、暗黒銀河女王は何を企んでいるのか?

 

宇宙刑事達と装者達は、この強大な敵を相手に如何戦うのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

政府お抱えの病院・某病室にて………

 

「ぐうう………」

 

「翼さん、大丈夫ですか?」

 

ベッドの上で呻き声を挙げている翼に、響が心配そうに声を掛ける。

 

「だ、大丈夫だ………スマン、立花………こんな不甲斐無い事になってしまって………! ぐううっ!!」

 

「ああ! 無理をしないで下さいっ!!」

 

翼は自身の不甲斐無さを詫びるが、その間にも傷が痛んで呻き声を漏らし、響から更に心配の声を掛けられる。

 

暗黒銀河女王によって重傷を負わされた翼達は、すぐさまお抱えの病院へ緊急搬送された。

 

全員が手術が必要なまでの深手であったが、幸いにも一命を取り留める。

 

だが、当然ながら全員に入院が必要であり、身体は包帯が巻かれていない場所を探す方が難しいくらいの状態であった………

 

更に、彼女達のシンフォギアも完全に破壊されてしまっており、現在ベン所長を中心に技術班が総出で修理を行っているが、完了するには時間が掛かるとされている………

 

最早完全に翼達は戦闘不能状態であった。

 

「チキショー………この大事な時によぉ………!? うぐっ!?」

 

「心配しないで、クリス達の分まで頑張るから」

 

翼と同様な状態でベッドに寝かされていたクリスが愚痴るのを、未来が慰める。

 

「「…………」」

 

「切歌………」

 

「調ちゃん………」

 

未だに昏睡状態が続いている切歌と調のベッドの傍では、マリアとセレナが暗い顔をして佇んでいる。

 

「マリア………」

 

「…………」

 

そんなマリアの両肩に、背後から優しく手を置く雷と、掛ける言葉が見つからないターザン。

 

「………暗黒銀河女王は如何なったんだ?………! ぐあっ!!

 

「アレ以来目立った動きは無い………」

 

「それが却って不気味ではありますけど………」

 

奏が痛みに苦しみながらも暗黒銀河女王の事を問い質すと、キャロルと劾がそう返す。

 

あの後、姿を暗ませた暗黒銀河女王の行方は未だに分かっていない………

 

各国の諜報機関等とも連帯しているが、手掛かりすら見つかっていない状態だ。

 

「………どうも()()()()がするな」

 

轟が嫌な予感を感じ、険しい表情を浮かべていた、その時………

 

轟達と響達の通信機が一斉に鳴った!!

 

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

『緊急事態発生っ! 緊急事態発生っ!』

 

『装者並びに宇宙刑事の皆さんは直ちに本部へ集合して下さいっ!!』

 

全員が通信機をオンにすると、焦った様子に朔也とあおいの声が響き渡る。

 

「行くぞっ!!」

 

「「「「「「「「おうっ!(ハイ、ええ))」」」」」」」」

 

すぐさま轟達は、翼達への挨拶もそこそこに本部へ急行するのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーチラス号・発令所にて………

 

「遅くなりました!」

 

「弦さん! 何があったんだっ!!」

 

発令所へと駆け込んで来たメンバーの中で、響と轟がそう声を挙げる。

 

「先程、月の遺跡を観測している衛星が異常をキャッチした」

 

「! 月の遺跡ですって!?」

 

弦十郎がそう答えると、マリアが驚きの声を挙げる。

 

「確か、以前にフィーネさんが言っていたバラルの呪詛のシステムを管理している場所ですよね?」

 

「ああ、元は改造執刀医シェム・ハの復活を防ぐ為にな………」

 

劾とキャロルがそう言い合っていると………

 

発令所内に警報が鳴り響いた!

 

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」

 

「如何したっ!?」

 

「監視衛星からの報告です! 月面に異常震動を検知っ!!」

 

弦十郎の問いに、朔也がそう答えた瞬間………

 

メインモニターに映されていた月の遺跡に変化が起こる。

 

剝がれた月面部から見えている遺跡部分を突き破る様にして、巨大な構造物が迫り出して来た。

 

その迫り出して来た構造物が、塔の様な形状へと変形して行く。

 

「えっ!?………」

 

「アレって………」

 

その構造物を見た響と未来が驚きを露にする。

 

「そんな!? まさかっ!?」

 

「嘘でしょっ!?」

 

朔也とあおいも動揺を見えている。

 

「カ・ディンギルだとっ!?」

 

「!?!?」

 

弦十郎が驚愕の声を挙げ、了子も思わず口元を手で覆った。

 

そう………

 

月の遺跡を突き破って出現した構造物………

 

それは嘗て、フィーネが月を破壊する為に建造し、後にマクーに利用されそうになった超大型荷電粒子砲………『カ・ディンギル』だった!!

 

「………俺達が知っているカ・ディンギルよりも更にデカいぞ」

 

そんな中で、轟がモニターに映る月面に出現したカ・ディンギルを見て、そう呟く。

 

その指摘通り、元より巨大なカ・ディンギルであったが、月面に現れたモノは轟達が知るモノよりも更に大きく………

 

実に10倍以上のサイズが在った。

 

「アレが暗黒銀河女王の計画とやらか………」

 

「まさか!? アレで地球を撃つ積りですかっ!?」

 

月面の超巨大カ・ディンギルの映像を見ながら、雷と劾がそう言い合う。

 

「あんなモノで撃たれたら、地球は粉々だぞ!!」

 

「いえ、カ・ディンギルが出現した箇所からでは、地球を狙う事は出来ません」

 

キャロルが若干に戦慄を見せながら言うと、エルフナインがそう返す。

 

月は常に同じ面を地球に向けている為、超巨大カ・ディンギルが出現した位置では、地球を狙う事は出来ないのだ。

 

「じゃあ、あのカ・ディンギルは一体何を?………」

 

「如何やら、狙いは最初から地球では無い様だね………」

 

ならばあの超巨大カ・ディンギルの標的は何なのかとマリアが疑問を呈すると、ベン所長が険しい表情でそう言う。

 

「ベン所長?」

 

「見た前………30分後に月が移動した際のカ・ディンギルの射線だ」

 

そう言ってベン所長は、月が30分後に移動した際に、月面の超巨大カ・ディンギルの射線が如何なるかのシミュレーション結果をメインモニターに表示する。

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

それを見た発令所に居た全てのメンバーが全て驚愕する。

 

30分後に、月が移動した際の超巨大カ・ディンギルの射線に捉えられてモノ、それは………

 

「まさかっ!?………『()()』かっ!?」

 

弦十郎の声が静まり返った発令所内に響き渡る。

 

そう………

 

超巨大カ・ディンギルの狙い………

 

それは太陽に他ならなかった!!

 

もし、あの超巨大カ・ディンギルの荷電粒子が太陽に直撃すれば………

 

超新星爆発が起こり、太陽や地球どころか、太陽系そのものが消し飛んでしまう事になるだろう。

 

「た、太陽をっ!?」

 

と、響が戦慄の声を挙げた瞬間………

 

突然メインモニターが砂嵐となる!!

 

「!? 如何したっ!?」

 

「か、回線に強制的な割り込みが!!………」

 

あおいがそう報告を挙げた瞬間………

 

『ハハハハハハハハッ!!』

 

メインモニターいっぱいに、玉座の様な物に腰掛け、高笑いを挙げている暗黒銀河女王の姿が映し出された!!

 

「! 暗黒銀河女王っ!!」

 

「「「「「「「「!!」」」」」」」」

 

映像ながらも、宇宙刑事達と装者達は思わず身構える。

 

『御機嫌よう、諸君………間も無く私の計画が実行される時だよ』

 

「あの超巨大カ・ディンギルで太陽を撃つのが貴様の狙いか!!」

 

『その通りさ! それこそが私の計画さ!!』

 

「馬鹿なっ!? 一体何の為にそんな事をっ!?」

 

『フフ、良いだろう………冥途の土産に教えてやるよ』

 

何故そんな事をするかのと信じられない様子の弦十郎の問いに、暗黒銀河女王は不敵に笑いながら応じる。

 

『それは、この太陽系こそが宇宙の『()()()()』だからさっ!!』

 

「!? 『大特異点』だとっ!?」

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「ど、如何言う事ですかっ!?」

 

暗黒銀河女王から齎された、太陽系が宇宙に大特異点であると言う事に、一同は一瞬困惑する。

 

『お前達は不思議に思わなかったのかい? この広い大宇宙の中で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「!………」

 

暗黒銀河女王の言葉に、轟が思い当たる節が有る様な顔になる。

 

太陽系は銀河系中心部よりかなり外れた位置にあり、場所的には田舎と言える。

 

にも拘わらず、地球には数多くの悪の組織が生まれ、或いは態々外宇宙からまでも飛来して来る事が幾度となくあった。

 

まるで、この太陽系が特別であるかの様に………

 

「まさか………」

 

『奴等も無意識の内に知っていたのさ、この太陽系こそが宇宙の大特異点である事をね………そして、その大特異点であるこの太陽系の太陽を消せば、因果律によって宇宙に存在する全ての太陽・恒星も消滅するのさ!』

 

「! 全ての太陽や恒星が………消滅だとっ!?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

話が余りにも壮大となり、全員が言葉を失う。

 

『そうすれば、この宇宙はアタシの大好きな暗黒と静寂に満ちた宇宙………暗黒銀河となる! つまり! アタシは全ての宇宙の女王となるワケさ!! ハッハッハッハッハッハッ!!』

 

そんな一同に向かって、暗黒銀河女王はすっかり良い気となった高笑いを響かせるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂にXV編。
いきなり暗黒銀河女王の計画とその目的が判明しました。
地球にだけ、何故あんなに悪が多いのか?
その答えを私なりに考えた設定を付けてみました。
果たして轟達は計画を阻止出来るのか?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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