戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第30話『遥か彼方、星が音楽となった………かの日』

フロンティア上………

 

「フハハハハハハハッ! 掛かって来るが良い! 宇宙刑事の小僧共に装者の小娘共!」

 

「その余裕が………」

 

「命取りデース!」

 

 

 

終Ω式ディストピア

 

 

 

終虐・Ne破aア乱怒

 

 

 

勝ち誇る魔王ネフィリム・サイコに最初に仕掛けたのは、調と切歌。

 

ヘッドギアと手足のギアを分離させて合体・変形させた巨大なオートマタに搭乗し、両腕のチェーンソー付き巨大丸鋸を振るう調。

 

そして切歌は、大型化した三枚刃の大鎌を振るう。

 

「フアハハハハハハッ! 何だソレはっ!?」

 

「「!? ウワアアアアアアッ!?」」

 

しかし、2人の攻撃は魔王ネフィリム・サイコの表皮で火花を散らしただけで、逆に魔王ネフィリム・サイコが振った巨大な腕に弾き飛ばされる。

 

「レーザーZビームッ!!」

 

「クライムバスターッ!!」

 

そこで今度は、ギャバンとシャリバンが、レーザーZビームとクライムバスターを放つが、効果は無い。

 

「小賢しい………」

 

うっとおしがりながら、魔王ネフィリム・サイコは目から紫色の光線を放つ。

 

「! 聖なる剣よっ!!」

 

するとシャリバンは、その光線を聖なる剣で受け止める!

 

「グウウウウウウウッ!………ハアッ!!」

 

そして、光線を全て聖なる剣の刃で止めると、垂直に振り下ろし、まるで斬り裂かれたかの様に2つに分け、背後へと反らして爆発させた。

 

しかし、その爆発でフロンティアの一部が崩れ落ちる。

 

「何てパワーだ………」

 

「コレがネフィリムとフロンティアの力を得た魔王サイコの力か………」

 

その様子に奏と翼が戦慄を覚える。

 

『皆! 聞こえるかっ!?』

 

「! 師匠っ!!」

 

そこで、通信回線に弦十郎の声が響いた。

 

『コチラはもう離脱した! 魔王サイコによる地球全土での大災害はまだ続いている! 月の方はもう心配無いが、このままでは人類が持たん!!』

 

シャリンガータンクでフロンティアから離脱したと言いつつ、地球全土の大災害は続いており、このままでは人類は絶滅してしまうと告げる弦十郎。

 

「フアハハハハハハッ! 最早貴様等には如何する事も出来まい! 大人しく人類が滅ぶ様を見ているが良い! その後で貴様等も地獄へ送ってくれるわぁっ!!」

 

弦十郎からの通信を聞いていたのか、魔王ネフィリム・サイコは勝利に笑いを挙げる。

 

するとそこで!!

 

「地獄に落ちるのはテメェだぁっ!! バビロニアァッ! フルオープンだぁっ!!」

 

クリスが叫びと共にソロモンの杖を構え、宝石状の部分からエネルギーを放った!

 

ソロモンの杖から放たれたエネルギーは、魔王ネフィリム・サイコの脇を擦り抜け、背後に異空間………無限ともいえる広さを備えた武器格納庫にしてノイズプラント『バビロニアの宝物庫』を開く。

 

「!? 何ぃっ!?」

 

背後に広がり始めたバビロニアの宝物庫を見て、魔王ネフィリム・サイコが初めて動揺を見せる。

 

「バビロニアの宝物庫っ!!」

 

「エクスドライブの出力で、ソロモンの杖を機能拡張したのかっ!?」

 

「グウウウウウウウッ!!」

 

響と翼が驚きの声を挙げる中、クリスは唸り声を漏らす。

 

「ゲートの向こう………バビロニアの宝物庫に、魔王サイコを格納出来ればっ!!」

 

「成程! 違う空間に送っちまえば、奴の超能力も途切れて、地球の災害も止まるってかっ!!」

 

マリアがそう言うと、奏が合点が行ったと言う声を挙げる。

 

「人を殺すだけじゃないって、やって見せろよ、ソロモオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーンッ!!」

 

クリスが叫び、一層に気合を入れると………

 

開き欠けていたバビロニアの宝物庫が完全に繋がる!

 

「これならっ!!」

 

行けると、響が歓声を挙げたが………

 

「オノレェッ! そうはさせんぞぉっ!!」

 

「! 避けろっ! 雪音っ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコがそう言い、翼が慌てて叫んだが、次の瞬間には、その巨大な腕がクリスを薙ぎ払う!

 

「!? ウワアッ!?」

 

薙ぎ払われたクリスの手からソロモンの杖が手放され、宙に舞う!

 

「マズイッ!!」

 

と、ギャバンが思わず叫んだ瞬間………

 

「フッ!!」

 

マリアがソロモンの杖を確保!

 

「明日をおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

そしてクリスに代わってバビロニアの宝物庫へエネルギーを送り………

 

遂には巨大なゲートを形成させた!!

 

「!? ヌオオオオオオッ!? ひ、引き寄せられるぅっ!?」

 

そのゲートから強大な引力が発生し、魔王ネフィリム・サイコを吸い込もうとする。

 

「だが、この程度おぉっ!!」

 

しかし、魔王ネフィリム・サイコを引き寄せるには力不足だったのか、一瞬揺らいだかに見えた巨体が再び戻り始める。

 

「オオオオオオォォォォォォッ!!」

 

するとそこで!!

 

マリアはソロモンの杖を手にしたまま、魔王ネフィリム・サイコに突っ込んだ!!

 

「!? グウッ!?」

 

「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」

 

そしてそのまま、魔王ネフィリム・サイコを自分ごとバビロニアの宝物庫目掛けて押して行く!

 

「マリア! 貴様、死ぬ気かぁっ!?」

 

「こんな事で、私の罪が償えるワケが無い………だけど! この地球と人類は、私が守って見せるっ!!」

 

「小娘があああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

捨て身で来ているマリアに対し、魔王ネフィリム・サイコも全力で抵抗する。

 

「グウウウウウウウッ!!」

 

押し返されそうになりながらも魔王ネフィリム・サイコの身体を必死に押すマリア。

 

次の瞬間!!

 

「なら! マリアさんの命は私達が守りますっ!!」

 

マリアと同じ様に突撃して来た響が、魔王ネフィリム・サイコの身体を押し始める。

 

「!? 貴方っ!?」

 

「防人の覚悟、見せてやる!」

 

「地球が駄目になるかならないかなんだ!」

 

「やってみる価値は有るぜっ!!」

 

更に、翼・奏・クリスも参加して来る!

 

「「マリアッ!!」」

 

そして、切歌と調も、魔王ネフィリム・サイコの身体を押す!

 

「貴方達………」

 

「「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」」

 

マリアが唖然としていたところで、ギャバンとシャリバンも加わる。

 

「お前にだけカッコイイことはさせないぜ!」

 

「俺達は1人じゃないのを忘れるなっ!!」

 

「ギャバン………シャリバン………」

 

「マリアさん!」

 

「!」

 

「よろしく勇気です!!」

 

そして最後に、響のお馴染みの言葉が出る。

 

「…………」

 

それを聞いて、マリアはフッと微笑んだ!

 

魔王ネフィリム・サイコの身体が、ゲートを通過し、バビロニアの宝物庫内に入り込む………

 

 

 

かに思われた瞬間!!

 

 

 

「ヌオオオオオオッ! 貴様等の思い通りにはさせんぞおぉっ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコが叫びを挙げ、何かを思いっ切り口から吐き出した!

 

「!? サイコラーッ!!」

 

吐き出されたソレが、サイコラーであった事に気付くマリア。

 

サイコラーはそのまま、ゲートの外へと飛び出す。

 

「! イカンッ! サイコラーは魔王サイコの半身!!」

 

「アイツとサイコを同時に倒さないと、どっちも倒せないんだろっ!?」

 

翼と奏がハッとして声を挙げる。

 

サイコラーがバビロニアの宝物庫の外へ逃げれば、手出し出来ない。

 

となれば、響達はバビロニアの宝物庫の中で不死身となった魔王ネフィリム・サイコに倒されるのを待つだけだ。

 

「響ちゃんっ!!」

 

「マリアッ!!」

 

「「!!」」

 

そこで、ギャバンが響、シャリバンがマリアに呼び掛けたかと思うと………

 

「「任せたぞっ!!」」

 

魔王ネフィリム・サイコの身体から離れ、光球となって吐き出されたサイコラーを追った!!

 

「轟兄っ!」

 

「雷っ!」

 

「「任されたっ!!」」

 

響とマリアがそう返した瞬間、ゲートが閉じ、装者達と魔王ネフィリム・サイコはバビロニアの宝物庫内に隔離されたのだった。

 

一方、サイコラーを追ったギャバンとシャリバンは………

 

「待て、サイコラー!」

 

「逃がさんぞっ!」

 

再びフロンティアの上に降り立ち、サイコラーと対峙する。

 

「チイッ! 宇宙刑事共めっ! カアアアアッ!!」

 

と、忌々し気にしながら、サイコラーが咆哮を挙げたかと思うと………

 

フロンティアの地面が何箇所も盛り上がり………

 

グギャアアアアアアッ!!

 

またもや何体ものネフィリムビーストが現れる。

 

「「!!」」

 

取り囲まれたギャバンとシャリバンは背中合わせとなって周囲を警戒する。

 

「やれぇっ!!」

 

グギャアアアアアアッ!!

 

サイコラーの号令で一斉にネフィリムビーストが動き出す。

 

 

 

………その瞬間!!

 

 

 

「RXキックッ!!」

 

突如現れたRXが、身体を捻りながら赤く発光する両足でのキック『RXキック』をネフィリムビーストの1体に見舞った!!

 

グギャアアアアアアッ!?

 

直撃を喰らったネフィリムビーストがブッ飛ばされ、他のネフィリムビーストを巻き込んで爆散する!

 

「!? 何ぃっ!?」

 

サイコラーが驚きの声を挙げていると………

 

「シャリバン・クラッシュッ!!」

 

グギャアアアアアアッ!?

 

続いて現れた初代シャリバンが、シャリバン・クラッシュでネフィリムビーストを数体纏めて斬り裂いた!!

 

「! 本部長っ!!」

 

「雷! コイツ等は任せろっ!!」

 

「君達はソイツを倒すんだっ!!」

 

シャリバン(雷)が驚きの声を挙げると、初代シャリバンとRXは、レーザーブレードとリボルケインを構えて、ネフィリムビースト達を威嚇する様に立ちはだかる。

 

「! 頼みますっ! 行くぞ、サイコラーッ!!」

 

そこでシャリバン(雷)はレーザーブレードを抜刀し、聖なる剣と共に二刀流の構えを取る。

 

「オノレェッ! だが、魔王様と命を分け合っている俺は不死身だ! 倒す事は出来んっ!!」

 

「忘れたのか、サイコラーッ! お前は嘗てギャバン教官とシャリバン本部長に倒されたという事をなっ!!」

 

自分を倒す事は出来んと吠えるサイコラーだが、ギャバンは怯まず、レーザーブレードを抜刀して、シャリバン(雷)と共に斬り掛かるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

バビロニアの宝物庫内の方は………

 

「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」

 

気合の雄叫びと共に、右腕のガントレットを槍の様に変形させた響が、ブースターを全開にして魔王ネフィリム・サイコに突っ込む!

 

そのまま魔王ネフィリム・サイコの土手っ腹に風穴を開けたが………

 

「フアハハハハハハッ! 無駄無駄ぁっ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコの笑いが木霊すると、腹に空いた穴が映像を巻き戻したかの様に塞がる。

 

「クッ! 奏っ!!」

 

「任せろ、翼っ!!」

 

 

 

双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST-

 

 

 

すると今度は、翼と奏が合体技を叩き込む!

 

「まだまだぁーっ!!」

 

更に、畳み掛けるかの様に、クリスが大型の武装ユニットからレーザーを一斉射する!

 

魔王ネフィリム・サイコの身体が跡形も無く吹き飛んだかに思われたが………

 

「無駄だと言っているっ!!」

 

粉々になった破片が1箇所に集まり、魔王ネフィリム・サイコの姿となる。

 

「また再生っ!?」

 

「これじゃ切りが無いデスッ!!」

 

調と切歌も、オートマタと大鎌での攻撃を繰り出しているが、傷を与えた端から再生されてしまい、効果が無い。

 

「やはり、サイコラーを同時に倒さなければサイコは倒せんのか!?」

 

「如何すんだよ!? サイコラーと戦ってるアイツ等は宝物庫の外だ! 都合良くタイミングが合うまで攻撃を続けんのか!?」

 

「それじゃコッチが消耗するだけだぜ!」

 

翼・クリス・奏から悲鳴にも似た声が挙がる。

 

サイコラーと同時に倒さなければ魔王ネフィリム・サイコは幾らでも復活する。

 

しかし、その為にはバビロニアの宝物庫の外に居るギャバン・シャリバンとタイミングを合わさなければならない。

 

通信も通じない宝物庫内から、そのタイミングを伝える術は無い。

 

このまま戦い続けても、装者達の方が消耗するだけである………

 

「クッ!(何とか外部と遣り取りする事が出来れば………)」

 

右手に握ったロングソードを魔王ネフィリム・サイコに振るいながら、何とか外に居るギャバン・シャリバンと連絡が取れないかと思案するマリア。

 

「カオーッ!!」

 

とそこで、魔王ネフィリム・サイコが不気味な咆哮を挙げながら、6つの目を怪しく発光させ、マリアを睨み付けた!

 

「!? う、動けないっ!?」

 

途端に、マリアの動きがビタリと止まってしまう。

 

サイコキネシスによる金縛りだ!

 

「カオーッ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコが更に咆哮を挙げたかと思うと、マリアの左手に握られていたソロモンの杖が独りでに浮かび、魔王ネフィリム・サイコの元へ向かう。

 

「!? ソロモンの杖がっ!?」

 

「野郎っ!!」

 

響が声を挙げると、クリスが折角奪い返したソロモンの杖を盗られて堪るかと、武装ユニットを分離し、まるごと魔王ネフィリム・サイコに向かって突撃させた!!

 

「ヌンッ!!」

 

だが、武装ユニットは魔王ネフィリム・サイコの巨大な右手で掴まれ、止められてしまう。

 

そして、その間に………

 

魔王ネフィリム・サイコは、ソロモンの杖をその身体に吸収した!

 

「ああっ!?」

 

「ソロモンの杖がっ!?」

 

マリアとクリスが悲鳴を挙げた瞬間………

 

「フアハハハハハハッ! 残念だったな、装者共っ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコの勝ち誇る様な笑い声が木霊し、強力なサイコキネシスを発動!

 

「「「「「「「!? ウワアアアアアアッ!?」」」」」」」

 

それにより吹き飛ばされる装者達。

 

その直後………

 

魔王ネフィリム・サイコの背後に、ゲートが出現!

 

ゲートの先には地球が見えるが、フロンティアやギャバン・シャリバン、そしてサイコラーの姿は確認出来ない。

 

「このまま地球へと舞い戻り、一気に滅ぼしてくれるわぁっ!!」

 

そのゲートから出て、再度超能力で地球に大災害を起こそうと目論む魔王ネフィリム・サイコ。

 

「そんな事っ!!」

 

「絶対にさせないっ!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

だが、響とマリアがそう叫び、魔王ネフィリム・サイコへと向かうと他の装者達も続く。

 

………その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティア上………

 

「チュウッ!!」

 

「ケエァッ!!」

 

ギャバン・シャリバンが同時に跳躍から斬り下ろしを繰り出す。

 

「カアアアアッ!!」

 

それを二剣で受け止め、弾き飛ばすサイコラー。

 

「フッ! ハアッ!!」

 

だが、ギャバンは空中で姿勢を整えて着地すると、今度は地面を這う様に低く跳び、サイコラーの胴体を擦れ違い様に斬り付ける!

 

「! カアアアアッ!?」

 

「ハアアッ!!」

 

それでサイコラーが怯んだ瞬間に、今度はシャリバンがレーザーブレードと聖なる剣で×の字に斬り付ける!

 

「! カアアアアッ!?」

 

サイコラーは斬り付けられた場所から大きく火花を上げる。

 

致命傷になる1撃であったが………

 

「カアアアアッ!!」

 

咆哮と共に、サイコラーの身体の傷が消滅する。

 

「クッ! 駄目かっ!?」

 

「カアアアアッ!!」

 

「!? うわっ!?」

 

思わず漏らしたシャリバンを、サイコラーが容赦無く斬り付ける。

 

コンバットスーツから火花を散らして地面を転がるシャリバン。

 

「シャリバンッ!!」

 

「カアアアアッ!!」

 

「!? うおわっ!?」

 

フォローに入ろうとしたギャバンにも、サイコラーが二剣を交差させて頭上に構えて放った稲妻状の光線を喰らい、同じ様に地面を転がる。

 

「死ねえええええぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

サイコラーが二剣を其々ギャバン・シャリバンに向けたかと思うと、そこから金色が掛かった怪光線が放たれる!

 

「! チュウッ!!」

 

「ケアッ!!」

 

しかし、寸前の所で、ギャバン・シャリバンは跳躍して回避。

 

「「ハアアッ!!」」

 

そのままサイコラーの頭上を飛び越えるかの様に空中前転を決めながら2人同時に斬り付ける!

 

これまたクリーンヒットした1撃だったが………

 

「カアアアアッ!!」

 

やはり、サイコラーが咆哮を挙げると、傷が最初から無かったかの様に消えてしまう。

 

「無駄だ! 魔王様が健在である限り、俺は不死身だっ!!」

 

「クッ! 響ちゃん達も必死に戦ってる筈だが………」

 

「やはり闇雲攻撃してもタイミングが合わないか………」

 

勝ち誇る様に言い放つサイコラーを見据えながら、ギャバンとシャリバンが油断無く構える。

 

(何とかして、マリア達と呼吸を合わせられれば………)

 

と、シャリバンがそう思ったその時………

 

聖なる剣が光を放ち始めた!!

 

「!? 聖なる剣っ!?」

 

「如何したっ!?」

 

「ぬううっ!? これはぁっ!?」

 

突然の事にシャリバン・ギャバン・サイコラーが困惑した瞬間………

 

聖なる剣が、()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バビロニアの宝物庫内………

 

魔王ネフィリム・サイコ目掛けて突っ込んで行っていたマリアの右手に光が溢れる!

 

「!? コレはっ!?」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

思わずマリアと装者達が立ち止まった瞬間………

 

光が弾け、中から聖なる剣が現れた!

 

「! 聖なる剣っ!!」

 

そして更に………

 

その脳裏に、サイコラーの姿が映し出された!

 

「!? サイコラーッ!?」

 

『! その声はマリアかっ!?』

 

「! 雷っ!?」

 

驚きの声を挙げたマリアの耳に、シャリバンの声が聞こえる。

 

「ひょっとして、コレは雷が見ている光景!?」

 

『! マリア! サイコラーの姿が見えているのか!? じゃあ、今俺の脳裏に映し出されているサイコは、君の見ている光景か!』

 

何と!!

 

聖なる剣の力によって、シャリバンとマリアが精神がシンクロしたのだ!!

 

「コレなら!」

 

『行けるっ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バビロニアの宝物庫内………

 

「皆! 今、私の意識が雷とシンクロしてる! コレならサイコとサイコラーを倒すタイミングを合わせられるわ!!」

 

「!? 何っ!?」

 

「如何言う事だっ!?」

 

突然のマリアの言葉に、翼とクリスが困惑する。

 

「分かりましたっ!!」

 

しかし、響だけはノータイムで返事を返す。

 

「オイッ! 分かりましたじゃねえんだよ!! 何の説明もされてねえんだぞっ!!」

 

「クリスちゃん! 若さは振り向かない事っ! 諦めない事だよっ!」

 

「またそれかっ!?」

 

「諦めろ。響がこう言ったら、後は信じるだけしか出来ないぜ」

 

そんな響にツッコミを入れるクリスの肩に、奏が手を置きながらそう諭す。

 

「ああ、もう! こうなりゃ自棄だっ!!」

 

言葉通りヤケクソ気味に無理矢理納得するクリス。

 

「信じるデス、マリア」

 

「私も………」

 

一方、切歌と調の方は、既に納得済みだった。

 

「ハアッ!!」

 

響がレーザーブレード・Dを出現させる!

 

「フッ!!」

 

するとマリアが、左手に握っていたロングソードを頭上に投げる。

 

「「「「「…………」」」」」

 

ロングソードが頭上に浮かぶ中、腕を組んで行く装者達。

 

「この手、そう簡単には………離さないっ!!」

 

「最速で! 最短で! 真っ直ぐに! 一直線に!」

 

そして最後に、マリアと響が中心となる様にガッチリと腕を組む!

 

すると、頭上に投げたロングソードが光の粒子となり、装者達に降り注ぐ。

 

光を帯びた装者達が、魔王ネフィリム・サイコに向かって突撃する!

 

「!? ぬううっ!? コレはぁっ!?」

 

異変に気付いた魔王ネフィリム・サイコが振り返った瞬間………

 

響とマリアのギアのパーツが身体から分離。

 

響のギアパーツが合体して、巨大な金色の右手に………

 

そしてマリアのギアパーツも合体して、巨大な銀色の左手となる。

 

「「「「「「「よろしく勇気っ!!」」」」」」」

 

そして、その巨大な両手は、腕を組んで突撃していた装者達を包み込む様に組み合わされ………

 

高速で回転して、魔王ネフィリム・サイコへと向かった!!

 

「ヌウウアアアアッ!!」

 

突っ込んで来る巨大な両手に、魔王ネフィリム・サイコが巨大火球を放つ!

 

「「「「「「「オオオオオオォォォォォォッ!!」」」」」」」

 

だが、装者達の雄叫びと共に、巨大火球はアッサリと掻き消される!

 

 

 

Vializaion

 

 

 

「ヌオオオオオオッ!?」

 

そしてそのまま、魔王ネフィリム・サイコの身体を貫き、上半身と下半身を分断させた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それと同時刻………

 

フロンティア上でも………

 

「「レーザーブレードッ!!」」

 

ギャバンとシャリバンが、同時にレーザーブレードにエネルギーを注入し、刀身を輝かせる!!

 

「行くぞっ! シャリバンッ!!」

 

「おう、ギャバンッ!!」

 

そして、2人してサイコラーに向かって突撃する!

 

「死ねぇっ!! ギャバンッ! シャリバンッ!」

 

サイコラーは両手の二剣を掲げ、稲妻状の光線を放つ!

 

光線は2人に直撃し、ギャバンとシャリバンの姿が、爆炎の中に消える………

 

「チュウッ!!」

 

「ケアッ!!」

 

かに思われた直後に、爆炎を突っ切ってギャバンとシャリバンが現れる!

 

「!? 何ぃっ!?」

 

「トアアッ!!」

 

「セヤアッ!!」

 

驚くサイコラーの身体を、ギャバンとシャリバンのレーザーブレードが貫いた!!

 

それは、装者達が魔王ネフィリム・サイコの身体を貫いたのと同時だった!

 

………しかし!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バビロニアの宝物庫内………

 

「まだだぁっ!!」

 

分断された魔王ネフィリム・サイコの上半身が振り返り、必殺技を繰り出し終えた後の無防備な装者へと襲い掛かる!

 

「!? 仕留め損ねたっ!?」

 

「嘘だろっ!?」

 

倒し切れなかった事にクリスと奏が驚愕の声を挙げる。

 

再度仕掛け様にも、大技を決めた直後に加え、魔王ネフィリム・サイコの身体を貫いた事で、開いたゲートに接近してしまい、外へ吸い出されそうになっており、態勢が取れない。

 

だがそこでっ!!

 

「ハアアッ!!」

 

「フッ!!」

 

響とマリアが、腕組みを解き、魔王ネフィリム・サイコへと向かった!

 

まるで()()()()()()()()()と言わんばかりに!

 

「! 立花っ!?」

 

「「マリアッ!?」」

 

翼・切歌・調の悲鳴の様な声を余所に………

 

「「レーザーブレードッ!!」」

 

響はレーザーブレード・Dに、マリアが聖なる剣にフォニックゲインを注入し、刀身を発光させる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フロンティア上………

 

「ギャバンッ!!」

 

「おうっ!!」

 

そのタイミングで、シャリバンとギャバンも、サイコラーの身体に突き刺していたレーザーブレードを引き抜く!

 

「グオオオオオオオッ!?」

 

刺された場所から火花の噴き出しながら悶え苦しむサイコラー。

 

「サイコラーッ!! そして魔王サイコッ!!」

 

「コレで終わりだっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ギャバン・ダイナミックッ!!」」

 

「「シャリバンクラッシュッ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャバンと響、シャリバンとマリアがシンクロし………

 

完全に同時のタイミングで、必殺のギャバン・ダイナミックとシャリバン・クラッシュが、魔王ネフィリム・サイコとサイコラーへと叩き込まれた!!

 

「「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ! 馬鹿なあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」」

 

断末魔の叫びと共に、魔王ネフィリム・サイコとサイコラーは同時に大爆発を起こした!!

 

それと同時に、出現していたネフィリムビースト軍団も次々に活動を停止し、砂の様に崩れ落ちた。

 

更に、フロンティアも崩壊を始める。

 

「脱出だっ!!」

 

「ああっ!!」

 

「「!!」」

 

すぐにギャバンとシャリバン、それにRXと初代シャリバンは崩れるフロンティアから脱出するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

装者達の方は………

 

先ず『Vi†aliza†ion』の勢いが付いていた翼・奏・クリス・切歌・調が、その勢いのままゲートから飛び出した!

 

「抜けたっ!!」

 

「空の上かよっ!!」

 

「立花とマリアはっ!?」

 

奏とクリスが声を挙げた瞬間、翼がゲートの方を振り返ると………

 

「ウワアアアアアアッ!!」

 

「アアアアアァァァァァァッ!!」

 

魔王ネフィリム・サイコを倒した際の爆風に吹き飛ばされた響とマリアが、翼達よりも勢いが付いた状態でゲートから飛び出して来た!!

 

直後に、ソロモンの杖を吸収した魔王ネフィリム・サイコが倒された事でゲートは閉鎖。

 

魔王ネフィリム・サイコが蓄えていた膨大なエネルギーは、そのままバビロニアの宝物庫内を駆け巡り、宝物庫内に存在していた全てのノイズを空間ごと消滅させた。

 

これでもう、人類はノイズの脅威から解放された………

 

しかし、その立役者である響とマリアの2人は、凄まじい勢いで地表………海岸目掛けて落下して行っている。

 

「立花っ!!」

 

「響っ!」

 

「馬鹿! しっかりしろっ!!」

 

「「マリアーッ!!」」

 

翼達が慌てて追い縋るが、戦いの消耗で思う様に身体が動かず、追い付けない………

 

(身体が………動かない………)

 

一方、落下しているマリアの方も、戦闘の影響で最後の魔王ネフィリム・サイコの大爆発に僅かに巻き込まれたダメージで、真面に身体が動かせずに居た。

 

(このままでは………!?

 

と、真っ逆さまに落ちていたマリアに、響が抱き着き、自らの身体でマリアを守ろうとした。

 

「! 立花 響っ!! 駄目よ! コレでは貴方が………」

 

「それでも………マリアさんだけは………」

 

マリアが叫ぶが、響は必死に彼女を守ろうとする。

 

段々と落下場所である海岸が迫る………

 

 

 

 

 

その時!!

 

 

 

 

 

「響いいいいいぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」

 

響にとって聞き慣れた未来の声が聞こえて来たかと思うと、ドルギランが現れた!!

 

「!? 未来っ!?」

 

「もう! 少しっ!!」

 

響が驚愕する中、ドルギランの操縦席に座っていた未来は、引っ張り出したマニュアルを片手に空いている方の手で必死に操縦桿を操作し、ドルギランを響達の下へ潜り込ませる!

 

そのまま落下速度を合わせて、ドルギランの上部で、響とマリアを優しく受け止める。

 

「逆噴射は………! コレッ!!」

 

そして直後に逆噴射を行い、激しく砂煙を上げて………

 

海岸への軟着陸に成功した!!

 

「ハアアアアァァァァァァーーーーーーーッ………上手く行ったー!!」

 

無事に着陸出来た事で、未来は大きく安堵の息を吐き、脱力した様に操縦席の背凭れに凭れ掛り、額にびっしょりと掻いていた汗を拭った。

 

「未来もドルギランに乗ってたんだ………」

 

「貴方の親友、トンでもないわね………」

 

唖然となる響に、マリアが呆れた様な表情を向ける。

 

「要らぬ心配だったな………」

 

「アイツは時々やる事が大胆過ぎんだよっ!」

 

「まあ、らしいっちゃ、らしいねえ………」

 

翼・クリス・奏も、未来の予想外の行動に苦笑いを零していた。

 

「マリア………」

 

「良かったデース………」

 

そして、調と切歌は、マリアが無事だった事に安堵の笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕焼けが装者達とドルギランを茜色に染め上げる………

 

魔王サイコとサイコラーは倒され、マドーは滅びた………

 

月の遺跡の再起動により、公転軌道も元に戻っている………

 

地球の危機は去ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

魔王ネフィリム・サイコに苦戦する装者達と宇宙刑事達。
しかも、魔王ネフィリム・サイコの超能力で、地球では大災害が続いている。
折角月の軌道を戻したのに、このままでは地球と人類が持たない!

そこで、原作通りにバビロニアの宝物庫を開いて、魔王ネフィリム・サイコをその中に落とそうとしますが………
そこで魔王ネフィリム・サイコはサイコラーを再び分離。
このままでは魔王ネフィリム・サイコを倒せないと思った宇宙刑事達は、装者達に魔王ネフィリム・サイコを任せ、自分達はサイコラーを倒しに向かいます。

激戦の中、ソロモンの杖を取り込んだ魔王ネフィリム・サイコが、宝物庫内からの脱出を試みますが………
そこで、シャリバンの手に在った聖なる剣がマリアの元へ渡り、シャリバンとマリアの意識がシンクロ!
それによってタイミングがあった事で、魔王ネフィリム・サイコとサイコラーの同時攻撃に成功!
最後はギャバン・響のギャバン・ダイナミックと、シャリバン・マリアのシャリバン・クラッシュが決まり、遂に魔王ネフィリム・サイコとサイコラーを倒します!

何故聖なる剣がマリアの元へ渡り、雷とマリアの意識がシンクロしたのかについては、イガクリスタルの事と共に赤射しないシンフォギアで説明します。

そしてドルギランの密航者も判明。
多分、皆さん想像がついていたでしょうが、未来です。
最後の最後で響とマリアを救う活躍を見せました。
ソロモンの杖を魔王ネフィリム・サイコと共に破壊するって展開にしたので、その代わりの展開ですが、実は後々への伏線になるかも?
詳しくはGX編以降までお待ち下さい。

次回、G編もいよいよ最終回。
エピローグ的な話になりますが、GX編以降の伏線も有るかも?
そして次々回からは赤射しないシンフォギアをまた2話お送りし、GX編突入となります。

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