戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
次回は少し遡り………
カ・ディンギル出現の振動がリィデアンに設置されたシェルター内にも伝わっており、避難した生徒達や教職員、そして近くから避難して来た住人が不安がる。
そんなシェルターの一室に、弓美・創世・詩織・小里の姿が在った。
「このままじゃ、私達死んじゃうよ………もうやだよ!」
続く振動の中、テーブルの下に身を隠している一同の中で、先程自衛隊員が蜂の巣にされた光景を見てしまった事もあり、弓美が泣きながらそう呟く。
「弓美さん! しっかりするだ!」
そんな弓美を小里が励ます。
とその時、弓美達が居るシェルターの扉が開かれる。
「「「「!?」」」」
クラッシャーやダブルマンが侵入して来たのかと、弓美達の顔が恐怖に引き攣る。
「! 貴方達は、小日向さんの………」
だが、現れたのは朔也とあおいを伴った慎次だった。
アシュラーダに未来を奪われ、気絶させられた慎次だったが………
何とか意識を取り戻し、未来の奪還に向かおうとしたのだが、朔也達より弦十郎が消えてしまった為、代わりに指揮を執って欲しいとの要請を受け、響達が間も無く戻って来る事も把握した為、止むを得ずこちらへ来たのだ。
「! ヒナを知ってるんですか!?」
「あら? この方………ツヴァイウイングのマネージャーさんでは?」
未来の名に創世が反応し、詩織が慎次が翼と奏のマネージャーである事に気付く。
「やった! この区画の端末は使える!」
「急いで状況に把握を!」
「分かってる!」
と、それを横目に、朔也とあおいが備え付けられていた端末で、状況の確認と情報収集を図る。
「貴方達は、一体?………」
「………僕達は、特異災害対策機動部です。一連の事件の収拾に動いています」
創世が尋ねると、慎次は彼女達が不安がっているのを見て、隠し事をせず、処罰を覚悟で身分を明かす。
「それって、政府の………」
「ひょっとすて! 二課の方さ方達だが!?」
弓美の言葉を遮る様に、小里が若干目を輝かせながらそう言う。
「!? 如何して二課の事を!?」
「こう見えでもジャーナリスト見習い………情報統制さぃでますたばって、二課の存在は飽ぐ迄噂レベルばって、色々ど聞いぢゃーよ」
驚くあおいに得意げにそう語る小里。
(ウチに欲しい人材かも知れませんね………)
「モニターの再接続完了。こちらから操作出来そうです」
慎次が密かにそんな事を思っていると、漸くモニターのシステムに接続出来た朔也がそう言い、画面に外の様子が映し出される。
そこには、カ・ディンギルの出現で廃墟と化したリディアンの有様が在った………
「学校が………」
「何、あの塔!?」
詩織と弓美が声を挙げると、モニターの映像が切り替わり、シンフォギアを纏った響達と、それと対峙するフィーネ(ドン・ホラー)と、未来を人質にしているアシュラーダの姿が映し出された。
「! ビッキー!? それにヒナも!?」
「アレはツヴァイウイングの御2方?」
「何だべ、あの恰好?」
創世と詩織が驚きの声を挙げ、小里がシンフォギアの事を指摘する。
そこで、モニターの映像内では、未来を人質に取られて動けない響を残し、翼・奏・クリスがギャバンブートレグとの戦闘を開始する。
「如何なってるの?………こんなのまるでアニメじゃない」
モニター内で繰り広げられている超人的な戦いに、弓美が愕然としながら呟く。
(前にビッキーとヒナが喧嘩してたのって………コレに関わる事だったんだ)
一方創世は、以前に響と未来が喧嘩していた事を思い出し、そう推察する。
と、そこで………
戦っていた翼・奏・クリスが、ギャバンブートレグに敵わず倒されてしまい、シンフォギアが解除されて倒れ込む。
「! ああっ!?」
「や、やられただぁ!?」
「そんな!?」
その光景に詩織・小里・創世が悲鳴を挙げ、慎次達も驚愕を露わにする。
すると今度は、その光景を見ていた響が暴走する様子がモニターに映し出された。
「! 響さんが!?」
「アレ、本当にビッキーなの?」
変わり果てた姿になった響を見て、創世が思わずそう呟く。
暴走した響は、未来が人質になっているのも構わず、フィーネ(ドン・ホラー)とアシュラーダに飛び掛かる!
「「「「響(ビッキー、さん)!?」」」」
「響ちゃん、駄目! 人質が!!………」
弓美・創世・詩織・小里が驚愕し、あおいが悲鳴の様な声を挙げた時………
暴走した響は、フィーネ(ドン・ホラー)の鞭で空中に磔にされ、折れたデュランダルを突き刺される!!
折れたデュランダルと暴走した響のエネルギーが、カ・ディンギルに送られ始める。
「一体何が!?」
「まさか………融合症状の響さんと壊れたデュランダルに残されたエネルギーを!?」
朔也が困惑する中、慎次がそう推察する。
やがて折れたデュランダルが柄を残して砕け、響も暴走諸共にシンフォギアが解除されて倒れた。
「! ビッキーッ!!」
「立花さん!」
創世と詩織から何度目とも知れない悲鳴の様な声が挙がる。
「………もう終わりだよ、私達」
と、シェルター内に、弓美の絶望に満ちた言葉が響き渡る。
「学院が目茶目茶になって………響達も皆やられちゃって………」
「諦めないで下さい! まだ希望は………」
「希望なんて何処に在るの!?」
慎次が落ち着かせようとしたが、それを遮って弓美は叫ぶ。
「もう嫌だよ! 誰か何とかしてよ!! 怖いよ………死にたくないよぉ! 助けてよおおおぉぉぉぉーーーーーっ!!」
床に座り込み、涙を流しながら頭を抱えて叫ぶ弓美。
「「「「「…………」」」」」
そんな弓美に誰も言葉を掛けられない………
「大丈夫だぁ!!」
「「「「「「!?」」」」」
否!
只1人………
「きっと大丈夫だぁ!」
小里だけが希望を捨てていなかった。
「………何でよ………何でそんなこと言えるのよ、小里! 一体何が大丈夫なのよ!!」
座り込んだまま無責任な事を言うなと小里に怒声を飛ばす弓美だったが………
「忘れただか、弓美さん! 私達はあの時………『ヒーロー』サ会ってら事ば!」
「!!」
小里がそう叫び返し、ハッと目を見開く。
「宇宙刑事………」
「ギャバンさん………」
創世と詩織も、ギャバンの事を思い出す。
「んだ! 宇宙刑事ギャバンは必ずさ来る! 未来さん達助げで、アイツ等倒すてける!!」
確信に満ちた目で小里は再度モニターを見据える。
それに倣う様に、他の一同も一斉にモニターを見やる。
「! アレは!?」
そこで、慎次が何かに気付いた………
カ・ディンギル直下………
エネルギーが充填され、一際に輝きを放っているカ・ディンギル。
「イカン………」
「このままじゃ、月が………」
「チキショウ………」
それを見ながら何とか立ち上がろうとしている翼・奏・クリスだが、ダメージが大きく立ち上がれない。
「フフフフ………無様だな、装者共」
と、そう言う台詞と共に、鞭で雑に響を確保しているフィーネ(ドン・ホラー)と、未来を確保しているアシュラーダが、翼達の眼前に降り立つ。
「! ドン・ホラーッ!!」
「フン………」
睨み付ける翼の視線を鼻で笑い、フィーネ(ドン・ホラー)は確保していた響をゴミの様に放り投げる。
「…………」
地面を転がり、翼達の傍へ倒れる響だが、やはりピクリともしない。
「! 立花!」
「貴様ももう用済みだ」
「キャアッ!!」
更に、アシュラーダも鎖で縛られたままの未来を放り投げる。
受け身も取れないまま、響の傍に転がる未来。
「く、う………響! しっかりして、響!!」
「…………」
痛みに顔を歪めながらも、響に向かって呼び掛ける未来だが、やはり響の反応は無い。
とそこで、カ・ディンギルから放たれている光が更に輝きを増す。
「いよいよこの星から月が無くなり、人類とその文明が滅亡する時が来た………」
そのカ・ディンギルを見上げながら、フィーネ(ドン・ホラー)がそう呟く。
「クソ! ココまでなのかよ………」
「あたし達の戦いは、何だったんだ………」
「…………」
クリス・奏・翼の心にも絶望が過り始める。
「安心しろ。お前達もすぐに地獄に落ちるのだ」
と、アシュラーダがそう言ったかと思うと………
「「「「「ギギッ!!」」」」」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
倒れている響達を取り囲む様に、大量にクラッシャー達が現れた!!
「一思いには殺すな! じわじわと嬲り殺しにしてやれっ!!」
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「ギギッ!!」」」」」
アシュラーダの命を受け、響達ににじり寄り始めるクラッシャー達。
「「「…………」」」
最早言葉も出ない翼・奏・クリス。
「轟お兄ちゃん………」
未来は只管に轟の事を思う。
「………轟………兄………」
と、ピクリともしていなかった響の口から、ポツリと轟の名が漏れる………
と、その時!!
1台の車が、響達を取り囲んでいるクラッシャー達の中へと突っ込んだ!!
「「「「「ギギッ!?」」」」」
「「「「「ギーッ!?」」」」」
猛スピードで突っ込んで来た車により、クラッシャー達が何人も宙に舞う!
「「「「「!?」」」」」
「何っ!?」
「何だとっ!?」
突然現れ、クラッシャー達を次々に跳ね飛ばして行く車に、響達とフィーネ(ドン・ホラー)、アシュラーダが驚愕する。
その間にも、車は響達を避けながら縦横無尽に走り回り、クラッシャー達を跳ね飛ばして行く。
「チュウッ!!」
「トオアッ!!」
そしてそこで、車から2人の人物が飛び降りた!!
「オオオオォォォォォッ!!」
飛び降りた1人………弦十郎は気合の雄叫びと共に拳を振り被り、地面へと叩き付ける!
「「「「「ギーッ!!」」」」」
「「「「「ギギッ!!」」」」」
それにより凄まじい衝撃波が発生し、クラッシャー達がダース単位で消し飛んだ!!
「皆! 大丈夫か!?」
「叔父様!」
「ダンナ!」
「おっさん!」
駆け寄って来た弦十郎の姿に、翼・奏・クリスは驚きの声を挙げる。
「如何して叔父様が!?」
「話すと長いが、彼に助けられてな」
未来に巻かれていた鎖を引き千切りながら、弦十郎はそう返す。
「響! しっかりして! 響!!」
「う、ううう………」
解放された未来は、すぐさま響を助け起こし、響は漸く薄らと目を開ける。
「響!」
「………未来?………私………」
「来てくれたよ………響」
困惑する響の顔を動かし、ある方向へと向ける未来。
その方向には………
「チュウッ! チュウッ!」
クラッシャーの1人の顎を蹴りで砕いたかと思うと、その足を降ろさずに別方向に蹴りを繰り出し、別のクラッシャーの顎をも砕く男………轟の姿が在った!
「チュウッ!!」
「ギーッ!?」
轟はまた別のクラッシャーに飛び付いたかと思うと、地面を転がる様にして投げ飛ばす。
「ギーッ!!」
「ギギッ!!」
「フッ!」
地面に倒れてままだった轟に、クラッシャー2体がナイフを突き刺そうとしてきたが、轟は後転して躱すとそのまま立ち上がり、跳び上がってクラッシャー2体を左右の蹴りで倒す。
「ギギッ!」
「おっと!」
「ギーッ!」
クラッシャーがナイフで突きを降して来るが身を反らして躱すとクラッシャーの腕を掴み、その掴んでいた腕で別のクラッシャーのナイフを防ぐ!
「ギギッ!?」
「セヤッ! チュウッ!」
「ギーッ!?」
最初のクラッシャーを蹴り飛ばすと、もう1体のクラッシャーの顔面にパンチを食らわせて倒す。
「フッ!」
恐れおののくクラッシャー達を見渡しながら、轟は残心の様にポーズを執る。
「轟………兄………轟兄!」
「悪いな、響ちゃん、未来ちゃん! 遅くなった!」
響がカッと目を見開くと、轟が笑いながらそう言う。
「誰だ、アイツ!?」
「アレは!?………」
「十城士 轟!?」
初めて轟を見たクリスは困惑し、翼と奏も場違いな場に現れた轟に驚いていると………
「蒸着っ!!」
轟がそう叫んだかと思うと、その姿が銀色のコンバットスーツ姿となる!
「宇宙刑事! ギャバンッ!!」
そして、高らかに名乗りを挙げた!!
宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
「蒸着っ!!」
轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。
『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』
そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!
その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。
もう1度言おう!
この一の連動作………僅か0.05秒!!
リディアン地下・弓美達の居るシェルター内………
「「「宇宙刑事ギャバンっ!!」」」
「来たべぇっ!!」
ギャバンの登場に慎次・朔也・あおいが驚きの声を挙げ、小里は歓声を挙げる。
「あの人が………」
「宇宙刑事ギャバンだったんだ………」
詩織と創世は、あの日会っていた轟がギャバンであった事に驚いている。
「………頑張れ」
「? 板場さん?」
「頑張れーっ! 宇宙刑事ギャバンッ!!」
そして弓美は、涙を払って立ち上がり、ギャバンに向かって声援を飛ばすのだった。
カ・ディンギル直下………
「! 宇宙刑事ギャバンッ!?」
「アイツがっ!?」
「マジかよ!」
翼・クリス・奏も、轟が蒸着した様を見て、驚愕の声を挙げる。
「そうだ………彼こそが宇宙刑事ギャバンだ」
そんな翼達に、弦十郎がそう言う。
「ダンナ! ダンナは何時の間にギャバンの正体を知ったんだ!?」
「それは………」
「ギャバン! 貴様如何して!? 風鳴 弦十郎までも!!」
そこで奏が弦十郎に問い質そうとしたが、それを遮る様にアシュラーダが困惑気味に叫ぶ。
「フッ、弦さんまで魔空空間へ引き摺り込んだのは失敗だったな!」
「何だと!?」
そんなアシュラーダに向かって、ギャバンはそう言い放った。
時は再び遡り………
魔空空間にてギャバンブートレグと対峙したギャバンは………
「チュウッ!」
「!!」
エネルギーを注入したレーザーブレード同士がぶつかり合い、火花を散らす。
「ぬうっ!!」
「!!」
ギャバンがレーザーブレードを押し込むと、ギャバンブートレグも負けじと押し込んで来て鍔迫り合いとなる。
そのままお互いの位置を入れ替える様に回ったかと思うと、弾かれた様に距離を取る両者。
「!!」
そこでギャバンブートレグは、ブートレグレーザーガンを連射する。
「むんっ! チュウアッ!!」
だが、ギャバンはレーザーブレードでレーザー弾を斬り払う。
「シルバービームッ!!」
「!!」
反撃にとシルバービームを放つが、ギャバンブートレグもレーザーブレードで受け止め、有らぬ方向へと投げ飛ばす。
「チイッ! パワーアップされてるだけはあるな!」
戦いが始まり大分時間が経ったが、ギャバンは攻めあぐねていた。
今戦っているギャバンブートレグは、嘗ての物よりも改良が施されているとアシュラーダが言った通り、ギャバンの想像以上の手強さだった。
しかも相手はアンドロイド………
疲れと言うモノを知らないので、常に同じパワーで攻撃して来る。
長引けば不利になるのはギャバンの方だ。
(如何にかしてギャバン・ダイナミックを叩き込む隙を作れれば………)
ギャバン・ダイナミックさえ決まればギャバンブートレグは倒せる、とギャバンは確信している………
だが、そのギャバン・ダイナミックを叩き込む隙が無い………
状況は膠着状態だった………
と、その時!!
「うおおおっ!?」
叫び声と共に、何者かがギャバンとギャバンブートレグが戦っている魔空空間内へ落ちて来た!
「「!?」」
ギャバンとギャバンブートレグが視線を向けるとそこには………
「此処は?………魔空空間の中か!?」
フィーネ(ドン・ホラー)によって魔空空間へ飛ばされた弦十郎の姿が在った!
「! 風鳴司令!?」
「! 宇宙刑事ギャバンか! そっちは………」
ギャバンの声に反応した弦十郎が、ギャバンブートレグを見て一瞬考え込んだ様子を見せると………
「成程………所謂偽者か」
すぐさまギャバンブートレグがギャバンの偽者である事を察する。
「加勢するぞ、宇宙刑事ギャバン!」
そしてギャバンブートレグに向かって構えを取った。
「!!」
ギャバンブートレグは不確定要素である弦十郎を処理しようと、ブートレグレーザーガンを連射した。
「ハアッ!!」
しかし、弦十郎が気合の声を挙げて足を踏み込むと、反動で地面が隆起して壁となり、ブートレグレーザーガンのレーザー弾を防いだ!
「!?!?」
弦十郎の人間離れした行動に、ギャバンブートレグのAIは一瞬混乱を起こす。
「セヤアッ!!」
と、そこで弦十郎が再度踏み込んだかと思うと、今度は地割れが地面を走り、ギャバンブートレグの足元に到達したかと思うと、地面が砕けた!!
「!!??」
ギャバンブートレグは割れた地面のヒビに足が埋まり、動けなくなる。
「今だ、宇宙刑事ギャバンッ!!」
「流石ですね、風鳴司令ッ!! チュウッ!!」
弦十郎が叫ぶと、ギャバンはギャバンブートレグに向かって跳んだ!!
「?!?!」
「ギャバン・ダイナミックッ!!」
そして前方宙返りで勢いを付けたギャバン・ダイナミックを叩き込んだ!!
「?!!?」
身体に縦一閃に光が走ったかと思うと、ギャバンブートレグは爆発四散!
そして魔空空間も解除され、ギャバンと弦十郎はスカイタワーの袂に着地を決めた。
「脱出出来たか………」
「風鳴司令。何故貴方が魔空空間に?」
空を見上げて安堵していた弦十郎に、ギャバンがそう問い掛ける。
「! そうだ! こうしている場合じゃないな!」
弦十郎はすぐに、ギャバンにリディアンと二課が襲撃を受けている事とドン・ホラーが現れた事を説明する。
「やはり本命はリディアンか!」
「皆が心配だ………急いで戻りたい。宇宙刑事ギャバン、力を貸してくれ!」
そこで弦十郎は、ギャバンに向かって頭を下げてそう言った。
「…………」
するとギャバンは一瞬沈黙したかと思うと………
蒸着を解除し、轟の姿となった!
「! 君は!………十城士 轟。やはり君がギャバンだったのか。何故今正体を?」
「もう隠し事をしている場合じゃありませんからね。俺なりの誠意だと思って下さい」
「………感謝する」
轟に向かって弦十郎は深々と頭を下げた。
「さ、俺の車が在ります! 行きましょう、風鳴司令!」
「ああ。それと、君は俺の部下じゃない………対等な友人だと思っている。好きに呼んでくれ」
「じゃあ弦さんって事で」
そんな遣り取りをしながら、轟と弦十郎は轟の車で急ぎリディアンへと戻ったのだった………
カ・ディンギル直下………
「チッ! 抜かったわ………」
「オノレェッ! 宇宙刑事ギャバンッ!!」
フィーネ(ドン・ホラー)が舌打ちを漏らし、アシュラーダが忌々し気な声を挙げると、翼達を倒したギャバンブートレグ達が前に出る。
「来るかっ!!」
「!!」
構えを取るギャバンと弦十郎だったが………
そこで、カ・ディンギルの先端部分に光が宿った!
「「「「「!?」」」」」
「おおっ! カ・ディンギルの発射準備が完了したか!!」
ギャバン達が反応すると、アシュラーダが嬉しそうな声を挙げる。
「! イカンッ!! このままでは月がっ!!」
「! マクーの狙いは月を砕く事か!?」
翼がそう声を挙げ、弦十郎がマクーの目的を初めて知る。
「クソッ! させるかっ!!」
すぐさま阻止に動こうとしたギャバンだったが………
「もう遅いっ!!」
フィーネ(ドン・ホラー)がそう叫んだ瞬間………
カ・ディンギルから凄まじい荷電粒子が、月目掛けて放たれた!!
「「「「「ああっ!?」」」」」
「「しまったっ!!」」
「我々の勝ちだぁっ!!」
響達が愕然となる中、フィーネ(ドン・ホラー)は高らかに勝利を宣言した!!
荷電粒子が一直線に月へと向かい、直撃する………
かに思われた瞬間!!
「ギャバン・ダイナミックッ!!」
「「「「「!!」」」」」
「!? 何だとっ!?」
突如響き渡ったその声の、ギャバン達が驚き、フィーネ(ドン・ホラー)が空を見上げると………
月に直撃するかと思われた荷電粒子が、真っ二つに斬り裂かれた!!
斬り裂かれた荷電粒子が、月の一部を抉ったものの、荷電粒子を斬り裂いている者は、そのまま押し込む様に斬り裂き続け、ドンドンと降下して来る!
遂にはカ・ディンギルの頭頂部まで到達したかと思うと………
そのままカ・ディンギルを真っ二つに斬り裂いた!!
カ・ディンギルに縦一閃の光が走ったかと思うと、まるで桃の様に左右にパカリと分かれ、轟音と共に地面に叩き付けられてグシャグシャになった!!
「カ・ディンギルがっ!?」
「何が起こったのだ!?」
アシュラーダとフィーネ(ドン・ホラー)が困惑を隠せずに居る中………
廃墟となったカ・ディンギルの中から、光の玉が飛び出して来て、ギャバン達の前に降り立つと、1つの姿になる。
「!?」
「ええっ!?」
「何だとっ!?」
「オイオイ、マジかよ!?」
「如何なってんだ!?」
「コレはっ!?」
響・未来・翼・奏・クリス・弦十郎が驚きを露わにする。
光の玉から現れた姿………
それはもう1人の『宇宙刑事ギャバン』だったからだ!
「! 貴様はっ!?」
フィーネ(ドン・ホラー)が忌々し気な声を挙げた瞬間………
「宇宙刑事! ギャバンッ!!」
ゴーグルの目と胸のディメンジョンコントローラーを
『一条寺 烈』こと『初代宇宙刑事ギャバン』は高らかに名乗りを挙げたのだった!!
つづく
新話、投稿させて頂きました。
絶体絶命の響達。
だがそこへ、遂に………
弦十郎の助けを借りてギャバンブートレグを倒した轟が駆け付ける!
弓美達の声援を受けながら、ドン・ホラー達と対峙するギャバン。
しかし遂に………
カ・ディンギルから荷電粒子が放たれ、月へと直撃………
するかに思われた瞬間に、斬り裂かれ、そのままカ・ディンギルをも破壊した者………『初代宇宙刑事ギャバン』が登場です!
このシチュエーションがやりたかったので、デュランダルを破壊して、カ・ディンギルが1発だけしか撃てない状態にしたのです。
原作だと連射されて、それでクリスと翼が危ない状態になりましたからね。
その辺を防ぐのも兼ねてアレンジしようと思ったら、初代ギャバンの登場まで話が膨らみまして………
次回は響達の復活と、雑魚を相手にしてくれる援軍の到着です。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。