戦姫絶唱シンフォギア 装者と鋼の勇者達   作:宇宙刑事ブルーノア

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第34話『炸裂! ビッググランドファイヤー!!』

都庁前の広場………

 

「馬鹿なっ!? 何時の間にチフォージュ・シャトーに細工をっ!? 直前まで調整していた俺が見逃す筈が………」

 

「我々フーマの力を持ってすれば、貴方の目を欺くなど造作も無い事です」

 

「なっ!?」

 

何時の間にチフォージュ・シャトーに細工を施したんだと驚愕するキャロルに神官ポーがシレッとそう言い放ち、思わず絶句する。

 

「クビライ! 『地球フーマ化計画』とは何ですかっ!?」

 

チフォージュ・シャトーと一体化している大帝王クビライに向かって、シャイダーが問い質す。

 

「フフフフ、新たなる宇宙刑事シャイダー………冥途の土産に教えてやろう。地球フーマ化計画とは、文字通り、地球そのものをフーマ………即ち()()()とする事だ」

 

「!? 貴様が地球そのものになるだと!?」

 

大帝王クビライがそう言い放つと、ギャバンが驚愕の声を挙げる。

 

「チフォージュ・シャトーによって世界が分解された後、大帝王クビライ様の力により再構成を行います。その際に、大帝王クビライ様の意思を人間のみならず、全ての動植物………いえ、地球そのものに植え付けます」

 

「イカれてやがる………」

 

神官ポーが説明するとんでもない規模かつ内容の計画に、クリスが思わず漏らす。

 

「幾ら貴様と言えど、そんな事が出来ると思っているのか!?」

 

シャリバンが、例えチフォージュ・シャトーの力を使ったとしても、如何に大帝王クビライと言えどそんな事が本当に出来るワケが無いと叫ぶが………

 

「確かに、儂だけではこの計画を実行するのには少々力不足であった………」

 

「ですが、それを行う事が出来る良い方法を示してくれました………感謝しますよ、キャロル・マールス・ディーンハイム」

 

「!? 何だとっ!?」

 

と、その事をクビライが認めたかと思うと、神官ポーがそう言い放ち、またもキャロルは驚愕する。

 

「貴方がオートスコアラー達を装者達に倒させ、そのエネルギーを回収すると言う手段は実に妙案でした」

 

「!? まさかっ!? ヘスラー指揮官やギャル軍団達がっ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

響を取り戻しに行った戦いで、ヘスラー指揮官とギャル軍団達を倒した事を思い出し、宇宙刑事達と装者達はハッとする。

 

「その通りです。ヘスラー指揮官やギャル軍団は貴方達に敗れましたが、その際に受けたエネルギー、そして貴方方への恨みと憎しみのエネルギーを残し、それを大帝王クビライ様が吸収されたのです」

 

「お陰で儂の力は大幅に膨れ上がった。故に、地球フーマ化計画を実行出来ると言うワケだ」

 

神官ポーがそう説明すると、クビライはまるで勝利宣言であるかの様に言い放つ。

 

「! ふざけるなあああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

とそこで、キャロルが激高した様子でクビライの顔が浮かんでいるチフォージュ・シャトーへと飛ぶ。

 

「「! キャロルちゃんっ!!」」

 

「俺の計画を! 父から託された命題を! そんな事にいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」

 

シャイダーと響が思わず声を挙げるが、キャロルは聞こえていない様子で、漸く達成しようとしていた悲願を横から掠め取られた挙句、利用されていた事に逆上して、怒りのままにクビライの目の前まで飛んだかと思うと、最大級の錬金術を放った!

 

キャロルが放った渾身の錬金術が、チフォージュ・シャトーと一体化しているクビライに直撃する。

 

だが………

 

「こそばゆいわ………」

 

クビライは全くの無傷であり、効果は無い。

 

「!? 馬鹿なっ!?」

 

「あの絶唱級の威力の攻撃がまるで聞いていないっ!?」

 

「今のクビライは幹部達から受け取ったエネルギーに加えて、チフォージュ・シャトーの世界分解のエネルギーまで蓄えられている………」

 

『恐らく………反応兵器を撃ち込んだところで効果は無いでしょう』

 

キャロルだけでなく、翼も驚愕し、マリアの推察に、本部の朔也からは絶望が混じった声でそう通信が送られて来る。

 

「クソがっ!!」

 

「キャロル・マールス・ディーンハイム………今更貴方如き、相手にするまでもありません」

 

「! 何だとっ!?」

 

「貴方には相応しい相手を用意してあげましょう………」

 

と、神官ポーがそう言って杖を掲げたかと思うと、そこから4つの青、黄、赤、緑の光球が飛び出し、キャロルの前に浮かんだかと思うと、光が弾け、中身が露わになった。

 

「!? なっ!? お、お前達は!?………」

 

キャロルがまた驚愕を露わにする。

 

光球の中から現れたのは………

 

オートスコアラー達のガリィ、レイラ、ミカ、ファラだった!

 

全員が半壊状態であり、如何やら撃破されたのを回収していた様だ。

 

「海よ………母なる不思議の海よ………不思議獣の生を、育みたまえ」

 

そこで、神官ポーが不思議獣を誕生させる際の台詞を言い放ったかと思うと………

 

不思議の海………赤い液体が滝の様に半壊しているオートスコアラー達に浴びせられた!

 

やがて、赤い液体が降り注ぎ終わったかと思うと………

 

そこには、オートスコアラー達と代わる様に、4つの不思議獣の玉子が並んでいた!

 

玉子の殻に罅が入り、砕け散ったかと思うと………

 

ギエエエエエエェェェェェェェーーーーーーーーッ!!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

シャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

キヨオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!

 

ワニの様な怪人となったガリィ、ドラゴンの様な怪人となったレイラ、ムカデの様な怪人となったミカ、エビの様な怪人となったファラの姿が露わになった。

 

「なっ、なあっ!?」

 

オートスコアラー達が醜い化け物と化した事に、流石のキャロルも動揺する。

 

「不思議獣『ワニワニ』………『ドラドラ』………『ムカムカ』………『エビエビ』………キャロル・マールス・ディーンハイムを倒しなさい」

 

ギエエエエエエェェェェェェェーーーーーーーーッ!!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

シャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

キヨオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!

 

神官ポーが号令を掛けると、怪人と化したオートスコアラー達………『不思議獣ワニワニ』、『不思議獣ドラドラ』、『不思議獣ムカムカ』、『不思議獣エビエビ』がキャロルに襲い掛かる!

 

「クッ! こんな事で、俺が躊躇するとでも思ったかぁっ!!」

 

一瞬怯みながらも、キャロルは向かって来る元オートスコアラー達に向かって黄金の竜巻を放つ。

 

黄金の竜巻に飲み込まれる元オートスコアラー達。

 

ギエエエエエエェェェェェェェーーーーーーーーッ!!

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

シャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

キヨオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!

 

だが、次の瞬間には竜巻を突き破って飛び出して来る。

 

「!? 何っ!?」

 

シャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!

 

驚いて動きの止まったキャロルの腹に、ムカムカが右手に形成したカーボンロッドのグローブを叩き込む!!

 

「ガハッ!?」

 

クエエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!!

 

吐血する程のダメージを受けたキャロルに向かって、ドラドラが口から火炎を吐き掛ける!

 

「! グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

ファウストローブが燃える程の高温の火炎に、キャロルは悲鳴を挙げる。

 

キヨオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!

 

更に続けて、身体を丸めてタイヤの様になったエビエビが高速回転しながら体当たりを喰らわせる!!

 

「ゴハッ!?」

 

立て続けの攻撃に、キャロルは飛行を維持出来ず、落下を始める。

 

ギエエエエエエェェェェェェェーーーーーーーーッ!!

 

だが、駄目押しとばかりに落下地点で待ち受けていたワニワニが、その巨大な顎でキャロルの身体を挟み込む!!

 

「!? ガアアアアアアアアアアッ!?」

 

そして流れた高圧電流により、とうとうキャロルはグッタリとなる。

 

「キャロルちゃんっ!!」

 

「元オートスコアラー達を怪人にした挙句、主と戦わせるなんて………」

 

「何て残酷なっ!!」

 

響の悲鳴の様な声を挙がり、奏とセレナがフーマの陰湿なやり口に憤りを露わにする。

 

「…………」

 

その光景にシャイダーは、身体を小刻みに震わせ、拳を骨が軋む音がするまでに握り締めている。

 

とそこで、キャロルを加え込んだままワニワニを含めた不思議獣オートスコアラー達が神官ポーの元へと戻る。

 

「キャロル・マールス・ディーンハイム、今までフーマの為に良く働いてくれました。感謝致します」

 

「き………さ………ま………」

 

慇懃無礼な態度の神官ポーを、キャロルは息も絶え絶えながら睨み付けるが、最早指一本動かす事も出来ない。

 

とそこで、大帝王クビライと一体化しているチフォージュ・シャトーから放たれていたエネルギーが輝きを増す!

 

「! 拙いデスッ!!」

 

「世界が………地球がフーマの物になってしまう!」

 

「でも! クビライに私達の攻撃は通じない………如何すればっ!?」

 

切歌・調・未来から悲鳴の様な声が挙がる。

 

「フアハハハハハハッ! 今度こそ我等の勝利だっ!!」

 

高笑いと共に勝ち誇るクビライ。

 

絶体絶命かと思われた………

 

その時!!

 

「『ビッググランドファイヤー』です!!」

 

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」

 

シャイダーがそう叫び、装者達が反射的にシャイダーへと視線を集める。

 

「ビッググランドファイヤーだとっ!?」

 

「しかし、アレはまだ構想段階で、訓練どころか、シミュレーションすらしていないんだぞっ!!」

 

『ビッググランドファイヤー』について知っているギャバンとシャリバンが、シャイダーにそう返す。

 

「轟兄! ビッググランドファイヤーってっ!?」

 

「何の話っ!?」

 

「雷っ! 一体何なのっ!?」

 

響と未来がギャバン、マリアがシャリバンに問い質すが………

 

「ゴチャゴチャ言っている暇は有りません! 地球と人類の命運が掛かっているんです! やるしかないでしょうっ!!」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

口調こそ丁寧さを残しているが、聞いた事も無い様な怒鳴り声を挙げたシャイダーに、装者達はビクリと震える。

 

「ヤベェ………劾の奴、ブチキレてやがる」

 

「普段心優しくて穏やかな分、一旦怒りが振り切ると俺達の中で1番恐ろしいからな………」

 

と、同期として付き合いの長いギャバンとシャリバンは、内心で冷や汗を流しながら、そう言い合う。

 

「だが、確かにこの状況で四の五の言ってはいられんか………」

 

「シャイダーの言う通り、このままでは地球と人類は終わりだ………ぶっつけ本番だが、賭けるしかないな」

 

しかし、すぐに気を取り直し、チフォージュ・シャトーと一体化しているクビライへと向き直った。

 

「? 何をする積りです?」

 

神官ポーがそう言った瞬間………

 

「電子星獣ドルウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーッ!!」

 

「グランドバースッ!!」

 

「バビロースッ!!」

 

ギャバン・シャリバン・シャイダーはポーズを執って空に向かって叫び、超次元高速機ドルギラン、超次元戦闘母艦グランドバース、超次元戦闘母艦バビロスを召喚する!

 

ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!

 

「チュウッ!!」

 

ドルユニットから変形した電子星獣ドルの頭の上に飛び乗るギャバン。

 

「バトルバース! フォーメーションッ!!」

 

グランドバースに乗り込んだシャリバンも、バトルバース・フォーメーションに変形する。

 

「バビロスの切り札を見せてあげます! シューティングフォーメーションッ!!」

 

そして、バビロスに乗り込んだシャイダーがそう叫ぶと、バビロスが変形を開始!

 

主翼が下部に折り畳まれると同時に下部からトリガーが出て来て、グリップが出来上がる。

 

そして機首が上部の方へと折り畳まれる様に変形したかと思うと、2門の巨大な砲門が出現。

 

バビロス自体が巨大な銃の様になった形態………『シューティングフォーメーション』が完成した!

 

「!? 人型じゃないっ!?」

 

「デケェ銃だとっ!?」

 

シューティングフォーメーションとなったバビロスに反応する響とクリス。

 

とそこで、バトルバース・フォーメーションのグランドバースが、シューティングフォーメーションのバビロスを両腕で挟み込む様にドッキング。

 

合体戦闘形態『バトルバース&シューティングフォーメーション』となる!

 

その隣に頭部にギャバンが乗った電子星獣ドルが並ぶ。

 

「ドルファイヤーッ!!」

 

「プラズマカノンッ!!」

 

「ビックマグナムッ!!」

 

電子星獣ドルの『ドルファイヤー』、グランドバースの『プラズマカノン』、そしてバビロスの超次元波動砲『ビッグマグナム』が一斉に放たれる!!

 

放たれたドルファイヤー、プラズマカノン、ビッグマグナムが螺旋を描く様に1つの巨大なエネルギーの奔流となり、チフォージュ・シャトーと一体化しているクビライへと向かう!

 

「「「ビッググランドファイヤーッ!!」」」

 

「!? グオオオオオオオォォォォォォォォッ!?」

 

ギャバン・シャリバン・シャイダーの声と共にフォーメーション攻撃………『ビッググランドファイヤー』はチフォージュ・シャトーと一体化しているクビライに直撃!!

 

反応兵器すら通じないと言われたクビライが苦悶の悲鳴を挙げる!

 

「!? 大帝王様っ!!」

 

神官ポーが初めて感情を露わに狼狽した様子を見せた瞬間………

 

「「「行けええええええぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」」」

 

またもギャバン・シャリバン・シャイダーの声が重なり、電子星獣ドル・グランドバース・バビロスの出力が最大まで上げられる!!

 

「ヌアアアアアアッ!!」

 

クビライから更に苦悶の声が挙がった瞬間………

 

チフォージュ・シャトーは大爆発に飲み込まれた!!

 

それと同時にエネルギーも止まり、地球上を走っていた光のラインも消える………

 

『エネルギー、消滅っ!!』

 

『やりました! 世界の分解は阻止された模様ですっ!!』

 

「! よっしゃあっ!!」

 

本部のあおいと朔也からの報告に、奏が思わずガッツポーズを執る。

 

他の装者達も多かれ少なかれ安堵の表情を浮かべる中………

 

大爆発の爆炎の中から………

 

半分以上が吹き飛んだチフォージュ・シャトーが落ちて来て………

 

そのまま都庁へと突き刺さるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

クビライから語られた地球フーマ化計画の概要………
予想されている方も居ましたが、世界を分解した後に再構成し、その際にクビライの意思を全ての動植物に植え付け、地球そのものをクビライ………フーマの物にする事でした。
錬金術が分解だけでなく再構成も出来るって設定と、『ガン×ソード』のラスボス『カギ爪の男』の『幸せの時』計画を参考にしました。
如何見てもあの計画は悪の組織がやりそうな事だったので………

利用されていたキャロルは激昂してクビライに襲い掛かりますが、全く歯が立たず………
逆に神官ポーによって不思議獣にされてしまったオートスコアラー達の攻撃で瀕死となってしまいます。
オートスコアラー達の怪人体のモチーフはラッキークローバー………ではなく、更にその元ネタである『キカイダー01』の『ハカイダー4人衆』の怪人体が元ネタとなります。
元部下達の手でキャロルを叩く………
何とも残虐であくどい手です。

いよいよ世界分解が迫り、絶体絶命化と思われましたが………
ここで宇宙刑事達の切り札………『ビッググランドファイヤー』が炸裂しました!
3人の宇宙刑事が揃ったので、是非やりたかったので。
半分吹き飛ばされたクビライですが、当然このままでは終わりません。
いよいよ直不思議獣オートスコアラー達も含めて直接対決となります。

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