戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第5話『不思議時空』

火災現場近くの路地裏………

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

「シャイダーパンチッ!!」

 

飛び掛かって来たバリバリにシャイダーはカウンターの様にパンチを当て、弾き飛ばす!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

「トオッ!!」

 

地面を転がったバリバリが立ち上がると、今度はシャイダーが飛び掛かり、その勢いで地面を一緒に転がる様にして投げ飛ばす!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

投げ飛ばされたバリバリはすぐに起き上がると、手に次々と槍を出現させ、投げつけてくる。

 

「トゥッ!! トオッ!!」

 

シャイダーは回し蹴りや手刀で、投げつけられた槍を叩き落す。

 

しかし、周りに落ちた槍が突如爆発!

 

「グウッ!?」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

一瞬怯んだ様子を見せるシャイダーに、勝ち誇る様に咆哮するバリバリ。

 

「ビデオビームガンッ!」

 

だがそこで、シャイダーは右腰のホルスターに納めてった光線銃『ビデオビームガン』を抜き、青い光線をバリバリの頭部目掛けて放つ。

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

頭頂部から火花を散らし、バリバリが悶える。

 

「………アイツが………シャイダー………」

 

そんなシャイダーの姿を見ながら、キャロルが呆然と呟く。

 

「マスター、お待たせしましたー」

 

とそこで、青いメイド服の様な衣装を纏った、ファラやレイラと同じ様に人形感を感じさせる人物………『ガリィ・トゥーマーン』が、バレリーナの様なポーズを執りながら、キャロルの前に現れた。

 

「! ガリィか………遅いぞ」

 

「申し訳ありませ~ん。想い出の収拾に手間取りまして~。何せ、『ミカちゃん』が大喰らいだから全然足りなくて~。え~ん」

 

叱咤するキャロルに対し、口では反省を示すものの、態度には余り感じられない様子で、更には業とらしい噓泣きまでするガリィ。

 

「なら急げ。兎に角出直しだ」

 

「了解~、ガリィ頑張りまーす」

 

更にキャロルからそう言われると、ガリィはその身体を抱き上げ、レイラやファラも使っていた結晶状の物………『テレポートジェム』を地面に叩き付け、魔法陣を展開させる。

 

「! 君はっ!?」

 

「さよなら~」

 

「…………」

 

とそこで、ガリィの存在に気付いたシャイダーが振り返ったが、ガリィはシャイダーを睨む様に見据えていたキャロルを抱き抱えたまま魔法陣の上に乗り、撤退して行った。

 

「あ!………」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

消えたキャロルとガリィに向かって思わず手を伸ばすシャイダーに、好機と見たバリバリが飛び掛かる!

 

「! シャイダーキックッ!」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

しかし、シャイダーが繰り出したサマーソルトキックで迎撃され、地面を転がるのだった。

 

その時………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

「不思議時空へ逃げ込ませろ」

 

「不思議時空、発生」

 

城の中の様な場所で、壁に埋まっている巨大な顔がそう言い放ったかと思うと、その前に居た神官を思わせる女性が無感情な顔でそう命じた………

 

 

 

 

 

全宇宙は、天界、地上界、そして不思議界から出来ている。

 

不思議時空には、全ての原子核が圧縮されており、6000度の熱と光を発して煮えたぎっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

火災現場近くの路地裏………

 

「! 不思議時空っ!?」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

発生した不思議時空にシャイダーが驚きの声を挙げた瞬間、バリバリがその中へと逃げ込んで行く。

 

「ブルホークッ!!」

 

それを見たシャイダーが、空に向かって叫び、ポーズを決める。

 

すると、衛星軌道上に待機している彼の母艦………『超次元戦闘母艦バビロス』から、バイク型のマシン………『超次元マシーン ブルホーク』が発進し、シャイダーの元へやって来る。

 

「トアッ!!」

 

シャイダーが跨ると、ブルホークは翼を広げて飛翔し、不思議時空へと突入する!

 

「タアッ!!」

 

不思議時空内へ突入すると、シャイダーはブルホークから飛び降り、足元に霧が立ち込め、辺りに不気味なオブジェの様な物が立ち並ぶ場所へ降り立つ。

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

その瞬間、咆哮と共に巨大化したバリバリが姿を現す!

 

 

 

不思議獣は、不思議時空では4倍のパワーを持つ事が出来るのだ!

 

 

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

巨大化したバリバリが、シャイダーに向かって両腕を薙ぎ払う様に振るう。

 

「! ウワアアアアアアッ!?」

 

真面に喰らったシャイダーがブッ飛ばされたかと思うと、辺りの光景が採石場の様になる。

 

そこで、今度は球体となったバリバリが、現れたり消えたりしながら近づいて来て、体当たりを見舞って来る!

 

「うわっ! ガッ!?」

 

次々と球体になったバリバリの体当たりを喰らうシャイダー。

 

駄目押しとばかりに、空中から勢いを付けて球体となったバリバリが迫るが………

 

「! ハアッ!!」

 

そう何時までもやられては居ないと、シャイダーは飛んで来た球体となったバリバリに両足蹴りを叩き込んで弾き返す!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

「ビデオビームガンッ!」

 

弾き飛ばされたバリバリが人型に戻ると、シャイダーはビデオビームガンを見舞うが、バリバリは連続テレポートで躱す。

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

そして、バリバリの手に、刃の巨大な直刀が握られる。

 

「!!」

 

それを見たシャイダーが、バックルに手をやると、金属のロープを取り出して振り回したかと思うと、ロープが硬化し、レーザーブレードとなった。

 

「むんっ!!」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

そのままバリバリと切り結ぶシャイダー。

 

お互いに刃を押し込もうとし、回転する。

 

「! ハアッ!!」

 

と、一瞬の不意を衝いて、シャイダーがバリバリの刃を上に弾いたかと思うと、ガラ空きになった胴に横薙ぎを入れた!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

片腕で斬られた箇所を押さえながら後退るバリバリ。

 

「レーザーブレードッ!!」

 

そこで、シャイダーはレーザーブレードにエネルギーを注入し、刀身を発光させる。

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

するとバリバリは空中に浮かび上がって逆様になったかと思うと、その状態でシャイダーに斬り掛かって来る!

 

「トオッ!!」

 

シャイダーはそのバリバリに向かって跳び、前方宙返りから捻り回転を入れながら、擦れ違い様にバリバリを斬り付けた!

 

再度胴体を斬られ、斬られた場所から火花を上げるバリバリ。

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

痛みに苦しみながらも、バリバリはシャイダーに最後の突撃を掛けるが………

 

「シャイダー・ブルーフラッシュッ!!」

 

そこにシャイダーの必殺技………『シャイダー・ブルーフラッシュ』が叩き込まれた!!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!?

 

バリバリが断末魔の悲鳴を挙げ、一瞬の間を置いて大爆発!

 

途端に不思議時空も消滅し、シャイダーは通常空間の元の場所へと復帰した。

 

「…………」

 

残心の様にレーザーブレードを構えてポーズを執るシャイダー。

 

「…………」

 

そして敵の気配が完全に無い事を確認すると、焼結を解き、キャロルとガリィが消えた場所を振り返る。

 

「キャロルちゃん………」

 

複雑そうな表情を浮かべる劾だった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

とある廃工場の敷地内………

 

「スパイラルキックッ!!」

 

「!!」

 

ギャバンが繰り出したスパイラルキックに、黒いコンバットスーツも跳び蹴りを繰り出し、相殺。

 

「チュウッ!!」

 

「!!」

 

両者は地上に降り立つとそのままレーザーブレードで2撃、3撃と剣戟を交える。

 

「「!!」」

 

そしてお互いにバッと距離を執り、レーザーブレードを突き付け合う。

 

(何てパワーだ。只のコンバットスーツじゃないぞ)

 

「…………」

 

黒いコンバットスーツのパワーに内心舌を巻くギャバンに対し、黒いコンバットスーツは終始無言を通しており、その様は不気味であった。

 

(このままじゃ埒が明かないか………ならば!)

 

勝負が着かないと思ったギャバンは、レーザーブレードにエネルギーを注入しようとしたが………

 

「………!」

 

そこで、黒いコンバットスーツがリアクションの様な動きを見せたかと思うと………

 

「…………」

 

そのままゆっくりと後ろに下がり始め、そのまま煙の様に消えた。

 

「!?」

 

驚きながらも油断無く周囲に気を配るギャバンだが、黒いコンバットスーツの気配は完全に消えていた。

 

「退いたのか?………」

 

それを確認したギャバンは構えを解くと、蒸着を解除して轟の姿に戻る。

 

「奴は一体?………」

 

黒いコンバットスーツの正体に対し思案を巡らせる轟。

 

しかし、それを遮る様に、愛車に取り付けられている通信機が音を立てた。

 

「! おっと! ハイ、コチラ轟」

 

思考を中断すると、すぐに愛車に駆け寄り、通信機を取る轟。

 

『あ! 轟さん! 僕です! 陸街 劾です!』

 

「! 劾! 地球に来てたのか!?」

 

通信を送って来た相手に驚く轟。

 

『ハイ、つい先程………それで今し方、不思議獣と交戦しました』

 

「! 不思議獣と!? 確かか!?」

 

『間違いありません。データバンクに在った不思議獣と特徴が一致しています』

 

「そうか………フーマめ。とうとう本格的に動き出したか」

 

不思議獣が出現し、フーマが本格的に活動を始めた事を察した轟は、渋い顔となる。

 

『それで、色々と情報を整理したいので、合流したいのですが………』

 

「分かった。ならS.O.N.G.の本部で落ち合おう。○○港に在る潜水艦だ。俺から話を通して置く」

 

『分かりました。すぐに向かいます』

 

そう言って劾が通信を切ったのを確認すると、轟は愛車に飛び乗り、S.O.N.G.の本部へと向かうのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

負傷したキャロルは、ガリィと共に拠点である『チフォージュ・シャトー』と呼ばれる場所へ戻っていた。

 

「クウッ!………」

 

「「マスターッ!!」」

 

キャロルが痛みに顔を歪めると、先に戻っていたファラとレイラが慌てて駆け寄って来る。

 

「騒ぐな………」

 

「無理しないで下さいよ、マスター。結構な怪我じゃないですかぁ」

 

そんな2人に向かってそう返すキャロルだが、ガリィが余り心配がしているのが感じられない口調で言う。

 

「この程度………」

 

そこでキャロルは、錬金術を応用して傷を治療。

 

包帯代わりに巻かれていた劾の青いハンカチを外すと、()()()()()()()()が露わになる。

 

「フッ、態々様子を見に行ってその様か。良い格好だな、キャロル・マールス・ディーンハイム………」

 

とそこで、そんな嘲りの言葉と共に、奇妙な鎧姿の男が姿を見せた。

 

「フフフ………」

 

「ハハハ………」

 

更にその背後に、くノ一の様な格好をした5人の女も姿を見せる。

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

そして、大量のミラクラー達も現れる。

 

「「「!!」」」

 

その男と女達の姿を見たオートスコアラー達が、忽ち敵意を露わにし、キャロルを守る様に立ちはだかる。

 

『へスラー指揮官』………」

 

鎧の男………フーマの戦闘行動隊長『へスラー指揮官』と、その背後の女達………『ギャル軍団』を睨み付けるキャロル。

 

一触即発の空気が両者達の間に流れるが………

 

「お止めなさい………」

 

そう言う台詞と共に、神官を思わせる中性的な女性………『神官ポー』が現れる。

 

「へスラー指揮官………キャロル・マールス・ディーンハイムは我々の同盟者です。態度には気を付けて下さい」

 

「フン、そうであったな………」

 

ポーからそう言われ、へスラーはフッと笑う。

 

(同盟者だと? ふざけやがって………だが、今やコイツ等の協力がなければチフォージュ・シャトーの完成も計画の遂行も出来ん………クソッ! パヴァリアめ! 突然連絡を断つとは、如何言う積りだ!!)

 

そんな遣り取りを聞きながら、キャロルは内心で憤っていた。

 

 

 

 

 

元々この拠点となっているチフォージュ・シャトーは、キャロルが目的としている世界を破壊する為の装置である。

 

その完成の為に、彼女はパヴァリア光明結社から支援を受けていたのだが………

 

在る日を境に、パヴァリア光明結社からの支援が途切れ、連絡も付かなくなった。

 

このままでは計画が頓挫してしまう………

 

焦ったキャロルの前に現れたのが、『フーマ』であった。

 

フーマはパヴァリア光明結社の代わりに、キャロルの計画への支援する代わりに、チフォージュ・シャトーをフーマの拠点として共用させろと取引を持ち掛けた。

 

勿論、キャロルは最初は渋ったものの、パヴァリア光明結社の支援が無くなった今、フーマから支援を受けなければ計画の遂行は不可能………

 

そうなれば。彼女が目的としている父からの命題は果たせなくなる………

 

背に腹は代えられないと、キャロルはその取引を呑んだ。

 

そしてフーマは、チフォージュ・シャトーを新たな拠点とし、キャロル達に断りも入れず様々な改装を行い、まるで自分達の物の様に振舞っていた。

 

 

 

 

 

(見ていろ………シャトーが完成した暁には、貴様等も世界と一緒に分解してやる!)

 

恨みが籠った目でポーやへスラー達を睨むキャロル。

 

と、その時………

 

「皆の者………」

 

「! 大帝王クビライ様!」

 

「「「「「「!!」」」」」

 

迫力を感じさせるドスの効いた声が響いて来たかと思うと、へスラー達が床に膝を着いて畏まる。

 

「「「「…………」」」」

 

それを見たキャロル達も、顔を見合わせて一瞬遅れて膝を着いた。

 

すると、暗がりだった部屋に灯りが灯され………

 

壁に埋め込まれた巨大な顔………

 

フーマの支配者で有り帝王である『大帝王クビライ』の姿が露わになった。

 

「時は来た………再びこの銀河にワシの威光を知らしめ、今度こそ全銀河を我がフーマの物とする………だが、またしても邪魔者が現れた」

 

「新たなる宇宙刑事シャイダーですね………」

 

「それだけではありません。今この地球にはギャバンとシャリバンまでもが居ります」

 

クビライの言葉に、ポーとギャル軍団の『ギャル1』がそう続ける。

 

「忌々しい宇宙刑事共め………必ずや奴等を地獄に送り、今一度この銀河をフーマの物とするのだ」

 

「オイ、大帝王クビライ」

 

と、クビライがそう宣言したところで、キャロルが口を挟む。

 

「貴様等の野望に興味は無い。だが、約束は守ってもらうぞ。チフォージュ・シャトーの完成させると言うな」

 

「貴様!」

 

「大帝王様に何て口を利く!!」

 

キャロルのその態度に、『ギャル2』『ギャル3』が怒りを露わにし、他のフーマの面子も殺気立つが………

 

「止めよ!」

 

「「「「「ハッ!!」」」」」

 

クビライが一喝すると、すぐさま一同は畏まり直した。

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムよ。約束は守ろう。大帝王クビライの名に懸けてな」

 

「その言葉、忘れるなよ………」

 

キャロルはそう言うと立ち上がり、オートスコアラー達と共に、クビライが鎮座する間を後にした。

 

「フッ………愚かな小娘め」

 

「貴様の計画など、大帝王様はとっくにお見通しだと言うのに………」

 

と、キャロルが去ったと、『ギャル4』『ギャル5』が嘲笑を浮かべながらそう言い合う。

 

「ヤーダ、ヤーダ」

 

「シンギン、シンギン」

 

「メヒヒンメヒヒン」

 

それに呼応するかの様に、『珍獣ヤーダ』、『珍獣ノッソリ』、『歌うたいのシンギン』、『腹ペコのガーキ』、『上半身のモンク』、『一つ目のアイーダ』と言った『珍獣』達も騒ぎ立つ。

 

「精々泳がせておけ………奴の計画が発動した時………それこそが我がフーマの天下が訪れる日だ。フフフフフフッ」

 

クビライがそう言って不敵に笑うのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チーホージュ・シャトーの通路………

 

「全く! 忌々しい連中だわっ!!」

 

ガリィが苛立ちを露わにそう吐き捨てる。

 

「マスター………本当に奴等と協力して良かったんですか?」

 

レイラが心配そうにキャロルに尋ねる。

 

「仕方あるまい………パヴァリアと連絡が付かなくなった今、俺達が頼れるのは連中しか居ない」

 

「それはそうですが………」

 

そう返すキャロルだったが、そこでファラも不安そうに呟く。

 

「グダグダと抜かすな。お前達は余計な事を考えず、俺に任せておけ」

 

「「「ハイ、マスター」」」

 

だが、キャロルが強く言うと、従者であるオートスコアラー達はそれ以上は口を挟めず、従うしかなかった。

 

「………今日はもう良い。解散しろ」

 

「「「ハイ………」」」

 

キャロルが疲れた様にそう言うと、オートスコアラー達はその場から去って行く。

 

「…………」

 

オートスコアラー達が居なくなったのを確認したキャロルは、劾のハンカチを見やる。

 

(………こんな物!

 

右手に持ったそれを錬金術で分解しようとしたが………

 

その瞬間に再び劾の笑顔が脳裏に過る。

 

(!!)

 

するとキャロルは、ハンカチ自体は分解せず、染み込んでしまった自身の血だけを分解。

 

青いハンカチを元の綺麗な状態に戻すに留まった。

 

(クソッ! 如何してしまったんだ、俺は!?)

 

自身に宿る感情の正体が分からず、只管に戸惑うしかないキャロル。

 

(………ん?)

 

ふとそこで、何気なく左手をポケットにやると、何かがある事に気付く。

 

それは、劾から貰った板チョコだった。

 

「…………」

 

板チョコをジッと見ていたキャロルだったが、やがて包装を破くと、中の板チョコを一口齧った。

 

「………甘い」

 

そう漏らしながら、キャロルは無意識の内に脳裏に劾の事を思い浮かべながら、板チョコを齧って行くのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

シャイダーと不思議獣の戦い。
勿論、シャイダーが勝利を納めますが、その間にガリィに連れられてキャロルは撤退。
一方、ギャバンと戦っていたバリオゼクターも、不思議獣の敗北を悟った様に撤退します。

そして拠点であるチフォージュ・シャトーに帰って来たキャロル達を待っていたのは………
フーマの幹部達と大帝王クビライ。
何と、パヴァリアから支援の途切れたキャロルの新たなスポンサーになったのがフーマだったのです。
パヴァリアから支援が途切れた原因は勿論、G編のラストであんな事があったからです。
一応は協力体制を執っている様に見える両者ですが………
如何やら全てはフーマの掌の上の様子………
果たしてキャロルは、劾への未知の感情を感じながらも、父親からの命題を遂行出来るのか?

次回、アルカ・ノイズへの対策と、奏に起こった以上を解決する為の話となります。
この作品ならでは方法を取る予定ですので、お楽しみに。

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