とあるオタク女の受難(インフィニット・ストラトス編)。リメイク   作:SUN'S

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第20話(織斑一夏)

タッグトーナメント当日。俺の予想に反してラウラ・ボーデヴィッヒとシャルは意外とコンビネーションが良くかなり手強いチームになっていた。

 

もしかしたら負けるかもしれない。

 

「なあ、箒。その…大丈夫か?」

 

「ああ、問題はないのだが。姉さんから出場するなとか私が強い専用機を作ってあげるなんて連絡が多くて疲れているが平気だ」

 

「それは平気でいいのか?」

 

そう突っ込んだのは悪くないと思う。

 

あの人はきっと努力している箒を見ていないんだろうな。なんて考えながらアリーナに飛び出る。ふたりとも気合いが入っているのはわかるけど、すごい形相だな。

 

「ボクだってタッグ組みたかったのに、なんだよ。そんなに篠ノ之さんのほうがいいの?ボクに『助ける』って言ってくれたのはウソなの?」

 

「いや、俺が言ったのは『困ったことがあったら手伝うぞ』だ。あと俺がこの世で一番愛してるのは篠ノ之箒、こいつだけだ」

 

俺がそう言うと箒が俯いてしまった。シャルはシャルで怨めしげに箒を睨み付け、ラウラ・ボーデヴィッヒはどこか羨ましそうに箒を見ている。

 

ふとラウラ・ボーデヴィッヒのISに違和感を感じたその時だった。いきなり泥のようなものが彼女を包み込んだかと思えば千冬姉の専用機に似たなにかが現れた。

 

俺は見ただけで理解した。

 

こいつ、千冬姉と先輩のISの良いところだけを組み合わせた継ぎ接ぎだ。ただでさえ人間を止めてる二人のパワーやスピード、テクニックも無理やり人の形に押し込めてるようなもの。そんなことをすれば器は、ラウラ・ボーデヴィッヒは壊れる。

 

「ルオォオオオォオォッ!!!」

 

「ちょ、ちょっとボーデヴィッヒさん!?」

 

いきなりの出来事に反応の遅れたシャルがラファールごと吹き飛ばされアリーナのバリアにぶつかる。ああ、くそ、マジか。パワーに関しては二人並みはあるということが判明した。

 

「ぼーっとするな、一夏ッ!!」

 

「わかっ、てるよぉ!!」

 

今のは瞬時加速……いや、そんな技術的なものじゃない。ただの突進だ。それなのに俺よりも速い。ギリッと悔しさのあまりラウラ・ボーデヴィッヒを睨み付け、歯を食い縛ってしてしまう。

 

「ごめん、箒。あっちで気絶してるシャルのこと任せてもいいか?」

 

「それは構わない。だが、どうするつもりだ?おそらく今のあいつはお前より強いぞ」

 

「ああ、たぶんな」 

 

俺を探して身体を捻って起き上がるラウラ・ボーデヴィッヒを見つめる。あいつは千冬姉や先輩を真似ているだけだろ。

 

まあ、それでも俺は確信してる。

 

「あいつを倒せば『最強』には近付ける」

 

その言葉にキョトンとする箒だったが、すぐに大きな溜め息を吐いた。そりゃそうだ。いきなり、そんなこと言われたら困るよな。

 

「まったく仕方のないやつだ。行ってこい」

 

「……おう!」

 

うん、やばかった。さっきの箒の笑顔、すごい嬉しそうなのにしょうがないなって感じのかわいい笑顔だった。すげぇかわいい。

 

おれ、かわいいしか言ってないな。

 

「ウオォラァッ!!」

 

「グッウゥ!?」

 

ただの振り下ろしを避け損ねるなにかを睨む。千冬姉なら避けていた。先輩なら攻撃していた。そんなことを考えながら剣を振るう。

 

横薙ぎに吹き飛ばされ、袈裟斬りに裂かれ、唐竹で打ちのめされる。弱い、弱すぎる。本当のこいつなら避けられる攻撃だ。

 

千冬姉の剣筋、先輩の身のこなし。どちらか片方を選べば少なくとも俺を倒せるだろう。しかし、継ぎ接ぎになったのはお前だ。

 

「だけど、そんな泥まみれで俺に勝てると思ってるのか?さっさとそこから出てこいよ、ボーデヴィッヒイィィィ!!」

 

渾身の一撃を叩き込む。ぱっくりと裂かれた泥を押し退けて彼女の手が現れ迷わず、その手を掴んで引き寄せた瞬間、ラウラ・ボーデヴィッヒがISを起動した。

 

「あれに関しては礼は言う。だが、私を人形のように扱ったアレは許さん!ゲルマン忍法"シュトゥルム・ウント・ドランク"!!」

 

そういうとラウラ・ボーデヴィッヒはブレードを展開して高速回転する。ゲルマン忍法のところでセシリアが反応してたけど、あれは無視しておこう。俺のこと未だに忍者だと思ってるし。

 

「つええぇりゃあぁぁぁぁっ!!!」

 

すげぇな、まるでドリルだ。

 

そんなことを思いながらもなにかを突き抜け、爆風と爆発に背を向けて立つラウラ・ボーデヴィッヒは格好良かった。

 

 

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