戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第15話『呼び覚まされる過去………暴走の銀腕』

バカンスで来ていた海で、ガリィとフーマの強襲を受けた装者達と宇宙刑事達。

 

戦えない未来とエルフナインをイヴ姉妹が逃がす中、ギャバンとシャリバン、響とクリスがフーマとアルカ・ノイズ達と交戦を開始。

 

その戦いの様子は、コンビニへ買い出しに出ていた劾・翼・奏・切歌・調が居る場所からも確認出来ていた。

 

「! アレはっ!?」

 

「もしかすると、もしかするデスか!?」

 

「行かなくちゃ!」

 

「ったく、折角のバカンスだったってのによぉ」

 

戦闘が開始された事を確認した翼・切歌・調・奏が声を挙げる。

 

「皆さん! 先に行って下さいっ!! 僕はこの人達を避難させます!!」

 

更に、劾がそう言う。

 

「頼むぞっ!」

 

翼がそう言って駆け出し、奏・切歌・調も続く。

 

「皆さん! 此処は危険です! 安全な場所まで避難しましょう!」

 

それを見送った後、劾は人々の避難誘導を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ビーチでは………

 

「ディメンジョンボンバーッ!!」

 

「スパークボンバーッ!!」

 

「「「「「シュワシュワッ!?」」」」」

 

両腕を突き出したギャバンと、右腕を突き出しながら回転しているシャリバンがミラクラー達の中へ突っ込み、次々と弾き飛ばして行く。

 

「オリャアアアアアアッ!!」

 

クリスはガトリングガンから辺りに弾丸をばら撒き、地上のアルカ・ノイズ達を薙ぎ払うと、空に居た飛行型を小型ミサイルで撃墜して行く。

 

フィアアアアアアッ!!

 

「ハッ!!」

 

ウミウミが振り下ろして来た巨大な刃のグレイブを白刃取りで受け止めると、そのままグレイブごと投げ飛ばす響。

 

フィアアアアアアッ!!

 

地面を転がったウミウミだが、すぐに起き上がると今度は低い位置で横薙ぎにグレイブを振るう。

 

「トオォッ!!」

 

フィアアアアアアッ!?

 

響はジャンプで躱すとそのままウミウミの顔面に蹴りを叩き込み、再度砂浜を転がらせる。

 

「! オートスコアラーはっ!?」

 

と、着地を決めたそこで、何時の間にかガリィの姿が見えなくなっていた事に気付く響。

 

「皆から引き離されている?………! まさかっ!? マリアさん達の方に!? 轟兄っ!!

 

 雷っ!!」

 

 分かった! すまないが此処を頼む!!」

 

「サイバリアーンッ!!」

 

「モトシャリアーンッ!!」

 

ガリィの真の狙いがマリア達の方だと察した響がギャバンに呼び掛けると、すぐに察したギャバンがシャリバンと共に、サイバリアンとモトシャリアンを呼び、離脱したマリア達の方へ向かった。

 

フィアアアアアアッ!!

 

「「「「「シュワシュワッ!!」」」」」

 

すぐのウミウミとミラクラー達、アルカ・ノイズ達が追撃しようとしたが、その前に響とクリスが立ちはだかる。

 

「お前達の相手は………」

 

「私達だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのマリア達は………

 

ビーチから離れ、林道の様な場所を走っていたが………

 

その前に、響達の前から姿を消していたガリィが現れる!

 

「「!!」」

 

咄嗟に、マリアとセレナが前に出て、未来とエルフナインを守る様にする。

 

「見つけたよ、ハズレ装者とその妹」

 

「くっ!」

 

「何時までも逃げ回ってないでぇーっ!!」

 

右手に氷の刃を形成し、マリアに向かって突きを繰り出すガリィ。

 

Seilien coffin airget-lamh tron

 

それに対し、マリアは聖詠を唱えながら自らも突撃!

 

ガリィの氷の刃を紙一重で躱すと、そのまま左の拳を横っ面に叩き込んだ!!

 

そして次の瞬間!

 

殴った左手が光に包まれ、籠手の様な物が装着されたかと思うと、シンフォギア………新生アガートラームを身に纏った!

 

「銀の………左腕?」

 

殴ろ飛ばされながら、それを確認するガリィ。

 

「マリアさん! ソレは!?」

 

「マリアさん用に調整した新生アガートラームです!」

 

驚く未来に、エルフナインがそう説明する。

 

「私も!」

 

Seilien coffin airget-lamh tron

 

更にそこで、セレナも聖詠を唱え、改良型アガートラームを身に纏った。

 

2つのアガートラームを身に纏ったイヴ姉妹が並び立つ。

 

「へえ? 良いじゃない………精々失望させない様に頑張ってよ」

 

着地を決めたガリィがそう言いながら、結晶をばら撒き、アルカ・ノイズ達を出現させる。

 

「セレナッ!」

 

「ハイッ!!」

 

 

 

INFINITE†CRIME

 

 

 

マリアが左腕の籠手から無数の小太刀を引き抜くと、セレナも同じ様に無数のビームダガーを出現させ、アルカ・ノイズ達に向かって射出!

 

小太刀とビームダガーが、次々にアルカ・ノイズ達を赤い霧へと変える。

 

「「!!」」

 

そこで、マリアが小太刀を逆手に持ち、セレナがビームダガーを順手に持って突撃!

 

アルカ・ノイズ達を次々に斬り伏せて行く。

 

アッと言う間にその数を減らして行くアルカ・ノイズ達。

 

そこで、残ったアルカ・ノイズ達が一斉に突撃を決行するが………

 

 

 

EMPRESS†REBELLION

 

 

 

マリアが小太刀を蛇腹剣に、セレナがビームダガーをビームウィップに変えて薙ぎ払った!

 

「うわぁー、アタシ負けちゃうかも~………アハハハハハハッ!!

 

そんなイヴ姉妹の戦いぶりを見ながら、ガリィが挑発の様な態度を執る。

 

「「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」」

 

そんなガリィに向かって、マリアとセレナは小太刀とビームダガーを振るう!

 

それによってガリィの身体が斬り裂かれた!!

 

………かに思われたが!

 

「!?」

 

「この手応えはっ!?」

 

手応えに違和感を覚えたマリアとセレナが声を挙げた瞬間………

 

斬り裂かれたガリィの身体が水へと変わって地面に広がった!

 

「! 偽者っ!?」

 

「コッチよっ!!」

 

「「!!」」

 

声が聞こえた方向をイヴ姉妹が見た瞬間!

 

「アハッ!!」

 

右手に出現させていた巨大な氷柱をフルスイングし、イヴ姉妹を纏めて殴り倒した!!

 

「ガッ!?」

 

「あうっ!?」

 

マリアとセレナは地面に倒れ、小太刀とビームダガーが地面に突き刺さる。

 

「ああっ!?」

 

それを見た未来が悲鳴の様な声を挙げる。

 

「ぐう………」

 

「うう………」

 

短く呻き声を挙げながらも立ち上がるイヴ姉妹。

 

「強い………だけど!

 

「私達にはまだ!」

 

そこでマリアとセレナは、ギアコンバーターに手を掛ける。

 

イグナイトモジュールを使う積りだ。

 

「聴かせて貰うわ………」

 

その様子を見て、ガリィが挑発的な笑みを浮かべる。

 

「この力で決めて見せる!」

 

「行きましょう! 姉さんっ!!」

 

「「イグナイトモジュール! 抜剣っ!!」」

 

マリアとセレナの声が合わさり、変形したギアコンバーターが2人の胸を貫く。

 

「うぐっ!? が、アアアアアアァァァァァァッ!?」

 

「アアアアアアァァァァァァッ!!」

 

黒いオーラが纏わり付いた2人が、悲鳴を挙げる。

 

響達と同様に、マリアとセレナの心の闇が浮かび上がる………

 

『私達は『マドー』!! 全人類は『魔王サイコ』様の元に平伏せ! さすれば、魔王様は人類に未来をお与えになるだろう!!』

 

『心得ております………元よりこの身は魔王様の半身………存分に力を振るいましょうぞ』

 

それは、マドーの一員であった時の記憶と、サイコラーとなっていた時の記憶だった。

 

「「!! イヤアアアアアアアァァァァァァァッ!!」」

 

過去としていた筈の記憶が鮮やかに蘇り、マリアとセレナは頭を抱える。

 

そしてその次の瞬間!!

 

「「ガアアアアアアアアアアッ!!」」

 

魔剣の呪いが2人を蝕み、その身体を黒く染め、嘗ての響と同じ暴走状態となる。

 

更に、セレナの方は………

 

「!? アレはっ!?」

 

「サイコラーッ!?」

 

エルフナインと未来が仰天の声を挙げる。

 

暴走したセレナが纏っている黒いオーラが、サイコラーの形となっていた!

 

「あれれ?」

 

コレは予想外の事態だったのか、ガリィは困惑した様子を見せる。

 

「ガアアアアアアアアアアッ!!」

 

そこで暴走したマリアが、獣染みた動きでガリィに襲い掛かる!

 

それを踊る様な動きで回避するガリィ。

 

カアアアアッ!!

 

すると今度は、サイコラー状のオーラを纏っていたセレナが、両手に出現させたオーラの剣を掲げる様に構えて交差させると、そこから黒い稲妻状の怪光線を放つ。

 

「チッ! 獣と化け物に墜ちやがった………」

 

それを跳躍して回避しながら、ガリィは不満そうにそう呟く。

 

「ガアアアアアアアアアアッ!!」

 

そんなガリィに向かって、マリアが鋭い爪の生えた左手を振り被って飛び掛かったが………

 

ガリィはそのマリアの顔面を掴んでアッサリと掴まえる。

 

「イヤイヤ、こんな無理くりなんかでなく………」

 

そして、再度両手のオーラの剣を掲げて怪光線を放とうとしていたセレナに向かって投げ付ける!

 

「「!?」」

 

「歌ってみせなよ! 元マドーの一員と大幹部!!」

 

激突された勢いで、マリアと共に地面を転がるセレナを見ながら、ガリィがそう挑発の様に言い放つ。

 

しかし、直後に2人のオーラが弾け、光と共にシンフォギアが解除。

 

ボロボロになったマリアとセレナが地面に横たわる。

 

「マリアさん! セレナさん!」

 

「やけっぱちで強くなれるなどと上せるな」

 

未来が悲鳴の様な声を挙げる中、マリアを掴んだ手を汚いとばかりにハンカチで吹いているガリィ。

 

とそこで、風切り音が聞こえて来たかと思うと、サイバリアンに跨ったギャバンとモトシャリアンに跨ったシャリバンが現れる。

 

「チッ! お前達姉妹にはガッカリだ」

 

それを見たガリィが舌打ちし、マリアとセレナに失望したかの様な台詞を言い放つと、テレポートジェムを使って撤退した。

 

「クソッ! 逃げたかっ!!」

 

「マリアッ! セレナッ! しっかりしろっ!!」

 

サイバリアンを停止させたギャバンがそう言うのを横目に、モトシャリアンから飛び降りたシャリバンがマリアとセレナを助け起こす。

 

「………勝てなかった」

 

「過去には………やっぱり勝てないの?」

 

と、助け起こされた2人が愕然とした様子でそう呟く。

 

「過去は変えられない………」

 

「「!!」」

 

すると、シャリバンがそんな事を言い、マリアとセレナは思わず目を見開いたが………

 

「だからこそ、今………そしてこれからを如何生きるかが大切なんだ」

 

そう言うとシャリバンの身体が淡く光り、雷の姿へと戻った。

 

その顔には安心させるかの様な笑みが浮かんでいる。

 

「「…………」」

 

そんな雷の顔を見て、マリアとセレナは何とも言えない表情となる。

 

その後、ガリィが撤退したのを察したのか、ウミウミと残っていたミラクラー達も撤退し、響とクリスが合流。

 

更に、買い出し組も合流した事で、一同は一旦研究施設へと向かったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、撤退したガリィの方は………

 

チフォージャー・シャトーのキャロルの間………

 

自身の待機場所へとポーズを執ったガリィが現れる。

 

「派手に立ち回ったな」

 

「目的ついでにちょっと寄り道よ」

 

声を掛けて来たレイアに、ガリィは素っ気無くそう返す。

 

「自分だけペンダントを壊せなかったのを引き摺ってるみたいだゾ?」

 

ワンセブンに踏み潰されてまだ修復途中なミカが、辛うじて取り付けられている頭と左手を動かしながらそう言う。

 

うっさい!! だからあの外れ装者と妹から1番に毟り取るって決めたのよ!!」

 

「ホント、頑張り屋さんなんだから………私もそろそろ動かないとね」

 

ガリィが苛立ちながらそう返すと、ファラがそう口を挟む。

 

(………()()()()()()()()()

 

そう思いながら、ガリィは天井から垂れ下がっている赤・青・黄・緑の4色の垂れ幕を見上げた。

 

その垂れ幕の色は、オートスコアラー達のシンボルカラーと一致している………

 

「…………」

 

一連の遣り取りを、キャロルはミカを修復しながら黙って聞いている。

 

「フフフ………」

 

そして、そんなキャロルとオートスコアラー達の遣り取りを、ギャル1がコッソリと盗み見、愉快そうな笑いを零すのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガリィとフーマ達との襲撃から幾分か時が流れ………

 

マリアとセレナ、雷とエルフナインを除いた一同が、朔也と慎次と共に、研究所の応接間に集まっていた。

 

「やはりキャロル達の目的が今一ハッキリしないな………」

 

翼の言葉に、一同は無言で同意する。

 

「コレまでの戦闘で、少なくともオートスコアラー達は装者を追い詰めながらも本気でトドメを刺そうとしていなかった様に見える部分がある」

 

「お~、言われてみれば! とんだアハ体験デス!」

 

轟の言葉に、切歌が同意する。

 

「いちいち盆が暗すぎるんだよな」

 

「フーマが協力している以上、何か巨大な企みが有るのは確かだと思いますけど………」

 

クリスがそう言うと、劾がそう口を挟む。

 

「気になるのは、マリアさんの様子も………」

 

「力の暴走に飲み込まれると、頭の中まで黒く塗り潰されて………何もかも分からなくなってしまうんだ………」

 

とそこで、未来と響がそう言った事で、一同の意識はイグナイトモジュールの起動に失敗した上、思いっ切りトラウマを抉られた形になったマリアとセレナの心配に移る。

 

「ましてや、2人にとって忘れたい過去が呼び覚まされてしまったなんて………」

 

「セレナの方に至ってはサイコラーに取り込まれた時の記憶だからな………アタシら何かには想像出来ない様なモノだろうぜ」

 

調と奏の言葉に、一同の間に沈痛な空気が漂い始める。

 

「心配するな。今雷の奴が傍に付いてる」

 

「御2人の事は雷さんに任せておけば大丈夫ですよ」

 

しかし、轟と劾だけはいつもと変わらぬ様子でそう言うと、部屋の窓から沈み行こうとしている夕日を見やる。

 

「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」

 

それに釣られる様に、一同も沈む夕日を見やる。

 

何の根拠も無い発言ではあるが………

 

雷ならば………

 

シャリバンならば、あの2人を任せておいて大丈夫だ………

 

一同はそう確信していたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

フーマと戦うギャバン達だったが、その隙を衝いて、ガリィが本命であるイヴ姉妹を強襲。
マリアの新生アガートラームが起動し、セレナと共にイグナイトを発動させようとしたが………
2人とってのトラウマでもあるマドーに組みしていた時、そしてサイコラーに取り込まれていた記憶が蘇り、暴走。
セレナに至っては疑似的ながら再びサイコラー化する事に………
そんなイヴ姉妹を易々と下し、ガリィは興ざめして撤退。

次回、落ち込んでいるイヴ姉妹を、雷が宇宙刑事シャリバンならではの言葉で励まします。
そう、強さとは………
そして原作ではこの時点で登場していた響の父・洸は姿を見せず………
何故でしょうね?(すっとぼけ)

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