戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第2話『魔空空間』

リディアン音楽院の地下・特異災害二課本部の指令室………

 

「宇宙刑事ギャバン?」

 

「味方………なのか?」

 

突如現れたギャバンを見て、あおいと朔也が呆然としながらそう呟く。

 

「一体何者なんだ?」

 

弦十郎も油断無く、モニターに映し出されているギャバンの姿を見つめている。

 

だが、この指令室の誰もが気付かなかった………

 

「………ギャバン

 

了子が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で、憎々し気にギャバンの名を呟いていた事に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工場地帯………

 

「チュウッ!」

 

蹴り上げで正面に居たクラッシャーの顎を砕くと、小さくジャンプして回転を加えての裏拳で背後から襲い掛かろうとしていたクラッシャーを撃退。

 

更にナイフを手に襲い掛かって来たクラッシャーを、腕を掴んで捕まえると、そのまま自分の腕を回して投げ飛ばす。

 

「スパイラルキックッ!!」

 

そこで両腕を水平に横に伸ばし、右足を膝まで上げると言う独特のポーズを取って跳躍すると、回転跳び蹴り『スパイラルキック』で、2体のクラッシャー纏めて葬る。

 

「チュウッ!」

 

そのまま建物の上に着地すると、振り返りながら眼下のクラッシャー達を見据える。

 

「レーザーZビームッ!!」

 

そのクラッシャー達に向かって、ポーズを決めながら右手を突き出したかと思うと、そこから『く』の字状の光線………『レーザーZビーム』が放たれる。

 

光線が着弾すると大爆発が起こり、クラッシャー達が纏めて消し飛ぶ。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

そこでシャコモンスターが、背中を見せたかと思うと、赤い斑点から光線を放って来る。

 

「チュウッ!!」

 

ギャバンは着弾前に屋上から跳び、シャコモンスターの光線は先程までギャバンが居た場所で爆発する。

 

「ギャバンパンチッ!!」

 

そのままシャコモンスターにギャバンパンチを喰らわせる。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?

 

厚さ10センチの鋼鉄をブチ抜くパンチを食らい、ブッ飛ばされるシャコモンスター。

 

「強い………」

 

「やるな、アイツ」

 

自分達に襲い掛かって来ていたクラッシャー達を片付けた翼と奏が、ギャバンの戦いぶりを見てそう呟く。

 

「だが、果たして信用出来るのか………?」

 

謎の存在であるギャバンを、翼は警戒し、無意識にアームドギアの剣を握る手に力が入る。

 

「心配すんな、きっと味方だぜ」

 

だが、逆に奏の方は、ギャバンを味方だと断言する。

 

「! 何でそう言い切れるの!?」

 

「勘だ」

 

「勘!?」

 

アバウトな答えを返す奏に、翼は思わず大声を挙げる。

 

(………似てる………『()()()』に)

 

その奏の脳裏には、『()()()()』の姿が浮かぶ。

 

嘗て自分の命を2度も救ってくれた人物が………

 

「さて………ボサッと見てる場合じゃないな。あたし達も行くぞ!」

 

そこで奏はアームドギアの槍を構え直すと、シャコモンスターへと向かって行く。

 

「あ、奏!? もう!………」

 

そんな奏に、翼は少し怒りながらも続いて行く。

 

「あ………」

 

一方、漸く立ち上がった響は、その光景を只見ているだけだった。

 

気持ちでは2人に続こうと思っていた。

 

だが、先程の恐怖が頭を過り、動く事が出来なかった………

 

「オリャアッ!」

 

「ハアッ!!」

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?

 

奏の槍と翼の剣の攻撃を受け、シャコモンスターが身体から火花を散らして後退る。

 

「助太刀するぜ!」

 

「まだ完全に信用したワケではないからな………」

 

「感謝する」

 

意気揚々と言う奏に対し、警戒しているのを隠さない翼だが、ギャバンは感謝を告げる。

 

形勢はギャバン達に傾いたかに見えたが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

「宇宙刑事ギャバンめ………『魔空空間』に引き摺り込め!」

 

大型モニターでギャバン達の様子を見ていた()()()()()()()()()()()()()()()がそう命じる。

 

「ギーッ!!」

 

傍に控えていたクラッシャー達が、巨大な装置………『地軸転換装置』を操作する。

 

すると、地球の地軸が操作され、工場地帯にブラックホールに似た異空間が形成され始めた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工場地帯………

 

「!? 何だアレは!?」

 

「「!?」」

 

突然展開された異空間に、翼、奏、響が驚きを示す。

 

「! 魔空空間っ!!」

 

只1人、その正体を知るギャバンがそう声を挙げた瞬間………

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

強烈な引力が発生し、シャコモンスターが魔空空間へと吸い込まれて行った。

 

「ぐうっ!?」

 

「凄い力だ!!」

 

剣と槍を地面に差し、吸い込まれまいと踏ん張る翼と奏。

 

「う、うわあっ!?」

 

しかし、響は堪えられず、魔空空間へと吸い込まれてしまう。

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

「あっ!?」

 

「しまったっ!?」

 

響の悲鳴に奏と翼が慌てた瞬間………

 

「サイバリアーンッ!!」

 

ギャバンが叫ぶと、ドルギランから青い宇宙船を思わせるデザインのサイドカー………『サイバリアンtypeG』が発進する。

 

「チュウッ!!」

 

飛んで来たサイバリアンの側車の部分に立ち乗りで飛び乗ると、魔空空間へと突入するギャバン。

 

「! 翼! 行くぞっ!!」

 

それを見た奏も、自ら魔空空間へと飛び込んで行った。

 

「えっ!? ちょっ、奏っ!? クッ!!」

 

翼も刀を地面から抜き、奏の後を追う。

 

一同が飛び込むと、魔空空間は閉じてしまう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院の地下・特異災害二課本部の指令室………

 

「翼さん達のシグナル、ロストしました!!」

 

「何だとっ!?」

 

「駄目です! 確認出来ませんっ!!」

 

魔空空間へと突入した事で、翼達の存在を感知出来なくなった特異災害二課。

 

「アレは一種の異空間よ。恐らく、別の空間に引き込まれたのね」

 

「クッ! 現場に出るっ! 此処を頼むぞっ!!」

 

了子がそう分析結果を述べると、弦十郎は指令室を飛び出し、現場へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔空空間………

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

「チュウッ!!」

 

吸い込まれた響に追い付いたギャバンが、サイバリアンの上から跳び、響をキャッチ。

 

そのままお姫様抱っこで抱えて、着地を決める。

 

「あ………」

 

「大丈夫か?」

 

「ハ、ハイ………」

 

思わず頬を染めながら返事を返す響。

 

(………熱い)

 

それと同時に、明らかに冷たそうな感触しかしなさそうなギャバンのコンバットスーツから、熱さを感じ取る。

 

まるでギャバンの心の熱さであるかの様に。

 

「ハッ!」

 

「オイ、大丈夫か!?」

 

そこで追い付いた翼と奏が、2人の傍に着地する。

 

「あ、ハイ、大丈夫です」

 

ギャバンから降ろされながら、響が2人に返事を返す。

 

「此処は一体………?」

 

翼が周りを見渡してそう呟く。

 

暗雲が立ち込め、紫色の稲光が光り、惑星が浮かんでいる空………

 

破壊された建造物やその残骸らしき物が散乱しており、足元には靄の様な霧が立ち込めている。

 

「此処は魔空空間。一種の()()()の中だ」

 

「異空間だと!?」

 

と、ギャバンがそう説明したその時!!

 

突然赤黒い空から、火炎が噴き出して来た!!

 

「「「!?」」」

 

「バリヤーッ!!」

 

ギャバンが3人の前に出ると、両手を前に着き出し、光の壁『ギャバンバリヤー』を展開。

 

火炎は跳ね返され、空へと戻って行く。

 

「空から炎が………」

 

「この魔空空間では常識は疎か、物理法則も通用しない」

 

驚く奏にギャバンがそう言うと………

 

「! 何か来ますっ!!」

 

響の声が挙がると、足元に立ち込める霧に隠れる様に、何かが地を這って来る。

 

「! うわっ!?」

 

「くうっ!?」

 

「キャアッ!」

 

「うおっ!!」

 

次々に足を払われ、転倒するギャバン達。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

そして這っていたモノ………シャコモンスターが起き上がり、咆哮を挙げる。

 

「こいつっ!!」

 

「やってくれたなっ!!」

 

すぐさま立ち上がった翼と奏が、シャコモンスターに剣と槍を浴びせる。

 

しかし………

 

2人の武器は、シャコモンスターの表皮で弾かれる。

 

「!?」

 

「何っ!?」

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

「! うわっ!?」

 

「おわあっ!?」

 

驚いた2人を弾き飛ばすシャコモンスター。

 

「翼さん! 奏さん!」

 

響が2人に駆け寄り、助け起こす。

 

「クウッ!」

 

「如何なってんだ!? 急に強くなったぞ!?」

 

「気を付けろ! この魔空空間では、マクーエネルギーを受けて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「ハアッ!? 何だよ、そのインチキッ!?」

 

ギャバンの説明に、奏がそう返す。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

そこで、シャコモンスターが背中を向け、怪光線を放って来る。

 

「キャアッ!?」

 

「ぐうっ!?」

 

「うわっ!?」

 

先程までは比べ物にならない威力の爆風で響、翼、奏が吹き飛ばされる。

 

「チュウッ! シルバービームッ!!

 

だが、ギャバンは跳躍して躱し、左手から白い光線『シルバービーム』を放ち、命中させる。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?

 

爆発するシャコモンスターだったが、その姿が消える。

 

すると、空から今度は、大量の瓦礫が飛んで来る!!

 

「! 伏せろっ!!」

 

「「「!!」」」

 

ギャバンの叫びで、すぐさまその場に伏せる響達。

 

瓦礫が響達のすぐ上を霞める様に通り過ぎる。

 

直後に、今度は巨大なビルが飛んで来る!

 

「!? ビ、ビルッ!?」

 

「クウッ!」

 

「このぉっ!!」

 

 

 

蒼ノ一閃

 

 

 

LASTS∞METEOR

 

 

 

「レーザーZビームッ!!」

 

 

 

慌てる響だが、翼が巨大化させた剣からの斬撃波、奏が槍の先端から竜巻、そしてギャバンがレーザーZビームを放ってビルを破壊する。

 

だが、今度は頭上から別のビルは降って来た!!

 

「うおっ!?」

 

「うわっ!?」

 

何とか躱すギャバン達だが、ビルが落下して来た事で、床が崩れる。

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

「うおあっ!?」

 

落下する響達とギャバン。

 

やがて今度は砂丘の様な場所へと移動する。

 

「フッ!」

 

「チュウッ!」

 

「うわあっ!?」

 

難なく着地する翼と奏、ギャバンに対し、響はまた尻餅を着く。

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

すると、砂の中からシャコモンスターが飛び出して来て、ギャバンに背中から組み付く!

 

「うおっ!! デエイッ!!」

 

シュアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

すぐさま投げ飛ばしたギャバンだが、シャコモンスターが地面に伏せたかと思うと、まるで導火線の様に地面を炎が這い、ギャバン達の傍で火柱を上げた!!

 

「うおっ!?」

 

「おわっ!?」

 

「くっ!?」

 

「キャアッ!?」

 

次々に上がる火柱に、逃げ回るギャバン達。

 

その間に、シャコモンスターはまたも姿を消してしまっていた。

 

「クソッ! また消えやがった!」

 

「何処に?………」

 

奏と翼がシャコモンスターを探してキョロキョロとするが………

 

「レーザースコープッ!!」

 

そこでギャバンが、ゴーグルの目を発光させ、赤外線、紫外線、X線などのあらゆる波長をキャッチすると同時に分析。

 

隠れていたシャコモンスターを見つけ出した!

 

「そこか! レーザーZビームッ!!

 

シャコモンスターに向かって、レーザーZビームを放つギャバン。

 

見事命中したレーザーZビームは、シャコモンスターを爆発四散させた!

 

「やったぁ!………!? キャアッ!?」

 

思わず歓声を挙げる響だったが、そこで上空から何かが傍に落ちて来て爆発し、悲鳴を挙げる。

 

「!?」

 

「隕石っ!?」

 

空を見上げた翼と奏が、隕石が次々に振って来るのを見て驚愕。

 

更に次の瞬間………

 

直径何10メートルは有ろうかと言う、超巨大隕石が降って来た!!

 

「!? 嘘だろっ!?」

 

「に、逃げましょうっ!!」

 

「無理だ! あの大きさでは逃げ切れん!!」

 

愕然とする奏に響が逃げる様に促すが、翼が半ば諦めたかの様にそう言い放つ。

 

「電子星獣ドルウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーッ!!」

 

するとギャバンが、ポーズを決めながら空に向かってそう叫んだ!

 

暗雲を斬り裂いて超次元高速機ドルギランが魔空空間へ突入して来る。

 

下部のドルユニットが分離すると、龍の形へと変形する!

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

変形完了と共に、機械の龍………『電子星獣ドル』は咆哮を挙げた!!

 

「うおっ!? スゲェッ!!」

 

「あんな物まで持っているのか………」

 

「…………」

 

ギャバンが呼び出した電子星獣ドルの姿に、奏と翼は驚愕し、響は最早言葉も出ない。

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

その間に、電子星獣ドルは再度咆哮を挙げ、目からの赤い光線『ドルレーザー』で超巨大隕石を木っ端微塵に破壊した!

 

そこで、周りの景色が再び足元に霧の立ち込めた場所へと戻る。

 

すると、赤い煙の様な物がギャバン達に振り掛かって来る。

 

「うおわっ!? くうっ!?」

 

「何だコリャッ!?」

 

「く、苦しい………」

 

赤い煙に覆われたギャバン達が苦しむ様子を見せる。

 

やがて煙が晴れたかと思うと………

 

「フハハハハハハハッ!!」

 

巨大な刃の曲刀と牙状の突起がついた盾を手にしたダブルマン・ゾンビAが、頭部をシールドで覆いながら現れた!

 

「! またコイツか!!」

 

「勝負を付ける積りか!」

 

その姿を見た奏と翼がアームドギアを構え直す。

 

「むんっ!」

 

ギャバンも左手首からシンプルなデザインの剣………『レーザーブレード』を取り出す。

 

「フフフフ………」

 

とそこで、ダブルマン・ゾンビAの背後から、別のダブルマン・ゾンビAが2体現れた!!

 

そして1人が翼、もう1人が奏に向かって行くと、最初に現れた1人はギャバンへと向かって行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VS翼………

 

「ハアッ!!」

 

「ヌンッ!」

 

翼の袈裟懸けを盾で防ぐと、曲刀で斬り付けて来るダブルマン・ゾンビA。

 

「フッ! セヤアッ!!」

 

バックステップで躱したかと思うと、今度は突きを繰り出す翼。

 

「ぬうあっ!?」

 

またも盾で防ごうとしたダブルマン・ゾンビAだったが、防ぎ切れずに盾が弾き飛ばされる。

 

「おのれぇっ!!」

 

「ハッ!」

 

曲刀を両手で握ったかと思うと袈裟懸けを繰り出すダブルマン・ゾンビAだが、翼は跳躍して回避。

 

「セヤアアッ!」

 

そして上空からダブルマン・ゾンビAに向かって、剣を投げ付けたかと思うと、その剣を追う様に跳び蹴りを繰り出す。

 

すると、剣が巨大化し、その巨大化した剣の柄頭に翼の蹴りが命中。

 

 

 

天ノ逆鱗

 

 

 

「グアアアアアアァァァァァァァッ!?」

 

そのまま巨大化した剣で、ダブルマン・ゾンビAを押し潰す様に斬り裂いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VS奏………

 

「オリャリャリャリャリャアーッ!!」

 

「フハハハハハハハッ!」

 

奏の繰り出す連続突きを、盾で悉く防ぎながら笑い声を挙げるダブルマン・ゾンビA。

 

「笑って居られるのも今の内だぞ! うおおおおおおおっ!!」

 

だが、奏はそう叫び、更に突きの速度を上げる!

 

「無駄な事をっ!!」

 

しかし、ダブルマン・ゾンビAはそれも難なく防いでいく。

 

と、そこで………

 

突きを防いでいたダブルマン・ゾンビAの盾にヒビが入る。

 

「!? 何っ!?」

 

「遅いんだよっ!!」

 

慌てるダブルマン・ゾンビAだったが、もう遅いとばかりに奏が渾身の突きを繰り出したかと思うと、盾はダブルマン・ゾンビAの左腕ごと粉々に砕け散った!

 

「!? グアアアアアアァァァァァァァッ!?」

 

「トドメだぁっ!!」

 

 

 

STAB∞METEOR

 

 

 

怯んだダブルマン・ゾンビAに、奏は一気に突撃!

 

槍を身体に突き刺したかと思うと、穂先からエネルギーの竜巻を発生!

 

ダブルマン・ゾンビAに断末魔を挙げさせる暇の無く、消し飛ばしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VSギャバン………

 

「ギャバン、覚悟!」

 

「来いっ!」

 

曲刀を掲げる様に構えるダブルマン・ゾンビAに対し、レーザーブレードを軽く前に突き出す様な自然体で構えているギャバン。

 

「ゼヤアッ!」

 

「!」

 

高い位置での横薙ぎを姿勢を低くして躱すと、続け様に放たれた下段への攻撃をレーザーブレードで受け止めて防ぐ。

 

「ムンッ!」

 

そのままダブルマン・ゾンビAの曲刀の刃を抑えたまま振り回し、弾き飛ばす。

 

「ぬおっ! おのれぇっ!!」

 

「チュウッ!!」

 

そこでダブルマン・ゾンビAは盾で殴り掛かって来たが、ギャバンは蹴り上げを繰り出しで、盾を蹴り飛ばす。

 

「うおっ!?」

 

「チュウッ!!」

 

「ぬんっ!!」

 

盾を失ったダブルマン・ゾンビAに斬り掛かったが、刃が当たるかと思われた瞬間にダブルマン・ゾンビAの姿が消えてしまう。

 

「! 消えたっ!?」

 

ギャバンは周りを見回し警戒する。

 

「ぬうあっ!!」

 

だが、ダブルマン・ゾンビAは突如背後の霧が立ち込めている地面の中から飛び出して来る。

 

「!!」

 

「! 危ないっ!!」

 

するとそこで、今まで見ているだけだったが響が、勇気を振り絞ってダブルマン・ゾンビAに体当たりを食らわせた!

 

「グアッ!? 小娘がぁっ!!」

 

邪魔されたダブルマン・ゾンビAは、激昂のままに響に向かって曲刀を振り下ろす!

 

「!?」

 

「ムンッ!」

 

しかし、寸でのところでギャバンが割って入り、レーザーブレードで受け止めると弾き飛ばし、逆に斬り付けた!

 

「グアアアッ!?」

 

ダブルマン・ゾンビAのアーマーから火花が散り、後退る。

 

「ありがとう、助かった!」

 

「! ハ、ハイッ! こちらこそ!」

 

ギャバンが礼を言うと、響は若干照れた様子を見せる。

 

「レーザーブレードッ!!」

 

そこで、ギャバンがレーザーブレードの刀身を撫でたかと思うと、バードニウムエネルギーを注入され、刀身が光を放った!!

 

「ヌアアアアアアッ!!」

 

自棄っぱちになったかの様に、曲刀を振り回しながら突撃して来るダブルマン・ゾンビA。

 

「…………」

 

ギャバンはゴーグルの目を発光させ、それを待ち構える。

 

「死ねえぇっ!!」

 

そのまま勢いに乗せた1撃を繰り出して来るダブルマン・ゾンビAだが、ギャバンはサッと横に躱す。

 

「ぬうっ!? うおおおっ!!」

 

すぐさま2撃目を繰り出そうとしてきたダブルマン・ゾンビAだったが………

 

「ギャバン・ダイナミックッ!!」

 

ギャバンはそれよりも早く、大上段に構えたレーザーブレードを振り下ろし、縦一文字に斬り裂く必殺技………

 

『ギャバン・ダイナミック』を繰り出した!

 

「うおおおっ!?」

 

喰らったダブルマン・ゾンビAが曲刀を落として2、3歩後退ったかと思うと………

 

「ウオワアアアアアアッ!?」

 

その身体は縦に真っ二つとなり、切断面から爆発!!

 

倒れた瞬間には、更に木っ端微塵へと吹き飛んだ!!

 

それと同時に、魔空空間が消滅を始めた。

 

「うわわっ!?」

 

「チュウッ!」

 

慌てる響の肩を抱き寄せると、跳躍して一気に魔空空間を抜け出し、元の工場地帯へと戻り、着地を決めるギャバン。

 

すぐ近くには、同じ様に脱出した奏と翼が着地を決めていた。

 

「! 翼! 奏! 無事だったか!!」

 

そこで、現場に出て来ていた弦十郎が駆け寄って来る。

 

「叔父様!」

 

「ダンナ、来てたのか!?」

 

「ああ、無事で何よりだ」

 

2人の様子に安堵に表情を見せる弦十郎。

 

「もう大丈夫だ………」

 

「あ、ありがとうございます。本当に何度も………」

 

ギャバンから離れると、何度も助けられた事に深々と頭を下げて感謝を示す響。

 

「あ! 申し遅れました! 私、立花 響と言います!」

 

とそこで、名乗って居なかったのを思い出してそう言うと、その身体が光り、元の制服姿へと戻る。

 

「わわっ!」

 

驚いて転びそうになるが、何とか踏ん張る。

 

「さて………」

 

翼と奏との話が終わった様子の弦十郎が、響とギャバンの元へやって来る。

 

「俺は特異災害機動部二課の司令・風鳴 弦十郎だ。先ずは翼と奏を助けてくれた事に礼を言わせて貰う。だが、君達には色々と聞かせて貰わねばならない事が有る」

 

「え、えっと………」

 

響が戸惑っていると………

 

「………!」

 

ギャバンが突如、手に持ったままだったレーザーブレードを、何も無い空間に突き出した!

 

「!?」

 

「何の積りだ?………」

 

するとその誰も居なかった筈の場所に、何時の間にか手錠を持っているスーツ姿の若い男が居た。

 

その手錠を響に付ける積りだった様だ。

 

(僕の動きが見切られた!? この人………『世界忍者』並みの実力者なのか!?)

 

NINJAである自分の動きを見切ったギャバンに、若い男………『緒川 慎次』は冷や汗を流す。

 

「! 緒川さん!!」

 

慎次がレーザーブレードを突き付けられた事で、翼が剣を構えて臨戦態勢となる。

 

「待て、翼! 緒川も下がれっ!」

 

「しかし!」

 

「………了解しました」

 

だが、弦十郎がそう言うと、翼は納得が行かない様子を見せたが、慎次はすぐに下がる。

 

「…………」

 

それを受けてレーザーブレードを降ろしながらも、油断無く弦十郎を見据えるギャバン。

 

「誤解させてしまってすまない。だが、その子が使っている力は最重要機密に当たる物なんだ」

 

「『シンフォギア』だな」

 

「! 知っているのか!? 何故!?………いや、この際それは良い。俺が今1番聞きたいのは………」

 

「『マクー』についてか」

 

「そうだ。奴等は何者なんだ? 何故君は奴等と戦っている?」

 

「マクーとは全宇宙規模でその名を轟かす強大な宇宙犯罪組織だ。俺は奴等と戦う為に銀河連邦警察から派遣された宇宙刑事だ」

 

「!? ()()()()()()!? それに()()()()()()だと!?」

 

「「「「!?」」」」

 

ギャバンの言葉に、弦十郎だけでなく、他の一同も驚愕する。

 

「それはつまり………マクーと言う連中も、君も………()()()だという事か!?」

 

「そうなるな………」

 

「異星人………」

 

「マジかよ………」

 

信じられないと言う顔をする翼と奏。

 

「俄かには信じがたいが、マクーと言う連中の姿や先程の事象を見れば納得出来なくはない。だが、そのマクーが何故シンフォギアを狙ったんだ?」

 

「シンフォギアだけではない。奴等は聖遺物全般を狙っている。マクーにとって、その星に在る人的・物的資源は全て略奪対象だからな」

 

「………宇宙刑事ギャバン。我々に協力してくれないか?」

 

「!? 叔父様!! こんな得体の知れない奴を信用するんですか!?」

 

弦十郎の言葉に、翼が噛み付く様にそう言う。

 

彼女からすれば、ギャバンは正体不明の怪人物だ。

 

若しかしたらマクーと言う連中とグルだという可能性も有ると考えている。

 

「マクーと言う連中が聖遺物を狙っているとすれば我々ともまた交戦する可能性が高い。マクーを良く知っている君が居てくれれば心強い」

 

「………すまないが、今はまだ無理だ」

 

「! やはり疚しい事があるのか!?」

 

断るギャバンの姿を見て、翼が思わず斬り掛かろうとしたが………

 

「止めろ、翼!」

 

その肩を奏が掴んで止める。

 

「でも、奏!………」

 

「良いから、黙ってろ!」

 

尚も食い下がる翼を、奏は怒鳴りつけて抑え込む。

 

()()………と言う事は、何れは共に戦えると言う事か?」

 

「さっきも言った通り、俺は銀河連邦警察と言う組織に属している。貴方達がこの国のルールで動いている様に、俺も銀河連邦警察のルールで動いている。そのルールに則り、現状で協力体制を敷く事は出来ない」

 

「つまり、協力するにはその銀河連邦警察と交渉する必要が有るという事か」

 

「そうだ。だが、マクーに関しての情報は提供する事は出来る………条件が有るがな」

 

「その条件とは?」

 

弦十郎が尋ねると、ギャバンは響に視線を向ける。

 

「………彼女に対し、手荒な扱いをしないと約束し、身の安全を保障して欲しい」

 

「! ふえっ!?」

 

突然自分にも関りが出来、驚く響。

 

「君は彼女の知り合いなのか?」

 

「………約束出来るのか出来ないのか?」

 

ギャバンはその弦十郎の質問には答えず、そう確認する。

 

「………分かった。約束しよう」

 

「交渉成立だ」

 

弦十郎が確約したその時………

 

工場地帯の上空に、ドルギランが降下して来た!

 

「「「「!?」」」」

 

「ゆ、UFO!?」

 

まんまUFOな外観をしたドルギランに響達は何度目ともならぬ驚愕を覚える。

 

とそこで、ドルギランから光の柱が降りて来て、ギャバンを包み込む。

 

「マクーの情報は後程送る………」

 

「あ………」

 

「………じゃあな」

 

弦十郎にそう言い、最後に響に向かって手を振ると、ギャバンは光の柱の中を昇って行き、ドルギランへと吸い込まれた。

 

ギャバンを収容したドルギランはそのまま上昇を始め、アッと言う間に見えなくなる。

 

「友里、藤尭!」

 

『駄目です! レーダーには何も映っていません!』

 

『嘘だろ!? あんな巨大なのに、何てステルス性だ!』

 

すぐに指令室に問い合わせるが、あおいと朔也からドルギランをレーダーでは捉えられないと返って来る。

 

「そうか………」

 

「全く、ビックリさせられっぱなしだな」

 

「…………」

 

呆然と空を見上げる弦十郎と奏に、睨み付けている翼。

 

(宇宙刑事ギャバンさん………如何してだろう………私、あの人を知ってる気がする………)

 

一方響は、ギャバンに何処か懐かしさに似た感情を感じていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂にギャバンの戦闘。
宇宙刑事シリーズの戦闘の流れを再現出来たかと。

そして宇宙刑事シリーズと言えばコレ………
『魔空空間』です。
やはりこれをやらないとですね。
地軸転換装置を操っていた謎の怪人の正体は後程………

ドルギランにステルス性能があるってのは一応オリジナルです。
そうでないと、あんな巨大な物が空を堂々と飛んでて気づかれないワケがないですから。

次回は響が二課に所属するにあたっての説明会と日常の様子描写になります。
オリキャラも登場しますので、お楽しみに。

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