戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達 作:宇宙刑事ブルーノア
切歌と調がミカ、そしてバロム・1と遭遇するちょっと前………
都内・政府お抱えの某病院にて………
「ええと、洸小父さんの病室は………」
洸の様子を見る為、病室を探す轟。
「お! あそこだな………」
目的の病室を見つけた轟だったが………
「急いで先生に連絡して!」
「ハイ!」
その病室から、慌てた様子の数人の看護師が飛び出し、方々に散って行く。
「! 何かあったんですか?」
洸に何か有ったのかと、病室前に残っていた看護師の元に駆け寄り尋ねる轟。
「患者さんが逃げ出したみたいなんです!」
「!?」
看護師にそう言われて、轟が洸の病室に入ると、もぬけの殻となっているのが確認出来た。
「ああ、もう! まだ安静にしてなきゃイケないのに! 一体何処に!?」
残っていた看護師もそう言い、その場を後にする。
「洸小父さん! 何処に………!」
主の居ない病室にベッドを見ながらそう呟いた轟だが、そこで何かに気付いた様に病室の窓辺に寄ると、下を見やる。
「ハアッ!!………ハアッ!!………」
そこには入院着のまま、逃げる様に病院から離れて行っている洸の姿が在った。
「洸小父さんっ!!」
轟は窓を開け放つと、そのまま飛び降りる!
「おわっ!?」
「キャアッ!?」
着地場所の近くに居た車椅子に乗った男性入院患者と、それを押していた看護師が驚きの声を挙げる。
「お騒がせして申し訳無い! 急いでるんで! 洸小父さん! 待って下さいっ!!」
轟はサッと謝罪を済ますと、洸を追って走り出すのだった。
◇
再び時間軸は現在………
神社の境内でミカと遭遇した切歌と調………
そして………
「超人?………」
「バロム・1?………」
バロム・1の姿を見ながら呟く切歌と調。
「何だか知らないけど! 邪魔するならお前からバラバラにしてやるゾ!!」
と、気を執り直したミカが、バロム・1に向かってカーボンロッドを次々に放つ!
「バロオオオオオォォォォォォォーーーーーーーームッ!!」
だが、バロム・1は繰り出されたカーボンロッドを拳で全て破壊する!
「何ぃっ!?」
「バロームフライッ!!!」
驚く半壊した鳥居の上に居るミカに向かって、バロム・1はバロムフライで跳躍!
そのまま両足蹴りを叩き込む!!
「!? ウワアッ!?」
真面に喰らったミカがブッ飛ばされ、地面に叩き付けられる!
「バロム爆弾パンチッ!!」
倒れているミカに向かって『バロム爆弾パンチ』を繰り出すバロム・1。
「!!」
咄嗟に地面の上を転がって避けるミカだったが、外れたバロム爆弾パンチは境内の石畳に穴を開ける!
「トオッ!! トオオッ!!」
「ウワアアアアアアッ!?」
バロム・1はそのまま連続でパンチを繰り出し、ミカは悲鳴を挙げながら地面を転がり続ける。
外れたバロム爆弾パンチで、石畳にドンドン穴が空いて行く。
「あっ!?」
と、転がっていたミカが境内に在った石灯篭にぶつかり、動きが止まる。
「おおおっ!!」
そのチャンスを逃さず、バロム・1は渾身のバロム爆弾パンチを喰らわせ様としたが………
クワワアアアアアアッ!!
そこで奇声と共に、身体にも顔持つ怪獣の様な出で立ちの不思議獣………『不思議獣ギルギル』が現れに、手にしてた刺股状の槍でバロム・1の首を挟んで来た!
「オウワッ!?」
クワワアアアアアアッ!!
バロム・1が怯むと、ギルギルはそのまま押して行き、ミカから引き離す!
「遅いぞっ! 何やってたんだゾ!!」
クワワアアアアアアッ!!
登場が遅かった事に苦情を付けるミカだが、ギルギルからは判別不能な奇声が返って来る。
「チッ! まあ、良いゾ………コレで漸くバラバラショーが始められるゾ!」
「「!!」」
ミカはそう言うと、切歌と調の方に向き直って獰猛な笑みを浮かべる。
「………調。あの時、如何して後先考えずに庇ったデスか?」
とそこで、ふと切歌が調に問う。
「! やっぱり、私を足で纏いと………」
「違うデス! 調が大好きだからデス!!」
「えっ!?///」
切歌からの予想外の言葉に、思わず赤面する調。
「大好きな調だから、傷だらけになる事が許せなかったんデス!」
「! じゃあ、私は………」
「私がそう思えるのは、あの時調に庇って貰えたからデス! 皆が私達を怒るのは、私達を大切に思ってくれているからなんデス!」
「私達を、大切に思ってくれる………優しい人達が」
調の脳裏に、響達やマリア、セレナ、そしてナスターシャに雷の姿が過る。
「………マム達が守ってくれたこの世界で、カッコ悪いまま終わりたくない!」
「なら………カッコ良くなるしかないデス!」
「自分のした事に向き合う強さを!」
そこで、切歌と調はお互いに見つめ居合い、頷き合う。
Zeios igalima raizen tron
Various shul shagana tron
聖詠を唱えてシンフォギアを纏ったかと思うと………
「「イグナイトモジュール! 抜剣っ!!(デス!!)」」
そのまま、覚悟を決めたイグナイトモジュールを起動させた!!
『『ダインスレイブッ!!』』
剣状に変形したギアコンバーターが、切歌と調の胸に突き刺さる!
「「! アアアアアァァァァァァッ!!」」
途端に2人の身体を黒いオーラが包み込み、苦悶の悲鳴が挙がる!
「天井知らずに高まる力ーっ!!」
とそこで、ミカにも変化が起きる!
身体を炎が包み込み、衣服が燃え尽き、髪も解けてロングヘアになったかと思うと、その身体が淡く発光する。
想い出の焼却効率を限界まで引き上げ、一時的に戦闘能力を増大させる『バーニングハート・メカニクス』だ。
だがそれは、自分自身でさえも燃え尽きさせてしまう捨て身の手段でもあった。
「ゴメンね………切ちゃん」
「良いデスよ………それよりも、皆に」
「そうだ………皆に謝らないと………その為に、強くなるんだ!!」
調の決意の声が響いた瞬間!!
黒いオーラがアーマーとなって2人の身体に装着され、イグナイトモジュールの発動が完了した!!
歌いながらミカに向かって更に大型化した鎌と巨大化させたヨーヨーを放つ切歌と調。
しかし、強化状態のミカは、切歌をアッサリと弾き飛ばすと、調の巨大ヨーヨーを受け止める。
「ヒャッハーーーーーーーーッ!!」
「あうっ!?」
そしてそのままヨーヨーをジャイアントスイングの様に放り投げ、糸で繋がっていた調が引っ張られ、地面に叩き付けられる。
「調!」
「最強のアタシには響かないぞっ!! もっと強く激しく歌うんだぞっ!!」
思わず調に視線を向けた切歌に、ミカはカーボンロッドを連射する!
切歌は大鎌を振ってカーボンロッドを破壊するが、その隙を衝いて接近したミカが、ワイヤーで繋がれた拳を至近距離で放つ。
「ガアアッ!?」
ブッ飛ばされた切歌が柵に激突すると、またもカーボンロッドが放たれ、切歌をその場に縫い付ける様に拘束する。
「ヒヒヒ!」
動けない切歌に右の掌を向けるミカ。
「向き合うんだ! でないと乗り越えられない!!」
そこで調が、ツインテール状のヘッドギアを合体させて十字に展開したかと思うと、多数の小型丸鋸を射出する。
「ヒヒッ!!」
ミカは発射を中止すると、髪を振り乱して丸鋸を破壊。
「ヒャッハーッ!!」
そして跳び上がり、上空に浮かんだかと思うと、指で頭上に円を描き、巨大な魔法陣を出現させたかと思うと、そこから巨大なカーボンロッドを次々に落下させる!
地面を走って逃げ回る切歌と調。
「闇雲に逃げてたらジリ貧だゾ!」
「知ってるデス!」
そこで、ミカが放った特大カーボンロッドを躱す為に跳躍する切歌。
それを好機と見たミカが背中から襲い掛かるが………
「!!」
切歌は地面に刺さっていた巨大カーボンロッドに鎌の刃を打ち込み、軌道を変えて回避した!
「!? ぞなもし!?」
躱されると思っていなかったミカはバランスを崩す。
そこで、切歌のシンフォギアのアーマーからワイヤーアンカーが伸びる。
伸びたワイヤーアンカーはミカを通り過ぎ、非常Σ式・禁月輪で疾走して来ていた調のギアと接続!
ミカを挟み込んだかと思うと、新たなワイヤーアンカーがミカに巻き付き、動きを止める。
切歌の方は何時の間にか断殺・邪刃ウォttKKKを繰り出しており、調の非常Σ式・禁月輪でミカをサンドイッチする積りだ!
禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS
「足りない出力を掛け合わせてっ!?………けど! まだだあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
遂にトドメかと思われたが、何とミカはバーニングハート・メカニクスの出力を更に挙げて、ワイヤーアンカーを融解させて脱出!
「「!?」」
「ハアアアアアアァァァァァァァッ!!」
驚いて技を中断した2人向かって、強力な火炎を放射するミカ!
「「!? ウワアアアアアアッ!?」」
黒いシンフォギアが更に黒い染まる程の熱力に悲鳴を挙げる切歌と調。
「まだ終われないゾ! 如何せなら思いっきり戦いたいゾ!!」
そう声を挙げるミカ自身の身体も、
「まだ………デス!」
「この程度じゃ………」
と、高温火炎を浴び続けながらも、切歌と調の闘志は衰えるどころか更に上がって行く。
その時!!
「トアアッ!!………! ボップが反応している!? あの2人の友情のエネルギーに!!」
ギルギルと戦っていたバロム・1が、ボップが切歌と調に反応している事に気付く。
『如何言う事だ、健太郎?』
『! そうか、猛! あの2人は
『! 成程、そうか!!』
バロム・1の中に在る猛と健太郎の意識が何を察した瞬間………
「正義のボップよ! あの2人の友情を! 今、正義の力に変えたまえっ!!」
バロム・1がそう叫び、ベルトからボップを抜くと、切歌と調の頭上に向かって放り投げた!
するとボップは空中で制止し、切歌と調に向かって眩い光の柱を伸ばした!
その光の柱に、切歌と調が包まれた瞬間………
ミカの高温火炎が弾け飛ぶ!!
「!? 何だゾ!?」
「! 調っ!!」
「! 切ちゃんっ!!」
ミカが驚く中、切歌と調は何をすれば良いのか、心で理解した!
「「シンフォギア・クロースッ!!」」
そして、猛と健太郎がバロム・1となった時の様に、掛け声と共に2人の両腕がクロスされる。
その時、奇跡が起こった!!
切歌と調の友情のエネルギーが、シンフォギアとシンクロし、それをボップが調律!
今、切歌と調は1人の超人………
否!!
『超神』として再誕した!!
その名も!!
「超神ザババ・1ーッ!!」
2人のシンフォギア………『イガリマ』と『シュルシャガナ』を携えていたとされる女神………
『ザババ』の名を冠した新たな正義のエージェント………
『超神ザババ・1』だ!!
「! 調っ!!」
「! 切ちゃん!」
「私達、1人なったデス!」
「うん、これなら負けない………」
ザババの中に存在する切歌と調の意思がそう言い合う。
「フンッ! 2人が1人なったら、益々勝てないゾ!!」
とそこで、ミカがそう言いながら、両手から高熱火炎をザババ・1に向かって放つ。
だが、ザババ・1には何の効果も無い!
「!? 何ぃっ!?」
ザババ・1の身体は、特殊な細胞で出来ており、如何なる熱・冷気・電流・毒・圧力にも耐えるのだ!!
「今度はコッチから行くわよっ!! トオオッ!!」
ザババ・1の意識がそう言うと、空中に居るミカに向かって跳躍!
するとその右腕が、鎌状の刃が連なったチェーンソーと化す!
「ザババソーッ!!」
「!!」
咄嗟にカーボンロッドを出して受け止めようとしたミカだったが、『ザババソー』の1撃はカーボンロッドごとミカの身体を斬り裂く!
「グアアアッ!?」
「ザバアアァァァーーーバアアァァァーーーーッ!!」
独特な掛け声と共に前方宙返りする様に踵落としをミカの脳天に叩き込むザババ・1。
「グガアァッ!?」
地面に叩き付けられ、派手に土煙を挙げるミカ。
そのミカから離れた位置に、ザババ・1は着地する。
「コノオォッ!!」
起き上がったミカが、ザババ・1に右の掌を向けると、次々にカーボンロッドを射出する。
「無駄よっ!!」
だが、ザババ・1はシュルシャガナの様に、足裏のローラで地面の上を疾走。
スケートの様な動きでカーボンロッドを躱しながら、再度ミカを肉薄!
「!?」
「ザバアアァァァーーーバアアァァァーーーーッ!!」
そのままミカの腹に蹴りを叩き込んだかと思うと、足裏のローラにまた鎌状の刃が出現し、ダメージを倍増させる!
「ガアアアアアアアアアアッ!?」
腹部がズタズタにされ、後方にぶっ飛ばされたミカが、遂に膝を着く。
「コレでトドメよ! ザババスラッーシュッ!!」
そこでザババ・1はフィニッシュに入る!
両手を挙げて跳躍したかと思うと、空中で縦方向に高速回転!
自らを巨大な鎌状の刃の連なった巨大丸鋸と化し、ミカに突っ込んだ!!
「!!」
ミカは躱せない!
だが、ザババ・1の必殺技『ザババスラッシュ』が決まる瞬間………
ミカは………
真っ二つなったミカの身体は爆発・四散。
「ザバアアァァァーーーバアアァァァーーーーッ!!」
ザババ・1はその爆発をバックに、叫びと共にポーズを決める。
そして、バロム・1とギルギルの戦いも決着が着こうとしていた。
「トオッ!! トオオッ!!」
クワワアアアアアアッ!?
バロム・1の連続パンチを喰らうギルギルが悲鳴の様な咆哮を挙げる。
クワワアアアアアアッ!!
だが、やられてばかりではいないと、バロム・1に向かって頭部の方の口から白いガスを吐き掛ける。
しかし、あらゆる劇薬に耐えるバロム・1には効果が無かった!
「バロームブレイクッ!!」
そのガスを強行突破しながら、バロム・1は身体中のカルシウムを肩の部分に一時的に集中させた後、突進して繰り出すショルダータックル………『バロムブレイク』を喰らわせる!
クワワアアアアアアッ!?
真面に喰らったギルギルの身体が、まるで車に衝突された人の様に錐揉みしながら宙に舞う。
「今だ! 必殺爆弾パンチッ!!」
そのギルギルに向かって跳躍し、決めの『必殺爆弾パンチ』を喰らわせるバロム・1。
クワワアアアアアアッ!?
断末魔の叫びと共に、ギルギルの身体は爆発四散した!
「バロオオオオオォォォォォォォーーーーーーーームッ!!」
着地を決めたバロム・1は、その爆発を見上げながら、ポーズを執って雄叫びを挙げる。
「バロム・1!」
とそこへ、ザババ・1が駆け寄って来る。
「ザババ・1………」
そして2人の正義のエージェントは、どちらからともなく手を差し出し合い、固く握手を交わした。
「「…………」」
只無言で握手をするバロム・1とザババ・1の姿を、夕陽が照らし、幻想的な光景を作り出すのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
脱走した洸は轟に任せて、切歌と調達の方はと言うと………
やはり不思議獣の妨害が入り、切歌と調がミカと戦う事に。
原作通りの流れから、イグナイトでの連帯技を決めようとしましたが、ミカが意地を見せて不発に。
しかしそこで奇跡が起こります!
切歌と調の友情のエネルギーに反応したバロム・1のボップが、2人を『超神ザババ・1』へと変えます!
バロム・1を登場させたのはコレが理由です。
装者組でも特に仲の良いこのコンビを合体ヒーローにしてみたいと前々から思っていまして。
2人のシンフォギアが同じ神の武器って言う設定も使えそうだったので。
尚、奇跡の合体なのでそう易々と再現は出来ません。
今後はイザと言う時に変身したりする感じになるかもです。
そして次回、響が大変な事に………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。