戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第26話『正義一閃! レーザーブレード!!』

リディアン跡地………

 

「アシュラ・ホラーだと?………」

 

「此処へ来てこんな手かよ………」

 

自分達を見下ろしているアシュラ・ホラーに姿に、翼と奏が冷や汗を搔きながらそう呟く。

 

と、その瞬間に………

 

アシュラ・ホラーの目が怪しく輝く!

 

「! 散れっ!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

初代ギャバンの声で一斉に散開するギャバン(轟)達。

 

直後に、アシュラ・ホラーの目から稲妻状の怪光線が放たれる!

 

「「「「! キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」」」」

 

「「うおわっ!?」」

 

巨大化した事で光線の大きさと威力も増しており、直撃でなかったにも関わらず、響達とギャバン達は爆風で吹き飛ばされた!

 

「野郎っ!!」

 

と、逸早く体勢を立て直したクリスが、飛行ユニットを展開すると、レーザーの弾幕を放つ!

 

レーザーは次々にアシュラ・ホラーの巨体に命中する。

 

「ハッ! 図体がデカくなった分、狙い易いってもんだぜ!!」

 

爆煙に包まれたアシュラ・ホラーを見てそう言い放つクリスだったが………

 

「! クリスちゃん! 避けてっ!!」

 

「はっ?」

 

響がそう叫んだ瞬間………

 

爆煙を突っ切って、巨大な拳がクリスに迫った。

 

「!? なっ!?」

 

驚いて動きが止まってしまったクリスに、拳が直撃!

 

「! グアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

咄嗟に盾にした飛行ユニットが粉々になり、アーマーの一部も罅割れてクリスがブッ飛ばされ、地面に叩き付けられる!

 

「クリスちゃん!」

 

「『フフフフ………』」

 

不気味な二重の笑い声が聞こえて来たかと思うと、爆煙が晴れ、無傷のアシュラ・ホラーの姿が露わになった。

 

「無傷、だと………?」

 

「クソッ! 翼! 今度はアタシ達だ!」

 

「! ああっ!!」

 

一瞬呆けてしまった翼に奏が活を入れる様に叫び、2人はアシュラ・ホラーの前に躍り出る。

 

 

 

双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-

 

 

 

そしてアシュラ・ホラー目掛けて合体技を放つ!!

 

「『フンッ………』」

 

しかし、アシュラ・ホラーは迫り来るエネルギーの奔流を鼻で笑ったかと思うと、ネフシュタンの鎧の突起部分からエネルギーを発生させ、巨大な光球を形成。

 

それを放ったかと思うと、双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-と衝突させる。

 

途端に、双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-は掻き消され、巨大エネルギー球が翼と奏に向かう。

 

「なっ!?」

 

「嘘だろっ!?」

 

驚きながらも、2人は其々の得物を構えて巨大エネルギー球を受け止める!!

 

「ぐうううううううっ!!」

 

「おおおおおおおおっ!!」

 

気合の声を挙げて踏ん張る2人だったが………

 

巨大エネルギー球が突如爆発した!!

 

「「! うわあああああっ!!」」

 

得物とアーマーにヒビが入り、翼と奏が黒煙の尾を引きながら墜落した。

 

「翼さん! 奏さん! このおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」

 

響が怒りの声と共に右腕のアームドギアを引き、全力でアシュラ・ホラーに突撃する!

 

「デリャアアアアアアッ!!」

 

渾身の拳が決まり、アシュラ・ホラーの身体に大穴が空く!!

 

「『無駄だっ!!』」

 

しかし、アシュラ・ホラーがそう言った瞬間、その穴が瞬く間に塞がる。

 

「!?」

 

「『むんっ!!』」

 

驚いた響の身体を、アシュラ・ホラーの巨大な手が掴む!

 

「!? しまっ………」

 

「『ヌウウウウンッ!!』」

 

そのままアシュラ・ホラーは響を振り回す。

 

「うわあああああっ!?」

 

「『ムウンッ!!』」

 

散々振り回したかと思うと、地面に向かって投げ付けるアシュラ・ホラー。

 

「ガハッ!?」

 

派手に土煙を立てて地面に叩き付けられる響。

 

「響っ!!」

 

「響くんっ!!」

 

その光景に隠れていた未来と了子を確保していた弦十郎が声を挙げる。

 

「ぐうう………」

 

「『フハハハハハハハッ!! 如何した装者共! 限定解除(エクスドライブ)の力はそんなものかぁっ!?』」

 

響が呻き声を挙げる中、アシュラ・ホラーの勝ち誇った笑いが木霊する。

 

「轟っ!」

 

「ハイ、教官っ!!」

 

「「レーザーZビームッ!!」」

 

とそこで、初代ギャバンとギャバン(轟)が、タイミングを合わせてレーザーZビームを同時に発射!!

 

2人のギャバンのレーザーZビームが合わさり、アシュラ・ホラーに直撃!!

 

その身体を大きく抉ったが………

 

その傷も瞬く間に再生してしまう。

 

「クウッ!」

 

「駄目かっ!!」

 

「『死ねぇっ! 宇宙刑事ギャバンッ!!』」

 

アシュラ・ホラーはギャバン達に向かって目から稲妻状の光線を放つ!

 

「「おうわあっ!!」」

 

コンバットスーツから火花を散らしながら、爆風に吹き飛ばされるギャバン達。

 

「『フハハハハハハハッ!! 最早我に敵は居ない! 今度こそこの地球は我等マクーの物となるのだ!!』」

 

(このままじゃ勝てない………如何すれば?)

 

アシュラ・ホラーの高笑いが響く中、響は何か手がないかと必死に考える。

 

とそこで、その視界の端に『()()()』が飛び込む。

 

「! デュランダルッ!!」

 

それは響の暴走エネルギーを吸収してカ・ディンギルへのエネルギーを送信した後、柄だけとなって完全に砕け散っていたデュランダルの姿だった。

 

(アレがまだ使えれば………)

 

そう考えた時、響の脳裏にあの薬品工場地帯での事が思い起こされる。

 

(! またあんな事になったら………)

 

そう思うと躊躇してしまう響。

 

「「チュウッ!!」」

 

「!!」

 

とそこで聞こえて来た声に、響はアシュラ・ホラーの方に視線を向ける。

 

「貴様の思い通りにはさせんぞっ!!」

 

「地球を貴様等には渡さんっ!!」

 

アシュラ・ホラーの周りを跳び回り、バードニウムエネルギーを注入したレーザーブレードで斬り付けているギャバン達。

 

「私達もまだやれるぞっ!!」

 

「地球人舐めるなよっ!!」

 

「このデカブツがぁっ!!」

 

翼・奏・クリスも、アシュラ・ホラーに攻撃を仕掛ける。

 

「『ええい! 鬱陶しいっ!!』」

 

攻撃は大して効いていないが、アシュラ・ホラーはうっとおしそうに6本の巨大な腕を振り回す。

 

「皆………」

 

それを見た響は、再びデュランダルに目を向ける。

 

「皆頑張ってる………私だって!!」

 

そう叫ぶと、一気に立ち上がり、デュランダルの元へ駆け出す!

 

「よろしく勇気っ!!」

 

そして、デュランダルを掴み取った!

 

「! グアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

途端に、響の身体を黒い影の様な物が覆い尽くし、目が赤く輝き出す!

 

「!? 立花っ!?」

 

「響っ!?」

 

「アイツ、またっ!?」

 

「『フハハハハハハハッ! 馬鹿め! 破壊されたとは言え、デュランダルは完全聖遺物! 貴様の様な小娘に使いこなせるか!!』」

 

その様子に気付いた翼・奏・クリスが声を挙げ、アシュラ・ホラーは響を見下してそう言い放つ。

 

「アアアアアアァァァァァァァァッ!?」

 

その間にも、響の身体を覆う黒い影は濃さを増して行き、再度暴走状態に突入しそうになる。

 

(だ、駄目だ! 意識が………塗り潰されて………ゴメン、皆………)

 

段々と意識が遠のく中、皆に謝罪する響。

 

「響ーっ!!」

 

「立花さん!!」

 

「ビッキーッ!!」

 

「響ちゃーんっ!!」

 

「………!?」

 

だが、そこで聞こえて来た声に響の意識は再度浮上。

 

それに呼応するかの様に暴走状態が顔だけ解除され、視界が効く様になり、声がした方向を見やる。

 

そこにはシェルターから飛び出して来た弓美・詩織・創世・小里の姿が在った!

 

(皆!?)

 

「貴方のお節介をー!」

 

「アンタの人助けをーっ!」

 

「今日は、私達が!!」

 

「頑張るだーっ!!」

 

口々に響への檄を飛ばす詩織・弓美・創世・小里。

 

「強く、自分を意識して下さい!」

 

「昨日までの自分を!」

 

「これからなりたい自分を!」

 

弓美達を連れて来た慎次・朔也・あおいも声を挙げる。

 

「正念場だ! 踏ん張りどころだろうが!!」

 

了子を抱えている弦十郎が叫ぶ。

 

「立花! お前の覚悟………『よろしく勇気』を私に見せてくれ!」

 

「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ! お前が自分を信じなくてどーすんだよ!!」

 

「大丈夫だ、響! アタシ達が付いてる!!」 

 

更にそこで、翼・クリス・奏も暴走しかけている響に寄り添い、励ます。

 

「『ええいっ! 小賢しいわあっ!!』」

 

とそこで、アシュラ・ホラーが吠え、6本の巨大な腕が響達に向かう。

 

「「バリヤーッ!!」」

 

だがその前に初代ギャバンとギャバン(轟)が立ちはだかり、ギャバンバリヤーを展開して防ぐ!

 

「グアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

獣の様な咆哮を挙げながら、破壊衝動を押し込もうとする響だったが、遂に完全に暴走状態に突入してしまう………

 

「響ーっ!!」

 

「響ちゃんっ!!」

 

「「よろしく勇気!!」」

 

「!?」

 

かに思われた瞬間に飛んで来た未来とギャバン(轟)の声で、響の身体を覆っていた黒い影が一気に取り払われる!

 

(そうだ………今の私は………私だけの力じゃない! そうだ! この衝動に塗り潰されてなるものかぁっ!!)

 

「よろしく勇気!!」

 

何度目とも知れない魔法の言葉で己を鼓舞する響。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響の手に握られていたデュランダルの柄が、眩い輝きを放ち始める!!

 

「!?」

 

「何だっ!?」

 

「コレは!?」

 

「如何なってんだ!?」

 

響・クリス・翼・奏が驚きの声を挙げる中、デュランダルは形を変え………

 

一振りのシンプルなデザインの剣となった!

 

「! コレってっ!?」

 

それは響にとって見慣れた物であった………

 

何故なら、その剣は………

 

『レーザーブレード』だったからだ!!

 

「『!? 何だとっ!?』」

 

コレにはアシュラ・ホラーも驚愕する。

 

「………!」

 

そしてその使い方を、響は良く知っていた!

 

「レーザーブレードッ!!」

 

そう叫びながら、デュランダルが変わったレーザーブレード………『レーザーブレード・D(デュランダル)の刀身を撫でる響。

 

刀身にフォニックゲインが注入され、金色の輝きを放ち始める。

 

 

 

男なんだろう? ぐずぐずするなよ

 

胸のエンジンに 火をつけろ

 

 

 

それと同時に、響の口からギャバンの歌が奏でられる。

 

 

 

おれはここだぜ ひと足お先

 

光の速さで 明日へダッシュさ

 

 

 

響は歌と共にアシュラ・ホラーの頭上にまで一気に飛翔する!!

 

 

 

若さ 若さってなんだ ふりむかないことさ

 

愛ってなんだ ためらわないことさ

 

 

 

「『! ぬうううっ!?』」

 

驚愕しながらも、響に向かって目から稲妻状の怪光線を放つアシュラ・ホラーだったが、怪光線はレーザーブレード・Dから発せられているフォニックゲインが弾かれて雲散する。

 

 

 

ギャバン! あばよ涙

 

ギャバン! よろしく勇気

 

宇宙刑事ギャバン!

 

 

 

我流 ギャバン・ダイナミック

 

 

 

そして、必殺の『我流 ギャバン・ダイナミック』が、アシュラ・ホラーの身体を縦一閃に斬り裂いた!!

 

「『!? ヌオオオオオオッ!?』」

 

切断面から金色の光を放ちながら悶えるアシュラ・ホラー。

 

「『さ、再生出来ん! 完全聖遺物同士の対消滅………いや! あの小娘の使ったデュランダルがネフシュタンの鎧の力を上回ったのか!?』」

 

その言葉通りに、アシュラ・ホラーに巨体が崩壊を始める。

 

「『立花 響いいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!』」

 

が、最後の意地か、アシュラ・ホラーは足元の響を踏み潰そうとする。

 

「…………」

 

しかし、響は足を振り上げるアシュラ・ホラーの姿を見ても動じない………

 

何故なら………

 

もう勝負は着いたからだ………

 

足を振り上げるアシュラ・ホラーの眼前に、2つの影が躍り出る。

 

「『!?』」

 

「アシュラ・ホラーッ!!」

 

「コレで終わりだっ!!」

 

刀身が輝くレーザーブレードを握った初代ギャバンとギャバン(轟)だ!

 

「「ギャバン・ダイナミックッ!!」」

 

2人のギャバンのギャバン・ダイナミックが、アシュラ・ホラーへと叩き込まれる!!

 

「『!? グオオオオオオオォォォォォォォォッ!?』」

 

駄目押しの必殺技を受け、遂にアシュラ・ホラーの身体が崩れ落ち始めた。

 

「『み、見事だ、ギャバン! そして装者共! ワシの負けだ………だが、1人では死なん! 貴様等も道連れだぁっ!!』」

 

と、完全崩壊するかに思われた瞬間………

 

アシュラ・ホラーは強力な念力を上空に向けて放った!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

一同が驚く中、念力は欠けた月の破片の中で1番巨大な物に命中!

 

その破片が、急激に降下し始める!

 

「『フハハハハハハハッ! マクー万歳っ!!』」

 

そしてアシュラ・ホラーはマクーを称えて爆発四散したのだった。

 

「マズイです! あの破片は完全に地球に向けて落下し始めています! しかも、落下予想地点は()()です!!」

 

何時の間にか手持ちのパソコンで計算をしていた朔也が、月の破片の落下は確実だと告げる。

 

「そんなっ!」

 

「折角親玉を倒してハッピーエンドだと思ったのに!!」

 

「こんな事って………」

 

「あわわわわ! 大変だぁーっ!!」

 

絶望の表情を浮かべる創世・弓美・詩織・小里。

 

「心配するな!」

 

だがそこで、力強い声が響いた。

 

「「「「!?」」」」

 

小里達が視線を向けると、そこには………

 

「俺達に任せておけっ!!」

 

サムズアップしているギャバン(轟)の姿が在った。

 

「「「「…………」」」」

 

その後ろでは、響・翼・奏・クリスが笑みを浮かべている。

 

「轟、任せるぞ」

 

「ハイ、教官………電子星獣ドルウウウウゥゥゥゥゥーーーーーッ!!」

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

初代ギャバンにそう言われると、ギャバン(轟)は空に向かってポーズを取りながら叫び、電子星獣ドルを召喚する!

 

「響、轟お兄ちゃん」

 

とそこで、未来が響とギャバン(轟)に声を掛ける。

 

「未来………」

 

「未来ちゃん………」

 

「………行ってらっしゃい」

 

そして最高の笑顔でそう言った。

 

彼女に不安は無い………

 

何故なら、2人は無事で帰って来ると確信しているからだ。

 

「うん………行って来るね」

 

「後でまたな」

 

そんな未来に対し、響も笑顔でそう返し、ギャバン(轟)も力強く返事を返した。

 

「チュウッ!!」

 

そして、1番に跳んだギャバン(轟)に続いて響達も飛び、電子星獣ドルの頭の上に着地。

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

電子星獣ドルは咆哮を響かせながら、落下して来る月の破片に向かって行った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙空間………

 

上昇した電子星獣ドルは一気に大気圏を突破。

 

その眼前に落下して来る月の破片を捉える。

 

「良し! 行くぞ、皆っ!!」

 

「「「「ハイ(ああ、おう)!!」」」」

 

ギャバン(轟)の号令で、装者達が電子星獣ドルの頭の上から飛翔。

 

それと同時に、ギャバン(轟)もレーザーブレードを構える。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

Emustolronzen fine el baral zizzl

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

Emustolronzen fine el zizzl

 

響達が絶唱を口にする。

 

嘗て奏は死ぬつもりで歌おうとした歌………

 

だが今彼女達は………

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「「ギャバン・シンフォギア・ダイナミック!!」」」」」

 

そして5人の声が重なり、電子星獣ドルと共に月の破片に向かって必殺の攻撃が叩き込まれる!!

 

その瞬間、宇宙が光で白く染まった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン跡地………

 

その光は地上にまで届いており、一瞬辺りが真っ白に染まったかと思うと………

 

落下して来ていた月の破片が………

 

粉々に砕け散った!!

 

「! やったぁっ!!」

 

弓美が歓声を挙げ、他の面々も笑みを浮かべる。

 

「月の破片、粉砕! 残った欠片も大気圏で燃えつきます!!」

 

「凄い………」

 

パソコンの画面を見ながら朔也がそう報告し、あおいが感嘆の声を漏らす。

 

「響達は?………」

 

そんな中で、不安げに空を見上げている弓美。

 

「! ああ! アレはっ!!」

 

とそこで、小里が空の一画を指差してそう声を挙げた。

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

するとその方向から電子星獣ドルが降下して来た。

 

その頭の上には、翼・奏・クリスが疲れ切った様子でへたり込んでおり、その前方に響をお姫様抱っこで抱えているギャバン(轟)の姿が在った。

 

「響ーっ!! 轟お兄ちゃーんっ!!」

 

それを確認した未来が、笑顔で手を振ると、他の一同も呼び掛けながら手を振り出す。

 

「ご、轟兄~! 恥ずかしいよ~!」

 

「もう碌に動けねえんだろ? 大人しく抱えられとけ」

 

「うう~~………///

 

頬を染めて恥ずかしそうにしている響であったが、嫌そうな様子は見せていないのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に『ルナアタック』………

 

別名『マクー事変』と呼ばれる事となる出来事は………

 

響を始めとした装者達………

 

そして宇宙刑事ギャバンによって治められたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしコレは………

 

長きに渡る戦いの………

 

ほんの序章に過ぎなかったのだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

何処とも知れない空間を………

 

ドン・ホラーを櫻井 了子の肉体から自分ごと引き剥がしたフィーネの魂が漂っている………

 

(次の転生は何時になるのか………)

 

漠然とそう考えながら、目を閉じたまま只々謎の空間を漂っているフィーネ。

 

「………ネ………フィー………フィーネ!」

 

「??」

 

しかしそこで、誰かの声が聞こえて来て、フィーネは目を開ける。

 

するとその前に、光が溢れたかと思うと、それが段々と人の形を形成して行く。

 

「フィーネ………漸く会えたな」

 

「! エンキ………」

 

驚きに目を見開き、ワナワナと小刻みに震え出すフィーネ。

 

彼こそが、フィーネが愛した神『カストディアン』………

 

その正体は遥か銀河から来訪した異星人『アヌンナキ』『エンキ』である。

 

「エンキ!!」

 

やがてフィーネは、エンキに勢い良く抱き着いた!

 

「フィーネ………」

 

エンキはそのフィーネを受け止め、優しく抱き返す。

 

「会いたかった………5000年間、ずっと会いたかった」

 

「俺も会いたかったよ、フィーネ」

 

子供の様に泣きじゃくるフィーネに優しく囁くエンキ。

 

「如何して………如何して『バラルの呪詛』を………」

 

「先ずはそれを説明しないと行けないな………」

 

そしてエンキは語り始める。

 

『バラルの呪詛』の真実を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな!? それじゃあ、私のしていた事は………」

 

『バラルの呪詛』の真実を知り、フィーネは自分がしていた事がエンキに届く処か、彼の厚意を無下にしてしまう行為であった事に愕然となる。

 

「すまない、フィーネ………全てを伝えるには俺には時間が無かった………許してくれ」

 

「そんな!? 謝るのは私の方よ! 私が貴方の事を信じられなかったから………」

 

お互いに自分が悪かったと言い始めるエンキとフィーネ。

 

「ならばココはお互い様という事にしては如何かな?」

 

「!?」

 

とそこで、別の人物の声が響いて、フィーネが視線を向けると………

 

まるで古代の戦士を思わせる姿の人物が居た。

 

「誰だ、お前は?」

 

突如現れた謎の人物に、愛しき人との再会に水を差されたと思ったフィーネが不機嫌そうにそう言うが………

 

「フィーネ! 失礼だぞ! このお方は、アヌンナキの祖先を支配していた邪悪な帝国を滅ぼし、我等の祖先を解放して下さった、大恩人のお方だ!! 俺が君に会えたのも彼の導きに拠るものだ!!」

 

すぐさまエンキからそう叱りの言葉が飛ぶ。

 

えっ!?………!? で、では、貴方様があの『伝説の戦士』!? し、知らぬ事とは言え、ご無礼をお許し下さい!!」

 

それを聞いたフィーネが、すぐさま平身低頭で謝り倒し出す。

 

「ハハハ、構わないよ。君は余程エンキの事が好きなのだな。愛されているな、エンキ」

 

「きょ、恐縮です………///

 

///………」

 

伝説の戦士がそう言うと、頬を染めながら恥ずかしそうにするエンキとフィーネ。

 

「さて、フィーネよ………こうして君達を引き合わせたのは他でも無い。君に真実を知って貰い、後程にやって欲しい事があるのだ」

 

「私に?………」

 

「ああ、君にしか出来ない事だ………」

 

困惑するフィーネに向かって、伝説の戦士………『戦士シャイダー』はそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マクーとの決着が着いたその頃………

 

南極の厚い氷の下でも、1つの決着が着いていた………

 

「ガハッ!?………」

 

「やれやれ………たった1人でアヌンナキの同胞共に反旗を翻したと言うから期待していたのに、この程度かい? 折角与えて遣った肉体も無駄だった様だね」

 

極寒の海中にも関わらず当然の様に存在している暗黒銀河女王が、白く長い髪と爬虫類の様な目、そして人形の様な白い肌を持つボロボロの女性の首を左手で締め上げている。

 

彼女こそがアヌンナキの『シェム・ハ』

 

嘗て同胞であるアヌンナキに反乱を起こし、エンキがバラルの呪詛で人類を分断させざるを得なくなってしまった元凶である。

 

「不可能………我は………人が仰ぎ見るこの星の神………」

 

「五月蠅いねぇ………」

 

シェム・ハがブツブツと呟いていると、暗黒銀河女王はその身体に紫色の高圧電流を流す!

 

「アアアアアアァァァァァァァァッ!?」

 

「全く、使える奴なら部下にしてやろうと思ったのに、肉体を与えた途端にこのアタシを殺そうとするだなんて………身の程知らずも良いとこだよ」

 

悲鳴を挙げるシェム・ハを、興味を失った目で見やりながら冷たくそう言い放つ暗黒銀河女王。

 

「もう良いさ。アンタは用済みだよ」

 

と、そう言った暗黒銀河女王が、右手に持っていた杖を掲げると、杖の先端部から怪しい光が放たれる。

 

その光を浴びたシェム・ハの身体が粒子状に分解されて行く………

 

「!? あ、有り得ない! 我は決して滅びぬ存在………」

 

「お前の力なんて、アタシに比べれば子供のお遊びみたいなモンさ」

 

「わ、我は! 人が仰ぎ見るこの星の神………」

 

「こんなちっぽけな星の神が何だって言うんだい! アタシは暗黒銀河の女王だよ!!」

 

「アアアアアアァァァァァァァァッ!?………」

 

暗黒銀河女王がそう言った瞬間、シェム・ハの身体と存在は完全に消滅した………

 

「フン、他愛無いねぇ………それにしても、マクーが敗れたかい。まあ、良いさ。次は『マドー』の連中に頑張ってもらうとするかね」

 

そう言うと踵を返す暗黒銀河女王。

 

「さて、次の候補の所へ行くとするかね………『アダム』と言ったかねぇ? どうせなら『パヴァリア光明結社』と言う組織ごと頂いちまうかね。アッハッハッハッ!!

 

高笑いを残し、暗黒銀河女王は姿を消す。

 

後には完膚無きにまで破壊されたシェム・ハの棺だけが残されたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ドン・ホラーとアシュラーダが合体して誕生したアシュラ・ホラー。
完全聖遺物を2つも取り込んでいる事もあり、その力は圧倒的。
エクスドライブした装者達は疎か、ダブルギャバンさえも撥ね退けます。

如何すれば良いのかと思った響の目に飛び込んだのは壊れたデュランダル。
薬品工場地帯での事を思い出して逡巡するも、果敢に戦い続けるギャバン達を見て覚悟を決める。
デュランダルの破壊衝動に飲み込まれそうになるが、仲間達と友達………
そして轟と未来の言葉で自分を取り戻す。

そして、その時!
奇跡が起こります!!

あの伝説の言葉(笑)と共に、デュランダルがレーザーブレードに変形!
遂に出た宇宙刑事ギャバンの主題歌と共に、我流 ギャバン・ダイナミックを炸裂させます!
そして駄目押しのダブルギャバンでのギャバン・ダイナミックで、遂にアシュラ・ホラーを撃破!
悪足掻きで、月の破片を落下させようとしましたが、それのギャバン(轟)と響達の活躍で破壊されます。
遂にマクーとの戦いに終止符が打たれました。

しかし………
その裏では更なる暗躍が………

了子からドン・ホラーの魂を自分ごと引き剥がしたフィーネは、何と想い人であったカストディアンのエンキと再会。
バラルの呪詛の真実を知り、更にカストディアンことアヌンナキの大恩人である『戦士シャイダー』から頼まれ事をされます。

これがこの作品ならでは設定となります。
軽く説明すると………
シンフォギア原作ではカストディアンが来訪したのは5000年前とされていますが、この作品ではそれよりも遥か前に来訪しており、当時ムー帝国を名乗って居たフーマによって支配され、奴隷にされていました。
しかし、1万2000年前に、バード星からやって来た戦士シャイダーの活躍によってムー帝国が壊滅し、解放されます。
その後は地球の各地へ散って行き、幾らかの代替わりをした後に、あのシェム・ハの事件が起こり、シンフォギア原作通りになったと言う感じです。
カストディアンの設定を見て、戦士シャイダーとフーマ・ムー帝国の設定と嚙み合わせたら面白いと考えまして。
詳しくはまた後程作品内で語る予定ですので、それまでお待ちください。

そして暫くぶりの登場となる暗黒銀河女王。
何と、XV編かつシンフォギアシリーズのラスボスであったシェム・ハを葬り去ってしまいます。
この作品のラスボスは暗黒銀河女王にすると決めていたので、シェム・ハを如何するか迷っていたのですが、個人的に正直ラスボスとしての格は曽我町子さんの演じた暗黒銀河女王の方が圧倒的に上だと思ってますし、かと言って部下になる様な性格じゃないなと思ったので、思い切って退場させる事にしました。
後、軽くネタバレのなりますが、この作品では未来も装者になって戦う予定でして、考えているストーリー展開だと、XV編でのあの擦れ違いに持って行けないと思い、そうなるとシェム・ハを出す理由が無くなってしまうのもありまして。
勿論、流石にコレで終わらせてしまっては仮にもシンフォギアシリーズのラスボスの扱いとしてはあんまりなので、後程に意外な形での出番と役割を与えたいと考えています。
XV編まで気を長くしてお待ち下さい。

さて、次回は絶唱しないシンフォギアならぬ蒸着しないシンフォギアと称した幾つかの短編エピソードを纏めた物を2話ほど投稿させて頂きます。
此方でもXV編のキャラがゲストで先行登場したりする予定ですのでお楽しみに。
そしてそれが終わったら、いよいよG編です。
マリア達とあの赤い宇宙刑事の登場に乞うご期待です。

では、長くなりましたが………
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