ハイスクールU✕D   作:ボルメテウスさん

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ディメンションナイザーを見て、ネオバトルナイザーと連想させたのは、私だけではないと思いたい。
そして、ディメンションロード!を聞いて、ウルトラマンを召喚できると思ったのは私だけではないと思いたい。
そして、そのまま妄想が膨れて、使ってみたいと思ったのは、私だけではないと思いたい。
だから、私は書いてしまいました。
それもこれも、魅力的すぎるディメンションナイザーのせいだ!
という事で、こちらで募集を行っていますので、皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=292936&uid=45956


運命の夜

その日は、短い人生の中で、最も不幸な日だと、今でも思う。

 

小学校からの帰り道。

 

それは突然、訪れた。

 

登下校からの帰り道、何気なく通った道。

 

普段ならば通らないような寄り道を。

 

それが何よりも不運な結果を招くとは、この時は思わなかった。

 

寄り道を通った時、僕に襲い掛かったのは、暗闇だった。

 

先程まで夕日で輝いていたはずの街は、一瞬で暗闇になった。

 

それだけでも恐怖だったが、それ以上の恐怖は突然だった。

 

「えっ」

 

上から聞こえる音。

 

獣を思わせるうなり声と共に、ゆっくりと見上げる。

 

そこにいたのは怪獣。

 

そうとしか言えない存在が、真っ直ぐと僕を見つめていた。

 

獲物のように見つめる瞳と口から垂れ流れる涎。

 

それは、僕を恐怖させるには十分過ぎた。

 

本能なのか、僕はすぐに走り出した。

 

その様子を見て、本来だったら、僕を簡単に殺す事ができたはずの怪獣。

 

だが、奴は、まるで玩具で遊ぶように、僕を襲う。

 

時折、わざと壁を壊して、瓦礫を僕を押し潰そうとする。

 

それらの攻撃は、僕の恐怖心を煽るには十分だった。

 

逃げ場がどこにもないのか。

 

そう思った時だった。

 

僕の胸元が青く光る。

 

それが何なのか分からない。

 

見ると、そこには青い機械があった。

 

手の平に治まる程度の、機械。

 

それが何なのか分からない。

 

そんな疑問と共に、カードが現れる。

 

そのカードはそのまま、機械の方へとスキャンされる。

 

『ディメンションロード!ウルトラマンゼロ!』

 

そう、僕の手元にある機械から音が鳴り響くと共に、その巨人が現れた。

 

僕の命を奪おうとした悪魔を思わせる怪獣から守るように。

 

「……なに?あれ」

 

僕は呆然としながら目の前の光景を見つめていた。

 

あぁ、やっぱり僕は夢でも見ているのか。

 

だって、あり得なだろう。

 

あんな巨大なものが突然現れるなんて。

 

しかも、怪獣と戦ってるだなんて。

 

『ここは一体。

 

まさか、君が俺を』

 

そう、巨人も、未だに何が起きているのか分からず、困惑している。

 

その最中で、巨人は僕の方へと目を向ける。

 

『確かめるのは後か。

 

君は、隠れていろ』

 

「うっうん」

 

巨人は、すぐに僕を守るように立ちふさがると、同時に、怪獣が襲い掛かる。

 

肘の側面に形成された鋏状の爪は、真っ直ぐと巨人に襲い掛かる。

 

しかし、巨人はその攻撃を軽く受け流すと同時に、回し蹴りを放つ。それは見事に怪獣の首に命中した。

 

首筋には鋭い牙が存在していて、それを狙った攻撃だったのかもしれない。

 

だが、怪獣はそれを受けても平気な様子であり、むしろ怒り狂ったかのように暴れまわっていた。

 

どうやら、先程の攻撃では倒せなかったらしい。

 

そんな怪獣に対して、巨人はすぐに距離を取る。

 

そして、今度は拳によるラッシュを仕掛けていった。

 

まるで、ボクシングのような動きである。

 

それに、怪獣は苦しむ様子を見せるものの、やはり倒れる気配がない。

 

すると、巨人の肩に食らいつく。

 

『ガアァァ!』

 

巨人は、そのダメージを受けてか膝をつく。

 

それでも、怪獣は離そうとしない。そのまま食いちぎろうとしていた。

 

「あっ危ない!」

 

このままだと、巨人は怪獣に殺されてしまう。

 

その思いで、恐怖で支配されそうだった時だった。

 

『諦めるな!!』

 

巨人から、声が聞こえる。

 

同時に、巨人は、その怪獣に向かって、蹴り飛ばす。

 

『どんなに苦しいときでも決して忘れてはいけない、キラメク未来は 君の瞳の中にあるんだ!』

 

同時に巨人は、僕に言うように叫ぶ。

 

その言葉は、先程まで怪獣に向けていた恐怖はなくなっていた。

 

同時に、心の底から湧き上がるのは、勇気だった。

 

「あなたは」

 

『ウルトラマンゼロだ。

 

さぁ、反撃の時間だぜ!!』

 

その言葉と共にウルトラマンゼロは、再び真っ直ぐと怪獣に向かって行く。

 

怪獣は先程のように噛みつこうとするが、それを素早く避けて、腹パンをする。

 

しかし、それで怯まずに腕を振るう。

 

それを受け止めると、怪獣はそのまま投げ飛ばした。

 

地面に叩きつけられた怪獣だったが、すぐに起き上がって吠えた。

 

それに、ウルトラマンゼロは構えるが、怪獣は、その口から炎を溜めていた。

 

その炎は、真っ直ぐとウルトラマンゼロに向かって、放たれた。

 

だが、ウルトラマンゼロは頭部に触れると共に、2つの刃を出す。

 

その刃は、そのまま怪獣の放つ炎を斬り裂く。

 

それに怯んだ怪獣に対して、ウルトラマンゼロは、そのまま2つの刃を両手に持ち、真っ直ぐと怪獣に向かって、突っ込む。そして、すれ違い様に切り裂いて行った。

 

怪獣はその傷跡から火花を上げながら倒れる。

 

その光景を見ながら、僕は思った。

 

(これが……ヒーロー)

 

そう思うと同時に、怪獣は再び立ち上がる。

 

それに対してウルトラマンゼロも、もう一度構える。

 

すると、怪獣は、その背中から巨大な翼を生やす。

 

その姿は、まさに悪魔であった。

 

先程とは比べものにならない程の圧倒的な力を、怪獣から感じる。

 

だが、自然と恐怖はなかった。

 

その理由は、簡単だ。

 

「ゼロ!!」

 

僕には、ウルトラマンがいる。

 

『あぁ、決めるぜ!!』

 

ウルトラマンゼロは、同時にそのままL字に構える。

 

『ワイドゼロショット!』

 

そして放たれた光線が、怪獣に向かって、放たれる。

 

それに対して、怪獣もまた、その口から巨大な火炎が放たれる。

 

火炎と光線。

 

2つが激突する。

 

こちらまで襲い掛かってくる熱風。

 

それに対して、僕は手にあるディメンションナイザーを強く握り締める。

 

「『はあああぁぁぁぁ!!!』」

 

僕とウルトラマンゼロ。

 

2つの声が1つになるように。

 

ワイドゼロショットの光線は、より強くなりながら、怪獣の火炎を押し返す。

 

そして―――。

 

ドオォン!! と、爆発音が鳴り響いた。

 

その音と共に怪獣の姿も消えていく。

 

「終わった」

 

そう、僕は、へたりと力なく倒れる。

 

『よくやったな』

 

そう、ウルトラマンゼロが僕に話しかける。

 

「僕は、何もできなかったよ。

 

だって、ウルトラマンゼロが助けてくれなかったら」

 

『それは違うぜ。

 

そのディメンションナイザー。

 

それは、俺達ウルトラマンを呼び出すだけじゃない。

 

君の心に反応して、ウルトラマンを強くする力を持つ』

 

「ディメンションナイザー」

 

そう言われ、僕は手元にある物を見つめる。

 

「ねぇ、このディメンションナイザーって、何なの!」

 

『それは、俺にも分からない。

 

そもそも、俺自身も、それに関してはあまり知らない。

 

けど、どうやらこの世界には、本来ならば存在しないはずの怪獣がいる。

 

それに対抗する為にかもしれない』

 

そう、ウルトラマンゼロも、はっきりと答えられない様子だった。

 

「そうか」

 

『君が望むならば「うぅん」っ』

 

「もしも、これで誰かを助けられるんだったら、助けたい!

 

ウルトラマンゼロのように!

 

けど、僕1人じゃ、できない。

 

だから」

 

『あぁ、俺が。

 

俺達ウルトラマンが、勿論力を貸すぜ』

 

その言葉と共に、確かに始まった。

 

僕とウルトラマン。

 

そして、この世界での戦いが。




ディメンションナイザー
本来ならば未来に残されたウルトラの記憶を読み取る事が可能な機械。
だが、どういう訳か、今作の主人公の手元に現れたディメンションナイザーは、ウルトラディメンションカードをスキャンする事で、ウルトラマンを召喚する『ディメンションロード』を発動する事ができる。
召喚されたウルトラマンは少年の心に応える形で強くなり、少年の成長に合わせて、本来の力を発揮できるようになる。
また、その成長によっては、本来とは異なる未知なる姿になる事も可能となっている。
かつて、存在したネオバトルナイザーとどこか似ているが、その詳細は未だに不明。

麻中と一体化しているウルトラマンは

  • ギンガ
  • ビクトリー
  • X
  • オーブ
  • ジード
  • ロッソ
  • ブル
  • タイガ
  • ゼット
  • トリガー
  • デッカー

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