戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第22話『危ない響! 迫るドン・ホラーの罠!!』

リディアン音楽院………

 

「ヒデェ………」

 

奏が思わずそう漏らす。

 

日が暮れ、月が上り始めた中、漸くリディアン音楽院に辿り着いた装者達が見たのは、瓦礫の山と化した校舎の姿だった。

 

「未来ぅぅーーーっ! 皆ぁぁぁーーーーっ!!」

 

響が悲鳴の様に未来達の事を呼ぶが、それに返事は無い………

 

「リディアンが………」

 

「来たか、装者共」

 

翼も呆然と呟いた時、男性の声が響き渡った。

 

「「「「!!」」」」

 

響達が身構えると、半壊した校舎の屋上にフィーネ(ドン・ホラー)が姿を現した。

 

「フィーネ………いや! ドン・ホラー!!

 

そのフィーネ(ドン・ホラー)の姿を見たクリスが叫ぶ。

 

「アレが………」

 

「フィーネ………そしてドン・ホラー」

 

奏と翼もフィーネ(ドン・ホラー)の姿を見上げる。

 

「了子さん! 本当に了子さんなんですか!?」

 

そんな中で、響は信じられないと言う様に、フィーネ(ドン・ホラー)に向かって問い質す。

 

「了子? フィーネ? そんな奴等は既に存在しない」

 

「「「!!」」」

 

フィーネ(ドン・ホラー)が男性の声でそう返して聞いたのを聞き、響・翼・奏は驚きを示す。

 

「存在しないって………如何言う事!?」

 

「フフフ、良いだろう。教えてやろう………フィーネの正体をな」

 

響の問いに、強者の余裕か答え始めるフィーネ(ドン・ホラー)。

 

 

 

 

 

曰く………

 

フィーネとは超先史文明期の巫女であり………

 

遺伝子に自分の意識を刻印し………

 

自らの血を引く子孫がアウフヴァッヘン波形に接触すると、フィーネとしての意識と記憶、能力が再起動する様にしていたのだと………

 

更に、フィーネとしての覚醒は過去にも行く度もあったらしく………

 

歴史に記される偉人や英雄は彼女であり、世界中に散ってパラダイムシフトと呼ばれる歴史の転換期に幾度も立ち会ってきたのだと………

 

シンフォギアも彼女にとっては為政者からコストを引き出す為の玩具に過ぎないかったと………

 

 

 

 

 

「まるで過去から蘇る亡霊ではないか………」

 

フィーネの正体に翼はそんな感想を漏らす。

 

「オイ! ドン・ホラーだっけか!? じゃあお前は如何してそのフィーネに憑り付いてんだ!?」

 

とそこで、奏がそう疑問を呈す。

 

「我は嘗てマクーと共に1度滅びた………しかし、魂だけは生き延びていた。邪念となって彷徨いながらも、復活の機会を狙っていた」

 

「1度滅びた………」

 

(轟兄の教官………先代のギャバンさんが)

 

轟から聞いた話を思い出す響。

 

「そしてフィーネの存在に気付いた我は奴を利用する事を思い付いたのよ。12年前、アメノハバキリの起動実験の際に立ち会った櫻井 了子にフィーネの意識が覚醒した瞬間の隙を衝き、その意識の中へと潜り込んだのだ」

 

「! あの時に!?」

 

「それからずっとフィーネの中に居たってのかよ!!」

 

アメノハバキリを起動させた時の事を思い出す翼の横で、クリスがフィーネ(ドン・ホラー)に向かって叫ぶ!

 

「如何にも………全ては奴の計画………カ・ディンギルの為よ!」

 

と、フィーネ(ドン・ホラー)がそう言い放った瞬間!

 

轟音と共に地面が揺れ始める。

 

「「「「!!」」」」

 

響達が何度目とも知れぬ驚きを示す中………

 

地面から巨大な柱の様な物が突き出てて来る!!

 

「! アレって!?」

 

「二課へのエレベーターシャフト!!」

 

「アレがカ・ディンギルだったてのかよ!?」

 

それがリディアンの地下に本部へと続いているエレベーターシャフトである事に気付いた響・翼・奏が声を挙げる。

 

装者達の前、フィーネ(ドン・ホラー)の背後でエレベーターシャフトはドンドン天へと延びて行き、遂には巨大な塔を思わせる構造物となった!

 

「これこそが、地より起つりしし天にも届く一撃を放つ荷電粒子砲、カ・ディンギルよ!!」

 

「カ・ディンギル………こんなモンで一体何をしようってんだ!?」

 

「月を砕く!!」

 

「「「「!!」」」」

 

クリスの問いに返された答えに、装者達は絶句する。

 

「月を………砕く?」

 

「馬鹿なっ!!」

 

「イカれてやがる………」

 

「一体何でそんな事をするんだ!!」

 

響・翼・奏が信じられないと言う様子を見せ、クリスが更に問い質す。

 

「フィーネ曰く、月こそが人類の相互理解を阻む呪い………『バラルの呪詛』の源だからだそうだ」

 

『バラルの呪詛』?」

 

「そうだ」

 

そこでフィーネ(ドン・ホラー)が更に説明する。

 

 

 

 

 

曰く………

 

フィーネは嘗て、信奉していた『あるお方』に並び立つ為に巨大な塔を建てようとした。

 

しかし、それは『あるお方』の怒りを買ったらしく、その怒りによって塔は砕かれ、更に月からの呪い………

 

『バラルの呪詛』によって、当時の人類が持っていた共通言語を奪われ、人類は互いに争い合う様になったと………

 

 

 

 

 

「フィーネが言っていたバラバラになった世界を1つにするってのはそう言う事かよ!」

 

嘗て聞かされたフィーネの理想を思い出すクリス。

 

「如何にも………だが、我等マクーにはそんな事は関係無い! 我等の目的は月を砕き………その破片を隕石として地球全土に降り注がせるのよ!!」

 

「何だと!?」

 

「月を砕いて出る隕石の量は計り知れん………それだけの隕石が有れば、人類を文明諸共に葬り去るなど容易い。そして人類と文明の消えた地球に、我等マクーの獣星帝国を建国するのだ!」

 

フィーネ(ドン・ホラー)は両腕を広げ、高らかに建国宣言を行う。

 

「ハッ! 長々と語った割に、やろうとしている事は結局悪党のそれじゃねえかよ! 安い! 安さが爆発し過ぎてる!!」

 

そんなフィーネ(ドン・ホラー)に向かって、クリスが馬鹿にする様にそう言い放つ。

 

「………お喋りはココまでだ」

 

「「「「!!」」」」

 

響達は再度身構え、聖詠を唱えた。

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

Killiter Ichaival tron

 

光と共に、シンフォギアを身に纏う響達。

 

「行くぞっ!!」

 

「「「ハイッ!(おうっ!)」」」

 

翼の号令で、一気にフィーネ(ドン・ホラー)に飛び掛かろうとする。

 

「動くな! 立花 響!!」

 

「「「「!!」」」」

 

しかし、そこで響いて来た声に動きを止めると………

 

「フフフフ………」

 

不敵な笑い声と共に、フィーネ(ドン・ホラー)の隣にアシュラーダが現れた。

 

「響!」

 

その腕には、鎖で縛られた未来の姿が在った………

 

「! 未来っ!?」

 

「ゴメン、響………」

 

驚愕する響と、またも人質にされてしまい、不甲斐なさで顔を伏せる未来。

 

「人質か!」

 

「きたねえ真似しやがって!」

 

「正々堂々と戦えないのかい!!」

 

翼・クリス・奏が憤慨した様子を見せる。

 

「貴様達は動いて構わんぞ」

 

「!? 何っ!?」

 

「「!?」」

 

しかし、アシュラーダの口からそんな言葉が出て困惑する。

 

「だが立花 響。貴様はそこで見ていろ。さもなくばこの娘の命は無い」

 

そう言って未来を響に見せつける様にする。

 

「! 未来っ!!」

 

「立花、此処は私達に任せろ」

 

動揺する響にそう言いながら、翼が剣を構える。

 

「アタイ達なら問題無いってワケかい?」

 

「ハッ! 舐められたもんだぜ!!」

 

奏も槍を構え、クリスも両手にボウガンを握る。

 

「貴様達に相応しい相手を用意してやった。存分に味わうが良い」

 

と、アシュラーダがそう言った瞬間………

 

翼達の前に、魔空空間が発生した際の空間歪みの様な物が3つ出現し………

 

そこから3体のギャバンブートレグが現れた!!

 

「!? 宇宙刑事ギャバン!?」

 

「ギャバンブートレグ………初代ギャバンの能力を複製したアンドロイドだ」

 

驚きの声を挙げる翼に、アシュラーダが得意げに語る。

 

「「「………」」」

 

アンドロイドらしく、無感情に翼達を見据えるギャバンブートレグ達。

 

「アンドロイドだと?………」

 

「ブートレグ………『海賊版』かよ」

 

「ハッ! 如何にもな偽者じゃねえか! こんなのがアタイ等の相手かよ!」

 

翼・奏・クリスが次々にそう言い放つ。

 

「精々ほざくが良い………やれ! ギャバンブートレグ!!」

 

アシュラーダがそう言うと、ギャバンブートレグ達は真紅のツインアイを不気味に発光させた。

 

「「「!!」」」

 

翼達は得物を手に、其々相手にするギャバンブートレグに向かって行った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼サイド………

 

「ハアッ!!」

 

繰り出された翼の斬撃をブートレグブレードで受け止めるギャバンブートレグ。

 

そのまま翼の剣を弾き飛ばすと、逆に翼に対して斬り掛かる。

 

「グウッ!」

 

ギャバンブートレグの斬撃を受け止めたものの、その重さで僅かに仰け反る翼。

 

「ロボットだけあってパワーは有る様だな………だが!」

 

気合を入れてブートレグブレードを弾き飛ばすと、翼は跳躍してギャバンブートレグの頭上を取る。

 

 

 

千ノ落涙

 

 

 

そして頭上から無数の刃を降らせる。

 

ギャバンブートレグはブートレグブレードを振るい、当たりそうな刃だけを掻き消す。

 

しかしそれのより、動きを止められる。

 

「貰ったっ!!」

 

 

 

天ノ逆鱗

 

 

 

そこで天ノ逆鱗を繰り出す翼。

 

ギャバンブートレグに巨大な剣が迫る………

 

だが、その瞬間!!

 

ギャバンブートレグは赤い光の球体と化し、自ら天ノ逆鱗に向かって突っ込んで来た!!

 

「!? 何っ!?」

 

翼が驚きの声を挙げた瞬間に、光球となったギャバンブートレグは天ノ逆鱗に激突!

 

忽ち天ノ逆鱗は砕かれ、バラバラになる!!

 

「!? 馬鹿なっ!?」

 

再度驚く翼の眼前に光球が迫り、ギャバンブートレグの姿に戻る。

 

そしてそのまま、何時の間にかエネルギーを注入されてオレンジ色に光っていたブートレグブレードで斬り付けた!!

 

「! グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

真面に喰らい、身体から大きく火花を散らした翼はそのまま墜落して地面に叩き付けられるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏サイド………

 

「オリャアッ!!」

 

突進する様に槍での突きを繰り出す奏。

 

だが、ギャバンブートレグはそれを左手だけで掴んでアッサリと受け止める。

 

「!? マジかよっ!?」

 

奏が驚いていると、ギャバンブートレグはそのまま左腕だけで奏を槍ごと投げ飛ばす!

 

「! うおわっ!? このぉっ!!」

 

 

 

LAST∞METEOR

 

 

 

奏は空中で姿勢を整えて難なく着地すると、そのまま槍の先端から竜巻を発生させる。

 

竜巻はギャバンブートレグに迫ったが、右手のブートレグブレードの振り下ろしで掻き消されてしまう。

 

「だったら!!」

 

奏は、今度はSTARDUST∞FOTONを繰り出そうとしたが………

 

そこでギャバンブートレグのブートレグブレードが、鞭に変形。

 

その鞭が振るわれると、槍を投げようと掲げていた奏の腕に巻き付く!

 

「! しまっ………」

 

た、と言い切る前に、ギャバンブートレグは鞭を振り上げる様に振るい、奏を空中に持ち上げたかと思うと、素早く鞭を振り下ろし、地面に叩き付けた!!

 

「! ガハッ!?」

 

余りの衝撃に吐血した奏だったが、ギャバンブートレグはまたも奏を空中に持ち上げ、地面へと叩き付けると言う行動を繰り返す。

 

「ゲハッ! グハッ!」

 

地面に叩き付けられる度に吐血を繰り返す奏。

 

と、そこでギャバンブートレグが、奏を一際高くに投げ飛ばしたかと思うと………

 

落下地点に周り込み、仰向けに落ちて来た奏にの背中に向かって拳を突き出した。

 

「! ゴバアッ!?………」

 

背骨に一際の衝撃が加わり、最早血反吐も出なくなった奏の身体がダラリと脱力し、槍を落とす。

 

そんなグロッキーな奏を、ギャバンブートレグはゴミでも捨てるかの様に投げ飛ばすのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスサイド………

 

「オラオラオラオラァッ!!」

 

ギャバンブートレグに向かって両手のガトリングガンを景気良くブッ放しているクリス。

 

しかし、ギャバンブートレグはアーマーの表面で火花を散らすだけで効いている様子は無い。

 

「チッ! 無駄に頑丈だな!! だったら!!」

 

 

 

MEGA DETH PARTY

 

 

 

腰部のアーマーを展開させ、小型ミサイルを一斉に放つ。

 

するとギャバンブートレグは、右手にハンドガン………『ブートレグレーザーガン』を出現させると、レーザーを連射し、ミサイルを幾つか撃ち落とし、残りは誘爆で消滅させた!

 

しかし、その爆煙を突っ切って、2発の大型ミサイルが迫って来た。

 

「ハッ! 本命はソッチだ!!」

 

クリスが得意げに笑う中、大型ミサイルがギャバンブートレグに直撃する………

 

かに思われた瞬間!!

 

ギャバンブートレグは左手に逆手持ち状態でブートレグブレードを出現させたかと思うと、素早く二振りし………

 

何と大型ミサイルの弾頭部分だけを斬り落とした。

 

「!? なっ!?」

 

クリスが驚いている間に、弾頭を斬り落とされた大型ミサイルが迷走し、空の彼方へ消えてしまう。

 

そしてギャバンブートレグは、斬り落とした大型ミサイルの弾頭を、サッカーボールの様にクリスに向かって蹴り飛ばした!!

 

「!!」

 

慌てて回避に入るクリスだったが、ギャバンブートレグはブートレグレーザーガンで弾頭を撃ち抜いた!

 

「! うわあああああっ!?」

 

爆風で吹き飛ばされたクリスに、ギャバンブートレグは更に追撃のレーザーを浴びせる。

 

「! がああああああっ!!」

 

レーザーで蜂の巣にされたクリスは、身体中から黒煙を上げて地面を転がるのだった………

 

 

 

 

 

「み、皆ぁっ!?」

 

動けない響がやられている翼達を見て悲鳴の様な声を挙げる。

 

「ぐうっ!」

 

「ガハッ!」

 

「チキショウッ!」

 

ダメージを受けながら、何時しか1箇所に集められる翼・奏・クリス。

 

「「「…………」」」

 

そこでギャバンブートレグ達は一斉にブートレグレーザーガンを構え、一斉射撃を行った!!

 

「「「! うわあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」」」

 

レーザーの雨で蜂の巣にされる翼達。

 

やがて一頻りにレーザーを撃ち込んだかと思うと、構えを解くギャバンブートレグ達。

 

一瞬の間の後………

 

翼達は揃って膝を着き………

 

身体が淡く光ってシンフォギアが解除されたかと思うと………

 

一斉に地面に倒れた………

 

「う、うう………」

 

「う………あ………」

 

「が………あ………」

 

苦悶の表情を浮かべ、呻き声を漏らす翼・奏・クリス。

 

「翼さん………奏さん………クリスちゃん………」

 

その痛々しい姿に、響の身体が震え始める。

 

フアハハハハハハッ! 見たか! ギャバンブートレグの力を!!」

 

「良くやったぞ、アシュラーダ」

 

勝ち誇る様に笑い声を挙げるアシュラーダに、フィーネ(ドン・ホラー)も満足そうにそう言い放つ。

 

「あああ………」

 

未来もその凄惨な光景に、表情に絶望が過り始める。

 

「………も」

 

「うん?………」

 

とそこで、響の口から漏れた呟きにアシュラーダが反応する。

 

「よくも………」

 

更に響の口から呟きが漏れたかと思うと………

 

響の胸………心臓の部分から光が溢れ始める!

 

「………立花?」

 

「? 何……だ?」

 

「如何しちまった………んだ?」

 

苦悶の表情のまま、必死に身体を動かして響の方を見やる翼・奏・クリス。

 

「良くも翼さん達をおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」

 

響が怒りの咆哮を挙げたその瞬間!!

 

胸から一際大きな輝きが溢れ………

 

黒い影の様な物が、響の身体を覆い尽くす!!

 

「!? 響っ!?」

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

未来が驚愕の声を挙げると同時に、まるで獣の様な咆哮が響の口から放たれ、黒一色になっていた顔に、赤い目が見開かれる!!

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

再度咆哮を挙げると、一足で跳躍し、未来諸共にフィーネ(ドン・ホラー)とアシュラーダに襲い掛かろうとする響。

 

「な、何だっ!?」

 

「何が起こってる!?」

 

奏とクリスが困惑の声を挙げる。

 

「まさか………融合したガングニールが………暴走を!?」

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

翼がそう推測した瞬間、響がフィーネ(ドン・ホラー)に向かって拳を振り被る。

 

「オイ! 止せっ!! 人質が!!………」

 

「それを待っていた………」

 

クリスが慌てて叫んだ瞬間、フィーネ(ドン・ホラー)がそう呟いたかと思うと、眼前にまで迫っていた響をネフシュタンの鎧の鞭で空中に磔にする様に拘束!

 

「!?」

 

響の動きが止まった瞬間に、フィーネ(ドン・ホラー)は右手に『何か』を出現させ、それを響に突き刺した!!

 

「!? ウオオオオオオォォォォォォォッ!?」

 

途端に凄まじいエネルギーが発生し、響の咆哮が悲鳴の様なモノに変わる!

 

更に、発生したエネルギーが、カ・ディンギルにへと吸い込まれて行く………

 

「!? アレは!? デュランダル!?」

 

フィーネ(ドン・ホラー)が響に突き刺した物………ギャバンに破壊され、真っ二つになっていたデュランダルを見てクリスが言う。

 

「フフフフ………この巨大な荷電粒子砲を放つ為には膨大なエネルギーが必要だ。本来ならば起動したデュランダルがそれを担う筈だったが、生憎と壊されてしまったのでな」

 

「そこで我々は立花 響を利用する事を思い付いたというワケだ。融合症状の立花 響は通常のシンフォギアよりも高いエネルギーを発する事が出来る。それを壊れたデュランダルと組みわせれば、カ・ディンギルのエネルギーを賄う事が出来るとな」

 

得意げにそう語るフィーネ(ドン・ホラー)とアシュラーダ。

 

「! まさか! 最初に響の動きを封じたのも!?」

 

「如何にも。貴様達が痛めつける様子を見せつけ、奴の怒りを誘い、暴走を誘発させる為よ」

 

奏がハッとした様に言った言葉をアシュラーダが肯定する。

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!?」

 

その間にも発生しているエネルギーはドンドンとカ・ディンギルへと送られて行き、カ・ディンギルが光を放ち始める。

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!?」

 

響から悲鳴の様な咆哮が挙がり続ける。

 

と、次の瞬間………

 

デュランダルの残っていた刀身部分がバラバラに砕け、柄が屋上の床に落ちる。

 

「あ………」

 

それと同時に響の暴走とシンフォギアも解除され、同じ様に屋上の床へと落ちた。

 

その身体はピクリとも動かない………

 

「響! 響っ!!」

 

「フン、壊れたデュランダルではコレが限界か………」

 

「ですが、カ・ディンギルのエネルギーは十分に溜まりました………」

 

未来が必死に響の名を呼ぶ中、フィーネ(ドン・ホラー)がそう言うのを宥める様に、アシュラーダがカ・ディンギルを見上げる。

 

カ・ディンギルは半壊したデュランダルに残っていたモノと響の暴走のエネルギーを吸い、一際に輝きを放っていた。

 

「いよいよだ………遂にこの地球が………我らマクーの物となるのだっ!!」

 

フィーネ(ドン・ホラー)は、カ・ディンギルを見上げながら両腕を広げてそう叫ぶ。

 

まるで勝利宣言であるかの様に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

リディアンへと帰還した響達。
その前に立ちはだかるフィーネ(ドン・ホラー)とアシュラーダ。
未来を人質に響の動きを封じると、翼達をギャバンブートレグ軍団で圧倒。

怒りから暴走を引き起こした響だったが、それさえも計画の内。
そのエネルギーを壊れたデュランダルの不足分にして、遂にカ・ディンギルを起動。
果たして、地球はこのままマクーの物となってしまうのか!?

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