戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
本日も外出致しますので、感想への返信は夕方、もしくは夜以降となります。
ご了承ください。
S.O.N.G.本部の潜水艦がドック入りしている基地………
「ウガアアアアアアッ!?」
「グアアアアアアァァァァァァァッ!?」
「ガアアアアアアアアアアッ!?」
剣状に変形したギアコンバーターが胸に突き刺さり、黒いオーラが立ち上っている響・翼・クリスが悲鳴を挙げる。
「皆さんっ!!」
その光景に焦るシャイダー。
「…………」
一方キャロルは、特に何をするのでも無くその光景を見据えている。
イグナイトはシンフォギアの暴走を人為的に引き起こし、その力を制御する形態………
その暴走状態になる為に、組み込んだ聖遺物『魔剣ダインスレイブ』の力で、装者の心の闇を引き出すのだ。
だがそれは、自らの心の闇と向き合い、それに打ち勝つと言う事………
それは決して容易な事では無い。
実際、響はツヴァイウイングのライブでの悲劇の後での謂れ無き誹謗中傷と迫害、そして父親の蒸発………
翼は、ノイズで埋め尽くされたライブステージを見せられた後、父親に愛して貰ず、奏まで消えてしまう………
そしてクリスは、何もかもが破壊された世界で、物言わぬ屍と化した仲間達の姿を見せられていた………
「ウガアアアアアアッ!?」
「グアアアアアアァァァァァァァッ!?」
「ガアアアアアアアアアアッ!?」
心の闇が響達の精神を蝕む………
と、その時!!
翼に誰かが抱き着いた!!
「!?」
「しっかりしろよ、翼!」
奏だった!
何時の間にか自身もイグナイトを発動させているシンフォギアを纏い、苦悶を露わにしながらも、笑みを浮かべて翼に言う。
「奏っ!?」
「へへへ………! グウウウウウウウッ!?」
翼が驚きの声を挙げた瞬間、緊張が切れたのか、奏も悲鳴の様な声を挙げる。
彼女が見ているのは、家族がノイズに殺されそうになる瞬間………
「こんなの………只の幻だ!」
だが、奏がそう叫ぶと………
その光景の中に、銀色のカード………JPカードが出現し、床に刺さって光を発したかと思うと、ノイズ達が全て消え去る。
そしてその光を逆光にして佇むジャンパーソンの姿が浮かび上がる。
『奏………Fights! For Justice!』
「ジャンパーソン………ああ、そうだな!」
幻の中のジャンパーソンがそう言った瞬間………
立ち上っていたオーラが奏の身体を包み込み………
禍々しい意匠の黒いシンフォギアを形成した!!
これこそがイグナイトである!!
「翼! お前の番だぜっ!!」
「奏!………そうだ………これしきの事おおおぉぉぉぉーーーーーっ!!」
その奏が呼び掛けた瞬間、翼にも同様の事が起こり………
彼女のシンフォギアも黒く染まった状態………イグナイトとなった!
『如何した、クリス! それは幻だ! 惑わされるな!!』
「!? 小父さん!!」
そこで、クリスの見ている幻影の中にも、ロケットマンが現れた。
『言った筈だぞ、クリス。もうお前は1人では無い。そしてお前を1人する事も無い………勿論、私もだ』
「小父さん! ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」
幻影のロケットマンの励ましを受けて、クリスが叫びを挙げ………
彼女のギアも、イグナイト状態となった!
「アアアアアァァァァァァッ!!」
そんな中で、尚も1人、悲鳴の様な叫びを挙げている響。
『響ちゃん………』
その響の脳裏に現れたのは、やはり轟だった。
「! 轟兄………」
『「よろしく勇気っ!!」』
脳裏の轟と現実の響の言葉が重なり………
響のギアが、イグナイト状態となった!
『成功だ………』
『モジュール稼働! セーフティ・ダウンまでのカウント、開始します!』
通信回線にベン所長と朔也の声が流れる。
イグナイト・モジュールは、その危険性と装者への負担から、使用時間に制限が掛けられている。
その活動限界時間は1000秒。
だがそれは、装者達にとって十分過ぎる時間だった………
上空のフーマ戦闘母艦とフーマ戦闘機の編隊が、再度装者達を爆撃する態勢を執る。
「たかが戦闘母艦と戦闘機!」
と、響がそう叫んだかと思うと、凄まじい勢いで跳躍!
右手のナックルガードが変形したかと思うと、それを突き出した状態で炎を纏い、フーマ戦闘母艦の1隻に向かって突っ込んで行った!!
進路上のフーマ戦闘機群を巻き込み、空中に幾重もの爆炎の花を咲かせながら、響はそのままフーマ戦闘母艦をも貫いた!!
貫かれたフーマ戦闘母艦は、幾つかの小爆発を上げた後、大爆発して空中で四散した!
「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」
「行くぜぇっ!!」
蒼ノ一閃
LASTS∞METEOR
続いて動いたのは翼と奏!
イグナイト状態の出力で、巨大な斬撃波と化した蒼ノ一閃と、巨大な竜巻を発生させたLASTS∞METEORを放つと、フーマ戦闘機群が次々に斬り裂かれ、或いは捻じ曲がって爆散!
そのまま斬撃波と竜巻は其々にフーマ戦闘母艦へと襲い掛かり、一瞬にして爆散させた!
「ちょっせいっ!!」
MEGA DETH QUARTET
そしてクリスは、両手のガトリングガンを発砲しながら腰部のマイクロミサイル発射口を展開して発射し、更に背部に生成した4発の大型ミサイルも放つ。
ガトリングガンの弾丸とマイクロミサイルが残っていたフーマ戦闘機群を全て撃墜!
そして、4発の大型ミサイルが、残る1隻のフーマ戦闘母艦に突き刺さったかと思うと、弾頭部のカバーが外れ、無数の小型ミサイルがフーマ戦闘母艦の内部へ放たれる!
フーマ戦闘母艦が風船の様に膨れ上がって行ったかと思うと、最後には大爆発を起こして木っ端微塵となった!
「凄い………フーマ戦闘母艦を単独で………」
その光景に圧倒されるシャイダー。
「臍下辺りがむず痒い!!」
とそこで、今まで静観していたキャロルがそう言いながら、シャイダーと装者達の前に降り立つ。
「「「「!!」」」」
シャイダーと翼・奏・クリスが身構えるが………
その前に出た響が、それを制する様に手を横に伸ばす。
「! 立花っ!?」
「響さん!?」
「………私にやらせて下さい」
驚く翼とシャイダーに、響はそう言う。
「バカ! 何勝手な事を………」
「お願い!」
クリスが咎めようとするが、響はそんなクリスに強い視線を向ける。
「! 分かったよ………けど! 負けんじゃねえぞっ!!」
「ありがとう、クリスちゃん」
そこで響は、キャロルの前に歩み寄る。
「頑張れよ、響」
奏の檄が飛ぶ。
「良いのか? 仲間と一緒でなくて?」
「………私はキャロルちゃんを倒す為に戦うんじゃない。
「! まだそんな事を!!………」
「行くよっ!!」
響の言葉にキャロルが怒りを見せた瞬間、響はキャロルに向かって突撃するのだった。
一方、その頃………
レイアの妹と戦っているワンセブンは………
ウオオオオオオォォォォォォォッ!!
咆哮と共にレイアの妹の横っ面を殴り付けるワンセブン。
喰らったレイアの妹が、よろけて2、3歩後退る。
『!!』
だが、すぐにカウンターで鋭い爪が付いている手を振るう。
ボディ表面部を引っ掛かれたワンセブンが火花を散らし、仰向けに倒れる。
しかし、背部のロケットを噴射し、すぐさま起き上がる。
『!!』
レイアの妹は今度は両腕を振り上げて、ダブルチョップを繰り出して来る!
それに対し、ワンセブンも両手を使って受け止める。
ウオオオオオオォォォォォォォッ!!
そしてそのまま、レイアの妹を振り回す!
数回転させたかと思うと、投げ飛ばすワンセブン。
投げ飛ばされたレイアの妹は、倉庫の上に落ち、倉庫を瓦礫の山に変えて倒れる。
『!!』
と、起き上がろうとしたレイアの妹が、目の前に停泊していた輸送船に気付く。
『!!』
レイアの妹は、その輸送船を掴むと、何処ぞの宇宙ロボットの様に、棍棒の如く振り回す!
輸送船の1撃を喰らったワンセブンが大きく後退る。
『!!』
それを見たレイアの妹が更なる1撃を見舞おうとしたが………
ウオオオオオオォォォォォォォッ!!
咆哮と共にワンセブンの脛部分のカバーが開き、出現した発射口から、ナイキ級ミサイルがマシンガンの様に連射される!
『!?』
次々にミサイルが直撃し、今度はレイアの妹が大きく後退。
と、ミサイルの1発がレイアの妹が武器代わりにしていた輸送船に命中したかと思うと………
爆発物・可燃物が搭載されていたのか、大爆発が起こった!!
『!?!?』
大ダメージを受けたレイアの妹が膝を着く。
「グラビトーンッ!!」
それを見たワンセブンがそう叫ぶと、今度は腹部のシャッターが展開。
そこから重力子…………『グラビトン』が放たれた!!
グラビトンを浴びたレイアの妹は、圧縮されて小さくなり、大爆発を起こして木っ端微塵となったのだった!!
そして再び………
キャロルと対峙した響は………
「消し飛べっ!!」
突撃して来る響に向かって、キャロルは最大級の錬金術を放つ!
放たれた錬金術が突っ込んで来ていた響へと直撃し、大爆発が起こる!
やがて爆煙が風で流れると………
爆発でクレーター状になった中心部に穴が開いている光景が目に入る。
「!? 何っ!?」
如何言う事だとキャロルが思った瞬間………
その足元の地面から右腕が出て来て、左足首を掴まれる!
「! 下か!?………!? グアアアァァァァーーーーーーーーッ!?」
振り払おうと思った瞬間、身体に高圧電流が流れて来て悲鳴を挙げるキャロル。
「ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」
そこで響が地面の中から飛び出して来る。
その左手には、地中に埋没されていた基地施設へ高圧電線を掴まれている。
当然、響自身にも高圧電流が流れているが、気合で耐えている。
やがて、流れる電流によって、響の身体が電子を帯び始める。
「!!」
その瞬間に、ひびきは高圧電線を離すと、左手でキャロルの右足首を掴み、ジャイアントスイングの様に回転する。
「超電! ジェット投げぇっ!!」
チャージアップ会得後のストロンガーの必殺技『超電ジェット投げ』を繰り出し、キャロルを上空高く投げ飛ばす!
「ぐううっ! クソがぁっ!!」
身体に痺れが残りながらも、怒りを露わに空中で止まり、地面に居る筈の響を睨み付けようとしたキャロルだったが、既にそこには響の姿が無かった………
「!?」
「コッチだよっ!!」
驚くキャロルの背後に現れた響が、抱き着く様にキャロルを拘束した!
「!? 何時の間にっ!?」
「ヤアアアアアアアッ!!」
そしてそのままキャロルごと逆さまになると、地面に向かって急降下!
キャロルの脳天を地面へと叩き付ける!
「ゴバッ!?」
吐血する程のダメージを受けたキャロルだが、響の攻撃はコレで終わりでは無い!
脳天を叩き付けたキャロルを基点に後転を決めたかと思うと、再び跳び上がって、再度キャロルの脳天を地面に叩き付け、またも後転して跳び上がってはキャロルの脳天を地面に叩き付けるのを繰り返す。
マーキュリー回路を搭載したXライダーの必殺技『真空地獄車』だ!
「タアッ!!」
数回キャロルの脳天を地面に叩き付けたから跳び上がったかと思うと、空中でキャロルを投げ飛ばす響。
「スピンキックッ!!」
そして腰のバーニアを利用して、空中で高速回転した後に放つキック………アマゾンライダーの技『スピンキック』を決める。
「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
悲鳴と共に地面に叩き付けられるキャロル。
ファウストローブも既にボロボロであり、明らかに満身創痍だった。
「………分かり合いたいって言ってる割りに容赦無さ過ぎないか?」
響の容赦無さに、クリスがやや唖然とした様子でそう呟く。
「戦わなきゃ分かり合えない事も有る………そしてその為に勝たないといけない事もある」
「立花の容赦の無さは、例え敵でも分かり合いたいと言う気持ちの現れだ」
「うんうん………」
そんなクリスに、奏と翼が解説の様にそう言い、シャイダーも同意する様に頷いている。
「そう………なのか?」
しかし、クリスは適当に言ってるだけじぇねえのかと言う様な顔で翼達を見た後、複雑かつ微妙そうな表情で響を見やるのだった。
「ガハッ! ゴハッ!………ハアッ! ハアッ!(まさかコイツ………ココまでの力が有ったとは)」
吐血した後に激しく息を切らしながら、キャロルは想像以上の響に実力に内心戦慄する。
「終わりだよ………キャロルちゃん」
地面に倒れているキャロルの傍に立った響が、キャロルを見下ろしながらそう言い放つ。
「フッ………その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな」
「えっ?………」
キャロルからそんな事を言い放たれた響が虚を突かれた表情となる。
その瞬間にキャロルは、仕込んでおいた自決用の仕掛けを使おうとしたが………
そこで響目掛けて、赤い鏃状の光線が飛んで来た!
「!? ウワアアアアアアッ!?」
直撃を受け、ブッ飛ばされる響。
「「「!?」」」
「立花っ!?」
奏・クリス・シャイダーが驚き、翼が声を挙げる。
「何っ!?」
そして驚いたのはキャロルもだった。
そんなキャロルの傍に、黒い影………バリオゼクターが現れる。
「! 貴様は………」
「…………」
キャロルが何か言おうとしたところ、バリオゼクターはテレポートジェムを取り出し、キャロルに向かって投げ付けた。
魔法陣が展開し、キャロルの姿が消える。
「! しまったっ!?」
「!………」
立ち上がった響が声を挙げた瞬間に、バリオゼクターは赤いレーザーブレードを抜き放ち、響に向かって斬り掛かって来る!
「! ウオオオオオオォォォォォォォッ!!」
それに対し、響も右手のガントレットを大型化し、バリオゼクターを殴り付けようとする。
そのままクロスカウンターの様に、バリオゼクターのレーザーブレードが響に、響の拳がバリオゼクターに叩き込まれようとする!
………が、しかし!!
如何言うワケか、バリオゼクターのレーザーブレードと響の拳は、お互いに相手に当たるかと思われた瞬間で寸止めされていた。
「!? ア、アレッ!?」
戸惑いの声と共に困惑の表情を浮かべる響。
如何やら彼女は無意識の内に拳を止めてしまった様だ………
「!?………」
一方、それはバリオゼクターも同じなのか、コレまで無感情だったバリオゼクターの動きに、初めて動揺の色が見て取れた。
「立花! 何をやっているっ!?」
「「!?」」
と、翼の声が飛んだ瞬間に、響とバリオゼクターはお互いに弾かれる様に距離を執った。
(私………今如何して?)
無意識に攻撃を止めてしまった理由が分からず困惑する響。
「…………」
一方、バリオゼクターはそんな響を見据えていたが、やがて少しずつ後退る様に下がって行き、やがて姿を消した………
「あ………」
「馬鹿! 何やってんだっ!?」
思わず手を伸ばした響の元に、クリスが怒鳴りながらやって来る。
「! ゴ、ゴメン、クリスちゃん………」
「一体如何しちまったんだ?」
響が謝っていると、奏が不思議そうにそう尋ねて来る。
「すみません………自分でも分からないんです………」
自身の掌を見つめながら、響はそう返す。
「兎も角、敵は退けられたんですから、先ずは一安心ですね」
そこでシャイダーがそう言うと、その頭上を飛行ワンセンブン形態となったワンセブンが通過し、飛び去って行った。
「………彼にも感謝しなければな」
それを見送った翼が呟く。
(………あの時………
そんな中で響は、バリオゼクターと対峙した瞬間、奇妙な懐かしさに似た感覚を覚えていた事に戸惑っていたのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
遂にイグナイトモジュールを発動する響達。
原作では翼とクリスが最初に失敗してましたが、この作品では奏が生存しているのと、関りを持ったヒーロー達の励ましで見事1発で成功します。
その戦闘力はフーマ戦闘機とフーマ戦闘母艦を破壊できる程に!
一方、ワンセブンはレイアの妹と交戦。
最後は必殺のグラビトンが決まって見事に撃破。
しかし、レイアの妹も一応オートスコアラーなので、予備の身体が有るという事で再登場する予定です。
お楽しみに。
一方、一騎打ちを申し込んだ響はキャロルを圧倒。
パワーアップ形態で戦っているので、チャージアップしたストロンガーやマーキュリー回路を搭載したXの技なんかも使える様に。
しかし、原作では偽装自殺したキャロルでしたが、バリオゼクターの介入で回収される事に。
そして何と………
響もバリオゼクターに何かを感じ取った!
更に、今回はバリオゼクターも反応を?
今回の事でバリオゼクターの正体に察しが行った人も多いでしょうが、此方で明かすまでは秘密という事で1つ………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。