戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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度々申し訳ございません。

ご了承ください。


第14話『渚の激戦!』

見事イグナイト・モジュールを起動させ、キャロルを退けた響達。

 

敵のボス格を退けたのが効いたのか、その後はキャロル達もフーマも音沙汰が無く………

 

その間に、残るギアの強化改修も完了した。

 

『新たな力の投入に伴い、ここらで一つ特訓だな』

 

そこで、弦十郎からそんな提案が挙げられた。

 

『オートスコアラーとフーマとの再戦に向け、強化型シンフォギアとイグナイトモジュールを使い熟す事は急務である。近く、筑波の異端技術研究局にて調査結果の受領に向かう。諸君等はそこで、心身の鍛練に励むと言いだろう』

 

との事で、宇宙刑事達と装者達は、政府保有のプライベートビーチを訪れていた。

 

早速一同は、照り付ける太陽が眩しい夏の砂浜で特訓………

 

ではなく、バカンスを楽しんでいた。

 

キャロルが現れ、フーマが表立って行動を始めてから、宇宙刑事達と装者達は激務続きであり、ここいらで息抜きが必要だろうと考えた弦十郎は、特訓と託けてバカンスを楽しんで貰おうと考えたのだ。

 

「…………」

 

そんな海辺の波打ち際で、水着姿の響が佇んで水平線を見つめている。

 

脳裏に過っているのは、先日のバリオゼクターとの事だ………

 

(あの時………如何して拳が止まったんだろう?………それに、あの敵から感じた感覚………)

 

バリオゼクターと対峙した際に感じた奇妙な懐かしさ………

 

(ひょっとしてあの人は………()()()()()()()()()()()?)

 

幾ら考えても分からないが、響は考えるのを止められない。

 

まるで、知らなければなならないと本能が訴え掛けているかの様に………

 

「私は………」

 

と、堂々巡りが続いていた響だったが、そこで………

 

突然頭に何かが乗せられた。

 

「!? うわっぷっ!? な、何コレッ!? ヌルヌルするぅっ!?」

 

「ハハハハハハッ! ファンキーになったな、響ちゃん!」

 

思考を無理矢理中断させられた響が、慌てながら頭に乗せられた物………浜辺に漂着していた海草を払い除けようとしている姿を見て、ウェットスーツ姿でサーフボード携えた轟が笑う。

 

「ちょっ! 轟兄! 酷いよぉっ!!」

 

海草を払い除けた響が、轟に抗議の声を挙げる。

 

「ハイ、響、タオルだよ」

 

「あ、ありがとう、未来」

 

そこで、弦十郎の計らいで同行が許可された、水着姿の未来が現れてそう言って来たので、手を伸ばす響。

 

しかし、響の手に広がったのはタオルではなく、何か柔らかい物を掴んだ感触だった。

 

「へっ?………」

 

響が戸惑いながらタオルを掴んだと思った手を見ると、彼女が握っていたのは………

 

『ナマコ』だった。

 

「!? イヤアアアアアアァァァァァーーーーーーーッ!?」

 

悲鳴と共に握っていたナマコを思いっ切り放り投げる響。

 

投げられたナマコは水平線の彼方へ消えて行った………

 

「フフフフフフ………」

 

そんな響の姿を見て、口元を手で押さえて笑う未来。

 

「未来っ! 轟兄っ! もう許さないからっ!!」

 

「逃げるぞ、未来ちゃん!」

 

「コッチだよ、響!」

 

「待てーっ!!」

 

怒りを露わに、波打ち際を走る未来とサーフボードを携えたままの轟を追い掛ける響。

 

「逃がさないんだからーっ!」

 

「アハハハハハハッ!」

 

「早く捕まえてみろよ!」

 

昔の青春の1ページの様な光景が繰り広げられる。

 

「アイツ等、何時の時代の人間だ?………」

 

そんな光景を見た、浮き輪に乗って波間を漂っていたクリスが呆れた様に呟く。

 

「轟達の奴、青春してるなぁ」

 

同じく、その光景を設置したタープテントのやや本格的なアウトドアキッチンで料理をしている、バミューダパンツにアロハシャツを羽織っている雷もそう漏らす。

 

「雷、バーベキューの方の準備は出来たわよ」

 

それを手伝っていたマリアが、バーベキューコンロに炭を投入し終えて言って来た。

 

「ありがとう、マリア」

 

「食材のクーラーボックス、此処に於きますね」

 

雷がお礼を言っていると、今度は食材が入ったクーラーボックスを持って来たセレナがそう言う。

 

「セレナもありがとう。助かるよ」

 

「どういたしまして、雷さん。いえ………『義兄さん』ってお呼びした方が良いですか?」

 

「! セ、セレナッ!?///

 

不意にそんな事を言って来たセレナに、マリアが真っ赤になって慌てる。

 

「ハハハッ、それは『()()』早いかな」

 

「まあ、聞きました、姉さん? 『()()』ですって」

 

「!~~~~~///

 

妹に良い様に揶揄われ、マリアは唯々真っ赤な状態で縮こまるしかなかったのだった………

 

「出来たデースッ!!」

 

「自信作………」

 

「我ながら良い出来だと思います」

 

一方、砂で遊んでいた切歌と調、エルフナインは、何時の間にかサンドアートとも言うべき出来のワンセブンの砂像を作り上げていた。

 

「やっぱ夏は海だよなぁ」

 

水着姿に奏が、照り付ける太陽を見上げながらそう呟く。

 

「…………」

 

その隣に居る翼は、相方の()()()()を睨む様に見つめている。

 

そしてそのまま、自分の()()()()へと視線を移し………

 

そこにある格差に軽く絶望する。

 

「くうっ!………」

 

握った拳をワナワナと震わせながら、翼は悔しそうな表情を露わにするのだった。

 

「獲りましたーっ!!」

 

と、海からウェットスーツ姿の劾が飛び出し、右手に握った銛の先端に突いた魚を掲げる様にして叫びを挙げる。

 

「「「イエーイッ!!」」」

 

その視界の中を、何時の間にか追い掛けっこを止めて、響を背にしがみ付かせ、未来をお姫様抱っこした状態でサーフィンをしている轟の姿が在った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、誰かが持ち込んだビーチボールでビーチバレーが開催される。

 

現在、翼&クリスチームとマリア&エルフナインの試合が繰り広げられている。

 

「オラオラァ! バチコーイッ!!」

 

翼の背後で、クリスが煽る様に声を挙げている。

 

「行きます!」

 

サーブ権を持つエルフナインが、ボールを真上に放り投げると跳び上がり、強烈な1撃を放とうとする。

 

それ!………あれ?」

 

しかし、見事に空振り、失点となってしまう………

 

「何でだろう? 強いサーブを打つ為の知識はあるのですが………実際やってみると全然違うんですね」

 

「スポーツってのは知識が有れば良いってものじゃ無いぞ」

 

「背伸びをして誰かの真似をしなくても大丈夫。下からこう、こんな感じに………」

 

セコンドの様になっている雷がそう言う中、ボールを拾ったマリアが、遣り易い下からのサーブをやって見せる。

 

「はぅ~~………すみません~~~」

 

「弱く打っても大丈夫。大事なのは、自分らしく打つ事だから」

 

「はい! 頑張ります!!」

 

「その意気だ!」

 

マリアに励まされて意気込むエルフナインに、雷はサムズアップを送る。

 

(………完全に父と母と娘ですね)

 

そんな3人の姿にそう感想を抱き、微笑むセレナだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も何試合かを熟した後、良い具合にお腹が空き、雷が用意したビーチ飯に在り付く一同。

 

その中で………

 

「おかわりお願いします!」

 

「相変わらず良く食うな、劾」

 

何度目とも知れぬ劾からのおかわりの要求に、雷が若干苦笑いを零しながらも応じる。

 

「アイツ………もう20人前は食ってるんじゃねえか?」

 

「いや、30人前は行ってるぞ………」

 

「響以上に食べる人なんて初めて見た………」

 

「ま、負けた………」

 

そんな劾の姿に唖然となるクリス・奏・未来と、何やら敗北感を覚える響。

 

「ホラ、コレで最後だから」

 

そこで雷が、最後のおかわりを劾に手渡す。

 

「えっ? もうですか?………まあ、良いです。()()()()()()()()()()()()

 

「「「「「「「「嘘(でしょ、だろ、デス)!?」」」」」」」」

 

サラリとそんな事を言った劾に、装者達全員からツッコミが飛んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すっかり腹も膨れ、宇宙刑事達が後片付けに勤しむ中、装者達はビーチパラソルの下に設置されたビーチベッドや砂浜に直接腰を下ろして一休みしていた。

 

「晴れて良かったですね」

 

エルフナインが、雲1つ無い快晴の空を見上げてそう言う。

 

「昨日台風が通り過ぎたおかげだよ」

 

「日頃の行いデス!」

 

それに未来と切歌がそう返す。

 

「皆さん。ちょっとコンビニに行ってこようかと思うんですけど、何か有れば言って下さい」

 

「結局まだ食べる気かよ、お前………」

 

そこで劾がそう尋ねて来たのを聞いて、クリスが呆れた様子でそうツッコミを入れる。

 

そして、劾1人に行かせるのも悪いという事で、全員がジャンケンで買い出しに行くメンバーを決める事になった。

 

「「「「「「「「コンビニ買い出し! ジャンケン、ポン!!」」」」」」」」

 

翼・奏・切歌・調………チョキ

 

響・未来・クリス・マリア・セレナ・轟・雷………グー

 

「アハハハハハハッ! 翼さん、変なチョキ出して負けてる!」

 

「! 変ではない! カッコ良いチョキだ!!」

 

「翼、その癖まだ残ってたのか………」

 

親指と人差し指でのチョキを出して負けた翼を、響が笑い、奏がツッコミを入れる。

 

「斬撃武器が………」

 

「軒並み負けたデース!?」

 

単なる偶然か因果か、負け組は斬撃系の武器の使い手ばかりだった。

 

その後、マリアが好きな物ばかり買ったり無駄遣いしない様や、翼と奏に有名人なのだから変装する様にとまたも母親ぶりを発揮する一幕などがありつつ、買い出し組は劾の車でコンビニへと向かったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビーチから1番近いコンビニ………

 

「切ちゃん、自分の好きなのばっかり………」

 

「こう言うのは役得と言うのデース!」

 

「やれやれ………」

 

「フフフ………」

 

「暑いですし、早く戻りましょう」

 

買い物を済ませた調・切歌・奏・翼・劾がコンビニを後にする。

 

「………おや? アレは?………」

 

その途中、劾が人だかりが出来ている事に気付く。

 

「昨日の台風かな?」

 

「お社も壊れたってさ」

 

それは、壊れた神社の前に集まっていた地域の人々や学生達だった。

 

しかし、その神社の壊れ方は異様だった………

 

神社に彼方此方に、巨大な氷塊や氷柱が突き刺さっていたからだ。

 

「コレは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

ビーチの方では………

 

「皆さん、特訓しなくて平気なんですか?」

 

尚も遊び惚けていた装者達と宇宙刑事達に、エルフナインが心配する様に声を掛ける。

 

「真面目だな~、エルフナインちゃんは」

 

「遊べる内に遊んでおくのも立派な特訓だぜ」

 

それに対し、響と轟が笑いながらそう返す。

 

「暴走のメカニズムを応用したイグナイトモジュールは、3段階のセーフティにて制御される、危険な機能でもあります! だから、自我を保つ特訓を………」

 

と、エルフナインが言いかけた瞬間!!

 

突如海から水柱が立ち上り、その上にポーズを執るガリィが姿を現した!!

 

「「「!!」」」

 

「ガリィ!?」

 

「夏の想い出作りは充分かしらぁ?」

 

驚く装者達に向かってガリィが挑発の様にそう言い放つ。

 

「んなわけねえだろ!!」

 

そこでクリスが駆け寄って来て、ギアペンダントを手に立ちはだかる。

 

Killiter Ichaival tron

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

「蒸着っ!!」

 

「赤射っ!!」

 

クリス・響・轟・雷の姿が光に包まれ、シンフォギアとコンバットスーツを身に纏った!

 

「宇宙刑事! ギャバンッ!!」

 

「宇宙刑事! シャリバンッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!

 

では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!

 

「蒸着っ!!」

 

轟がそう叫び、蒸着ポーズを取ると、それは直ちに地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランへと伝わる。

 

『了解! コンバットスーツ、電送シマス!』

 

そして、ドルギランより粒子状に分解されたコンバットスーツが轟へと電送される!

 

その粒子状となったコンバットスーツが、轟の体に吹き付けられる様にスーツを構成していき、蒸着は完了する。

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か0.05秒!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇宙刑事シャリバンは、僅か1ミリ秒で赤射蒸着を完了する。

 

では、赤射プロセスをもう1度見てみよう!

 

「赤射っ!!」

 

雷がそう叫び、赤射ポーズを取ると、それは直ちに地球の衛星軌道上で待機している超次元戦闘母艦グランドバースへと伝わる。

 

すると、灼熱の太陽エネルギーが、グランドバースの増幅システムにスパークする!

 

増幅された太陽エネルギーは、赤いソーラーメタルに転換され、シャリバンに赤射蒸着されるのだ!

 

もう1度言おう!

 

この一連の動作………僅か1ミリ秒!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「喰らえっ!!」

 

「クライムバスターッ!!」

 

クリスとシャリバンが、水柱の上に立つガリィに向かってビーム矢とビームを放つ。

 

「フフフ………」

 

しかし、ガリィはそのビーム矢とビームに向かって自ら突っ込んだかと思うと………

 

その姿が水となって雲散した。

 

「!?」

 

「何っ!?」

 

クリスとシャリバンがその光景に驚いていると………

 

「! 響ちゃん! 後ろだっ!!」

 

「えっ!?」

 

何かに気付いたギャバンがそう言い、響も反射的に後ろを向くと………

 

そこから水柱が立ち上ってガリィが姿を現す。

 

「ハアッ!」

 

「ぬんっ!!」

 

「くうっ!!」

繰り出された蹴りと拳を寸前のところでガードするギャバンと響。

 

「マリアさん! セレナさん! 2人をお願いします!!」

 

「分かったわ!」

 

「お気を付けて!」

 

そこで響が呼び掛け、マリアとセレナが非戦闘要員である未来とエルフナインを連れて離れて行く。

 

「ハアッ!」

 

「フッ!」

 

それを確認したギャバンと響が、ガリィを弾き飛ばす。

 

「キャロルちゃんの命令で動いてるの!?」

 

「それともフーマの方か?」

 

構えを取りながらガリィにそう問い質す響とギャバン。

 

「ハッ! 冗談っ!! 誰があんな連中の命令になんて従うかよっ!!」

 

と、そこでガリィが嫌悪感と怒りを隠そうともせずそう言い放つ。

 

しかしそこで………

 

フィアアアアアアッ!!

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

奇声と共に海が幾度も爆ぜ、複数の海洋生物が融合した様な不思議獣『ウミウミ』とミラクラー達が飛び出して来た!

 

「! ああもう! 今回は私1人の作戦の筈だったのに!! クソがぁっ!!」

 

現れたウミウミとミラクラー達を見て悪態を吐きながらも、ガリィは更に結晶をばら撒いてアルカ・ノイズ達を出現させる。

 

(やはりフーマとの関係は良好というワケではないのか?………)

 

その光景を見ていたギャバンがそう考えるが………

 

フィアアアアアアッ!!

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

そこでウミウミとミラクラー達、アルカ・ノイズ達が襲い掛かって来る。

 

「! チュウッ!!」

 

「ハアッ!!」

 

「ケアァッ!!」

 

「オリャアッ!!」

 

ギャバンは思考を中断し、響・シャリバン・クリスと共に交戦を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

お待ちかねの水着回(笑)
束の間の休息で、バカンスを満喫する装者達と宇宙刑事達。
しかし、買い出しに出た劾達が不穏な事件を目撃し、ビーチに残っていたメンバーをガリィとフーマが強襲!
マリア達は非戦闘要員の護衛として退避しますが、原作通りにガリィが追って来ます。
そしてイグナイトを暴走させてしまうワケですが………
初期組がアッサリと行ったのに対し、イヴ姉妹にはちょっと試練が入ります。
理由は、前作での2人の立場がああでしたので………
その辺の改変にご注目下さい。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
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