戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第27話『陽だまりの翳りは、銀色に掃われる』

チフォージュ・シャトー内………

 

大帝王クビライの間………

 

「…………」

 

パーカー姿の響が、広間の壁に背を預けて佇んでいる。

 

「立花 響」

 

と、その響にヘスラー指揮官が声を掛ける。

 

「………何?」

 

視線だけをヘスラー指揮官に向け、何処か気だるげに返事を返す響。

 

「キャロル・マールス・ディーンハイムがチフォージュ・シャトーの調整を終えるまでには今暫く時間が掛かる。それまで宇宙刑事と装者共の目を逸らして置く必要が有る。貴様にも協力して貰うぞ」

 

「何で私が………」

 

「既に世界分解の為の手筈は整っています。後はチフォージュ・シャトーの調整のみ………貴方の復讐の為にも協力した方が良いと思いますが?」

 

「…………」

 

自分には関係無いと言う態度の響だったが、続いて神官ポーがそう言って来ると、少し考える様な素振りを見せた後、壁から離れて、広間を後にする。

 

「フン、生意気な小娘め………」

 

「短気はいけませんよ、ヘスラー指揮官。彼女は宇宙刑事達と装者達にとって有効な手札となります」

 

響の態度に内心立腹していたヘスラー指揮官を、神官ポーが宥める。

 

「ヘスラーよ………」

 

「ハッ! 大帝王様!」

 

とそこで、クビライが声を掛けると、ヘスラー指揮官が即座に畏まる。

 

「此度の作戦は飽く迄時間稼ぎ………だが、可能であるならば、邪魔な宇宙刑事と装者共を一気に葬り去れ」

 

「お任せ下さい。ギャル軍団にも既に()()()は持たせてあります。加えて、性根の甘い宇宙刑事と装者共です。立花 響とは真面に戦えんでしょう」

 

響を対宇宙刑事達、そして装者達への盾代わりにする気満々なヘスラー指揮官。

 

仮に響の事を気にせずに向かって来たとしても、それはそれで邪魔者が片付けられて万々歳と言ったところだ。

 

「期待しておるぞ………」

 

そんなヘスラー指揮官に、クビライは目を怪しく輝かせてそう言い放つのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チフォージュ・シャトー内の通路………

 

(もうすぐ世界が分解される………それはつまり………この世界が終わって人間が滅びる)

 

靴音を響かせながら、通路内を歩く響。

 

その脳裏には、迫害を受けていた時の記憶が思い起こされている………

 

(こんな世界………あんな連中なんて………無くなって当然だ………私を受け入れなかった世界と連中なんて………)

 

響の心に更なる憎悪と怒りが黒く燃え上がって行く。

 

『響の手は、誰かを傷つける手じゃないよ!!』

 

「!? グウッ!?」

 

そこで不意に、未来の事が頭を過り、頭痛を覚えた響がフラつき、頭を押さえて立ち止まる。

 

グッ!………如何して?………アイツの事なんかが………」

 

大嫌いだと宣言した相手の事が浮かんだ事に、響が困惑していると………

 

『響ちゃん………』

 

「!? ウグッ!?」

 

次に過って来たのは轟の姿だった。

 

今の響は轟の事は何も覚えていない………

 

記憶喪失になった後、殆ど関わっていないと言える………

 

にも関わらず、その脳裏には自分に向かって優しく笑い掛ける轟の姿が過った。

 

(何で!?………あの男の方なんて………それこそ覚えていない筈なのに………)

 

そう響が思った瞬間………

 

今度は胸の辺りがズキリと痛んだ。

 

(! 今度は………胸が………)

 

『私達にとってお兄ちゃんみたいな幼馴染で、私達2人がその………す、好きな人だよ///

 

そこでまた、未来の言葉が甦る。

 

「好き?………私が………あの男の事を?………」

 

そう口に出した瞬間、また笑顔の轟の姿が脳裏を過る。

 

(!! そんなの関係無い!! 私は………世界に人間共に復讐してやるんだ!!)

 

響は、まるで轟の事を考えない様にする為に、迫害された記憶を自ら思い出し、憎悪と怒りの感情を高める。

 

「………オイ」

 

「!!」

 

と、背後から声を掛けられ、響が憎悪と怒りを露わにしている顔のままで振り返ると………

 

「…………」

 

そこには、憮然とした表情で佇んでいるキャロルの姿が在った。

 

「アンタ………」

 

「貴様………本当に俺の計画………世界を分解する事に協力する積りか………」

 

表情を仏頂面に戻した響が何か言おうとしたのを遮る様に、キャロルはそう問い質す。

 

「だったら何?」

 

「………良いのか?」

 

当然だと返す響に、キャロルは再度問い掛ける。

 

「しつこいわね。何? ()()()()()()()?」

 

「! そんなワケあるか! 世界を解剖し解析する事は、父親に託された命題だっ!!」

 

「じゃあやれば良いじゃない………こんな世界と人間なんて、無くなって当然でしょ」

 

「!!」

 

冷たくそう返す響にキャロルは驚きを露わにしたが、響の方は既に興味を無くした様に、キャロルに背を向け立ち去って行く。

 

「…………」

 

残されて立ちすくんでいたキャロルが、拳を握り締める。

 

(もうすぐ俺の悲願は達成される。その為に奴は十二分に利用出来る存在だ………なのに、何故だ? 何故俺は奴に()()()()()()()()と思っている!)

 

何故か響に元に戻って欲しいと心の何処かで思っている自分に戸惑うキャロル。

 

その脳裏には劾の顔が過る。

 

(! 陸街 劾!………)

 

そこで目を閉じて何かを考え込むかの様な素振りを見せる。

 

「………!」

 

やがて眼を開いたかと思うと、その表情には決意が見て取れた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.本部の潜水艦・発令所にて………

 

メインモニターに、深淵の竜宮に現れたエレクライトを纏った響の姿が映し出されている。

 

「まさか、響くんが………」

 

「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

弦十郎が信じられないと言う様に呟き、装者達と雷、劾も言葉が出ない。

 

(………響ちゃん)

 

その中で轟は、右手の中のバリオゼクターとの戦いで破損し、本部で修理作業されていた響のガングニールのギアペンダントを見詰める。

 

「轟………」

 

「轟さん………」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

そんな轟に、雷と劾、装者達は心配そうな表情を向けるが………

 

「心配するな。響ちゃんは必ず俺が助ける………必ずな

 

轟がギアペンダントを握り締め、覚悟の決まっている表情でそう返した。

 

「そう言やあ………未来の奴は大丈夫なのか? アイツが1番ショックを受けてる筈だろ?」

 

そこで、クリスが今度は未来への心配を漏らす。

 

「うん、弓美ちゃん達の話だと、かなり取り乱してそのまま気を失ったらしい。今は寮の自室で休ませてるらしいが………」

 

と、轟がそう話していると、彼の通信機が鳴った。

 

「っと、ちょっとゴメンよ………十城士だ。ああ、弓美ちゃんか」

 

通話先の相手は弓美だった。

 

彼女やその友達である詩織・創世・小里はコレまで何度も宇宙犯罪組織と不運なエンカウントをしており、心配した轟が個人的に緊急連絡用の端末を与えていたのだ。

 

『轟さん! 未来が!! 未来が大変なの!!』

 

「!? 未来ちゃんが如何したんだ!?」

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

弓美の慌てた声に、轟が思わず声を張り上げ、未来の名が出た事に装者達と宇宙刑事達も反応する。

 

『その、何て言って良いか………兎に角! 大変なの!? すぐに寮に来てっ!! 私達じゃ如何しようもないよ!!』

 

「分かった、すぐに行く!」

 

相当焦っているのか、或いは戸惑っているのか、弓美は満足に説明出来ず、止むを得ず轟は現場であるリィデアンの学生寮に向かう事にする。

 

「弦さん、すまない!」

 

「司令! 私達も!」

 

轟が弦十郎にそう言うと、事が事だけに心配な装者達も同行したいと言う気持ちを露わにする。

 

「………許可する。行って来い」

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

そんな一同の心中を察した弦十郎は許可を降ろし、一同はリィデアンの学生寮へと向かおうとする。

 

すると………

 

「あの………僕も連れてって下さい!」

 

発令所に居たエルフナインがそう言って来た。

 

「分かった! 行こうっ!!」

 

「ハイ!」

 

エルフナインも未来の事が心配なのだと思い、深く考えずに同行させる轟。

 

しかし、それは意外な事実を明らかにさせる事となるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫しの後………

 

大急ぎでリィデアンの学生寮・響と未来の部屋の前に、轟を先頭に宇宙刑事達と装者達が押し掛ける。

 

「あ! 轟さん!!」

 

「十城士様!」

 

「ジョージさん!」

 

部屋の前で待っていた弓美・詩織・創世が声を挙げる。

 

因みに、創世の言っている『ジョージ』とは、彼女が付けた轟の渾名である(十城士から来ているらしい)。

 

「皆! 未来ちゃんに何があったんだ?」

 

「いや~、何でしゃべったっきゃいのが………」

 

轟が尋ねるが、小里から要領を得ない言葉が返って来る。

 

すると………

 

不意に、響と未来の部屋の扉が開いたかと思うと………

 

「アレ? 皆如何したの? 大勢で?」

 

中から至って平然とした様子な未来が姿を見せた。

 

「! 未来ちゃんっ!?」

 

「お前っ!? 大丈夫なのかよ!?」

 

思わず轟とクリスが声を挙げるが………

 

「? 大丈夫って………何が?」

 

未来は何を言っているのか分からないと言った様にコテンと首を捻る。

 

特段に変わった様子も、無理をしている様にも感じられない………

 

(オイ、別に大丈夫そうに見えるぞ?)

 

(立花がフーマの仲間となってしまった場に居合わせたにしては平然とし過ぎていると思うが………)

 

そんな未来の様子を見て、奏と翼が小声で弓美達にそう言う。

 

「「「「…………」」」」

 

すると弓美・詩織・創世・小里はトンでもないと言う様にブンブンと首を横に振る。

 

そしてそれは、次の未来の発言で判明する………

 

「『響』~! 皆が来てくれたよ~!」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

未来がそう言いながら再度部屋の中へと入って行った事で、宇宙刑事達と装者達は戸惑いの表情から困惑の表情となる。

 

「如何言う事?………」

 

「響さんはまだフーマの元に居る筈です………」

 

ワケが分からないと言うイヴ姉妹。

 

「まさか! 記憶が戻って帰って来たデスか!?」

 

「そんな、まさか………」

 

切歌の推察を否定しようとしたが、無くは無い可能性であると思い直し、言葉に詰まる調。

 

「もう、響ったら~」

 

「! 未来ちゃん! 入るぞ!」

 

と、再度部屋の中から未来の響を呼ぶ声が聞こえ、我慢出来なくなった様に、轟が部屋の中へ踏み込む。

 

それに続く様に雷と劾、そして装者達も踏み込む。

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

そして踏み込んだ一同が見たのは、衝撃的な光景だった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハ、響ったら食いしん坊なんだから~」

 

未来が響と呼んでいるのは………

 

料理が並んだテーブルに付いている椅子の上に座らされている響を模していると思われる大き目な手作りの………

 

『ヌイグルミ』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう~、響~。轟お兄ちゃんも来てくれてるんだよ? ごはんは一旦後にしよう、ね?」

 

そのヌイグルミに向かって話しかけている未来。

 

まるでそれが()()()()()()()()()()()………

 

「「「…………」」」

 

衝撃的な光景に、翼・奏・クリスは愕然とし、言葉を失っている。

 

「し、調~! 怖いデス~!」

 

「き、切ちゃん………」

 

切歌と調は互いに抱き合って震え、未来への恐怖を露わにしている。

 

「心を閉ざして、現実を拒否してしまっているんだわ………」

 

「………正直、見ていられません」

 

マリアはそう分析し、セレナは痛々しい未来の姿から視線を反らす。

 

「目を覚ましてからずっとあの調子なの………」

 

「私達も何度も指摘したのですが………」

 

「完全にあのヌイグルミをビッキーだと思い込んでるんだ………」

 

「もうおっかねぐでしょうがね………」

 

弓美・詩織・創世・小里がそう説明する。

 

「コレは流石に………」

 

「如何すれば良いんでしょう?………」

 

そして雷と劾は、今の未来に対し手の施しようが無いとさえ考え始める。

 

未来は響を太陽だと例えていた………

 

それ程までに、未来の中で響の存在は大きかった。

 

その響に拒絶・嫌悪された今………

 

未来の心はその現実を受け入れられず、完全なる逃避に走っていた………

 

そうしなければ、彼女の心が壊れてしまうから………

 

今この場に居る者で、未来を如何にか出来る者は居ない………

 

「…………」

 

いや、只1人だけ居た!

 

そう………

 

未来、そして響にとっても掛け替えの無い存在である………

 

轟だ!!

 

ズカズカと部屋の中へ上がり込むと、椅子に座らされていた響を模したヌイグルミの首根っこを左手で掴んでヒョイと持ち上げる。

 

「!? 轟お兄ちゃん!? 何するのっ!?」

 

「良く見ろ! コレは響ちゃんじゃない! 只のヌイグルミだ!!」

 

声を張り上げる未来だったが、それを掻き消す様に轟の大声と真正面からの指摘が響き渡る。

 

「何を言ってるの!? 響を放して!!」

 

「馬鹿野郎っ!!」

 

尚も現実を受け入れなかった未来に対し、轟はその頬を引っ叩く。

 

「! あうっ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

修羅場とも取れる光景に、その場に居る一同は唖然となる。

 

「こんな事したって現実は変わらないぞ! 響ちゃんはまだ記憶の大半を失ってて今フーマに居るんだ!」

 

「………分かってるよ、そんな事」

 

と、轟がそう言い放って居ると、叩かれた頬を押さえて蹲っていた未来がボソリとそう漏らす。

 

「そんな事分かってるよ!! じゃあ如何したら良いの!? もう私には何も出来ないんだよ!! 如何したらの良いのか教えてよ!!」

 

その次の瞬間には、轟へと掴み掛かり、両手でシャツの襟首を掴んで揺さ振る(体格差等で殆ど揺さ振れていないが)

 

「未来………」

 

「小日向さん………」

 

「ヒナ………」

 

「未来さん………」

 

未来の悲痛な叫びに、弓美・詩織・創世・小里は居たたまれない表情になる。

 

「俺が何とかしてやるよ!!」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

だが、轟が宣言するかの様にそう声を挙げると、未来を含めた一同は驚きを露わにする。

 

「だから未来ちゃんは言えば良い………俺に『何とかしてくれ』ってな」

 

未来の事を見据えながら轟はそう言葉を続ける。

 

「…………」

 

呆気を取られた様な表情となっていた未来だったが、やがて轟のシャツの襟首を掴んだまま俯き、頭を胸に押し当てたかと思うと、小刻みに震え始める。

 

「………お願い…………轟お兄ちゃん………響を………響を助けて………」

 

涙を流しながら、懇願の様にそう呟く未来。

 

「………任せろ」

 

それに対し、轟は静かに、しかし力強くそう答えながら、震える未来を抱き締めてやるのだった。

 

「でも、轟さん。如何やって響さんをフーマから助け出すんですか?」

 

そこで遠慮しながら劾が轟に尋ねる。

 

「連中に取って俺達宇宙刑事は最も消したい邪魔者だ。それに対する切り札を手に入れたなら、俺達がうろついていれば必ず仕掛けて来る筈だ」

 

「行き当たりばったりかよかよ。まあ、他に手も無いが………」

 

轟の言葉に、雷が呆れながらもそれしか手がないかと思った瞬間………

 

「『死神谷』にフーマの秘密基地が在る。今、立花 響はフーマの幹部達と共にそこに居る」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

そんな発言が挙がり、一同の視線がその発言の主………

 

『エルフナイン』へと集まる。

 

「エルフナイン………」

 

「何でお前がそんな事を?」

 

翼と奏が困惑したまま問い質す。

 

「! えっ? あっ!? ぼ、僕は今何を?………」

 

しかし、当のエルフナインも、何故そんな事を言ったのか分からない様子だ。

 

すると………

 

エルフナインの身体から青白い光が抜け出したかと思うと、それが半透明なキャロルの姿となった!

 

「!? キャロルちゃん!?」

 

「コレは!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

その光景に劾を筆頭に驚きを露わにする一同。

 

「キャ、キャロル!? 如何して?………」

 

「成程………エルフナインちゃんの感覚をジャックして此方の状況をスパイしてたのか。恐らく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()な………」

 

エルフナインも困惑していると、轟はすぐにそのカラクリを理解して見せる。

 

「そ、そんな!? 僕がスパイにされていたなんて………」

 

「だが………何故このタイミングでネタバラシをした? しかも、態々自分達の情報を明かして?」

 

利用されていた事を知ったエルフナインが震え出すが、そこで雷がそう疑問を呈する。

 

「ハッ! どうせ罠にでも嵌めようって魂胆だろ!」

 

『………信じるか信じないかはお前達次第だ』

 

クリスが罵倒する様にそう言い放つが、幻影のキャロルは淡々と返すだけだった。

 

「僕は信じますよ」

 

だがそこで、劾がいの1番にそう言い放つ。

 

『陸街 劾………』

 

「劾。しかし………」

 

「キャロルちゃんは嘘は言ってません。僕には分かります」

 

翼が信じ切れていない様子を見せるが、そんな翼に劾は真っ直ぐにそう言い放つ。

 

『………精々足掻くが良いさ』

 

最後にそう言い放つと、キャロルの幻影は消える。

 

「皆さん………僕は………」

 

「エルフナインちゃん………」

 

ショックを受けているエルフナインの頭に、劾が手を置き、優しく撫でる。

 

「あ………」

 

「今の事は後で皆さんで一緒に考えましょう。だから此処で僕達の帰りを待っていて下さい」

 

「! ハイッ!!」

 

安心させる笑みを浮かべた劾を見て、エルフナインの心は晴れやかとなり、笑顔を浮かべて返事を返した。

 

「じゃあ、行って来るぜ、未来ちゃん」

 

そこで轟が未来を離し、1番に駆け出すと、他の宇宙刑事達と装者達もその後に続いた。

 

「十城士さん………」

 

「「「「…………」」」」

 

それを見送る弓美・詩織・創世・小里・エルフナイン。

 

「轟お兄ちゃん………」

 

そして未来は、祈る様に両手を胸の前で組むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

フーマの元に居る響は、幹部達と共にチフォージュ・シャトーの調整が完了するまでの時間稼ぎに駆り出されます。
そんな響に何か思う所の在る様子を見せるキャロル。

一方、響に拒絶された未来は………
完全に現実を逃避していた。
今回の未来の状態は、ジェットマンでリエがバイラムの幹部マリアである事を知り、イマジナリーリエを生み出してしまった天堂 竜や、ドンブラザースで人形を妻・みほだと思い込んでいた雉野 つよしと同じ状態です。
奇しくも、どちらも脚本家が井上 敏樹と言う………

そんな未来の目を覚まさせたのは轟。
響は自分が必ず取り戻すと宣言し、未来を正気に戻します。
そしてそこへ………
何と、エルフナインを通じてキャロルが響の居場所を教えてくれました。
原作では嫌がらせ的に暴露したエルフナインを使ってのスパイ行為でしたが、この作品ではまるで宇宙刑事達と装者達を手助けするかの様に暴露してくれました。
如何やら、多少なりの心境の変化が有った様子で………

次回、遂に轟達と響が激突!
フーマの幹部勢も入り乱れて、大乱戦となります。

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