操作する人をプレイヤー
操作される人をキャラクター
と呼ぶことにいたしました。
僕たちは今ゲームセンターで金髪の男に絡まれていた。
昨日の対戦相手のプレイヤーであるこの男。どうやら名前は
状況が掴めずいたが、渋谷さんの提案でとりあえず下の階にあるアイスクリーム屋に行くことになった。
店に入ったからには注文する必要があるので僕は迷わずポッピングシャワーを頼む。渋谷さんはキャラメルリボン、金髪はロッキーロードを頼んだようだ。
一段落着いたところで本題に入る。
「それでどういうことですか。助けて欲しいって」
「年上だが敬語はいらない。それで、助けての意味なんだけど、、、」
神妙な顔で口を開く金髪。真相が語られるその時だった。
「その話、私からさせてください!」
な、なんだ〜?
渋谷さんより一回り小さい女の子がそう言いながら現れた。手にはベリーベリーストロベリーを抱えている。
「ユウちゃん! ダメじゃないか。最初は念の為にお兄ちゃんが話すって言っただろ」
「うん。でもやっぱり自分の口で言わせて欲しいの。わたし自身のことだから」
突然の乱入だが立ったままではお店に迷惑なので金髪の隣に座らせた。
「それで、貴方は昨日のゲームのキャラクターの方だったよね。名前は?」
渋谷さんが微笑みながら問いかけた。どんな時でも優しさある女性、素敵だ。どれだけ理想的なのだろう。
「この超絶可愛い女の子は俺の妹の港ユウ」
ん、なんだこいつ。今自分の妹に超絶可愛いとか言ったか? 僕は兄弟がいないから分からないが仲がいいとこうなるのか?
「妹のユウです。私ある日突然あのゲームに転移させられて、今はお兄ちゃんに助けてもらってるんです」
「そう! つまり俺たちはラブラブ兄弟ってわけなっぐほ!」
「バカいわないでよね! もう」
強めの肘打ちが金髪に決まった
分かった。確かにこいつらは仲がいいのだろう。けどそれ以上に兄が妹に偏ってる。つまりあれだ。こいつはシスコンなのだ。
「結局何を助けて欲しいわけ」
話がなかなか進まずイライラしてきた。あと他人がイチャイチャしてるのもちょっと腹立つ。
「えっとまずはこれを見てくれ」
金髪がそう言いながらコンパクトを取り出した。これは渋谷さんも持っているドレスタのコンパクトだ。だが少し見た目が違っていた。下に3つある宝玉のうちの1つが光を失っている。それにハートにもヒビが入っていた。
「ふーん。残りライフが2つになったってことか」
「そうなんだ。俺たち今まで2回転移させられてるんだけど負けたのは昨日が初なんだ」
なるほど。これは凄い有益な情報だ。そしてそれと共に今置かれている現状のマズさがわかった。
「どういうこと。秋葉くん」
ああ、渋谷さんはさっきの試合レベルの低いCPUと戦わせたから完勝していたんだった。そりゃわかんないに決まってる。
でもこの事実は渋谷さんに負担をかけるだろうな。色んな意味で
「ドレスタはこの3つの宝玉がライフとなっているんだ。つまり3回負ければ復活しないということ。そして、、、これは恐らく僕たちには死を意味する」
僕の説明を聞いた渋谷さんは青白い顔をしていたがそれでも言わなければならないとなんとか言葉を口にする。
「そ、それじゃあユウちゃんのライフは、、、私のせいで、、、」
「大丈夫だよ。あの状況じゃどうしようもないし、立場が逆だった可能性すらあるから」
このユウとかいう女、なかなか優しいじゃないか。警戒していたけどちょっと見直した。この2人悪い奴では無さそうだ。
「それでね。声をかけたのは同盟を組んで欲しいからなの」
「同盟?」
「うん。お互いに情報を共有しあったりするの。死にたくないのはどっちも同じでしょ」
同盟か。悪くない話ではある。まだ何もわかっていない現状では仲間は多いにこしたことがない。しかし僕1人で決めるべきではなかろう。
「僕は同盟を組んでもいいと思う。渋谷さんはどう?」
「秋葉くんがいいならそれで大丈夫だよ」
「それじゃあ同盟を組むということでいいかな」
「いや、2つ言いたいことがある」
渋谷さんがいいのなら同盟は組むということでいいだろう。ただ線引きは大切だ。同盟であることを理由にあれやこれやされては困るからな。
「まず同盟はあくまで他人よりは優先して助け合うというだけで最優先は自分達であること。そして最低限使えるようになってもらうこと」
「1つ目はわかったけど2つ目はどういうことだ?」
「せっかく同盟を組んだのにすぐに死なれては困るからね。正直いって勇の実力は低い。このまま戦えばすぐに2連敗すると思う」
これは紛れもない事実だ。金髪の実力はドレスタプレイヤーの中では中の下ぐらい。力不足過ぎて正直足でまといだ。
そもそも僕はこいつらが死んでも特に問題ない。目覚めは悪いが渋谷さんの身の安全に比べれば屁でもない。
けど渋谷さんは悲しむ。そして自分に責任を感じるだろう。彼らの3つライフのうち1つは僕達が潰したのだから。つまりこのままこいつらに死なれると渋谷さんの精神衛生上良くない。
「勇、お前にはこれから毎週土曜日にゲーセンに来て僕とドレスタをしてもらう」
「わかった。寧ろこっちから頼むべきなのにありがとう。秋葉は優しいな」
別にこいつらのためにやってやる訳では無いが勘違いしているならそのままでいいか。本心をいって空気が悪くなるよりはマシだろう。
とりあえずまだドレスタについての情報が無いか聞くべきだ。
そう思っているとテレパシーで感じたかのように妹のほうが話し始めた。
「じゃあまずはコンパクトを出して貰える」
渋谷さんが僕に視線を送ってきたので頷く。
「ここを押すとドレスタ内のステータスが表示されるの。使ったドレスの詳細や勝敗、あとはランク」
「ランク?」
「戦った経験値によって上がっていくレベルみたいなものだよ」
「私たちはE、、、」
「俺たちのランクは最低のF。昨日俺たちに勝ったからそっちのランクは1つ上がったんだろう」
説明しながら金髪は妹に抱きついた。妹はウザがっているがうらやま、、、けしからん奴だな。別に僕も渋谷さんに抱きつきたいとか思ってないぞ。
ていうか聞いた話は本家のドレスタとあんまり変わりないな。知らなかった訳じゃないぞ。ただ確認する機会がなかっただけだ。好きな人と話すのは童貞には結構ハードル高いんだよ。
はっ!
ここで僕は気づいた。ここまで本家とそっくりならありえるぞ、
「なぁ。もしかしてランクをSSまで上げればばこのゲームから解放されるのか」
僕の言葉を聞いた途端、渋谷さんは驚愕を目に浮かばせていた。当たり前だ。このゲームから解放される方法がわかったのだから。
「あぁ。俺たちもその可能性が高いと思ってる」
なるほど。確証まではないが推察としては同じらしい。
当面はSSランクを目指すべきだな。
その後はお互いの連絡先を交換して、学校名など知られて問題ない程度の個人情報を共有した。
そんなこんなしているうちに空もすっかり暗くなり人数も少し減ってきた。時計は18時を回っている。
今日はもう遅いということで解散になった
次会うのは5日後の土曜日だ
あの兄弟とは方向が違うようなので僕達は2人で帰宅していた。
「ありがとう。秋葉くん」
なんのことだろうか。ドレスタのレクチャーをしたことだろうか。それ以外は別に何も思いつかない。
「私気づいてたよ。私のこと考えて話してくれたことに」
なんだそんなことか。恐らくそれは無意識にやっている。それぐらい僕にとって渋谷さんは絶対の最優先事項だ。ただそれを言うのは恥ずかしいし嫌われたくないので言わない。
「そういう約束をしたからね」
そんなありきたりな返事をする。
「そっか。やっぱり優しいね」
そう言いながら彼女は僕の手を繋ぎ指を絡めてきた。
恋人繋ぎってやつだ
今僕の顔は酔っ払いがごとく赤いだろう。医者に見せればりんご病と言われるかもしれない。恐る恐る彼女の顔を覗く。
渋谷さんの顔は特段赤くは無かった。だが僕の視線に気づくとニヒルな笑顔を浮かべた。無邪気な子供のようなその顔には妖艶さを含んでいる。相反するものの融合によって生まれる美しさについ見とれてしまった。
「そんなに見つめられると流石に恥ずかしいかな」
「ご、ごめん」
それでも手は離されなかった。
その後は特に喋ることなく渋谷さんを家まで送り届け、1人夜道を歩いて帰る。手にはまだ彼女の温もりがあった。それだけの事が僕の決意をより固くしていく。
必ずSSランクになって彼女をこのゲームから解放する。
遅くなりました。すみません。なにぶん時間がなくて、いや言い訳ですね。
今回はどこで区切るか凄い悩みました。もっと書きたいんですが難しいですね。