戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第19話『双翼を守る者達』

響達がデートしたより数日後………

 

仕事に本格的に復帰する事になった翼と奏………ツヴァイウイングがライブが開催される事になった。

 

その会場は、再建が成された()()()()()()()だった。

 

翼と奏は、過去を乗り越える思いも込めて、敢えてこの会場を選んだのである。

 

招待を受けた響と未来もそれに同意し、いよいよライブの日が訪れる。

 

しかし………

 

そんな彼女達の事情などは御構い無しに………

 

厄災はやって来るのだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕闇に染まり始めた街………

 

その中を走る響に姿が在った。

 

「折角、チケット貰ったのに………開演に送れそう」

 

何時もの遅刻癖が出てしまい、遅れてしまった様だ。

 

と、その時………

 

二課との通信機が鳴った。

 

「ん?………!!」

 

通信機を取り出した響の表情が険しくなる。

 

「ハイ、響です」

 

『ノイズの出現パターンを検知した。かなりの数だ』

 

響が応答すると、弦十郎がそう告げて来た。

 

選りに選って今日この日にノイズの出現。

 

オマケに相当な軍団であるらしい。

 

『翼と奏にもこれから連絡を………』

 

「師匠!」

 

『? 如何した?』

 

止むを得ずライブを中止させる為に翼と奏にも連絡すると言おうとした弦十郎だったが、それを遮る様に響が声を挙げる。

 

「現場には、私1人でお願いします………今日の翼さんと奏さんには、自分達の戦いに臨んで欲しいんです。あの会場で、最後まで歌い切って欲しいんです!」

 

『!!』

 

「お願いします!」

 

『………やれるのか?』

 

通信先で、弦十郎は一瞬柔和な笑みを浮かべたかと思うと、すぐに表情を引き締めて響に問い質す。

 

「ハイ! よろしく勇気です!!」

 

響は力強くそう答えた。

 

『分かった………頼むぞ』

 

「!!」

 

通信が切れると、響はすぐさま路地裏に移動。

 

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

 

 

人影が無いのを確認すると、聖詠を唱えてシンフォギアを身に纏う。

 

そして足のジャッキを使って大跳躍した!!

 

そのまま上空で、ノイズが出現した工場地帯を確認する。

 

「アッチか!……!」

 

とそこで、風切り音が聞こえて来て振り返ると………

 

「…………」

 

サイバリアンに跨って飛んで来たギャバンの姿を確認する。

 

「ご………ギャバンさん!」

 

一瞬轟兄と呼び掛けて、二課にモニターされているかも知れないと思い、慌てて言い直す。

 

「乗れ、響ちゃん!」

 

「うん!」

 

そのまま飛んで来たサイバリアンに跨ったギャバンの後ろに着地し、身体にしがみ付く響。

 

「サイバリアンレーザースピード!」

 

ギャバンがそう叫ぶと、サイバリアンは青い光となって一気に工場地帯へと飛ぶんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工場地帯………

 

「チュウッ!」

 

「ハッ!!」

 

工場地帯内へと降り立ったギャバンと響が見たのは、辺り一帯を埋め尽くす様に布陣している大量のノイズ達の姿だった。

 

「凄い数………」

 

「だが如何やらマクーは居ない様だ………油断は禁物だが、コレぐらいで後れは取らんさ!」

 

「うん! 翼さんと奏さんのライブの邪魔はさせない!!」

 

そう言い合って互いに構えを取り合うギャバンと響。

 

「行くぞ!」

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

ギャバンが声を挙げると、響は叫びながらノイズへと向かって行く。

 

右腕のアームドギアを展開させるとエネルギーをチャージし、足のジャッキを利用してノイズ群の中を稲妻の様にジグザクに突き抜ける!

 

突き抜けた場所にノイズが消滅したかと思うと、周りのノイズ達も一瞬遅れて炭となり、雲散した!

 

「ディメンジョンボンバーッ!!」

 

ギャバンもディメンジョンボンバーを繰り出し、突き出した両拳と体当たりで、ノイズを次々に炭へと変えて行く。

 

「レーザーZビームッ!!」

 

更に高所に着地すると、ノイズ群の一角にレーザーZビームを放ち、爆散させる。

 

「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

レーザーZビームを生き残ったノイズ達を次々と殴り倒す響。

 

だが、ノイズ達は引きり無しにドンドン湧いて出て来る。

 

「クウッ! やっぱり数が多い!」

 

それを見た響がそう言った瞬間!!

 

多数の小型ミサイルとロケット弾が飛来し、ノイズ達の中に着弾!

 

多数のノイズが吹き飛ぶ!

 

「!?」

 

「今のは………」

 

響が驚き、ギャバンがミサイルとロケット弾が飛んで来た方向を見やると………

 

「おりゃあっ!」

 

「…………」

 

威勢の良い声と共にクリスが現れ、その隣に無言でロケットマンも降り立つ。

 

「クリスちゃん! ロケットマンさんも!」

 

「遅くなってすまない。本日付けでクリスも二課所属となる。仲良くしてやってくれ」

 

響が嬉しそうに駆け寄ると、ロケットマンがそう言って来る。

 

「そうなんだ! これからは一緒に戦えるんだね、クリスちゃん!」

 

嬉しそうな笑顔をクリスに向ける響だが………

 

「フン!」

 

クリスはぶっきらぼうにそっぽを向いてしまう。

 

「! クリスちゃん!………」

 

「勘違いすんなよ! 二課には協力するけど、お前達と慣れ合う積りなんてないからな!」

 

驚く響にそう言い放つクリス。

 

だが………

 

「すまない。クリスは素直じゃない所が有ってな。それに責任感も強い子だ。今までの振る舞いを気にしていてこんな態度を執ってしまっているんだ。許してやってくれ」

 

「! 小父さんっ!!」

 

ロケットマンがそんなクリスの心情を解説し、クリスは顔を真っ赤にして抗議する。

 

「そうだったんだ。クリスちゃんって可愛いね」

 

「! うるせぇ! 大体、お前年下だろ! 何だクリスちゃんって!!」

 

そんなクリスに、響が温かい眼差しを向けたかと思うと、クリスはヘッドロックを掛ける。

 

「ぐえええっ!? ギブギブッ!!」

 

「じゃれ合うのもその辺にしておけ」

 

割と本気で掛けられたので、響がクリスの腕をタップしていると、ギャバンがそう言いながら2人を引き剥がす。

 

「君がギャバンか。噂は聞いている」

 

「そりゃどうも。先ずは目の前の敵を片付けようじゃないか」

 

ロケットマンとも軽く言葉を交わすと、ギャバン達は再度ノイズ群に向き直った。

 

「一気に片付けてやるぜ!」

 

先ずはご挨拶とばかりにクリスが両手にガトリングガンを構えたかと思うと、腰部の小型ミサイルポッドと背部の大型ミサイルも展開。

 

それを一斉射して、ノイズの大半を消し飛ばす!

 

「!…………」

 

ロケットマンも手甲型の小型ロケットランチャーの小型ロケット弾を放ちつつ、近寄って来たノイズはナイフで斬り捨てて行く。

 

広域殲滅攻撃を持つクリスとロケットマンが加わった事で、ノイズ群が数を減らし始める。

 

「凄い!」

 

「負けてられないな、よし! ギャビオーンッ!!

 

響が歓声を挙げていると、ギャバンが空に向かって叫び、ドルギランから高次元戦闘車ギャビオンが発進。

 

ギャバンの前に着陸して来る。

 

「チュウッ! ギャビオン、GO!!

 

その車体の上に飛び乗って声を挙げると、履帯を鳴らしながらギャビオンがゆっくりと走り出す。

 

「ギャビオンロケットォッ!!」

 

更にそう掛け声を挙げると、ギャビオンがロケット砲を連射!!

 

機関銃の様に放たれるロケット弾が、次々にノイズ達を炭に変えて爆散させて行く。

 

ギャビオンも加わった事で、ノイズの数は更に減って行く。

 

だがそこで、工場地帯の奥から、巨大な3つの影が立ち上がる………

 

まるで都庁を思わせる様な形をした巨大ノイズだ!

 

触手の様に動く砲台から、ノイズを砲弾の様に撃ち出して来る!!

 

「うおわっ!?」

 

「ぬうっ!?」

 

「2人供! ギャビオンの陰に隠れろっ!!」

 

クリスとロケットマンが怯むと、ギャバンが前に出てギャビオンを盾にする。

 

ギャビオンに巨大ノイズが放つノイズが次々に命中するが、バード星の科学力で造られたギャビオンはビクともせず、只撃ち出されたノイズが炭に変わるだけだった。

 

「クリスちゃん! 大丈夫!?」

 

ギャビオンの陰に隠れたクリスとロケットマンに駆け寄る響。

 

「何て事ねーよ」

 

「こちらも大丈夫だ。だが、少し厄介だな………」

 

クリスがぶっきらぼうに返し、ロケットマンがギャビオンの陰から巨大ノイズの様子を窺いながらそう呟く。

 

 

 

 

 

と、その時!!

 

 

 

 

 

風切り音と共に飛んで来たJPカードが、巨大ノイズの1体に突き刺さる!

 

「「「!!」」」

 

「アレって!?」

 

ギャバン、クリス、ロケットマンが反応し、響が奏から聞いた話を思い出していると、工場地帯に光が溢れる。

 

巨大ノイズ達がが怯む中、高所の逆光の中に黒い革のジャンパーと革のズボンを着用しているジャンパーソンの姿が現れる。

 

ジャンパーソンがジャンパーの前を勢い良く開けると、紫と銀色のメタリックなボディが露わになり、光を放つ。

 

そのまま勢い良くジャンパーとズボンを脱ぎ捨てるジャンパーソン。

 

そして顔に、フェイスガードを装着。

 

目や胸の電飾の様な部分が起動したかの様に光を放つ。

 

「Janperson, For Justice!」

 

そして高らかに決め台詞を叫ぶ。

 

「ジャンパーソン?………」

 

「奏さんの言ってた………」

 

「アレが噂に聞いたジャンパーソンか………」

 

クリス、響、ロケットマンが反応していると、ジャンパーソンは跳躍し、ギャバンの乗るギャビオンの隣に降り立つ。

 

「1体は私が引き受ける! 残りの2体は任せたぞ!!」

 

「良し!」

 

「分かりました!」

 

ジャンパーソンがそう言うと、ギャバンと響が即返事を返す。

 

「オイ! いきなり現れて何仕切って………」

 

「クリス。お前は私と一緒に左のを狙うぞ!」

 

クリスは抗議の声を挙げようとしたが、ロケットマンがそう口を挟む。

 

「! 小父さん!? ああ、もう!!」

 

クリスは多少不満そうにしながらも全武装を展開し、3体居る巨大ノイズの内、左に位置取っている巨大ノイズに照準を合わせる。

 

「!………」

 

そしてロケットマンも、最大の武器である背負っていたロケットランチャーを構えた。

 

「ちょっせええええぇぇぇぇぇいっ!!」

 

「………!」

 

独特な掛け声と共に全武装を放つクリスとロケット弾を発射するロケットマン。

 

それ等は全て巨大ノイズへと命中!

 

爆炎に包まれた巨大ノイズが、ゆっくりと倒れながら炭へと変わって行き、そのまま崩れ落ちた。

 

「ジャンパーソン! 合体だっ!!」

 

ジャンパーソンの元にアールジーコが現れたかと思うと、その身体が変形し、ジャンデジックと合体。

 

「セットレディ!」

 

ジックキャノンを構えるジャンパーソン。

 

「ファイヤーッ!」

 

「ジックキャノンッ!」

 

アールジーコとジャンパーソンの掛け声で高熱高圧のエネルギー弾が放たれ、右側に位置取っていた巨大ノイズのを消し飛ばした!

 

「最後の1体!」

 

と、残る最後の巨大ノイズを倒そうと、響が腕のアームドギアを展開させる。

 

だがそこで、巨大ノイズの下部から炎が上がったかと思うと、まるでロケットの様に垂直に飛び上がった!

 

「! 逃げる積りっ!?」

 

「響ちゃん! 乗れっ!!」

 

「!!」

 

ギャバンに呼び掛けられ、響もギャビオンの上に跳躍して乗っかると、ギャビオンが飛び上がった巨大ノイズを追って飛翔。

 

「ギャビオンレーザーッ!!」

 

ギャバンの掛け声でギャビオンのレーザー砲が火を噴き、巨大ノイズに直撃!

 

バランスを崩した巨大ノイズは、上昇しているギャビオンに向かって落下して来る!

 

「むんっ! レーザーブレードッ!!

 

そこでギャバンは、レーザーブレードを抜き、刀身を撫でたかと思うと、バードニウムエネルギーを注入され、刀身が光を放つ!

 

「ギャバン・ダイナミックッ!!」

 

「オオオオオオオォォォォォォォォォッ!!」

 

必殺のギャバン・ダイナミックとアームドギアを使った拳が叩き込まれ、巨大ノイズは空中で木っ端微塵となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度、その頃………

 

ライブ会場では………

 

「「ありがとーうっ!!」」

 

全ての曲を歌い終えた翼と奏が、観客達に感謝を伝える。

 

客席からは万来の歓声と拍手が送られ、青とオレンジのサイリウムが波を打つ。

 

「今日は思いっ切り歌えて気持ち良かった! そして思い出せた! 私はこんなにも歌が好きだって!!」

 

そんな観客達に手を振りながら、感情が高ぶっている翼。

 

「………なあ、皆。2年前に、この会場であった事は知ってるよな?」

 

とそこで、奏がそんな事を言う。

 

途端に、観客達は水を打った様に静まり返る。

 

それはファンに皆にとっても思い出したくない記憶であった………

 

「正直、私達にとっても凄く苦い記憶だ………けど、実はあの時………皆を助けようと戦ってくれていた奴等が居たんだ!

 

しかし、奏がそう言葉を続けると、観客達は騒めき立つ。

 

「アレだけの事件だったのに、犠牲者の数が少なかったのは彼等が戦ってくれたお陰よ」

 

「何より、アタシ達自身もそいつ等に助けられたんだ」

 

そんな観客達に向かって、翼と奏は更に言葉を続ける。

 

「私達も彼等みたいに、歌でもっと大勢に人達を救いたい………」

 

「だから! アタシ達、ツヴァイウイングは!」

 

「「世界に向かって羽ばたく!!」」

 

高らかにそう宣言する翼と奏。

 

実はツヴァイウイングは以前より、海外プロダクション『メトロミュージック』のプロデューサーである『トニー・ブレーザー』から、海外進出展開を持ちかけられていたのだ。

 

かなりの本気度合いであり、今日この会場にも、直接交渉の為に赴いている程だ。

 

しかし、2人はノイズと戦う装者である事もあり、ずっと断り続けて来ていた。

 

だが、元来歌の好きな翼と奏の心で、炎は徐々に燃えが上がり始め………

 

遂に今日、このライブで全てを出し切って歌い切った結果、決心が着いたのだ。

 

尚、弦十郎を始めとするOTONA達からは、『若者の夢を邪魔する気は無い』と理解されている。

 

「私達は歌を、もっと沢山の人に聴いてもらいたい!!」

 

「言葉は通じなくても、歌で伝えられる事があるならば、世界中の人達に私達の歌を聴いて貰いたい!!」

 

「「だから………許して欲しい!」」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

ツヴァイウイングの宣言に、沈黙が続く会場………

 

と、次の瞬間!

 

「「「「「「ワアアアアァァァァァーーーーーーッ!!」」」」」

 

溢れんばかりの歓声が会場を包み込んだ!

 

反対する者など居なかった………

 

寧ろファンの皆も、この感動を海の向こうに出来るファンとも共有したい………

 

そんな思いで溢れていた。

 

「「! ありがとーうっ!!」」

 

ファン達からの祝福と応援に、翼と奏は目尻に涙を浮かべながらも、笑顔でお礼を返した。

 

そのままアンコールが始まり、今一度ツヴァイウイングは熱唱を響かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして………

 

ツヴァイウイングの海外デビュー宣言ライブは幕を閉じた………

 

そのライブが無事に行えたのは………

 

双翼を守る者達が居たからである事を………

 

人々は知らない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ツヴァイウイングのライブ回。
原作では翼だけだったので、2人揃ってのライブはファンの夢ですね。

そんな夢のライブをブチ壊さんと出現するノイズ。
原作ではクリスが単独で戦ってましたが、この作品ではロケットマンと共に援軍として登場。
更にジャンパーソンも現れます。
最終決戦みたいな盛り上がりですが、本当の最終決戦はもっと盛り上がる予定なので、楽しみにしていて下さい。
次回からが、その最終決戦に向けての話となります。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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