翌日
特に何も考えずに朝の身支度をしていた。
大体いつも6時に起きる。コーヒーを入れながらパンを焼き、Alexaに今日の天気を聞く。コーヒーが入ると同時にトースターからチンと音がなった。そのまま朝食へ。ながらでネットニュースを眺めているとだいたい6時40分ぐらいに朝食が終わる。
それから最近始めた筋トレをする。体力はつけといて損は無いからな。ドレスタではあまり動く立場ではないけど何があるか分からない。例えば現実で攻撃されるとかね。筋トレが終わるとシャワーだ。この流れが1番効率いい。髪も顔も体も1度に整えられるからな。その後は着替えて7時20分に学校へ向かう。
これが僕の朝のルーティーンだ。
今日もいつも通りの流れで家を出た。ただ今日はいつもと少し違った。
金髪にセーラー服をきて、耳にはピアスをした女の子が立っていた。字面で見ればギャルなのに本人からは不思議と清楚さを感じる。
扉が閉まる音でこちらに気づいたらのか目が合った。
「おはよう。秋葉くん!」
「お、おはよう。渋谷さん」
こうして彼女に驚かされることが最近多い気がする。まぁ嬉しいことばっかりなので逆にありがたいが。
「えっとなんで僕の家の前に? というかいつからそこに?」
「一緒に学校に行こうと思って、ここには7時から、、、」
20分も家の前にいたのか。僕と一緒に学校に行くためだけに。僕が勘違い童貞クソ野郎なら「こいつ俺のこと好きじゃね」ってなってるよ。
ともかくそんな長時間待たせていたのは申し訳ないな。
「もしかして嫌だった?」
「いや全然嫌じゃないよ。ただ家の前で待たせてて悪いなって」
どうやら申し訳なさが顔に出ていたらしい。それを迷惑していると捉えたのだろう。
「そっか。じゃあ次からは待ち合わせ場所を決めようよ」
「うん。それがいいね」
ということで朝の待ち合わせは7時30分に近所の公園でとなった。あそこは東屋もあるので雨でも安心だ。
とりあえず今日はそのまま歩いて学校に向かうことになった。今日も冷え込んでいてなかなかに寒い。無意識に縮こまってしまうな。
「寒そうだね」
「まぁ秋も終わろうとしているからね。そろそろ冬に向けて対策しないと」
「そっか。なるほど」
たわいもない話をしながら一緒に登校する。誰かと一緒に登校なんて小学生以来ではないだろうか。かつ渋谷さんととなると嬉しさ100倍だ。これから毎日こんなのとか毎日がEverydayだな。
そうこうしているうちに学校に着いた。教室のドアを開けて2人で入る。すると辺りが突然ザワっとして皆こちらを見ていた。
なんだろうか、なにかしただろうか。訳が分からないまま各々の席に着く。その瞬間見てきたうちの女の方は渋谷さんのもとに。そして男は僕のもとに集まってきた。
これは本格的になにかありそうだ。ってか目が怖い。
「おい、秋葉」
「あ、あのー」
「どうして最近渋谷さんと仲がいいんだ!」
「ふぇっ」
な、なるほど。確かにごもっともな意見だ。クラスの中心人物で人気者の渋谷さんと1人なことが多い僕が一緒にいるのはまぁ不思議だよな。ただ僕たちの関係はちょっと他人には説明しにくいからどうしよう。
「キャ──────!」
そんなことを考えていると渋谷さんのいるところから女子たちの悲鳴が聞こえた。なんだろうか。
気になったのか僕のまわりの男子もあちらにいってしまった。そして女子たちから話を聞いている。
次の瞬間男子全員が僕の方を向いて睨みつけてきた。ほんとになんなんだ?
このままリンチに会うなと覚悟した。しかし予想はハズレ全員が自席に戻って行った。
昼休み
僕と渋谷さんはいつものとこで一緒にご飯を食べている。
「ねぇ渋谷さん。朝の時間に何があったの?」
僕はずっと気になっていたことをすぐに話題にあげた。
「ん、最近秋葉くんと仲良いけどどういう関係って聞かれただけだよ」
つまりだいたい僕と同じことか。女子ってそういう話好きだもんな。
「それでなんて答えたの?」
「友達だよって言ったよ」
まぁ嘘は言ってないな。ドレスタのことは話せないしそれがベストの回答だろう。でもそれだけで男子があんな目をするだろうか。あの目はなにか怨念のようなものがつまっていた気がする。
「ほんとにそれだけ?」
「うん。ほんとにそれだけ」
そうか。じゃあなんで男子はあんなに鋭い目線で僕を睨みつけてきたのだろう。
もしかして女子たちが話を盛ったとか? 有り得る話だ。それなら納得できる。ひとまず自分の中でそう結論づけてこの話は終わりにした。
じゃあ次の話だ。
「あ、あのさ、今度の土曜日空いてる」
「空いてるよ。あれでしょ、港くんにドレスタ教えるやつ。私も行くよ」
「そ、そっか。じゃあ大丈夫」
渋谷さんにはなんでもお見通しか。結構気合い入れたんだけど、まぁ来てくれるんだしいっか。
あっという間に土曜日になった。
ただ今日までの間に男子からは睨まれ女子からは値踏みされるような目で見られた。理由もよくわかんないし疲れる。
「おまたせ、じゃあ行こっか」
公園で待ち合わせしていると渋谷さんがやってきた。こういう時何をすればいいか僕は知っている。
「今日の服装もその、可愛いね」
「へ。あ、ありがとう」
よし。たぶん成功だ。今日のためにネットでデートの仕方を見ておいて正解だった。とりあえず似合ってなくても服を褒めろって書いてあったのだ。まぁ渋谷さんの格好はバチくそに似合っているのだが。
普段こういったことを言わないせいか渋谷さんも驚いた顔をしている。そう言うこと出来ない奴でマジすいません。
「えっと秋葉くん大丈夫? 疲れてる?」
「いや、大丈夫だよ」
連日の周りからの目線と今感じた自己嫌悪が顔に出ていたらしい。どうやら僕は顔に出やすいっぽいな。
駅前のショッピングモール
「大丈夫か秋葉。疲れてんのか?」
お・ま・え・も・か! なんだ。そんなにわかりやすいってか。なんかすげー悔しい。
「いや、だいじょう、、、」
待てよ。分からないことがあった時は人に聞くのも手だ。特に今回のような原因不明の被害というのは第三者の意見で意外な発見があるかもしれない。
そう思った僕は金髪と妹に周りからの目線について一部始終話した。
「おまえ、クソ鈍いな」
「渋谷さんかわいそう」
返ってきたのは予想外の返答だった。
なんだよ! 僕が鈍いって? 真剣に聞いたのにそんなのってあるかよ。
もういいわ、2度と聞かないね。ってか渋谷さんかわいそうなの!
不安になって渋谷さんの方を見る
「あはは、大丈夫だよ。逆に気にしないで」
はにかんだ笑いを浮かべた彼女がそこにはいた。
マジですか。僕が悪い感じなのか、これ。でも気にすんなって言われてるし気にしないでおいた方がいいのかもしれない。
とりあえず金髪の実力を見るために僕とドレスタで勝負することになった。
まず初めにお互いのプレイヤーカードを使ってログインする。金髪のプレイヤーネームは「いさみ」だった。本名をプレイヤーネームにしてるのは僕と一緒だな。僕のプレイヤーネームも「あきば」だ。
「え、ほんとにあきばなのか、、、」
試合が始まる前に金髪が小声でなにか言ったように聞こえたが気のせいだろうか。まぁいい今は試合だ。
「とりま僕のこと殴ってみてくれない」
「わ、わかった」
金髪がキャラを操作する。中段にパンチからの足を刈る。そしてそのまま投げ技をくりだした。
基本操作はできているようだ。今回は僕も全く抵抗しなかったのでうまくきまっている。
「よし。上手くいった」
金髪もそう思ったのだろう。ただそれは残念ながら間違いである。
「もう1回同じことやってみてくれない」
「わかった!」
金髪はもう1度中段のパンチをくりだす。それを僕はガードし逆に中段にパンチを打ち込んだ。
「うっ、くそ」
「勇は防がれたりカウンターされたりした時の対応がお粗末なんだ。それと単純に遅い。仮に中段が決まってもこのままじゃ次の技は避けられるよ」
「そ、そうか。なるほどな。じゃあどうすればいい?」
「まずは攻めよりも守りの練習をするべきだと思う。守りを練習すれば自然と操作も上手くなって早く動かせるようになるはずだから」
「じゃあ秋葉の攻撃を防げばいいんだな」
「いや、僕のじゃなくてまずは1番強いCPUでやってもらうよ。そいつの攻撃をある程度防げるようになったら僕としよう」
「そうだよな。いきなりランカーの攻撃を防ぐのは無理だよな」
こ、こいつもしかして僕のこと知ってるのか。
まずい! 渋谷さんに知られたら恥ずすぎる。最悪嫌われるかもしれない。
「渋谷運がいいよな。相方がランカーなんて。まぁこのゲームに参加させられてる時点で運がいいとは言えないかもしれないけど」
「どういうこと、港くん」
「え、知らないのか! 秋葉はこのゲームでランキング2位なんだよ。プレイヤースキルは最高レベルだ」
なんてことしやがるこの金髪野郎。全部言いやがった! これで僕の好感度は激落ち。もうおしまいだ、、、
「そう、なの? 秋葉くん」
「うん。まぁそうだよ。僕はこのゲームのやり込みオタクだよ」
「すごい! すごいよ!」
そう言いながら渋谷さんが僕に飛びついてきた。
なんだ。どうして僕に飛びついてきたんだ。普通気持ち悪がったりするだろ。
「えっと、なんで?」
「なんでってそれは秋葉くんが強いからだよ! 強ければ次も勝てる可能性が高いってことでしょ。それに私とってもかっこいいと思う」
かっこいいのか。確かに強いことは現状において最も大切だもんな。じゃあ言っても良かったのか。そうか、、、
ナイス金髪!
秋葉の勇への好感度が上がった
大変お待たせしてしまいました。なかなか上手いこと書けませんでした。今回の終わり方も変な感じになってしまって申し訳ないです。
ストーリーペースも頑張って増やしていきたいなー
誤字脱字あれば報告お願いします。
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