戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

73 / 162
第10話『切歌と調の危機 救える者は他に無し!』

S.O.N.G.本部の潜水艦・発令所にて………

 

メインモニターに、あの黒いコンバットスーツ………『バリオゼクター』の姿が映し出されている。

 

「やはりバリオゼクターだ。間違い無い」

 

「何故不採用になったコンバットスーツをフーマが?」

 

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 

ベン所長に言葉に、弦十郎が問い掛け、装者達の視線も集まる。

 

「それについてはコム長官が、バリオゼクターの開発者である『ニコラ・テスラ』博士に連絡をしてみてくれている。間も無く通信が入る筈だ」

 

と、ベン所長がそう言ったタイミングで、銀河連邦警察との通信機が鳴った。

 

「朔也」

 

「メインモニターに繋ぎます」

 

弦十郎の声で、朔也が通信回線をメインモニターに繋ぎ、映像がバリオゼクターからコム長官とマリーンの姿に変わる。

 

「コム長官!」

 

「何か分かりましたか?」

 

『悪い知らせだ。ニコラ・テスラ博士の自宅をその地区担当の宇宙警察が尋ねたところ………博士の死体が発見された。死後かなり経過していたそうだ

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

轟と雷が問い掛けると、コム長官から思わぬ言葉が返って来て、弦十郎達や装者達は驚愕を露わにする。

 

『博士は自身が設計・開発したバリオゼクターが採用されなかった事を切っ掛けに銀河連邦警察を退職した。1着だけ完成していた試作品も同時に廃棄された………筈だった』

 

「筈?………! まさかっ!?

 

含みの有るコム長官の言葉に、劾が悪い予感を覚える。

 

『如何やら博士は秘密裏にその試作品のバリオゼクターを回収し、独自に改良を続けていたらしい』

 

「それをフーマが奪ったと言う事か………」

 

「ったく! 何やってんだよ、その博士は! そのバリオなんちゃらを使って銀河連邦警察に復讐でもする積りだったのか!?」

 

コム長官からの言葉に、翼がそう推測し、クリスは声を荒げる。

 

廃棄されたバリオゼクターを回収して独自に改良を続けていた………

 

目的は銀河連邦警察への復讐となるのは当然の帰結と言えよう。

 

『いや、博士は単純にバリオゼクターを使える様にしたかっただけの様だ。銀河連邦警察を辞めたのもその為………科学者と言うよりも、職人の様な拘りだったのだろう』

 

「………何故そう言い切れるのですか?」

 

テスラ博士を庇う様なコム長官の言葉に、マリアが疑念の目を向けるが………

 

『発見されたテスラ博士の遺体は………()()が抜き取られていたそうだ」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

「うっ!………」

 

続く言葉で、装者達は再度驚愕を露わにし、思わず脳髄を抜き取られた遺体の様子を想像してしまったあおいが吐き気を覚えて口元を手で押さえる。

 

『恐らく、博士は必死にフーマに抵抗したのだろう。最終的に業を煮やしたフーマは博士の脳髄を持ち去り、そこからデータを引き出してバリオゼクターを完成させたのだろう』

 

「胸糞悪い事しやがって………」

 

奏が吐き捨てる様にそう言い放ち、左掌に右拳を打ち付ける。

 

「しかし、あのバリオゼクターを装着しているのは一体?………」

 

『それに付いては不明だ。バリオゼクターが我々の知っている物よりも改良されているとすれば、装着出来る条件はかなり下がっている筈だ』

 

(あの時感じた『()()()()』………アレは一体?)

 

肝心のバリオゼクターの装着者については分からず仕舞いだったが、轟は以前バリオゼクターから感じた奇妙な懐かしさが引っ掛かっていた。

 

『ともあれ、協力者となっているキャロルと言う錬金術師とオートスコアラーの存在も有り、フーマは嘗てより巨大になっていると言える』

 

『もしこのままフーマの脅威が続けば、宇宙中にまたフーマ旋風が吹き荒れる可能性も有ります』

 

「「「…………」」」

 

コム長官とマリーンのその言葉の後で通信は切られ、轟・雷・劾の宇宙刑事達は表情を険しくする。

 

嘗てのフーマはその勢力で、一時は宇宙の殆どを手中に納めかけた事が有る。

 

初代宇宙刑事シャイダーが、大帝王クビライを討ち取らなければ、宇宙はフーマの物となっていただろう。

 

「………『Project IGNITE』を急がなくてはならんな」

 

重い沈黙の中で、ベン所長がそう呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Project IGNITE』………

 

ベン所長の改良シンフォギア・システムをベースに、エルフナインが持ち込んだ聖遺物『魔剣ダインスレイフ』の欠片を組み込むシンフォギアを強化改修計画である。

 

嘗てシンフォギアとの融合症状を起こしていた時に、響が見せた暴走の力………

 

あの状態を人為的に再現し、更に制御可能とする事で爆発的なパワーを得る事が出来る。

 

更に、元々の改良シンフォギア・システムにあったプランで、アーマー部分をコンバットスーツと同じ材質に変更。

 

そしてフォニックスゲインだけでなく、バードニウムエネルギーとのハイブリッド化する事で、どちらか片方が供給されなくなっても戦闘力を失わない。

 

LiNKER無しで纏える上に、負荷は10分の1以下で性能は2倍以上になると言う至れり尽くせりな改造計画だ。

 

しかし、ベン所長の存在で予定よりも大幅に作業が順調に進んでいるが、それでも時間が掛かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベン所長。現在のProject IGNITEの進捗状況は?」

 

「95パーセントと言ったところだ。後は最終調整を残すのみだ。出来る限り急いでみよう」

 

弦十郎の問いにそう返すと、ベン所長は研究室へと戻って行った。

 

「各動力部のメンテナンスと重なって、一時は如何なる事かと思いましたが、作業や本部機能の維持に必要なエネルギーは、外部から供給出来たのが幸いでした」

 

現在、本部の潜水艦は動力部のメンテナンスの為にドック入りしており、その間のエネルギーはドックの在る基地の発電施設から供給されていると言う朔也。

 

「それにしても、シンフォギアの改修となれば機密の中枢に触れるということなのに………」

 

「今の我々は表向きは国連の所属だが、実質は銀河連邦警察の指揮下に有ると言える。今更国の機密も何も無い」

 

本来シンフォギアは日本の国家機密の塊であるが、宇宙犯罪組織の登場で最早国やら政府やらを気にして居られる状況ではない。

 

マドー大災害でその事を身に沁みさせられた世界各国は、だからこそS.O.N.G.の設立と銀河連邦警察に指揮下に入れる事を容認したのだ。

 

「その辺の事は『八紘兄貴』が上手く口を利いてくれているさ」

 

『八紘兄貴』って、誰だ?」

 

弦十郎の口から出た聞き慣れない人物の名に、クリスが反応する。

 

「限りなく非合法に近い能力を持って、安全保障を陰から支える政府要人の1人………超法規的措置による対応の捻じ込みなど、彼とっては茶飯事であり………」

 

「とどのつまりが何なんだ?」

 

「…………」

 

回り諄い翼の説明に、クリスが痺れを切らした様にそう言うが、翼は目を背ける。

 

「ああ、その人、翼の親父さんだよ」

 

とそこで、奏があっけらかんとそう言った。

 

「だったら初めからそう言えよな。蒟蒻問答が過ぎるんだよ」

 

「…………」

 

そう言うクリスとマリアだが、やはり翼は視線を背けたままだ。

 

(翼の奴も親父さんと何か有るのか………)

 

そんな翼の様子を見た轟はそう察する。

 

 

 

 

 

と、その時!!

 

 

 

 

 

指揮所内に警報が鳴り響いた!

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

「如何したっ!?」

 

「都内各所の発電施設にアルカ・ノイズが出現! 施設を攻撃しています!!」

 

宇宙刑事達と装者達が驚き、弦十郎が素早く問うと、朔也がそう報告を挙げる。

 

「発電施設だと!?」

 

「都内への電力供給に影響が出れば大混乱になるぞ!」

 

発電施設への攻撃と言うテロ染みた攻撃に、轟と雷が思わず声を荒げる。

 

「クソッ! ギアの強化がもうすぐ終わるってのに!」

 

「だからこそ仕掛けて来たのだろう………」

 

クリスの悪態に、翼がそう重ねる。

 

「襲撃されている発電施設は全部で4ヶ所! 3ヶ所にオートスコアラーを確認! 残る1ヶ所にも不思議獣が居ます!!」

 

そこで今度はあおいが報告と共に、発電施設を襲撃しているオートスコアラーのレイア・ガリィ・ファラと、『不思議獣ロボロボ』の姿をモニターに映し出す。

 

「罠ですね………」

 

「ああ………恐らく宇宙刑事達を本部から引き離すのが目的だな」

 

オートスコアラーや不思議獣まで投入しているのを見た慎次と弦十郎が推論する。

 

シンフォギアの強化改修は最終段階に入っている。

 

それを見計らったかの様に本部では無い場所に襲撃を掛け、宇宙刑事達でなければ対処出来ないオートスコアラーや不思議獣を投入して来た………

 

明らかに罠である。

 

「でも、行かないワケには行きません」

 

「もし発電施設が完全に破壊されてしまえば、都内でどれだけの死傷者が出るか………」

 

そこで、劾と雷がそう言う。

 

2人の言う通り、都内への電力を供給している発電施設が破壊されれば、どれだけの人が死傷するかは想像すら出来ない。

 

「………分かっていても対処せざるを得ないか。厄介な手だ」

 

「心配するな、弦さん。すぐに片付けて戻ってくれば良いだけの話だ」

 

苦い顔を浮かべる弦十郎に、轟が心配するなと返す。

 

「でも、轟兄。襲われてるのは4ヶ所だよ? 轟兄達は3人だし………」

 

「なら、残る1ヶ所は私が行きます」

 

と、響がそう口を挟むと、何とセレナがそう声を挙げた。

 

「! セレナッ!?」

 

「私のギアは元々改良型です。アルカ・ノイズへの防御対策だけなら十分です。一旦改造作業を中断して貰ってきます」

 

「でも!………」

 

妹を1人行かせる事に納得の出来ないマリアが食い下がるが………

 

「大丈夫だよ、姉さん。もう私は………姉さんに守られてるだけの子供じゃないから」

 

「!!」

 

セレナがそう言って曇りの無い笑みを浮かべると、マリアはもう何も言えなくなった。

 

「………気を付けるのよ」

 

「うん」

 

「行くぞっ!!」

 

轟に促され、雷・劾・セレナは発令所から飛び出して行く。

 

………その際に、他に()()()ドサクサに紛れて出て行った事に、誰も気付かなかった。

 

 

 

 

 

少しして………

 

ドルギラン・グランドバース・バビロスが襲撃されている発電施設に向かって飛び立って行った。

 

「轟兄………」

 

「雷………セレナ………頼むわよ」

 

モニター越しにそれを見送っていた響とマリアがそう呟く。

 

「基地へ連絡。敵の本命は本部が補給を受けている此処である可能性が高い。厳重警戒態勢に入る様にと………」

 

そこで弦十郎が、敵が此処へも襲撃を掛けて来る可能性が高い事を、基地の方へと連絡しようとする。

 

と、その直後!!

 

再度発令所内に警報が鳴り響き、爆発音と振動が走る!!

 

「「「「「!?」」」」」

 

「如何した!?」

 

「基地内にアルカ・ノイズの出現を確認! 発電施設が攻撃を受けています!!」

 

装者達が驚く中、状況を確認する弦十郎に、朔也がそう報告を挙げる。

 

メインモニターに、防衛に出た自衛隊員達を赤い霧に分解しながら、基地の発電施設を攻撃しているアルカ・ノイズ達の姿が映し出される。

 

「早速かよ!! 手が速過ぎんだろっ!!」

 

宇宙刑事達が居なくなった途端に襲撃を掛けて来た事に、クリスがまた悪態を吐く。

 

「今本部の電力供給が断たれると、ギアの改修への影響は免れない!」

 

「轟達が早く敵を片付けて戻って来て来るのを祈るしかないか………」

 

翼の言葉に、奏が何も出来ない無力感に苦い表情を浮かべる。

 

「? アレ? 切歌ちゃんと調ちゃんは?」

 

とそこで、響が何時の間にか切歌と調の姿が無くなっていた事に気付く。

 

「!? まさかっ!?」

 

マリアが嫌な予感を感じたと瞬間、三度発令所に警報が鳴り響いた!

 

「アウフヴァッヘン波形を確認!!」

 

「これは!?………イガリマとシュルシャガナ!?」

 

アウフヴァッヘン波形を確認したと言うあおいの報告の後、朔也がそれがイガリマとシュルシャガナの物であると声を挙げる。

 

そしてメインモニターに、シンフォギアを纏い、アルカ・ノイズ達と対峙している切歌と調の姿が映し出された!

 

「! アイツ等!?」

 

『ゴメン、弦十郎くん! さっきセレナちゃんにギアを渡した時のドサクサに紛れてあの2人、自分のギアを持ち出したみたい!』

 

クリスが怒声交じりの驚きの声を挙げると、研究室の了子から慌てた様子の通信が入る。

 

「お前達! 何をやっているのか、分かっているのか!?」

 

『勿論デスとも!』

 

『今の内に、強化型シンフォギアの完成をお願いします!』

 

「ぬうっ!!」

 

弦十郎が慌てて通信を送るが、2人からは退く積りが無い事を察する。

 

『ギアの改修が終わるまで!』

 

『此処の発電所は守ってみせるデス!!』

 

ヨーヨーと大鎌を振り回し、次々にアルカ・ノイズを切り捨てて行く調と切歌。

 

しかし、2人のギアはまだ強化改修が終わっていない状態な為、1度でも攻撃を受ければ即座に戦闘不能となってしまう。

 

正に背水の陣であった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

その様子を、チフォージャー・シャトーの自分の間の椅子に腰掛けて見ているキャロル。

 

「やはりあの2人は使えんか………ミカ」

 

『ハイだゾ、マスター!』

 

キャロルがそう言うと、ミカが答えて来る。

 

先日の想い出が足りず、動けなかった様子は感じられない………

 

「始末しろ。アイツ等は計画には必要無い」

 

『了解だゾ、マスター! ミカ、頑張っちゃうゾ!』

 

幼そうな見た目に違わず、無邪気にそう言いながら、ミカは切歌と調に襲い掛かって行った。

 

『先日は大変申し訳ございませんでした。お詫びに、ミカ・ジャウカーンを動かせるだけの想い出を集めておきましたのでお受け取り下さい』

 

「………チッ!」

 

先日の神官ポーとの遣り取りを思い出しながら、忌々し気に舌打ちするキャロル。

 

ガリィに響襲撃が失敗した原因となったフーマ側がアッサリとミスを認めて謝罪して来た上、何時の間にかミカを動かせるだけの想い出を用意していた事で、この件は手打ちとなり、追及する事が出来なくなってしまった。

 

況してや、スポンサーと言う立場に立って居るフーマには強く出れないのが、今のキャロルの状況であった。

 

「見ていろ、フーマ………もう間も無くだ。もうすぐ全てが終わる。そして万象は、黙示録に記される」

 

だが、キャロルは計画が上手く行けばそれも無くなると自信を持っていた。

 

それが全て………

 

フーマの掌の上とも知らずに………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、本部がドック入りしている基地では………

 

緊張感を漂わせながらも。アルカ・ノイズ相手に奮戦していた切歌と調だったが………

 

そこへオートスコアラーのミカが参戦!

 

オートスコアラーの中で最強の戦闘能力を持つミカの攻撃の前に、形勢は一気に逆転し始めていた。

 

「あのオートスコアラー! 今までの奴とは違うぞ!!」

 

「切歌ちゃん! 調ちゃん!」

 

ミカの戦闘能力がコレまでのオートスコアラーよりも優れている事を見抜いたクリスが声を挙げ、響が心配そうにモニターの切歌と調の様子を見守る。

 

高圧縮カーボンロッドを掌から際限無く生み出し、それによる攻撃によって、イガリマとシュルシャガナのアーマーがドンドン砕けて行く。

 

しかも、まるで嬲るかの様にギアペンダント部分を避けてと言う、嫌らしい攻撃だ。

 

「2人を連れ戻せ! コレ以上は………」

 

「やらせてあげて下さい!」

 

「!?」

 

「マリアさんっ!?」

 

もう限界だと、2人を強制的に撤退させようとした弦十郎の言葉を遮り、マリアがそう声を挙げると、響も驚きを示した。

 

「コレは………あの日、道に迷った臆病者達の償いでもあるんです」

 

「臆病者達の償い?………」

 

「誰かを信じる勇気が無かったばかりに………迷ったまま流されてしまった私達………だから、エルフナイン達がシンフォギアを蘇らせてくれると信じて戦う事こそ………私達の償いなんです!!」

 

そう言うマリアは、唇を血が出るまでに噛み締める。

 

「マリア………」

 

「マリアさん………」

 

「「…………」」

 

そんなマリアの姿に翼・響・クリス・奏は何も言えなくなる。

 

『ウワアアアアアアッ!?』

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

そこで響いた悲鳴に、装者達と弦十郎達が再度モニターに視線を向けると………

 

ミカによってギアペンダントを砕かれ、シンフォギアが解除されてしまった切歌の姿が在った!

 

「! 切歌ちゃんっ!!」

 

「切歌っ!!」

 

響とマリアの悲鳴の様な声が挙がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本部がドック入りしている基地の敷地内………

 

「切ちゃんっ!!」

 

裸で倒れている切歌に駆け寄ろうとする調。

 

しかしその行く手を、ミカが放ったカーボンロッドが阻む。

 

「余所見していると、後ろから狙い撃ちだゾ!」

 

新たなカーボンロッドを出現させ、鉤爪状の指をワキワキと動かしながら、ミカが挑発の様にそう言い放つ。

 

「邪魔しないで!」

 

調は片方だけとなっていたヘッドギアのアームを展開させ、γ式・卍火車を発動させる。

 

「仲良しこよしで、お前のギアも壊してやるぞ!」

 

そこでミカは、アルカ・ノイズに結晶をばら撒き、調と切歌の周囲をアルカ・ノイズで取り囲む。

 

「に、逃げるデス………調」

 

「切ちゃんを置いて逃げるなんて出来ない!!」

 

逃げろと促す切歌だが、調にその積りは微塵も無い。

 

「始まるゾ! バラバラ解体ショーッ!!」

 

ミカの声で、アルカ・ノイズ達が一斉に調に襲い掛かる!

 

「フッ! クウッ!」

 

壊れかけのシュルシャガナで必死に応戦する調だが、形勢は明らかに不利。

 

「まだ………まだーっ!!」

 

それでも調は、己を奮い立たせる様に叫びを挙げて、アルカ・ノイズ達を切り裂き続ける!

 

が、無情にも1体のアルカ・ノイズの分解機関が、調のギアペンダントを捉えた!!

 

「!? アアアアアァァァァァァッ!?」

 

悲鳴を挙げて弾き飛ばされ、切歌の傍に倒れると、シンフォギアが解除されて裸になる調。

 

「調っ!!………う、くう………」

 

と、切歌が必死に這って調に近づいたかと思うと、まるで守るかの様に覆い被さる。

 

「き、切ちゃん………」

 

「………死ぬ時は、一緒です」

 

弱弱しく笑う切歌に、調も弱弱しい笑みを返す。

 

そんな2人に向かって、アルカ・ノイズ達がゆっくりと歩み寄る。

 

「さよならだゾーッ!」

 

そして遂に、分解機関が一斉に襲い掛かった!!

 

「「…………」」

 

静かに目を閉じ、最期の時を受け入れようとする2人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として空中から現れた影が、2人を回収して再び空へと舞い上がった!!

 

「「!?」」

 

驚いて目を開ける切歌と調。

 

2人は、白を基調とした翼とプロペラを持つ奇妙なオープンカーに乗せられていた。

 

その側面には、『SAB-MACHINE』と言う文字が刻まれている。

 

「!? 何だゾ、アレッ!?」

 

突如乱入して来た謎のマシンに、ミカも驚いていると………

 

『!? 巨大飛行物体、接近っ!!』

 

『何だとっ!?』

 

本部の朔也が報告を挙げ、弦十郎が驚いていると………

 

まるで巨大な箱の様な形をした要塞が飛来した!!

 

地響きと共に、基地内へと着陸する要塞。

 

その次の瞬間!!

 

要塞がまるで立ち上がる様に変形し、巨大な青いロボットの姿となった!!

 

「ななななななーっ!?」

 

流石のミカもコレには仰天!

 

ウオオオオオオォォォォォォォッ!!

 

咆哮と共に、その目を赤く発光させる巨大ロボット。

 

「! あの目はっ!?」

 

その目が、あの時レイアの妹を撃退した影の目と同じ事に気付く調。

 

「………『17』?」

 

そして切歌が、その巨大ロボットの胸の部分に、大きく『17』の数字が刻まれているのに気付く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切歌と調の絶体絶命の危機に突如として現れた巨大ロボット………

 

それは嘗て、人類抹殺を目論んだ巨大人工知能『ブレイン』の脅威から世界を守ったスーパーロボット………

 

『大鉄人ワンセブン』であった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

バリオゼクターの開発者の『ニコラ・テスラ』博士………
お分かりの通り、XDUで出て来たキャラクターです。
所謂、平行世界の別人となります。
残念ながらフーマの犠牲となっており、それのよりバリオゼクターがフーマの手に。
更に、この事が後で更なる事態を起こす事になります。
それが何かは今は明かせません。

ベン所長の手助けも有り、Project IGNITEで原作よりも強化されるシンフォギアですが、それでも時間が掛かり、そのタイミングを見計らった様にオートスコアラーとフーマの襲撃。
発電施設を守らなければならず、宇宙刑事達とセレナが出撃しますが………
予定通りとばかりに、本部がドック入りしている基地へも襲撃。
切歌と調が改良の終わっていないシンフォギアで時間稼ぎに迎え撃ちますが、ギアを破壊されて大ピンチに。

だが、そこに現れたのは何と!!
大鉄人ワンセブン!!
原作最終回でブレインと相打ちになった筈のワンセブンが如何してと言うのは次回で説明します。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。