戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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まだ連載開始して間も無いからか、感想が少なくて寂しいです。

それとも、やはり扱ってる人が殆ど居ないから、ハーメルンでメタルヒーローシリーズは認知度が無いんですかね………

公式のスペーススクワッドも続編が未定ですし………もしそうだったら悲しいです。

けど、私は挫けません。

必ずこの作品を完結まで書き上げ、メタルヒーローシリーズの認知度に貢献して見せます。

取り合えず、もしメタルヒーローシリーズに興味が有れば、メタルヒーローDVDコレクションをどうぞ(ダイマ)




第3話『特異災害対策機動部二課』

弦十郎の車の車内………

 

「あの………私、同居人が待ってるので、早く帰りたいんですけど………」

 

「済まない。先程も言った通り、君が使っていた力は国の最重要機密に当たるものなんだ。色々と話をしないとならない」

 

運転席の弦十郎におずおずと訴え掛ける響だったが、やんわりとながら明確に拒否される。

 

「そんな~………」

 

「心配すんなって。別に如何こうしようってワケじゃないんだから。宇宙刑事ギャバンとの約束も有るしね」

 

ガクリとなる響を励ます様に、同じ車に乗り込んでいた奏が頭を撫でる。

 

一方、翼は1人、来た時と同じバイクに乗って後ろから付いて来ている。

 

「…………」

 

ヘルメットのバイザー越しに、響を睨み付けながら。

 

(う、後ろからすっごく視線を感じる………)

 

(ったく、しょうがないなぁ、翼の奴………)

 

その視線を感じて縮こまる響と内心呆れる奏。

 

と、やがて車は、リディアン音楽院へと辿り着いた。

 

「えっ? 此処って………如何して学院に?」

 

「そりゃあ、此処があたし達の拠点だからな」

 

「!? ええっ!?」

 

自分が通っている学院が本拠地と言われ、響は驚く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院・教員棟………

 

弦十郎・慎次・奏・翼に連れられ、響は教員棟のエレベーターに乗せられる。

 

慎次が何かの機械をエレベーター内の機器に翳したかと思うと、エレベーター内が変形。

 

手摺に捕まっていなければ危ない様な速度で地下深くに向かって降下して行き、地下の二課施設へと移動。

 

そしてある部屋まで通されたかと思うと………

 

「「「「「「「「「「ようこそ! 人類守護の砦、特異災害対策機動部二課へ!!」」」」」」」」」」

 

クラッカーと共に、多数の職員達が熱烈な歓迎で出迎えた。

 

「へっ?………」

 

「お~、滞りなく準備していてくれたみたいだな、御苦労」

 

その様に響は唖然とし、指示を出していた弦十郎は満足そうに笑みを浮かべる。

 

「やっぱこうなったか」

 

「あははは………」

 

「…………」

 

予想はしていた奏と慎次は苦笑いを零し、翼は頭を抱える。

 

「あ、あの………如何して皆さんが私の名前を?」

 

「我々二課の前身は、大戦時に設立された特務機関なのでね。調査はお手の物なのさ」

 

「うふふ………」

 

響の疑問に弦十郎がそう答えていると、了子が響の鞄を持って現れる。

 

「ああーっ! 私の鞄ーっ!! 何が調査はお手の物ですかー! 鞄の中身、勝手に調べたりしてぇっ!!」

 

著しいプライバシーの侵害に、響が抗議の声を挙げながら了子から鞄を引っ手繰る。

 

「では、改めて自己紹介をさせてもらう。俺は風鳴 弦十郎。一応、此処の責任者だ」

 

「そして私は~、出来る女と評判の櫻井 了子。よろしくね」

 

「ああ、どうも。こちらこそよろしくお願いします」

 

「君を此処に呼んだのは他でも無い。君も知りたいだろう………『あの力』の事を」

 

「!!」

 

後半で真面目な表情になった弦十郎を見て、響は改めて自分が使った力………『シンフォギア』の事を思い出す。

 

「貴方の質問に答える為にも、2つばかりお願いが有るの」

 

そこで了子が響の前に立ちながらそう言って来る。

 

「1つは、今日の事は誰にも内緒。そしてもう1つは………取り合えず脱いで貰いましょうか?」

 

「!? ふええっ!? ま、まさか、『ソッチ』の人なんですか!? わ、私ノーマルなんです! 彼氏は居ないけど、好きな人だって居るんです!!」

 

了子の脱げと言う言葉に、響は身の危険を感じて飛び退く。

 

「違うわよ!」

 

「了子くん、言い方が紛らわしいぞ。心配しないでくれ。只のメディカルチェックだ。君が使った力に尽いて調べる為のな」

 

『ソッチ』の人扱いされたのが心外だったのか、やや怒った様子を見せる了子を宥めながら、弦十郎が補足するのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小一時間後………

 

リディアン学生寮・響と未来の部屋………

 

漸く検査から解放された響は、寮の部屋に帰る頃にはすっかりヘトヘトになっていた。

 

同居人であり親友の未来から心配したとの愚痴を聞かされながらも、食事と入浴を済ませ、2段ベッドの上の段に2人一緒に入った。

 

「…………」

 

1日で色々な事が有って頭がまだグルグルとしている響。

 

未来に言ってしまおうとも思ったが、秘密にしてくれと言われた事を思い出して留まる。

 

「………あのね、未来」

 

しかし、如何しても言いたい事が有ったので、それだけを伝えようとする。

 

「今日ね………『ある人』に助けて貰ったの」

 

それは、ギャバンの事だった………

 

「『ある人』?………」

 

「うん、それでね………その人とは初めて会った筈なんだけど………何だか昔から知ってる人の様な気がして………でも、私が知ってる誰とも結び付かないんだ」

 

「それって既視感(デジャブ)じゃないの?」

 

「違うと思う………何故だか分からないけど、そうだって言えるんだ」

 

ギャバンの姿を思い出しながら、響はそう言う。

 

「響………」

 

「あ、ゴメンね、未来。何か心配させる様な事言って」

 

「響………本当に大丈夫?」

 

「うん、へいき、へっちゃら………よろしく勇気だよ」

 

「よろしく勇気………轟お兄ちゃん」

 

響の言葉を聞いた未来が、轟の事を思い出す。

 

「轟お兄ちゃん………生きてる、よね」

 

「うん、きっと生きてるよ。あの手紙だって、絶対轟(にい)のだったし」

 

確信に満ちた声でそう言う響。

 

 

 

 

 

3年前、突如として行方不明となってしまった年上の幼馴染・十城士 轟。

 

最後に目撃された地点の近くでノイズらしき物が目撃されていた事から、ノイズにやられたと判断され、身寄りが無かった事もあり、警察による捜索は早々に打ち切られた。

 

幼馴染の突然の死に、響と未来は悲しみに暮れていた………

 

だが、半年が経ったある日………

 

2人宛てに轟から手紙が届いたのである。

 

内容は、自分は無事である事、詳しくは言えないが如何してやりたい事が出来た為、もう帰れないかも知れないというモノだった。

 

『勝手な事だとは分かっている。もし許せないと言うなら、俺の事は忘れてくれて構わない。2人には何時でも笑顔で居て欲しい。だから………『よろしく勇気』で頑張ってくれ』

 

手紙の最後はそう締め括られていた。

 

2人の両親を含めた大人達は質の悪い悪戯だと言っていたが、響と未来はその手紙が紛れも無く轟からの物だと確信していた。

 

 

 

 

 

「あの言葉が在ったから………そして未来が居てくれたから、私は大丈夫だよ」

 

「響………! キャッ!」

 

そこで、背中合わせで寝ていた響が振り返り、未来に背中から抱き着いた。

 

「未来は暖かいなぁ~。小日向 未来は私にとっての陽だまりなの。未来の傍が1番暖かい所で私が絶対帰って来る所。これまでもそうだし、これからもそう」

 

「響………って、アレ?」

 

照れる未来だったが、響はこれまでの疲れで何時の間にか寝息を立てていた。

 

「………おやすみ、響」

 

そんな響に微笑むと、未来も目を閉じる。

 

(………轟お兄ちゃん)

 

今一度轟の事を思い出しながら………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

特異災害二課の指令室では………

 

「コレが宇宙刑事ギャバンから送られて来たマクーのデータか………」

 

メインモニターに表示されている、ギャバンから送られて来たデータを見ながら、弦十郎がそう呟く。

 

「ハイ、そうです」

 

「一体如何やって極秘であるこの二課の本部に送って来たんだ?」

 

あおいが返事を返す中、朔也は最高峰のセキュリティが搭載されている二課のメインコンピューターに情報が送られた事に驚いている。

 

「………逆探知は?」

 

「一応試みましたが駄目でした………」

 

「そうか………」

 

政府の機関としてはややプライドを傷付けられながらも、弦十郎はマクーのデータに目を通して行く。

 

「! あの国際スペースコロニーの爆発事故がマクーの仕業だと!?」

 

嘗て各国の協力により、巨大スペースコロニーが建造され、完成間近まで行っていたのだが、突如として隕石が激突して大爆発。

 

破片は地球上の彼方此方に降り注ぎ、大きな被害を出した。

 

だが実は、これはマクーの攻撃によるものだったのだ。

 

この事件を切っ掛けに、初代宇宙刑事ギャバン・一条寺 烈が地球へ派遣されたのである。

 

「他の事件も未解決か、解決はしたものの詳細が不明のモノばかりです」

 

朔也が他のマクーによる事件のデータを見てそう言う。

 

中には時々テレビで特集が組まれる様な有名な事件もある。

 

「マクーは地球よりも遥かに進んだ科学力技術力………オマケに呪術や魔術と言ったオカルト染みた力まで持つそうです」

 

「聞けば聞く程に恐ろしい組織だ………」

 

あおいの報告を聞きながら、弦十郎はメインモニターを見据える。

 

そこにはマクーを構成する者達………

 

上級戦闘員の『獣星人ダブルマン』………

 

使役される宇宙生物『ベム怪獣』………

 

戦闘員の『クラッシャー』………

 

そしてダブルマンとベム怪獣を合体させ、両者の知能とパワーを併せ持つ合体怪人『ダブルモンスター』………

 

そしてそれ等を束ねるマクーの首領………

 

『ドン・ホラー』の姿が映し出されていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日………

 

放課後のリディアン音楽院・響達の教室にて………

 

「ビッキー!」

 

「ふえっ!?」

 

授業の後片付けをしていた響に、クラスメートで友人である黒鉄色のショートカットの『安藤 創世』が声を掛けて来る。

 

長い金髪の少女『寺島 詩織』とツインテールの少女『板場 弓美』、そして未来の姿も在る。

 

「これから『ふらわー』に行ってみない?」

 

「『ふらわー』?」

 

「駅前のお好み焼き屋さんです。美味しいと評判ですよ」

 

創世の言葉を補足する詩織。

 

「今日は、別の用事が入ってるんだ」

 

「また呼び出し? アンタって、アニメみたいな生き様してるわね」

 

響がそう断ると、弓美が呆れた様にそう言う。

 

「仕方ない。じゃあ、また今度誘ってあげるね」

 

「…………」

 

創世がそう言う横で、未来は表情を曇らせている。

 

と、そこへ………

 

「やあやあやあやあ、皆さん、お揃いで!」

 

陽気そうな声と共に、黒い縁の太い眼鏡を掛け、長い黒髪を1本の三つ編みのおさげにした小柄ながらもナイスバディな少女が、数枚の写真を手に現れた。

 

「あ、『ワンちゃん』」

 

「『小里』? 如何したの?」

 

「いや~、遂に私やったよぉ!」

 

創世から『ワンちゃん』、弓美から『小里』と呼ばれた少女………犬山 小里(いぬやま こさと)は、やや津軽訛りの入った言葉遣いで、持っていた写真を机の上に広げた。

 

その写真には、夜の街の空に、幾つかの光点が輝いていた。

 

「何です、コレ?」

 

「見だっきゃ分がるびょん! 『UFO』だよ!」

 

何の写真か分からず困惑する詩織に、小里は興奮した様子でそう言う。

 

「UFO?」

 

「!?」

 

未来が首を傾げ、響はギャバンのドルギランの事を思い出してビクリとなる。

 

「んだんだ! 苦節3年! 遂に私、UFOの撮影サ成功しますたぁー!!」

 

「コレがUFO~? 飛行機とかじゃないの~?」

 

感動している様でそう言う小里に、弓美はそうツッコミを入れる。

 

彼女の言う事も最もであり、只夜空に光点が浮かんでいるだけでは、UFOの写真とは言い難かった。

 

「あ~、またそう言う事を言う~! 貴方達、宇宙人の存在信ずでねのね~」

 

「ワンちゃん、宇宙人は存在するかも知れないけど、彼等が居る星は地球から数万光年離れているって宇宙学者の人達も言ってるよ」

 

「…………」

 

不満そうにする小里に、創世がそう言うが、既にギャバンやマクーと言った宇宙人の存在を知っている響が冷や汗をダラダラと流す。

 

「な~に仰いますかぁ。宇宙人は存在するんだよ。私が尊敬するUFOルポライターの大山 小次郎(おおやま こじろう)氏曰ぐ、地球には昔がら様々なわり宇宙人来ていで、それがら人々守るい宇宙人居るって」

 

人差し指を立てながらそう語る小里。

 

「またその人の話?」

 

「んだんだ。大山氏は数々の不思議な事件さ巻き込まれては、その度にわり宇宙人さ遭遇す、い宇宙人さ助げで貰ったって、自分の記事の中で書いでらんだよ」

 

オカルト、特にUFOマニアな小里は熱くそう語る。

 

「響ちゃんもそうさ思うよね。宇宙人は居るって」

 

「!? うえっ!? そ、そうだね~、居るんじゃないかなぁ~? アハハハ………」

 

急に話を振られ、しどろもどろに返す響。

 

「? 響?」

 

そんな響の姿に、未来は首を傾げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後………

 

未来達が帰った後、響は迎えに来た奏と翼に連れられ、再びリディアン地下の特異災害二課の本部を訪れていた………

 

「それでは~、先日のメディカルチェックの結果発表~」

 

空中に投影されている響のメディカルチェックのデータの前で、了子が話を始める。

 

「初体験の負荷は若干残っているものの、身体に異常は粗見られませんでした~」

 

「粗、ですか………」

 

「そうね。貴方が聞きたいのはこんな事じゃないわよね」

 

「教えて下さい! あの力の事を!」

 

「…………」

 

響にそう言われると、座っていた弦十郎が視線で促し、翼と奏が服の下に隠していたペンダントを取り出して見せる。

 

「翼が持っているのが天羽々斬。第1号聖遺物だ。そして奏のはガングニール。第3号聖遺物だ」

 

『聖遺物』?」

 

「聖遺物とは、世界各地の伝承に登場する現代では製造不可能な異端技術の結晶の事。多くは遺跡から発掘されるんけど、経年による破損が著しくってかつての力をそのまま秘めた物は本当に希少なの」

 

首を傾げる響に、了子がそう説明する。

 

「2人の聖遺物も、極一部に過ぎない」

 

「欠片にほんの少し残った力を増幅して解き放つ唯一の鍵が特定振幅の波導なの」

 

「特定振幅の波導………?」

 

「つまりは、歌。歌の力によって聖遺物は起動するのだ」

 

「歌…………そう言えば、あの時も胸の奥から歌が浮かんできたんです」

 

響は初めて変身して戦っていた際、自然と歌っていた事を思い出す。

 

「歌の力で活性化した聖遺物を一度エネルギーに還元し、鎧の形で再構成したのが、翼ちゃんや奏ちゃん。そして響ちゃんが、身に纏うアンチノイズプロテクター………『シンフォギア』なの」

 

「だからとて、誰の歌にも聖遺物を起動させる力が備わっている訳ではない!」

 

「オイ、翼」

 

やや感情的に口を挟んでいた翼を奏が諫める。

 

「聖遺物を起動させ、シンフォギアを纏う歌を歌える僅かな人間を、我々は適合者と呼んでいる。それが翼や奏であり、君であるのだ」

 

「如何? 貴方に目覚めた力について少しは理解してもらえたかしら? 質問はどしどし受け付けるわよ?」

 

「あの………」

 

「どうぞ! 響ちゃん!」

 

「全然分かりません………」

 

只でさえ勉強が苦手なのに、話が専門的過ぎて、全く理解出来ない響だった。

 

「だろうね………」

 

「だろうとも」

 

控えていたあおいと朔也が同意する様に溜息を吐く。

 

「いきなりは難しかったね。だとしたら聖遺物からシンフォギアを造り出す唯一の技術、櫻井理論の提唱者がこの私である事だけは覚えて下さいね」

 

「は、はぁ………でも私、その聖遺物という物を持ってません………なのに何故?」

 

と、響がそう言うと、モニターにある写真が映し出される。

 

「あ………」

 

それは胸部のレントゲン写真であり、心臓の辺りに小さな欠片の様な物の影が複数写っている。

 

「コレは何なのか、君には分かる筈だ」

 

「ハイ! 2年前の怪我です! あそこに私も居たんです!」

 

「!?」

 

「! やっぱり、お前………!」

 

その言葉に翼が反応し、奏もハッキリと思い出す。

 

響が、嘗て自分が助けた少女である事を………

 

「心臓付近に複雑に食い込んでる為、手術でも摘出不能な無数の破片。調査の結果、この影は奏ちゃんが身に纏った第3号聖遺物 ガングニールの砕けた破片である事が判明しました」

 

「!?!?」

 

「! あの時の!!」

 

了子の報告に翼は驚き、奏もその時の事が頭に蘇る。

 

「…………」

 

響も驚きながら自分の胸元に視線を落とす。

 

とそこで、奏が傍に近寄って来たかと思うと、響を抱き締めた。

 

「! わっぷ!?」

 

「!!」

 

「ゴメンよ………あたしが弱かったから………ちゃんと守る事が出来なかったから………こんな事に………」

 

突然抱き締められて驚く響と、何やらショックを受けた様な様子を見せている翼を尻目に、奏は響にそう謝罪する。

 

「奏さん………」

 

如何すれば良いのかと一瞬迷った響だったが………

 

「………ありがとうございます」

 

「えっ?」

 

突然の感謝の言葉に、今度は奏が困惑し、響の肩を掴んだまま一旦離れる。

 

「あの時も、この前の事も、奏さんのお陰で私は助かったんです。だから………私、奏さんには感謝してます」

 

屈託ない笑顔を浮かべてそう言う響。

 

そこには奏を恨んでいる様な様子は微塵も無い。

 

「………お前って奴は」

 

一瞬呆気に取られた様な表情をしたが、すぐに笑みを浮かべて再度響に抱き着く奏。

 

「ホント、良い奴だよ」

 

「…………」

 

そんな奏の様子を見ている翼は何やら複雑そうな様子だ。

 

まるで嫉妬しているかの様に………

 

「あ、あの………」

 

「ん? 如何した?」

 

「?」

 

とそこで、響が弦十郎に声を掛けたので、奏は離れる。

 

「この力の事………やっぱり誰かに話しちゃいけないんでしょうか? 私、隠し事とか得意じゃなくて………」

 

「君がシンフォギアの力を持っている事を何者かに知られた場合、君の家族や友人、周りの人間に危害が及びかねない。命に関わる危険すらある」

 

「命に………関わる………!」

 

そう言われた響の脳裏に、幼馴染であり親友の未来の姿が過る。

 

「俺達が守りたいのは機密などではない、人の命だ。その為にこの力の事は隠し通してもらえないだろうか? 出来る限りのフォローはする」

 

「貴方に秘められた力は、それだけ大きな物だと言う事を分かって欲しいの」

 

「人類では、ノイズに打ち勝てない。人の身でノイズに触れる事は、即ち炭となって崩れる事を意味する。そしてまた、通常はダメージを与える事も不可能だ。たった1つ例外が在るとすれば、それはシンフォギアを身に纏った戦姫だけ………」

 

そこで、弦十郎は一瞬口籠った。

 

「? あの………」

 

「立花 響くん。実は君には………協力を要請したいと思っている」

 

「えっ?………」

 

「! 叔父様!」

 

「ダンナ! それは………!?」

 

弦十郎の言葉に、翼と奏が狼狽える。

 

「宇宙刑事ギャバンとの約束があるから言うべきではないと思ったのだが、現在我々の状況は非常に悪いと言える。ノイズに加え、先日出現した宇宙犯罪組織マクーの存在も在る」

 

「マクー………」

 

シャコモンスターやダブルマン・ゾンビAの事を思い出し、響は身体を震わせた。

 

「ハッキリ言って、今は1人でも装者が欲しいと言うのが本音だ。如何だろうか? 無論、断ってくれても構わない。監視は付く事になるが………」

 

ジッと響を見つめる弦十郎。

 

「…………」

 

響は視線を落として沈黙する。

 

少しそのままで居たかと思うと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し………考えさせて下さい」

 

やがて絞り出す様にそう言った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

今回は粗説明会ですね。
そしてもう1人のヒロイン、未来の登場。
彼女もまた轟の事を………

そして今回登場したオリジナルキャラの犬山 小里。
本人も言っている通り、あの宇宙刑事シリーズの名コメディリリーフ『大山 小次郎』ポジションのキャラです。
今後は、彼女がUFO絡みの取材をしようとする→宇宙犯罪組織の陰謀に知らずに関わる→それが響や未来を経由して宇宙刑事達に伝わる、ってなパターンが何度かあるかと思います。
小次郎さんみたいな名コメディリリーフになる様に頑張って行きます。

そして二課への協力を要請される響。
原作では即答していましたが、この作品では保留に………
その理由は次回にて………
しかし、そんな響にもマクーの魔の手は容赦無く迫ります。

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