戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第28話『聖なる者よ! イガクリスタルの奇跡!!』

時間は少し遡り………

 

日本・都内某所のシェルター内にて………

 

モニターに映し出されたマリアが曲を歌い終わり、疲労から座り込んでしまった場面にて………

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

涙を流しているマリアの姿に注目している人々。

 

「あの人、ビッキー達と同じだね………」

 

「うん。誰かを助ける為にの為に………」

 

「歌を歌うなんて………ですが、この状況では」

 

創世・弓美・詩織がそう言い合う。

 

既に3人と小里、それにリディアンの生徒達はマリアの事を信じている。

 

だが、他の人々はまだ半信半疑で有り、何よりシェルター内に避難したとはいえ、外では未曽有の大災害が巻き起こっているのだ。

 

マリアの呼び掛けに応えて歌おうとする心の余裕など無かった………

 

とそこで、モニターに新たな人物………セレナが現れる。

 

「! あの人は!?」

 

「何処と無くマリアさんに似ている気がしますが?………」

 

弓美と詩織が声を挙げる中、セレナはマリアを殴り飛ばし、サイコラーへと姿を変える。

 

「! 化け物っ!?」

 

「ハワワワワッ!?」

 

今度は創世と小里が驚きの声を挙げる中、サイコラーがマリアの妹であるセレナの身体を乗っ取った経緯とアメリカを支配していた事を得意げに語る。

 

「マドーがアメリカを………」

 

「じゃあ、マリアさんは妹さんの為にアイツ等に………」

 

サイコラーがマリアを殺そうと迫ったが、そこで異変が起こったかと思うと、その身体にセレナの姿が透けて浮かぶ。

 

「! ひょっとして、アレって!?」

 

「本当のセレナさん?………」

 

本当のセレナが、マリアに自分を殺して欲しいと懇願する。

 

それを受けて覚悟を決めた様に見えたマリアが、セレナの姿が透けているサイコラーに向かって槍を繰り出す!

 

「! 駄目ぇっ!!」

 

思わず弓美が叫びを挙げたが、槍はサイコラーに当たる寸前で止まり、マリアがやはり出来ないと涙を流す。

 

その次の瞬間にセレナの姿は消えてしまい、サイコラーがマリアを弾き飛ばす。

 

「「「「「「「「「「!!………」」」」」」」」」」

 

シンフォギアが解除され、絶望に泣きじゃくるマリアの姿が、不安に駆られていた人々を更に突き落とす。

 

「酷い! 酷いよ!!」

 

「このような事を平然となさるなど!」

 

「誰か! 誰でも良い! マリアさんを助けられないの!?」

 

サイコラーがマリアに迫って行く光景を見て、弓美・詩織・創世が思わず騒ぎ出す。

 

「………居るべ」

 

「? 小里?」

 

とそこで、呟いた小里に創世が反応する。

 

「皆知ってるべ。こった時来てける………頼もし人の事ば」

 

「「「!!」」」

 

小里のその言葉に、弓美・詩織・創世がハッとした様子を見せた瞬間………

 

『宇宙刑事! シャリバンッ!!』

 

赤い光と共に、宇宙刑事シャリバンがモニターの映像に映し出された!!

 

「! シャリバンッ!」

 

「マリアさんをお願いします!」

 

「頼むわよ!………宇宙刑事シャリバンッ!!」

 

そんなシャリバンに向かって、創世・詩織・弓美は声援を送るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティアのブリッジ………

 

「シャリバン………」

 

「やっと使ってくれたみたいだな、マリア」

 

泣き顔で見上げて来ているマリアの手に在る緊急信号発信装置を見ながら、シャリバンがそう言う。

 

「ぬううっ! 宇宙刑事シャリバンッ!!」

 

とそこで、弾き飛ばされていたサイコラーが、忌々し気な声と共に立ち上がる。

 

「サイコラー………」

 

シャリバンが構えを取った瞬間………

 

今度は銀色の光の球がブリッジ内に呼び込んで来たかと思うと………

 

「チュウッ!」

 

「ハッ!」

 

響と肩を組んだ状態のギャバンが姿を現す。

 

「! 融合症状例第一号っ!? それに………」

 

「改めて自己紹介させてもらいますね。私は立花 響、16歳です! で、コッチが………」

 

「宇宙刑事ギャバンだ」

 

驚くマリアの傍に寄りながら、響とギャバンが自己紹介する。

 

「! 貴方がルナアタック………マクー事変のもう1人の英雄………宇宙刑事ギャバン」

 

「そんな肩書なんてモンは、後から勝手について来るモンだ」

 

「!!」

 

英雄と言う肩書をそんなモノ扱いするギャバンに、ウェルが何かを感じ取ったかの様な顔をする。

 

「ギャバン! 貴様も来たか!!」

 

「サイコラー! コレ以上は好きにさせんぞ!!」

 

再び忌々し気な声を挙げるサイコラーをビッと指差しながら、ギャバンはそう宣言する。

 

「さ、マリアさん! 立てますか?」

 

「………無理よ」

 

「えっ?………」

 

そこで響が、マリアを助け起こそうとしたが、マリアから返って来た言葉を聞いて困惑する。

 

「もう無理なのよ………月の落下も、魔王サイコも止められない………人類もセレナも救えない………私に出来る事は何も無い………只全てが滅びるのを黙って見ながら死ぬしかないのよ………」

 

心が折れたのか、マリアは止めどなく涙を流しながらそう言う。

 

「結局………私のやって来た事に………人生に………意味なんてなかったのよ」

 

「意味なんて、後から探せば良いじゃないですか?」

 

「えっ?………」

 

しかし、響がそう言ったのを聞いて顔を上げる。

 

「マリアさんがやって来た事は無駄じゃありません………いえ、私が無駄にはさせません」

 

「如何して?………」

 

「名も無い花を踏み付けられない様にする事に、理由が要りますか?」

 

「!?」

 

「だから………生きるのを諦めないで! よろしく勇気です!!」

 

驚くマリアに向かって、響は恩人達の言葉を投げ掛ける。

 

そして、マリアの首に下がっていたギアペンダントを手に取る。

 

「えっ!? ちょっ………」

 

「すみません。コレ、借りますね」

 

「借りるって………」

 

思わぬ響の行動に、マリアが戸惑っているのを余所に………

 

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

 

 

響は聖詠を口にした。

 

「! 聖詠を!?」

 

マリアが驚きと戸惑い混じったの声を挙げた瞬間………

 

ギアペンダントが光の粒子を放った!

 

「キャアッ!?」

 

「「!?」」

 

「何だとっ!?」

 

マリアにギャバン・シャリバンだけでなく、サイコラーも驚きの様子を示す中、光の粒子はブリッジから溢れる程に広がったかと思うと………

 

やがて響の身体へと収束を始め、その姿を変えて行く。

 

「何が起きているの………こんな事って有り得ない! 融合者は適合者では無い筈! これは貴方の歌………胸の歌がして見せた事!?………貴方の歌って何っ?! 何なのっ?!」

 

「撃槍・ガングニール! よろしく勇気だあぁぁーーーっ!!」

 

マリアの戸惑いの声を掻き消す様に、シンフォギアを纏った響が叫び挙げた。

 

「こ、こんな事が!?………」

 

マリアの物であったシンフォギアを身に纏って見せた響の姿に、ウェルが興奮気味な声を漏らす。

 

「響ちゃん!………」

 

「凄いな………」

 

ギャバンとシャリバンは感嘆の声を挙げる。

 

「サイコラー! セレナさんを返してもらうっ!!」

 

そして響は、サイコラーに向かって拳を突き付けながら、そう宣言する。

 

「小賢しい小娘が………今更シンフォギアを纏ったところで如何にかなると思っているのか? 俺からセレナを分離させる術など無い。何より魔王サイコ様と命を二分している俺は不死身だ!」

 

「やってみなけりゃ分からんぜ!」

 

「マリアもセレナも、必ず助け出す!」

 

だが、ギャバンとシャリバンは怯まずにそう言い返す。

 

「ならば、その叶わぬ願いと共に地獄へ送ってくれるっ!!」

 

「「「!!」」」

 

サイコラーが両手の剣を構えたのを見て、ギャバン・シャリバン・響も構えを取る。

 

「! セレナーッ!! お願い! 止めてーっ!!」

 

と、マリアの悲痛な叫びが木霊したかと思うと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!? 高エネルギー反応っ!?」

 

「宇宙からっ!?」

 

ギャバンとシャリバンのコンバットスーツが、宇宙から強大なエネルギーを発している何かが、地球………しかも今自分達が居るこの場所を目掛けて迫って来ている事を検知。

 

その直後!!

 

ブリッジの天井を突き抜け、オレンジ色の光の柱が降りて来た!!

 

「「「「「!?」」」」」

 

「!? ヌアアアアアアッ!? こ、このエネルギーはぁっ!?」

 

ギャバン達が身構えていると、その光と共にエネルギーの余波を浴びたサイコラーが悲鳴の様な声を挙げる。

 

やがて、その光の柱の中に………

 

オレンジ色に輝く、氷柱の様な形状をした結晶が出現した!

 

「!? 『イガクリスタル』ッ!?」

 

シャリバンが驚愕の声を挙げる。

 

それは、嘗てマドーが狙ったイガ星の秘宝………

 

光子エネルギー結晶体・『イガクリスタル』だった!!

 

「如何してイガクリスタルがっ!?」

 

イガ星の復興の役割を果たし、現在は厳重に保管されている筈のイガクリスタルが現れた事に、シャリバンが戸惑っていると………

 

イガクリスタルが一際に輝きを放ち出し………

 

その前に白いターバンで顔を覆った人物の姿が投影される。

 

「! 聖なる者!」

 

イガクリスタルの守護神である『聖なる者』だ。

 

「…………」

 

聖なる者が右手に持っていた杖を掲げたかと思うと、その杖の先端から金色の光がシャリバンに向かって放たれる。

 

「!!」

 

シャリバンは反射的に伸びて来たその光を、右手で掴む様にしたかと思うと………

 

シャリバンの右手の中に、金色に輝く剣が現れた!

 

「! 聖なる剣っ!!」

 

それは、別名『イガ獅子の剣』とも呼ばれている『聖なる剣』、イガ星の守り刀だった。

 

『シャリバンの名を継し者よ………サイコラーを斬るのだ』

 

「えっ!?」

 

「! 止めてっ! セレナを殺さないでっ!!」

 

聖なる者からの思わぬ言葉にシャリバンが驚き、マリアが必死に懇願する。

 

「…………」

 

シャリバンは聖なる剣を見やり、その次に聖なる者とイガクリスタルを見やる。

 

『…………』

 

聖なる者は只ジッとシャリバンの事を見返す。

 

「…………」

 

するとシャリバンは、聖なる剣をサイコラーに向けて突き付ける様にしながら近づいて行く。

 

「! シャリバンッ!」

 

「マリア………信じろ!」

 

思わずシャリバンに向かって叫ぶマリアだったが、シャリバンは一瞬立ち止まるとマリアの方を振り返ってそう言い、再度サイコラーに近づいて行く。

 

「!!」

 

「心配するな」

 

「大丈夫です………きっと」

 

表情を青褪めさせるマリアを、ギャバンと響が心配は要らないと言う。

 

「…………」

 

遂にイガクリスタルから発せられているエネルギーの余波で苦しんでいるサイコラーの前に立ち、聖なる剣を構える。

 

「シャ、シャリバン! 貴様ぁっ!!」

 

「ケアアアッ!!」

 

サイコラーが何かを言おうとしたのを遮り、シャリバンは気合の雄叫びと共に聖なる剣を袈裟懸けに振り下ろした!!

 

「!? グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

斬られた部分から金色の光が溢れ、サイコラーが悲鳴を挙げる。

 

その次の瞬間!!

 

サイコラーの身体が金色の光に包まれたかと思うと………

 

その光の中から、半透明状態になったサイコラー………

 

否、()()()()()()()が弾き出された。

 

直後に、金色の光が弾け………

 

中から全裸の状態のセレナが姿を現した!!

 

「! セレナッ!!」

 

「おっとっ!!」

 

マリアが驚愕の声を挙げる中、シャリバンは倒れ掛かって来たセレナを受け止める。

 

「オイ、コレ借りるぞっ!!」

 

「えっ!? ちょっ!? うわっ!?」

 

とそこで、ギャバンが近くに居たウェルから白衣を引っぺがし、セレナの元へ駆け寄ると、白衣を彼女の身体に掛ける。

 

「セレナッ! セレナッ!!」

 

「………う………ううん………」

 

マリアが必死に呼び掛けると、閉じていたセレナの目がゆっくりと開かれる。

 

「………マリア………姉………さん………?」

 

「! セレナッ!!」

 

感極まり、ボロボロと泣きながらセレナの身体を抱き締めるマリア。

 

「あ………ああ…………姉さん………私………」

 

「もう良い! もう良いのよ、セレナ! 悪夢は終わった………貴方は何も悪くないわ!!」

 

サイコラーの中に居た時の記憶が過り、震え出したセレナだったが、そんなセレナを更に強く抱き締めながら、マリアはセレナは何も気にする必要は無いと叫ぶ。

 

「ば、馬鹿なぁっ!? こんな事がぁっ!?」

 

魂の状態のサイコラーが信じられないと言う叫びを挙げる。

 

『…………』

 

聖なる者は、その光景に満足そうに頷いたかと思うと、シャリバンの手に聖なる剣を残したまま、イガクリスタルと共に光の柱を登って行って消えた………

 

その直後!!

 

ブリッジ内に浮かんでいた人工知能が、次々にショートしたかの様にスパークし始めた!

 

「!? コレはっ!?」

 

「やったっ! 効いたっ!!」

 

サイコラーが再度驚愕の声を挙げる中、何時の間にかブリッジのコンパネにUSBメモリの様な物を差し入れていたウェルが歓声を挙げる。

 

「ウェル博士、ソレは?」

 

「………()()()()()()()()()()()()()()()です。魔王サイコの人工知能を狂わせる効果を持ったね」

 

尋ねて来たシャリバンに、ウェルは不敵に笑いながらそう返す。

 

「ウェルゥッ! 貴様ぁっ!! マドーを裏切る積りかぁっ!!」

 

サイコラーの憎悪の籠った怒声が飛ぶが………

 

「! ヒッ!………え、ええ、そうですよ!! 確かに魔王サイコの力は強大です! 僕も1度は心を折られましたよ!!………ですが! 僕は教えられた!! 彼女達と彼等に!!」

 

「ふえっ!? わ、私っ!?」

 

「ほう?………」

 

ギャバンと響達の事を見ながらそう言って来たウェルの姿に、響が驚き、ギャバンが感心した様な声を漏らす。

 

「僕は確かに英雄にはなれない人間です………ならば! 英雄を陰ながら支える人間になって見せます!」

 

震えながらも、サイコラーを真正面から見据えて、ウェルはそう宣言した!!

 

「オノレェッ! だが、この程度で魔王サイコ様の人工知能は………」

 

ウェルのウイルスでは一時的に機能を止めただけだと言い放とうとしたサイコラーだったが………

 

その次の瞬間!!

 

スパークを発していた人工知能達が次々に爆発し始めた!!

 

「!? 何ぃっ!?」

 

「オイ、博士! コレもアンタの仕業か?」

 

サイコラーが何度目とも知れぬ驚愕の声を挙げ、ギャバンがウェルに問い質す。

 

「い、いえ! 違います! コレは………()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

「! 制御室!? ひょっとしてマムが!?」

 

ウェルからそう言う答えが返って来ると、マリアはナスターシャがやったのかと思ったが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティアの制御室………

 

「このまま人工知能を全て破壊する!」

 

制御室のコンパネに手を翳している『ロボライダー』がそう言い放つ。

 

ロボライダーの能力である、全ての機械に対し、アクセス・ハッキング・解析する事が自由自在に出来る超高速リンクを使い、魔王サイコがフロンティアの制御に使っていた人工知能を破壊したのだ!

 

「………もう彼1人で良いんじゃないの?」

 

「まあまあ、了子………」

 

すっかりお株を奪われた了子が若干拗ねた様に呟き、弦十郎が慰めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、フロンティアのブリッジでは………

 

ロボライダーによる人工知へのハッキングは進み………

 

とうとう全ての人工知能が機能を停止。

 

フロンティアの制御が奪取された!

 

「フ、フロンティアがぁっ!!」

 

「如何やら勝負あった様だな!」

 

狼狽するサイコラーの魂に向かって、シャリバンがそう言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

と、その時!!

 

 

 

 

 

『カオーッ!!』

 

不気味な咆哮と共に、巨大な魔王サイコの顔の幻影がブリッジに映し出される!

 

「! 魔王サイコ!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

魔王サイコの出現に、シャリバン達に緊張が走る。

 

「魔王様!!」

 

『カオーッ!!』

 

と、サイコラーの魂が声を挙げた瞬間、魔王サイコの幻影の目から、稲妻状の光線が放たれる!

 

「オオオオオオォォォォォォッ!!」

 

その光線を浴びたサイコラーの魂が叫びを挙げたかと思うと………

 

足元のブリッジの床が盛り上がり、1体のネフィリムビーストが現れ、融合した!

 

「! ネフィリムッ!?」

 

「野郎! 融合しやがったのか!?」

 

『サイコラーよ………我が元へ来い』

 

「仰せのままに!」

 

マリアとギャバンが驚きの声を挙げる中、魔王サイコが命じると、ネフィリムビースト(サイコラー)はブリッジの窓から飛び出し、直立している幻夢城へと向かう!

 

「! 逃がすかっ!!」

 

ギャバンがいの1番で飛び出し、ネフィリムビースト(サイコラー)を追う。

 

「あ! 轟兄っ!!」

 

続いて、それを追って響が飛び出して行く。

 

「!………」

 

シャリバンもそれを追おうとしたが、マリア達をこの場に残して行って良いものかと逡巡する。

 

「………行って、シャリバン」

 

「! マリア!」

 

「お願い………力の無い私の代わりに………この星を守って」

 

「…………」

 

その姿に一抹の不安を抱えながらも、シャリバンはギャバンと響の後に続いたのだった。

 

「シャリバン………」

 

「マリア! すぐに此処から離れましょう! 敵の増援が来る可能性も有ります!」

 

と、セレナを抱き締めながらその背を見送ったマリアに、ウェルがそう呼び掛ける。

 

「逃がしはせんぞ………」

 

だが、そう言う台詞と共に、左腕の無いレイダーが忽然と現れた!

 

「!?」

 

「ぐ、軍師レイダーッ!?」

 

「マドーと魔王サイコ様に逆らった者には死あるのみ………」

 

マリアが仰天し、ウェルが腰を抜かす中、レイダーは残った右手の軍配を掲げ、エクトプラズムを立ち上らせる。

 

「!!」

 

マリアは咄嗟にセレナを庇う様にする。

 

「死ね………」

 

レイダーがエクトプラズムをマリア達に向かって放つ………

 

………かに思われた瞬間!!

 

突如、天井が爆発し、レイダーの目の前に人影が降り立つ!

 

「「「!?」」」

 

「なっ!? 貴様は………」

 

レイダーが何か言いかけた瞬間………

 

「シャリバン・クラッシュッ!!」

 

その人物………シャリバンの必殺技であるシャリバン・クラッシュが叩き込まれた!!

 

「!? ヌアアアアアアッ!?」

 

悲鳴と共にエクトプラズムが雲散し、レイダーの身体が溶ける様に消滅した………

 

「シャリバンッ!? 如何して!?」

 

見送った筈のシャリバンが再び現れた事にマリアは驚きの声を挙げるが………

 

「…………」

 

シャリバンがマリアの方に向き直り、コンバットスーツを解除したかと思うと………

 

現れたのは壮年の男の姿だった。

 

「! 雷じゃない………貴方は?」

 

「俺は………『伊賀(いが) (でん)』だ」

 

再度驚きの声を挙げるマリアに向かって、壮年の男………

 

銀河連邦警察・イガ星方面本部長である、初代宇宙刑事シャリバン・『伊賀 電』は名乗りを挙げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂にマリアの元へ駆け付けたシャリバン達。
響もマリアのガングニールを借りて戦闘態勢に。
セレナを人質同然に扱うサイコラーでしたが………
そこで奇跡が!!

何と!
イガ星の秘宝『イガクリスタル』が突如出現!!
聖なる者から聖なる剣を託されたシャリバンが、それでサイコラーを斬ると………
セレナと分離させる事に成功したのでした!!
何故イガクリスタルが現れたのか?
それはエピローグともなるG編の絶唱しないシンフォギアで解説しますので、お楽しみに。

魂だけとなったサイコラーでしたが、魔王サイコからネフィリムのボディを与えられる。
そして魔王サイコに呼び出されたサイコラーを追うシャリバン達。
避難しようとしたマリア達の前に、瀕死の軍師レイダーが!?
だがそこで最後の助っ人………
初代宇宙刑事シャリバンが登場です!!

次回、今度こそマリアが世界を救います。

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